ご参考資料 2015年4月6日 マニュライフ・インベストメンツ・ジャパン株式会社 原油市場とカナダ株式市場 ~ 原油価格下落の影響と今後の見通し ~ 昨年後半の原油価格急落により、原油産出国であるカナダ(世界第5位/2013年)の株式市場は値動きの荒い展 開となっています。 更なる原油価格の下落も一部では予想されている中、マニュライフ・アセット・マネジメントでカナダ株式運用を担 当するシニア・ポートフォリオ・マネージャーのショーナ・セクスミスの見解をお伝えします。 ■2014年7月以降の原油価格急落の主な背景 ●2014年7月以降、原油市場では米国、カナダによ るシェール革命を背景とした過剰生産が需給のバ ランスを崩すのではないかと懸念されていた一方 で、結局はOPEC(石油輸出国機構)が減産するこ とで原油価格は安定するだろうとの予想が過半を 占めていました。 ●しかし、2014年11月27日、OPECは原油の生産調 整はOPEC以外の国の行動にかかっているとして、 OPEC自身は減産を行わないことを総会で決めまし た。予想に反するこの決断は、その後の原油価格 の急落をもたらしました。 ●原油価格の急落に伴い、米国やカナダでは原油 生産に関連した新たな設備投資の凍結や一部の生 産を停止する等の企業行動が見られました。しか し、OPECは依然として生産調整を行っていません。 ◆原油WTI先物(期近物)の推移(2014年1月~2015年3月末) (米ドル) 120 100 80 60 40 20 '14/1 '14/4 '14/7 '14/10 '15/1 出所:Bloomberg ◆S&Pトロント総合指数の推移(2014年1月~2015年3月末) (ポイント) 16,500 15,500 14,500 ●これに伴い、原油関連を含むエネルギーセクター が市場の時価総額の約2割を占めるカナダ株式市 場は、大きな値動きとなりました。 13,500 12,500 11,500 '14/1 ◆S&Pトロント総合指数の業種別騰落率 (2014年7月~2015年3月末) '14/4 '14/7 '14/10 エネルギー 素材 ◆S&Pトロント総合指数の業種別構成比(2015年3月末) 金融 生活必需品 3.7% 公益事業 情報技術 2.4% ヘルスケア 5.3% 資本財・サービス 一般消費財・サービス 金融 34.7% 一般消費財・ サービス 6.6% 情報技術 生活必需品 ヘルスケア 資本財・サービ ス 8.5% S&Pトロント総合指数 -20.0% 公益事業 2.2% 電気通信 サービス 4.7% 電気通信サービス -40.0% '15/1 出所:Bloomberg 0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0% 出所:Bloomberg 素材 10.7% エネルギー 21.2% 出所:Bloomberg 上記は過去の実績であり、将来の動向を示唆・保証するものではありません。 1 ご参考資料 ■今後の見通し・注目ポイント 今後の見通し ●当面の間、原油価格は現状の1バレル60米ドルを下回る水準で推移すると見込まれますが、石油関連企業の株価 はこの原油価格水準を適切に反映していないと考えます。したがって、今後、石油関連株の値動きは原油価格の水 準を織り込む過程で一層大きくなり、これに伴いカナダ株式市場も値動きの荒い展開が続くと考えます。 注目ポイント ●今後の注目ポイントは、原油価格の下落や債務の増大に耐えられない石油関連企業に対する買収事例がでてくる ことでしょう。買い手としては、石油メジャーや巨額の資金を持つ企業が想定されます。 ●財務体質が強固な石油関連企業は、原油価格が1バレル60米ドルを下回るような環境でも生き残ることが出来ると 考えられ、原油の需給が改善する時には、高いリターンが期待されます。 ●今後の原油価格および石油関連業界の動きに注視しつつ、長期的な観点で投資機会をしっかり見定めることが重 要と思われます。世界は依然として毎日大量の石油を消費していることを忘れてはいけません。 ●エネルギー業界以外の航空・消費等の他のセクターにおいては、原油価格下落によるコスト削減などの恩恵を受 けることが期待できますし、対米ドルでのカナダドル安は輸出産業にとってはプラスです。 したがいまして、一概にカナダ株式市場全体に対して悲観的になる必要はありません。 (ご参考) ◆外国為替(カナダドル)の推移(2014年1月~2015年3月末) ◆外国為替(カナダドル)の推移(2014年1月~2015年3月末) (1カナダドル=米ドル) (カナダドル/円) 110 1.00 105 カナダドル高/米ドル安 0.95 カナダドル高/円安 100 0.90 95 0.85 90 カナダドル安/米ドル高 カナダドル安/円高 0.80 85 0.75 80 '14/1 '14/4 出所:Bloomberg '14/7 '14/10 '15/1 '14/1 '14/4 '14/7 '14/10 '15/1 出所:Bloomberg 当資料に関する留意事項 ● 当資料は、マニュライフ・インベストメンツ・ジャパン株式会社(以下「当社」といいます)が、投資判断の参考となる情報提供を目的として作成した ものであり、特定の投資商品の推奨を目的としたものではありません。 ● 当資料記載のデータや見通し等は、将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。 ● 当資料は、信頼できると考えられる情報をもとに作成しておりますが、正確性、適時性を保証するものではありません。 ● 当資料の内容は、作成時点のものであり、将来予告なく変更されることがあります。 ● 各指数に関する著作権等の知的財産、その他一切の権利は、各々の開発元または公表元に帰属します。 ● 投資信託は、預金または保険契約でないため、預金保険機構および保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。 ● 証券会社以外でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の保護の対象になりません。 ● お申込みの際は、必ず最新の投資信託説明書(交付目論見書)で商品内容をご確認の上、ご自身で投資のご判断をお願いいたします。 ● 当資料に関する一切の権利は、引用部分を除き当社に属し、いかなる目的であれ当資料の一部または全部の無断での使用・ 複製はできません。 マニュライフ・インベストメンツ・ジャパン株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第1985号 加入協会:一般社団法人投資信託協会 上記は過去の実績であり、将来の動向を示唆・保証するものではありません。 2
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