経腹的超音波検査による非侵襲的残尿測定 ※残尿量が多い時には上部尿路への影響を考え腎エ コーを検討する. 残尿測定専用の超音波装置 シスメックス株式会社の残尿測定装置「ブラダースキャン」 プローブ部を排尿後の患者の下腹部にあてるだけで、 残尿量の測定が自動的に行われる(測定時間は 2.5 秒) 検査・評価における注意 排尿直後に行う ばらつきが大きいので数回測定 残尿量 明確なカットオフ値なし 50ml以上を有意にとることが多い 膀胱内圧測定(cystometry) 内圧尿流測定(pressure-flow study) 膀胱内圧測定と内圧尿流測定 膀胱内圧測定:蓄尿期における膀胱の内圧と膀胱容量の 関係を測定する検査 膀胱の知覚(尿意の出現など)、膀胱の不随意収縮の有無、 膀胱コンプライアンスや膀胱容量などがわかる 内圧尿流測定:排尿時の尿流速度に加えて、連続的な 排尿筋収縮を測定 下部尿路閉塞の有無・程度、膀胱収縮機能の評価が可能 (1)蓄尿期における膀胱知覚 (2)蓄尿期における排尿筋機能 (3)排尿時の排尿筋収縮機能 (4)膀胱出口部閉塞の有無・程度 膀胱内圧測定(Cystometry) 注入ポンプ 注入媒体 尿流動態検査機器 圧トランスデューサー 膀胱内圧測定用 2ルーメンカテーテル 直腸内圧(腹圧) 測定用カテーテル カテーテルの挿入 膀胱内圧測定用カテーテル カテーテルの挿入 直腸内圧測定用カテーテル 直腸測定用のカテーテルについては専用のものが市販されて いるが、自施設では延長チューブにゴム手袋の指先部を切っ たものを糸で縛って作成したものを用いている。 EMG(準備、設定) ①表面電極:3枚を準備します 皮膚電極パッド (MMS-504P5)MMSヒフ電極パッド ②EMGケーブルのボタンに表面電極を取り 付ける 筋電図用ケーブル ③緑のパッドを患者大腿部に貼り付ける ④赤、黒のパッドを患者肛門近く3時9時に 左右対称で貼り付ける。 (左右の色は関係なし) ⑤水分による電極ショート防止のために、 電極上にテープを張るとよい 手技の流れ 1.体位を取る 2.カテーテル挿入 3.カテーテル固定 4.トランスデューサーと接続 5.0点補正 6.媒体注入 7.圧測定開始 8.蓄尿機能測定 (初発尿意、最大膀胱容量、誘発試験) 9.最大容量にて媒体注入停止 腹圧(直腸内圧)測定の意義 膀胱内圧 直腸内圧 (腹圧) 排尿筋圧 (膀胱収縮圧) 膀胱内圧ー腹圧 腹圧(直腸内圧)測定の意義 膀胱内圧 直腸内圧 (腹圧) 排尿筋圧 (膀胱収縮圧) 膀胱内圧ー腹圧 検査における注意 体位:砕石位、臥位、座位 カテーテル:5-12F程度 水(造影剤)媒体が望ましい CO2ガス 検査時間短縮、検査場所の汚染回避には有用 非生理的 注入速度が速く、膀胱の反応が人工的に変化 圧縮性高く、微妙な変化がとらえられない 膀胱に対する刺激性 アーチファクトが出やすい 排尿検査が不可能 国際禁制学会はガスによる尿流動態検査に否定的 検査における注意 注入スピード 生理的注入速度: 体重(Kg)÷4 ml/min以下の注入速度 通常は50ml/min程度でよい 注入ポンプ・自然滴下(ボトル内に空気注入) 0点補正 トランスデューサーを恥骨レベルにおいて、 恥骨レベルの大気圧を0 膀胱内圧空虚時時の内圧を0にリセット 膀胱内圧測定におけるパラメーター 膀胱内圧 (cmH2O) 排尿許可 蓄尿期 50 膀胱不随意収縮 初発尿意 0 150 300 膀胱容量 (ml) 最大膀胱容量(膀胱内圧検査における) 膀胱コンプライアンス 目安:20ml/cmH20以下だと低コンプライアンス 50 0 150 300 膀胱容量 (ml) B A 膀胱容量(A) / 排尿筋静止内圧(B)=膀胱コンプライアンス(ml/cmH2O) 評価における注意 正常値:個人差大きい 初発尿意容量:150-200ml、最大膀胱容量:300-500ml 初発尿意の信頼性 膀胱不随意収縮: 検出率の問題 誘発試験の重要性 直腸内圧(腹圧)の同時測定が望ましい 膀胱内圧測定は基本的には蓄尿機能の検査 →内圧尿流検査が望ましい 膀胱尿管逆流、膀胱変形、下部尿路閉塞、水腎症など →ビデオウロダイナミクスが望ましい ビデオウロダイナミクス 下部尿路機能のみならず、膀胱の形態的変化や膀胱尿管逆流 なども同時に評価することができ、より多くの情報を得る ことが可能 外尿道括約筋筋電図 蓄尿時には外尿道括約筋は収縮し排尿時には弛緩する。膀胱 排尿筋と外尿道括約筋の協調機能の障害により蓄尿・排尿障 害が起こることがある。(排尿筋括約筋協調不全;DSD). 正常例 膀胱収縮時に外尿道括約筋活動の 静止 がみられず、逆に括約筋活動の亢進が みられる。 DSD例 外尿道括約筋筋電図 パラメーターおよび検査方法 通常は,外尿道括約筋の電気信号の記録の振幅の大きさにより括約筋 活動の強弱を判定する。 表面電極は、実際には肛門括約筋の活動を測定しており,通常は肛門 括約筋と外尿道括 約筋の活動は同期しているので問題はないが、神経 疾患に伴う下部尿路機能障害におい ては、肛門括約筋と外尿道括約 筋の活動が乖離することがあり注意を要する.
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