春のワンポイントお手入れ講座 3軒から始めるまちの緑

春のワンポイントお手入れ講座
「界わい緑化」とは、ご近所同士で緑化に取
り組むことにより、まち全体につながる緑を
広げていく取り組みです。
〇水 や り
ポイント①水やりは土の表面が乾いてから
1月
土が乾くことで、水を求めて根が伸びていきます。
根を伸ばすことで植物は安定し、育ちも良くなり
草取り
落ち葉
ポイント②一度にたっぷりと
植物の根には水以上に空気が大切です。水やり
は土の空気を入れ替える意味もあるのです。
ポイント③葉水も忘れずに
植物は葉で呼吸するため、水をかけることで葉
3月
4月
5月
水やり
日常の
管理
ます。
2月
そのと
きどき
の管理
気温が下がる
時期は暖かい
日中に水やり
病害虫
の発生
●消毒(病害虫防除)
消毒
常緑樹の落
ち葉のピーク
はこの時期
●施肥(芽だし肥)
施肥
●剪定
剪定
の周りに水蒸気の膜をつくり乾燥を防ぎます。
ポイント④季節ごとのやり方
冬~春:土の状態をみながら、1~2週間に一度のペースでやりましょう。
ポイント⑤プランターの場合
地植えであれば、乾燥している冬でもほとんど水やりをする必要がありませんが、プランターの場合は2・3日に一度水
緑化施工前
をやりましょう。
〇春の芽だし肥(春肥)
窒素、リン酸、カリウム、カルシウム、マグネシウム、イオウなどの栄養素がバランスよく含まれる肥料を説明書に従い
適切な分量で与えましょう。3~4月の萌芽期に根の活動が盛んになります、速効性のある水溶性化成肥料(尿素、硫
安、など)がおすすめです。萌芽や枝の伸長を助ける効果があります。
〇春に向けての剪定(基本剪定)
樹木への負荷や生育への影響が少ない休眠中の期間(12 月~3 月頃)に、
落葉樹や耐寒性のある常緑樹の基本的な骨格を作る為の整枝剪定を行い
ます。
〇日常的な範囲での剪定方法
①
JR 大塚駅
②
要町
①の位置で切ると、樹木にかかる負担が小さくて済み、切り口が早く治癒
池袋駅
します。②の位置で切ると、芽がない場合、①の位置まで枯れこむことが
あります。
界わい緑化大塚モデル地区
界わい緑化目白地区
3軒から始めるまちの緑
JR 目白駅
「界わい緑化」とは、ご近所同士で緑化に取り組むことにより、まち全体につながる緑を広げていく取り組みです。
区では「界わい緑化」による緑化を支援するために、ご近所同士や商店街などのグループ(3軒以上)が緑化をする際
に、経費の5分の3(上限15万円)を助成しています(助成要件があります)。また「界わい緑化」を検討されているグル
ープには、モデル植栽地の見学会や、緑を活かした快適な暮らし方をお伝えする「『緑の体感』出張セミナー」も実施し
ています。助成要件など詳しくは下記までお問合せください。
【問合せ先】豊島区環境政策課 環境事業グループ TEL:03-3981-2771 FAX:03-3981-6207
E-mail:[email protected]
発行/豊島区界わい緑化事業プロジェクトチーム
発行日/平成27年3月
豊島区界わい緑化 座談会
~界わい緑化に取り組んでみて~
O
:目白地区には「目白まちづくり倶楽部」という組織があり、以前から安心・安全のまちづくりの視点よる緑化に取
り組んでいました。私もそのメンバーの一員で、そこで豊島区界わい緑化事業の話を聞きました。自分の家と
豊島区では、「民地に少しでも緑を増やそう」と界わい緑化事業を展開しています。今回、これまで界わ
い緑化(まちなか緑化)に取り組んだ各地区のコアメンバーの皆さんに、本事業への思いや今後の展開
についてお話いただきました!
その周辺のお宅から実施しようということになり、まずはいつもお願いしている植栽事業者に「豊島区界わい緑
化事業」の趣旨を丁寧に説明することから始まりました。これからも一緒に緑化をしていく大切なメンバーです
から。おかげで素敵な緑化が実現したと思っています。このように植栽事業者にも内容を理解してもらうことも
大切ですね。
今 後 の 取 り 組 み に つ い て
聞き手:緑化が実現した後は緑を育んでいかなくてはいけないですよね。
樋口:大塚地区には、緑に詳しい方々がいますので、身近な花や緑についてわ
からないことは教えていただきながら育てることができます。
林
:ある程度のことはご近所同士で助け合えると思っています。近所を回っ
ていると自然にコミュニティができている感じがしますね。どうしても
私たちだけでできないことは、希望者のみ植栽事業者に共同管理をお
座談会メンバー
外山 克己さん(池袋御嶽町会会長/まちなか緑化モデル地区)
林 英子さん(大塚駅南町会、サンモール大塚商店街/豊島区界わい緑化モデル地区 )
樋口 久恵さん(大塚駅南町会/豊島区界わい緑化モデル地区)
O さん(目白地区/豊島区界わい緑化事業を活用)
願いするという仕組みをつくっています。池袋地区の例を聞いて、大塚
地区でも同じような仕組みをつくりました。
外山:専門家や植栽事業者に相談できる関係づくりが大切だと思いました。そ
のような仕組みがあることで、安心して「界わい緑化をやってみようか
緑化を始めたきっかけについて
な」という人が増えるといいなと思っています。
O
聞き手:まずそれぞれの地区の紹介をしていただけますか。
外山:池袋駅西口から徒歩 10 分程度の場所にある町会です。本町会は
同管理の仕組みをつくっても、最初は小規模な単位の仕事になってしまうことが多いでしょう。地域とのつなが
▲タリーズコーヒー(大塚地区)
りができて“やりがい”を感じてもらえるのが何よりですが、それだけではなく界わい緑化が植栽事業者の宣伝
「街をきれいにする」ことを目標に様々な取組みをしていたため、
効果になるようなことがあってもよいと思っています。
(公財)東京都公園協会(以下公園協会)の「まちなか緑化モデ
界わい緑化事業を活用してよかった点/これからやってみたいこと
ル事業」の話を聞き、これはよい試みだと思いました。その後ま
ちづくりの専門家やデザイナーと、まち歩きやワークショップを
聞き手:本事業を活用してよかった点、また、これからやってみたいことがあ
重ねた結果、町会の枠を超えて池袋西口全体に展開していきた
ればお聞かせください。
いという思いから「NPO法人ゼファー池袋まちづくり」と一緒に
取り組むことになりました。一軒家だけでなく、地域密着型の事
外山:一緒に緑化に取り組んだ「障害者支援施設いけぶくろ茜の里」と地域
▲カフェドシュシュ(池袋地区)
との関係が構築できたことは大きかったです。また、将来的には補助
業所、NPO 法人、障害者支援施設など、自然と口コミで拡がり、
173 号線に桜などを植え、界わい緑化とのつながりができれば素敵
うまく点から線、線から面に緑化が展開できたと思っています。
だと思っています。
(※1)
林
:今後、植栽事業者の立場も考えていかないといけないですね。例えば共
林
:商店街に来てくださるお客様が、デザインされた緑に気付いてくれると
:大塚地区は、地域で都電沿線のバラづくりに取り組んでいます。
うれしく思います。これからさらに大塚駅前の整備が進むので、駅を
もともと、まちのために木や花を植えたり、美化活動をしたりし
降りてバラを眺めながら商店街で買い物をし、住宅地の界わい緑化
ようという意識が高い地域です。平成 23 年に豊島区から「界わ
や桜並木をお散歩…という流れができると素敵ですね。
い緑化のモデル地区として取り組んでみないか」という話があり
▲専門家とのワークショップ
ました。専門家が派遣され、ワークショップやまち歩きをし、緑
O
:緑化をツールにして、ご近所付き合いがより一層楽しくなっています。
目白は閑静な住宅地でイメージもとても良いと思っていますが、一
方で夜道が暗い通りもあります。改善するために、緑化を切口に考え
がもたらす快適さや、緑化のデザイン、コミュニティについて話
ていくと楽しく展開していけると思っています。また大塚地区ではバ
し合いました。専門家と共に進められる仕組みがよかったです。
ラで魅せているように、目白や他の地区でもその地域のイメージに
樋口:商店街ですでに界わい緑化が行なわれていたので、住宅地への
ふさわしい花や緑を皆さんから提案していただいて、緑化が広がっていくとよいですね。
展開は割とスムーズでした。近くで視覚的に緑化の事例を見ら
※1.まちなか緑化事業とは、公園協会が、民有地の緑化を推進するために、平成 20 年度より実施している事業です。これまで、杉
並区久我山、台東区浅草にて商店街モデルを、中野区中野、豊島区池袋にて住宅地モデルを実施し大きな成果を上げてい
ます。
れることは、イメージがしやすく大切だと思いました。
▲モデル植栽地のまち歩き