不動産マーケットレポート

2
F e b r u a r y, 2 0 1 5
不動産マーケットレポート
個人による賃貸住宅の取得・建設が増勢、
賃貸収益は底打ちに ・・・・・・・・ 2
経済トレンド・ウォッチ ・・・・・・ 4
不動産市場トレンド・ウォッチ ・・・ 6
開示・公開情報にみる個人の
不動産売買状況 ・・・・・・・・・・ 8
■本 レポ ートに 関 するお 問 い 合 わ せ 先■
みずほ信託銀行株式会社 不動産業務部
金子 伸幸 TEL.03-3274-9079(代表)
個人による賃貸住宅の取得・建設が増勢、
低金利などの資金調達環境の好調さ、
今年 1月1日に施行された相続税改正への対応などを背景とし
て個人による収益不動産の取得・建設が堅調に推移しており、中でも1 棟あたりの物件価格が比較的手
頃な賃貸住宅の投資需要が高まっています。このような状況の下、本稿は賃貸住宅を中心に、個人によ
る不動産投資について状況を整理します。
●個人による賃貸住宅の着工戸数が反転増加、取得・建設資金の新規貸出も増勢で推移
賃貸住宅の新設着工戸数は、
リーマンショック以降の
貸住宅供給が増加しました。
景気停滞で大きく減少しましたが、市況の改善に伴って
資金の動きからみると、個人が賃貸住宅の取得や建
不動産会社や SPC 等の会社が 2010 年度から着工を増
設を行う際に銀行から借り入れた額は、住宅ローンの借
加、次いで個人による建築着工が 2012 年度に増加、
入や不動産業向けの設備資金融資※ 2 を上回る増勢で
2013 年度も増勢が続いています
[図表 1]
。
推移しています[図表 2]
。増加に転じた賃貸住宅の新
かつては会社形態で賃貸住宅の供給を行うものは少
設着工とあわせて、前述した既設賃貸住宅を不動産会
なかったのですが、賃貸住宅を保有するJ-REIT の登
社やSPC 等から取得することで、個人の取得も増加して
場
※1
いるとみられます
[P8の図表 6]
。
で、不動産会社や SPC 等が賃貸住宅を建設して
J-REIT 等に売却する動きが活発化し、会社形態での賃
[図表 1]
減少していた個人による賃貸住宅着工が回復
建築主別にみた賃貸住宅の建築着工戸数
(万戸)
40
35
個人が建築主
30
25
20
会社が建築主
15
10
5
国、自治体、その他団体が建築主
0
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013(年度)
データ出所:国土交通省「建築着工統計調査」
[図表 2]
個人が行う賃貸住宅の取得や建設資金向けの新規銀行貸出が好調に推移
貸出先別にみた国内銀行の新規貸出と個人向け住宅ローンの新規貸出(2009年6月期を100とする指数)
(指数)
300
個人による賃貸住宅の取得・建設資金向け新規貸出額
250
200
150
100
50
0
不動産業による賃貸用不動産の取得・建設資金向け新規貸出額
個人住宅ローンの新規貸出額
6月期 9月期 12月期 3月期
2009年
6月期 9月期 12月期 3月期
2010年
6月期 9月期 12月期 3月期
2011年
6月期 9月期 12月期 3月期
2012年
6月期 9月期 12月期 3月期
2013年
6月期 9月期
2014年
データ出所: 日本銀行「貸出先別貸出金」
「個人向け貸出金
(住宅資金)
」。国内銀行による設備資金等の新規貸出額を集計。
2
2015, February
みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート
賃貸収益は底打ちに
●賃貸マンションの稼働状況や不動産所得など、収益関連の指標は底打ち傾向を示す
個人が取得・建設する賃貸住宅の増加に対して、賃
[図表 4]
。1 人あたりの不動産所得※ 5も同じく2011 年以
貸住宅から得られる収益の増加ペースはやや遅れてい
降僅かながら増加に転じており、
賃貸市況の改善が進む
ます。
につれて増加傾向が強まるとみられます。
J-REIT が全国に保有する賃貸マンションの賃料収入
単価
※3
は、政令指定都市と東京 18 区
※4
は横ばいないし
下落傾向で推移しており、東京都心 5 区でようやく底打
ちの可能性がみえてきた状況です[図表 3]。とはいえ、
低下していた稼働率はリーマンショック前の水準まで上昇
しており、
今後は賃料の増額を探る展開が予想されます。
賃貸住宅等の収益不動産から得られた不動産所得
は、不動産賃貸市況の停滞とともに減少しましたが、
2011 年度の 5 兆 9 千億円を底に微増に転じています
(以上、
都市未来総合研究所 平山 重雄)
※ 1 2002 年 6月12日に上場したオリックス不動産投資法人が賃貸住
宅を保有する最初のJ-REIT
※ 2 賃貸用不動産の取得または建設用の資金。販売用不動産であ
る分譲マンションの建設資金は運転資金であり、設備資金には含
まれない。
※ 3 貸室賃料収入÷
(賃貸可能面積×稼働率)
として算出。フリーレン
ト等の値引きを差し引いた実績としての賃料水準である。
※ 4 東京23区のうち、
東京都心5区
(千代田区、
中央区、
港区、
新宿区、
渋谷区)
以外の18 区
※ 5 不動産所得のある納税者1人あたりの不動産所得額
[図表 3]J-REITが保有する賃貸マンションの稼働率が上昇し、坪あたり収入単価は東京都心 5 区で底打ち
J-REITが保有する賃貸マンションの平均賃料収入単価
(円/坪・月)
13,000
(東京都心5区:円/坪・月)
16,000
J-REITが保有する賃貸マンションの平均稼働率
(%)
98
周辺18区および都下
(左目盛)
12,000
15,500
11,000
15,000
10,000
14,500
東京都心5区
(右目盛)
周辺18区および都下
96
94
92
9,000
14,000
8,000
13,500
東京都心5区
政令指定都市
90
政令指定都市
(左目盛)
7,000
下期 上期 下期 上期 下期 上期 下期 上期 下期 上期 下期 上期 下期 上期
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
13,000
2014(年)
88
下期 上期 下期 上期 下期 上期 下期 上期 下期 上期 下期 上期 下期 上期
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014(年)
データ出所: 都市未来総合研究所「ReiTREDA」
(注)
エンドテナントへの直接賃貸物件とマスターリース
(運営のみ)
物件、
かつ、
J-REITの対象決算期 26 期のうち
14 期以上の実績データのある物件を対象とした。
[図表 4]2009 年度以降減少していた一人あたりの不動産所得が底打ち
個人の不動産所得と納税者数
不動産所得総額:兆円
納税者数
(
( )
内の目盛)
:百万人
8
(2.67)
不動産所得の総額
(左上目盛)
1人あたりの不動産所得:万円
295
1人あたりの不動産所得
(右目盛)
不動産所得のある納税者数
(左下
( )
内目盛)
7
(2.33)
285
6
(2)
275
5
(1.67)
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
265
2013
(年度)
データ出所: 国税庁「統計年報」
みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート
2015, February
3
経済トレンド・ウォッチ
■ 景気の動向(全国)
図 1 景気動向指数
140
(景気動向:CI指数 2010年=100)
130
(10月)
120
C118.6
A.
先行指数
B109.9
110
B.
一致指数
A104.5
100
90
C.
遅行指数
80
70
1月
2005年
1月
2006年
1月
2007年
1月
2008年
1月
2009年
1月
2010年
1月
2011年
1月
2012年
1月
2013年
1月
2014年
1月
2015年
注:図の指数は第 10 次改定の値。
データ出所:内閣府
「景気動向指数」
図 2 景気ウオッチャーの景気判断指数
70
(景気の方向性:DI指数)
(11月)
60
B44.0
50
40
A.
景気の現状判断DI
A41.5
30
B.
景気の先行き判断DI
20
10
1月
2005年
1月
2006年
1月
2007年
1月
2008年
1月
2009年
1月
2010年
1月
2011年
1月
2012年
1月
2013年
1月
2014年
1月
2015年
データ出所:内閣府
「景気ウォッチャー調査」
図 3 企業の業況判断指数
30
(業況判断指数:業況DI)
20
14
(12)
10
7
(3)
5
(1)
0
(-4)
0
‒10
全規模合計
大企業
(12月)
‒20
中堅企業
‒30
‒40
中小企業
‒50
‒60
3月 6月 9月12月3月 6月 9月12月3月 6月 9月12月3月 6月 9月12月3月 6月 9月12月3月 6月 9月12月3月 6月 9月12月3月 6月 9月12月
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
注:「大企業」は資本金 10 億円以上、
「中堅企業」
は資本金 1 億円以上 10 億円未満、
「中小企業」
は資本金 2 千万円以上 1 億円未満。
( )内の数値は直近調査の 3 ヶ月後に関する予測値
(本稿は 3 月を対象とする予測値)
。
データ出所:日本銀行
「全国企業短期経済観測調査
(短観)
」
【データ概要】
4
2015, February
図 1 景気動向指数の CI 指数
:CI 指数は、景気の拡大・後退の大きさやテンポを示す。
(CI:コンポジット・インデックス) 景気先行指数は、景気一致指数より数ヶ月先行して動き、景気を予知するための指数。
景気一致指数は、
実際の景気動向とほぼ一致して動き、景気の現状を示す指数。
景気遅行指数は、景気一致指数より数ヶ月遅れて動き、景気の変化を確認する指数。
図 2 景気ウオッチャーの景気判断指数
:景気の動きに敏感な職業の人を景気ウオッチャーに選び、街中の景気の現状や先行き
( 2 , 3 ヶ月先)について、景気ウオッチャーの判断による景気の方向性を示す指数。
(DI 指数:50=変わらない・横ばい、50 より高い =良くなる、50 より低い = 悪くなる)
図 3 企業の業況判断指数
:業況が「良い」と答えた企業の割合から、「悪い」と答えた企業の割合を引いた値を
業況判断指数とするもの。「良い」と「悪い」の回答割合が同じ場合は「0」となる。
みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート
■ 物価・雇用・金利等の動向(全国)
図 4 物価指数
(2010年=100)
110
(11月)
C105.3
A. 消費者物価指数
(生鮮食品を除く総合)
105
A103.4
B. 消費者物価指数
(民営家賃)
100
B97.9
C. 国内企業物価指数
(総平均)
95
90
1月
2005年
1月
2006年
1月
2007年
1月
2008年
1月
2009年
1月
2010年
1月
2011年
1月
2012年
注:国内企業物価指数の 11 月は速報値。
1月
2013年
1月
2014年
1月
2015年
データ出所:総務省
「消費者物価指数」
、
日本銀行
「企業物価指数」
図 5 雇用情勢
8.0
(完全失業率 : %)
(有効求人倍率 : 倍)
(11月)
1.4
1.12 1.2
7.0
6.0
1.0
5.0
0.8
4.0
0.6
3.0
3.5% 0.4
2.0
0.2
1.0
1月
2005年
1月
2006年
1月
2007年
1月
2008年
1月
2009年
1月
2010年
1月
2011年
1月
2012年
1月
2013年
完全失業率
(左目盛)
有効求人倍率
(右目盛)
0.0
1月
2015年
1月
2014年
注:図の値は季節調整値。完全失業率の 2011 年 3 月から 8 月は、
岩手県、
宮城県、
福島県を除く全国の結果
(11 月は速報値)
。
データ出所:総務省
「労働力調査」
、
厚生労働省
「職業安定業務統計」
図 6 主要金利
(%/年)
4.000
(11月)
3.500
3.000
2.475
2.500
2.000
2.160
1.500
1.150
1.000
0.500
0.420
0.000
1月
2005年
1月
2006年
1月
2007年
1月
2008年
1月
2009年
【データ概要】
1月
2010年
1月
2011年
1月
2012年
1月
2013年
1月
2014年
長期固定金利型
住宅ローン
(返済期間20年以下)
都市銀行
住宅ローン
(変動)
長期プライムレート
長期国債
(10年物)
新発債流通利回り
1月
2015年
データ出所:日本銀行
「金融経済統計」
、
日本相互証券及び住宅金融支援機構ホームページ公表資料
図 4 消費者物価指数
国内企業物価指数
:全国の家計に係る財及びサービスの価格等を総合した物価を時系列的に測定する指数。
:企業間で取引される国内向け国内生産品の価格水準を示す指数。
図 5 完全失業率
有効求人倍率
:労働力人口
(15 歳以上で働く意志をもつ人)に占める完全失業者の割合。完全失業者は一定
期間中に収入を伴う仕事に従事しなかった人で、実際に求職活動を行った人。
:公共職業安定所で扱う求職者1人に対する求人数。
図 6
長期固定金利型住宅ローン
都市銀行住宅ローン
(変動)
長期プライムレート
長期国債新発債流通利回り
:民間金融機関と住宅金融支援機構の提携商品「フラット35」の借入金利の最高。
(保証型は含まない)
:個人向け都市銀行住宅ローンの変動金利型の基準金利。
:民間金融機関が信用力の高い企業に資金を1年以上貸付ける際の基準となる貸出金利。
:金融機関や機関投資家などの間で取引される長期国債新発債の利回り。
注記:図 1 から図 6 はいずれも 2014 年 12 月 26 日時点で入手できたデータに基づき作成
みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート 2015, February
5
不動産市場トレンド・ウォッチ
■ 東京圏
図 1 用途別平均地価
(基準地価の前年比)
5.0
(%)
4.0
3.2
3.0
1.9
2.0
1.0
0.8
0.5
住宅地2013年
2.9 3.1
0.5
1.0
1.4
0.5
1.1
1.7 1.8
2.2
2.2
1.4 1.5
1.1
0.3
0.0
住宅地2014年
0.5
0.3
0.2
-0.3
-1.0
商業地2013年
-0.3
商業地2014年
-2.0
-3.0
東京23区
多摩地域
横浜市
川崎市
さいたま市
千葉市
注:各年 7 月 1 日現在の地価の対前年変動率の平均。
データ出所:国土交通省
「都道府県地価調査」
図 2 総人口の推移
12,000
(千人)
(%)
2.0
2012年4月(左目盛)
10,000
1.5
8,000
1.0
2014年4月(左目盛)
6,000
0.5
4,000
0.0
2013年4月
前年同月比増減率
(右目盛)
2,000
-0.5
0
東京都区部
東京都下
横浜市
川崎市
さいたま市
-1.0
千葉市
2013年4月(左目盛)
2014年4月
前年同月比増減率
(右目盛)
注:各年 4 月 1 日現在の値。
データ出所:各都市の
「推計人口」
及び総務省公表資料
図 3 J-REIT 保有賃貸マンションの NOI 評価額利回り
[運用時 NOI 利回り]
16.0
(%)
(前年同期比:%ポイント)
2.0
14.0
1.5
2012年6月期
(左目盛)
12.0
1.0
2013年6月期
(左目盛)
10.0
8.0
6.0
0.5
0.0
-0.2
-0.2
5.5
4.0
5.0
-0.4
5.3
-0.3
6.4
5.8
-0.3
6.0
-0.5
-1.0
-1.5
2.0
0.0
0.0
全国
東京23区
都下
(多摩地域)
-2.0
神奈川県
埼玉県
2014年6月期
(左目盛)
2013年6月期
前年同月比増減率
(右目盛)
2014年6月期
前年同月比増減率
(右目盛)
千葉県
注:各投資法人の 2014 年 6 月末までの決算資料による。
【データ概要】
6
2015, February
データ出所:都市未来総合研究所「ReiTREDA(リートレーダー)
」
図 1 用途別平均地価
(基準地価)
:都 道府県地価調査に基づく各年 7月1日現在の地価の対前年平均変動率。
都道府県地価調査は、国土利用計画法施行令に基づき、都道府県知事が毎年 7月1日における調査
地点の正常価格を不動産鑑定士の鑑定評価を求めた上で判定するもの。
図 2 総人口
:各 都市の行政区域に常住する人口総数の推計値。
国勢調査人口を基準とし、これに毎月の住民基本台帳等の増減数を加えて推計したもの。
図 3 NOI 評価額利回り
:NOI 評価額利回りは、J-REIT(上場不動産投資信託)の全投資法人が保有する住居専用型賃貸
マンションの期末鑑定評価額に対する直近 1年間の純収益
(NOI )の割合を示す。
図は地域別に物件毎
(賃料保証・固定賃料物件を除く)の NOI 評価額利回りを単純平均したもの。
みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート
■ 主要大都市(札幌・仙台・名古屋・京都・大阪・神戸・福岡)
図 4 用途別平均地価
(基準地価の前年比)
5.0
(%)
4.2
4.0
2.7
3.0
2.0
1.0
0.5 0.7
1.4
4.0
3.9
2.1
1.8
2.4
0.2
0.0
0.8
0.2
1.8
1.5
1.0
0.4
2.3
住宅地2014年
0.7
0.1
商業地2013年
-0.2
-0.6
-1.0
2.2
2.1
1.7
1.0
住宅地2013年
3.4
3.1
商業地2014年
-2.0
-3.0
札幌市
仙台市
名古屋市
京都市
大阪市
神戸市
福岡市
注:各年 7 月 1 日現在の地価の対前年変動率の平均。
データ出所:国土交通省
「都道府県地価調査」
図 5 総人口の推移
3,000
(千人)
(%)
2.0
2012年4月(左目盛)
2,500
1.5
2,000
1.0
2014年4月(左目盛)
1,500
0.5
1,000
0.0
2013年4月
前年同月比増減率
(右目盛)
500
-0.5
0
札幌市
仙台市
名古屋市
京都市
大阪市
神戸市
-1.0
福岡市
注:各年 4 月 1 日現在の値。
2013年4月(左目盛)
2014年4月
前年同月比増減率
(右目盛)
データ出所:各都市の
「推計人口」
及び総務省公表資料
図 6 J-REIT 保有賃貸マンションの NOI 評価額利回り
[運用時 NOI 利回り]
(%)
16.0
(前年同期比:%ポイント)
2.0
14.0
1.5
12.0
1.0
10.0
0.0
8.0
6.0
-0.2
6.2
-0.2
-0.1
7.0
6.6
4.0
6.2
0.5
-0.1
-0.2
6.0
0.0
5.9
-0.7
6.0
-0.2
6.0
2.0
0.0
-0.5
-1.0
-1.5
政令指定都市
札幌市
仙台市
注:各投資法人の 2014 年 6 月末までの決算資料による。 【データ概要】
名古屋市
京都市
大阪市
神戸市
福岡市
-2.0
2012年6月期
(左目盛)
2013年6月期
(左目盛)
2014年6月期
(左目盛)
2013年6月期
前年同月比増減率
(右目盛)
2014年6月期
前年同月比増減率
(右目盛)
データ出所:都市未来総合研究所「ReiTREDA(リートレーダー)
」
図 4 用途別平均地価
(基準地価)
:都 道府県地価調査に基づく各年 7月1日現在の地価の対前年平均変動率。
都道府県地価調査は、国土利用計画法施行令に基づき、都道府県知事が毎年 7月1日における調査
地点の正常価格を不動産鑑定士の鑑定評価を求めた上で判定するもの。
図 5 総人口
:各 都市の行政区域に常住する人口総数の推計値。 国勢調査人口を基準とし、これに毎月の住民基本台帳等の増減数を加えて推計したもの。
図 6 NOI 評価額利回り
:NOI 評価額利回りは、J-REIT
( 上場不動産投資信託)の全投資法人が保有する住居専用型賃貸
マンションの期末鑑定評価額に対する直近 1年間の純収益
(NOI)
の割合を示す。
図は地域別に物件毎
(賃料保証・固定賃料物件を除く)の NOI 評価額利回りを単純平均したもの。
注記:図 1 から図 6 はいずれも 2014 年 12 月 26 日時点で入手できたデータに基づき作成
みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート 2015, February
7
開示・公開情報にみる個人の不動産売買状況
個人による不動産売買の金額・件数の推移
基本的に個人による不動産の売買情報は非公開で [図表5]
すが、取引の相手方が開示・公開した場合に、匿名とし
てその取引内容が明らかになることがあります。このよう
な背景で公開された個人による不動産取得額は2014 年
度 11月末までの期間合計で40 億円あり、既に2013 年度
通期の 26 億円や同じく2012 年度の 37 億円を上回って
(金額:億円)
100
10
0
-10
-50
2012 年度以降、
売却額が大きく増加しました。
-150
個人の存在感がうかがえます。
20
0
います[図表 5]
。また、不動産価格が上昇し始めた
と売買を行った事例が複数あり
[図表 6]
、投資家として
30
50
-100
不動産会社のほか、J-REIT や SPCなどの投資主体
(件数:件)
40
-200
-20
取得額
-40
取得件数
-50
売却件数
2005
2006
2007
2008
2009
2010
-30
売却額
-60
2012 2013 2014(年度)
2014年度は11月末までの実績値
2011
(注)グラフ表示の都合上、売却額および売却件数はマイナス表
記とした。
[図表6]
開示・公開された不動産売買取引で個人が売主または買主であった主な事例
【売主が個人】
公表年月
201304
201305
201306
201306
201309
201309
201310
201310
201311
201312
201404
201407
201408
201409
201410
売主
個人
個人2名
複数の個人
複数の個人
個人とその資産管理会社
個人とその資産管理会社
個人
個人
個人
個人3名
個人
個人
個人
個人
個人
物件所在地
兵庫県
伊丹市
千葉県
市川市他
東京都
江東区
東京都
千代田区
東京都
中央区
東京都
千代田区
福岡県
福岡市
東京都江戸川区、千葉県
東京都
中央区
東京都
新宿区
福岡県
福岡市
東京都
港区
千葉県
袖ヶ浦市
東京都
世田谷区
東京都
中央区
売買物件
商業施設の底地の一部
マンション、アパート、戸建、駐車場他23物件
賃貸マンション
オフィスビル
店舗ビル
店舗ビル
オフィスビル
土地、建物等55物件
(個人の相続管理物件)
オフィスビル
大規模オフィスビルの持分
土地
大型オフィスビルの区分所有権
土地
(メガソーラー発電所用地)
賃貸マンション
オフィスビル
売却価格
(百万円)
378
2,330
1,203
664
200
上記に含む
450
3,400
650
135
190
800
125
200
2,000
買主
J-REIT
不動産会社
タクシー会社
タクシー会社
不動産会社
同上
不動産会社
不動産会社
不動産会社
J-REIT
金属加工会社
J-REIT
電気機器製造会社
不動産会社
米系ファンドが出資するSPC
取得価格
(百万円)
255
957
251
205
1,026
655
個人
複数の個人
個人
個人
個人
個人
【買主が個人】
公表年月
201305
201307
201310
201405
201406
201409
売主
建設会社
不動産会社
J-REIT
J-REIT
シンガポールREITのSPC
豪REITのSPC
大阪府
東京都
東京都
愛知県
東京都
東京都
物件所在地
枚方市
港区
小金井市
名古屋市
港区
目黒区
商業施設
賃貸戸建住宅
賃貸マンション
賃貸マンション
商業施設
オフィスビル
売買物件
買主
データ出所:図表 5,6とも都市未来総合研究所「不動産売買実態調査」。国内所在の不動産を対象に集計した。
図表 6は2013 年 4月から2014 年 11月に公表された金額 1 億円以上の事例を掲載、売主が公共等(地方自治体や独立行政法人都市再
生機構、
地方公社等)
の事例は除いた。
不動産の仲介物件のご紹介、売却のご依頼やご相談はこちらへ。
〈お 問 合 せ 先〉
宅地建物取引業:届出第2号
所属団体:一般社団法人不動産協会、一般社団法人不動産流通経営協会
公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会加盟
みずほ信託銀行株式会社
不動産マーケットレポート 2015.2
発 行 みずほ信託銀行株式会社 不動産業務部
編集協力 株式会社都市未来総合研究所
〒103-8670 東京都中央区八重洲 1-2-1
http://www.mizuho-tb.co.jp/
〒103-0027 東京都中央区日本橋 2-3-4 日本橋プラザビル 11 階
http://www.tmri.co.jp/
※本資料は参考情報の提供を目的とするものです。当行は読者に対し、本資料における法律・税務・会計上の取扱を助言、推奨もしくは保証するものではありません。
本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成していますが、その正確性と完全性、客観性については当行および都市未来総合研究所は責任を負いません。
※本資料に掲載した記事の無断複製・無断転載を禁じます。