U・Iターン者インタビュー

Uターン就職で仕事の幅が広がり、おもしろくなりました。
氏 名
本吉 堅悟
勤 務 先
職種・勤務地
U・Iターン前
転職時の年齢
パシフィックソフトウエア開発(株)
システムエンジニア・高知市
大阪府 システムエンジニア 7年
32歳 Uターン
子供をのびのび育てたい、それがきっかけでした。
20代は大阪の企業でシステムエンジニアとして経験を積みました。結婚をし、子供
が生まれてからは、子供に良い環境で育ってもらいたいと思うようになりました。
もちろん都会は施設が豊富で、教育面も進んでいます。しかし高知県出身の私に
とっては、人の多い都会はどこも狭く感じ、子供のころに自分が送った自然の中で
のびのび暮らした環境は身近にありません。これから先、子供を育てていく上で、
どちらが良いのかを考えたとき、安心して走り回れる場所、新鮮な産地直送の野菜
や魚、そういうものを子供に与えてあげられる場所が高知県でした。
直接会って話すことで、応募の決め手が見えてきます。
まずは情報収集から始めて、「高知の企業」「高知の求人」などをイン
ターネットで検索しました。高知の求人情報は少なく、ホームページの求
人情報を見ていても応募の決め手を感じず、前に進みませんでした。そん
なとき、大阪で中途向けの就職イベントがあることを知り、休日の開催
だったので参加してみました。そこでは高知の企業の代表者たちが熱心に
スピーチをしていました。社長の熱意や企業風土を感じることができ、応
募したい企業が出てきました。また、会場でスタッフに転職相談をしたと
ころ親身に相談に乗ってくれて、Uターンできるように転職活動を引っ
張ってくれました。経験を生かせて、かつ自分と合う企業は情報を見てい
るだけでは絶対に見つかりません。イベントに足を運び、企業の人、会場
スタッフと直接話したことでUターンへの道が開けたと思います。
自分に合う企業を見つけられたことが、決め手になりました。
30歳を超え、今がUターンの最後の機会と考えていました。正直なところ、今の
会社に採用してもらえなかったら、Uターンは止めていたと思います。一概には
言えませんが大企業は分業制で専門分野を受け持ちます。でも今は、研究も開発
もお客様との折衝までも仕事になりました。仕事の幅が広がった分、大変なこと
もありますが、やりがいがあります。また、今の会社は面接のときから感じてい
た自由な風土があり、やりたい仕事ができます。そういうところが自分の性にも
合っていました。自分に合う企業だからこそ、継続することができると思います。
一人で考えるより、専門の人に相談を。
インターネットでたくさんの情報は見られますが、情報だけでは行動に移
せない方も少なくないと思います。また情報だけで企業を判断するのは、
転職の繰り返しにつながる可能性もあると思います。自分に合う企業を見
つけるポイントは、直接会って、話をすることだと思います。そこに時間
を費やしたからUターン就職に成功できたと思います。また在職中での転
職活動は時間が取りづらいので、専門の人に相談することで、アドバイス
や手助けを得られてスムーズな転職活動ができました。
知らない土地での就職は、やっぱり不安でした。
氏 名
福永 良輔
勤 務 先
職種・勤務地
U・Iターン前
転職時の年齢
高知トヨペット(株)
営業職・高知市
千葉県 運輸管理 5年
25歳 Iターン
妻の出身地で子育てすることがベストだと思いました。
高知出身の妻と結婚を機に、年に数回帰省で高知を訪れるようになりま
した。両親の人柄もあったと思いますが、高知は住みやすそうな所だなと
いう印象を持っていました。子供が生まれて、妻が安心して子育てできる
環境が良いだろうと、親の近くで気心の知れた友人も多い高知に引っ越し
することを妻と話し合いました。僕も高知には良い印象を持っていました
し、妻にも子供にも良いとなると、今後は高知で生活していくことがベス
トな選択でした。
知らない社名ばかりの中での転職活動。
しかし、高知のハローワークに行ってみましたが、Iターンの僕には知
らない社名ばかりで躊躇しました。高知では有名な企業でも、Iターンの
僕は知りません。そこで、全国的にも名が通っているトヨタ系の企業なら
安心できるだろうと応募しました。また、これまで居たことのある千葉や
出身の大阪と比べると企業規模も違いますから、継続して働くことができ
るかどうかという不安もありました。通常雇われる側が試されるのが採用
試験ですが、僕は人事の方や役員、先輩社員の方と接して安心して働くこ
とができる企業かどうかも見ていました。
また、25歳での転職は早いようにも思いましたが、逆に30代まで10年も
キャリアを積むと辞められないような気もしたので、転職するならなるだ
け早いほうが良いと思い転職を決意しました。高知は業種の幅も都会に比
べると狭まりますから、未経験の業界への転職は予想できていたので、25
歳のタイミングで良かったと思います。
面接のときから意気投合。それが自分に合う企業なんだと思います。
転職活動でいくつかの企業に面接してもらったのですが、ありのままの
自分と一番合ったのが、この会社でした。入社してみないと分からないこ
ともたくさんありますが、面接のときから意気投合できる雰囲気がありま
した。休日は早起き野球やサッカーなど会社のサークル活動に参加したり、
先輩社員と遊びに出かけたりと息抜きもできています。もちろん、仕事は
プレッシャーもあり大変なこともありますが、先輩から熱心な指導を受け、
相談にも乗ってもらい営業目標を達成することができています。仕事にも
遊びにも熱心な雰囲気のこの会社を見つけられて本当に良かったです。
高知の魅力は、人柄です。
仕事柄たくさんの方と接していますが、高知は本当に人が良いです。I
ターン者を気持ち良く受け入れてくれる雰囲気があります。県出身者は県
外に出て行く方も多いので、その代わりにIターン者を可愛がってくれて
るんじゃないかと思います。知らない土地で生活を始めるということは、
やっぱり勇気がいりますし、ましてや家族を養っていかなければならない
となると尚さら。でも高知県全体にウエルカムな雰囲気があるので、その
辺りの心配はいらないと思います。また規模や知名度ではなく、自分に合
う企業が見つかれば、前職以上のやりがいも成果も得られるんだと今回の
転職で気付きました。
経験を生かせる企業が高知にありました。
氏 名
馬醫 光明
勤 務 先
職種・勤務地
U・Iターン前
転職時の年齢
廣瀬製紙(株)
取締役(経理人事)・土佐市
マレーシア他 取締役 9年
36歳 Iターン
海外での経験をどこで生かすか。
高校生の頃にオーストラリアに留学して以来、将来海外で仕事をすることを希
望していました。大学院を卒業後、希望通りの職に就いて刺激ある経験を積むこ
とができていました。しかし海外間での転勤や日本との行き来も多く、そのたび
に家族を連れて引っ越ししていました。あるとき妻から治安の良い日本で落ち着
いた生活を送りたいと希望があったので、妻の出身地の高知県に家を建て妻と子
供が生活できるようにしました。私は自分の経験が生かせる仕事が高知にあれば
ベストですが、無ければまた海外に出ることも考えて転職先を探し始めました。
まずは転職サイトの担当者と話をして、信頼関係を築く。
全国区の転職サイトも含め一通り何社かに登録しました。海外での管理
部門の職歴は比較的少ないようで転職サイトから求人の案内電話が何度か
あり、その度に1時間くらいかけて担当者と話していました。話すと表に
はない情報も出てきますし、何より信頼関係が築けます。信頼できる企業
に就職するためには、まず転職サイトのことを信頼したいですよね。自分
の将来に関わることですから、人任せにはできません。
幸い、高知でも転職サイトから声がかかり、就職したのが今の会社です。
最初に社長と会ったときから話が合いましたし、会社の目指す方向を聞い
たとき、自分の経験が必要だと感じたので、就職を決めました。結果、高
知で家族と一緒に生活することが実現しました。
「高知の企業」から「世界の企業」にしたいですね。
海外での経験を生かして、目指すは海外進出ですね。海外工場をつくって、
現地の人を動かしたい。でも、そういう大きな目標を達成するには、いま目の
前にある課題を解決しないと前には進めません。
いま「モノづくり改革」のリーダーを任されています。良い結果を出すため
には改革改善が必要なのですが、社員全員で取り組んでこそ成果が出るんです。
人の意識を変えることは本当に難しい。でも目標にしたので、絶対に結果が出
るように考えますよ。それにせっかく同じ会社で頑張っているんですから、社
員一丸となって同じ目標に向かって歩みたいですよね。「雰囲気はいいんだけど、
いい中にも厳しさがある」、そういう会社を目指しています。
信頼できる人、企業を見つけること。
転職を希望したら、いくつかの転職サイトに登録して情報収集をするの
が今の流れだと思います。転職サイトにある大量の情報の中から何を選ぶ
か迷いますし、どの企業が良いか決めることはなかなかできません。だか
ら転職のプロに、自分が活躍できる企業をピックアップしてもらうんです。
でも信頼関係がないと自分の将来は任せられません。任せて大丈夫なとこ
ろかどうか、そこは自分の目で見極めが必要です。企業就職にしても最終
的にその企業を選ぶ理由は、何か。考えて見極めれば間違いはないと思い
ます。
企業研究と転職の理由を明確にすることがポイントです。
氏 名
松本 直樹
勤 務 先
職種・勤務地
U・Iターン前
転職時の年齢
(株)近澤製紙所
営業職・吾川郡いの町
大阪府 営業職 3年
27歳 Iターン
家族のことを考えて高知へ。新しい趣味ができました。
妻が高知出身でいずれは高知に帰ることを希望していました。私は和歌山出身
で、次男ということもあり妻の希望に沿うことに問題ありませんでした。Iター
ンのきっかけは妻の両親からの誘いですが、それまで勤めていた会社に不満もな
く仕事も好きだったので、誘いがなければIターンはもっと先だったと思います。
高知に来て約3年経ちますが、全国でも食べ物がおいしい県と有名なだけあって、
本当になんでもおいしいですね。高知県内すべての市町村を訪れることを目標に
していて、あと数カ所なんですが、どこに行っても名産があるし自然も豊か。高
知にきて新しい趣味ができました。
転職活動は半年間。企業研究に時間を費やしました。
大阪で勤務していたときの先輩に高知出身者がいて、高知のことをいろいろ
と教えてもらいました。その中で、高知や四国で名の知れている職業紹介の業
者を知り登録して、求人や企業の情報を数多く集めました。業種や職種へのこ
だわりよりも家族を養っていけるだけの信頼できる企業を見つけるために、選
択肢を多くしたかったからです。
職業紹介の業者は、やはり企業のことにも求人内容にも詳しく、企業選びの
参考になりました。また転職は家族も巻き込むので、担当制だったことが信頼
につながりました。ただ、最終的に応募するかどうかや、入社を決めるのは自
分なので、いろいろな所から情報をもらって企業に対する理解度を自分なりに
高めることにも時間を費やしました。
今の会社に出合えたことと、家族の支えがあったからIターンできました。
今の会社の1次試験は社長面接でした。明確なビジョンと熱意を聞いて将来性
を感じ、入社希望が強まりました。その後先輩社員から現場の声なども聞いて、
ますます一緒に働きたいと思うようになりました。ただ、仕事は県外からの受注
が多いため月の半分は出張していることを聞いて、正直Iターンの意味がないよ
うな気もしました。しかし、家族の理解もあって入社を決意し、今では県外出張
も仕事とプライベートのメリハリがつき、充実した生活が送れています。また、
他県の特徴を知ることで仕事にも生かせますし、経験も積めて勉強になっていま
す。以前と比べると給与面は下がりましたが、生活するには十分ですし、残りの
三十数年でもっと多くの土地に詳しくなって顧客ニーズを掴み、社長が描く会社
へと成長できればと思っています。
U・Iターンの理由を具体的に説明できることが重要です。
今回の転職活動を通して、U・Iターンをすることになった理由を相手に
しっかりと説明できることがポイントだと感じました。ハローワークでも職
業紹介の業者でも、もちろん企業の採用試験でもまず聞かれます。高知は田
舎なのでマイナス面ももちろんあります。そのことを高知に住んでいる方々
は重々知っているので「なんで高知に?」と思いますし、「高知に来て何を
したいの?」とも聞かれます。高知の人は熱意のある人が多いような気がし
ます。だから、相手を説得できるように具体的に説明できれば、転職も成功
すると思いますし、高知に来てからも後悔はないと思います。