マーケットレポート市場環境見通し

情報提供資料
マーケットレポート 市場環境見通し(2015年新春)
国内株式
2015年1月20日作成
企業業績や株主還元姿勢の向上を背景に高値圏での推移を想定
国内株式市場の動向と見通し
 企業業績は改善傾向が持続すると見込まれることや、株主還元
姿勢の積極化を背景に、高値圏を維持すると想定します。ただ
し、消費税率引き上げが延期されたことや、追加金融緩和が実
施されたこともあり、しばらくは追加的な政策は望みにくいと考え
ます。また、米エネルギー関連企業の経営破たんや格下げなど
の原油安の負の側面が表面化しつつあり、こうした海外要因を
背景とした市場の乱高下には注意を要します。
日経平均
株価
2015年
3月末
2016年
3月末
2015年度(※)
17,450.77
18,000
20,000
15,000~22,500
 急速な長期金利の上昇は投資環境の不透明感を強めることか
予想範囲
※2015/4~2016/3
単位:円
 業績は消費税率引き上げ後の国内需要の低迷が長期化し、
GDP(国内総生産)は2四半期連続のマイナス成長となるも、円
安の進行等を背景に企業業績予想の上方修正が続いています。
また、会社予想は依然として保守的であり、今年度も引き続き
上方修正が期待できます。なお、2015年度は、法人税率引き下
げによる利益の押上げ効果もあり、2014年度対比で10%台半
ばの増益が見込まれます。
予想
実績
2014年
12月末
日経平均株価の推移
(円)
日経平均株価
19,000
16,000
13,000
10,000
ら、米国の金利動向には警戒が必要と考えます。一方で米長期
金利上昇は円安・ドル高に結びつきやすく、昨年10月の調整時
の株価水準(日経平均株価:15,000円程度)で下支えされると想
定します。
7,000
12/3
12/9
13/3
13/9
14/3
14/9
(年/月)
※期間:2012年3月末~2014年12月末
国内債券
日銀による金融緩和姿勢の維持により長期金利の低位安定を想定
 海外金利の動向に追随して短期的に国債利回りが上昇(価格
国内債券市場の動向と見通し
が下落)する場面もあったものの、日銀の追加金融緩和実施に
加え、原油価格の下落やECB(欧州中央銀行)の追加緩和期待
などを背景とした海外金利低下により、国債利回りは一段と低
下(価格は上昇)しました。
10年国債
利回り
 短期金利は、消費増税後の景気立ち直りのもたつきに加え、日
予想
実績
2014年
12月末
2015年
3月末
2016年
3月末
予想範囲
2015年度(※)
0.33
0.35
0.50
0.30~0.65
※2015/4~2016/3
単位:%
銀のデフレ脱却に向けた強い金融緩和姿勢及び行動を背景に
低位安定するとみられます。
10年国債利回りの推移
(%)
 日銀は、想定以上に弱い個人消費動向や原油価格の下落も鑑
10年国債利回り
1.3
みて追加緩和策を実施したことから、しばらくは賃上げの動向を
注視しながら現在の緩和策を維持する公算です。また、需給面
からの金利押し下げ圧力は依然と強い中、FRB(米連邦準備制
度理事会)が米金融政策の正常化を急ぐ必要性が乏しい状況
にあります。さらに、ECB(欧州中央銀行)が量的緩和を含む金
融緩和の実施を見込んでおり、海外金利の上昇リスクは限定的
と見込まれることから、長期金利は低位安定が継続するとみら
れます。ただし、FRBの金融政策正常化が想定以上に早まる懸
念が台頭すること等により、一時的に金利が上昇するリスクに
は引き続き注意を要します。
1.1
0.9
0.7
0.5
0.3
0.1
12/3
12/9
13/3
13/9
14/3
14/9
(年/月)
※期間:2012年3月末~2014年12月末
(出所:BloombergのデータをもとにDIAM作成)
※当資料は、将来の市場動向等を示唆・保証するものではありません。※当資料は、DIAMが信頼できると判断した情報に基づき作成していますが、情報の
完全性、正確性を保証するものではありません。※当資料の内容は作成時点のものであり、今後予告なく変更される場合があります。※巻末のご注意事項等
を必ずご確認ください。
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一般社団法人日本投資顧問業協会
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150120情報市場環境見通し-1
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マーケットレポート 市場環境見通し(2015年新春)
外国株式
旺盛な自社株買いやM&Aが下支えし、米株は高値圏での推移を想定
外国株式市場の動向と見通し
 米国は直近の原油下落による企業業績や設備投資姿勢に対す
る不透明感から調整リスクは残りますが、旺盛な自社株買いや
M&A(企業の合併・買収)が下支えし、高値圏を維持する公算で
す。ただし、エネルギーセクターの直近の設備投資は小さくなく、
一部企業の資産劣化リスクもみられており、市場環境の悪化が
長引く可能性には注意を要します。
NYダウ
実績
2014年
12月末
2015年
3月末
予想
2016年
3月末
17,823.07
18,000
18,500
単位:ドル
 欧州は域内がデフレリスクを抱えており、原油下落の影響も受
ける企業や国がある中、依然として業績が下振れしやすい状況
ですが、ECB(欧州中央銀行)の金融緩和姿勢や割安な株価水
準、ユーロ安が下支えし、高値圏を維持するとみられます。ただ
し、中東等の地政学リスクやEU(欧州連合)に対する加盟国の
不満が高まっており、波乱の展開が続く可能性も考えられます。
 新興国は、原油価格の下落基調が長期化する影響を強く受け
る国・企業があることには注意が必要なものの、中国での政治
体制が安定化しつつあり、財政・金融面での緩和姿勢をより明
確にするとみています。また、割安な株価水準が下支えし、現在
のレンジ推移が続くと想定します。
予想範囲
2015年度(※)
16,000~20,000
※2015/4~2016/3
NYダウの推移
(ドル)
NYダウ
19,000
17,000
15,000
13,000
11,000
12/3
12/9
13/3
13/9
14/3
※期間:2012年3月末~2014年12月末
外国債券
14/9
(年/月)
ユーロ圏の金融緩和等から米国金利の上昇余地は限定的か
 米国では雇用環境が改善する中、量的緩和が終了に向かって
外国債券市場の動向と見通し
おり、市場では利上げを織り込む動きから、当面、神経質な展
開が続く見込みです。なお、ユーロ圏や中国での経済情勢にお
ける不透明感の高まりや、ロシア等の地政学的リスクの長期化
が見込まれることから、米国のみがけん引役となり世界景気を
支えられるほどの力強さは見られない状況です。また、米国で
は賃金の伸びが安定し、原油価格が下落する中、インフレ加速
の兆候はなく、金利正常化の議論は、ドル高等を通じインフレ低
下を招く恐れもあります。
予想
実績
2014年
12月末
2015年
3月末
2016年
3月末
予想範囲
2015年度(※)
米10年国債
利回り
2.17
2.25
2.50
1.50~3.00
独10年国債
利回り
0.54
0.50
0.75
0.25~1.25
※2015/4~2016/3
単位:%
 ユーロ圏では、ロシアとの関係悪化が企業活動を抑え、これま
10年国債利回りの推移
で相対的に景気情勢が良好だったドイツにおいても景気減速感
が見られる状況です。周辺国においては未だ構造改革の途上
にあり、回復の遅れが目立ちます。財政出動余地が乏しいこと、
また、金融機関の貸出意欲が弱く、景気回復に勢いが増すには
相応の時間を要する見込みです。
 金利動向については、世界経済の成長見通しに不透明感が強
まっていることや、ユーロ圏では足元、量的緩和策が開始される
段階にあって国債利回りは低下(価格は上昇)しやすいことから、
利上げ局面入りを織り込みやすい米国においても国債利回りの
上昇(価格の下落)余地は限定的とみています。
(%)
米10年国債利回り
独10年国債利回り
3.5
2.5
1.5
0.5
12/3
12/9
13/3
13/9
14/3
14/9
(年/月)
※期間:2012年3月末~2014年12月末
(出所:BloombergのデータをもとにDIAM作成)
※当資料は、将来の市場動向等を示唆・保証するものではありません。※当資料は、DIAMが信頼できると判断した情報に基づき作成していますが、情報の
完全性、正確性を保証するものではありません。※当資料の内容は作成時点のものであり、今後予告なく変更される場合があります。※巻末のご注意事項等
を必ずご確認ください。
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マーケットレポート 市場環境見通し(2015年新春)
為替相場
日米欧の金融政策の方向性の違いからドル高・ユーロ安の展開を想定
為替相場の動向と見通し
 FRB(米連邦準備制度理事会)は、利上げに向けてタイミングを
はかっているとみています。 ECB(欧州中央銀行)は昨年の追
加金融緩和後も景況感がもたつく中、デフレ懸念の台頭等を背
景に、量的緩和を実施するとみられます。日銀は2014年10月に
追加緩和を実行し、その効果を見極めている状況とみられ、日
米欧の金融政策のスタンスは異なっています。
 ドル/円は、日米の金融政策の方向性の違いにより、円安が進
展すると予想します。ただし、原油価格の下落によるインフレ懸
念の低下やクレジットリスクに対する懸念等から、米国における
利上げのペースは緩やかになるとみられ、円安の進行も緩やか
になると想定します。
2015年
3月末
2016年
3月末
予想範囲
2015年度(※)
ドル/円
119.78
120.00
122.50
105.00~130.00
ユーロ/ドル
1.21
1.18
1.24
1.10~1.30
単位:円(上段)、ドル(下段)
※2015/4~2016/3
ドル安
ユーロ
ユーロ/ドル(右軸) (ドル) 高
為替レートの推移
円安
(円)
ドル高
 ユーロ/ドルは、欧州経済の低成長が想定される中、ギリシャの
政局不安やロシア危機などの地政学リスクも意識されるほか、
ECBの追加緩和実施により金利は低位安定の継続が見込まれ
るため、当面ユーロ安が進展するとみています。ただし、中長期
的には、金融緩和の下支えや、原油安による消費への好影響
などから、欧州域内の景況感は緩慢ながら回復していくとみて
おり、緩やかにユーロ高方向にレンジを切り上げると予想します。
ドル/円(左軸)
130
1.7
120
1.6
110
1.5
100
1.4
90
1.3
80
1.2
円高
ドル安
(ご参考)コモディティ
予想
実績
2014年
12月末
1.1
70
12/3
12/9
13/3
13/9
14/3
ドル高
(年/月) ユーロ
安
14/9
※期間:2012年3月末~2014年12月末
【原油】潤沢な供給体制が下落圧力となり、低位での推移を想定
【金】インフレ低下等が下落要因となるも、割安感等から底堅い展開を想定
コモディティ価格の推移
【原油】
(ドル/バレル)
 10-12月期は、米シェールオイルの生産増等を背景とした供給
WTI原油先物価格
120
過多や在庫増を受けて、1バレル=90ドル近辺から50ドル台前半
まで急落する展開となりました。
100
 今後は、原油安を受けたエネルギー関連企業の破たん件数の
80
増加等から一段の下落リスクが想定されます。中東産油国が減
産に踏み切る気配が見られないことや、次なる世界の人口ボー
ナス期まで数年あること、代替エネルギー開発が急速に進展し
ていることを勘案すると、原油価格は上昇しにくいとみており、
当面は1バレル=30ドル台半ばから~60ドル近辺でのレンジ圏で
の推移を想定します。
60
40
11/3
12/3
(ドル/トロイオンス)
13/3
14/3
(年/月)
NY金先物価格
2,000
【金】
1,750
 10-12月期は、商品価格の低下等を背景とするインフレ圧力の
低下等が価格下落圧力となったものの、割安な価格水準が下
支えし、安定的な推移となりました。
1,500
1,250
 景気回復が緩やかとなる中、インフレ圧力が高まりにくい状況
下、米利上げ観測を背景に金価格は調整圧力が続くとみられる
ものの、金の生産コストから見て下値余地も限定的と考えられ
ることや、割安感も見られることから底堅い展開を想定します。
1,000
11/3
12/3
13/3
14/3
(年/月)
※期間:2011年3月末~2014年12月末
(出所:BloombergのデータをもとにDIAM作成)
※当資料は、将来の市場動向等を示唆・保証するものではありません。※当資料は、DIAMが信頼できると判断した情報に基づき作成していますが、情報の
完全性、正確性を保証するものではありません。※当資料の内容は作成時点のものであり、今後予告なく変更される場合があります。※巻末のご注意事項等
を必ずご確認ください。
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