伝 わ る 、 カ タ チ 。 M.2 NGFF SATA 3Gbps M.2 SNG4A シリーズ 組み込みSSDの 新世代フォームファクターM.2 スマートフォンやタブレット PC の LTE 高速データ通信を支える ICT 情報機器や通信インフラ設備では、サーバストレー ジとして一般的に SSD を使用しています。従来は、高速レスポンスやデータ信頼性向上を狙った IO 並列化や分散スト レージ化による、ターミナルストレージとしての利用がほとんどでしたが、最近では、オンラインストレージやニアラ インストレージとしての利用も増えています。また、SSD はスマートフォンやタブレット PC 自体にも搭載され、高速 起動やバッテリ節約を可能としています。このため、より小型化、薄型化、軽量化が進展するとともに、多種多様なシ ステムインタフェースに対応した “ 組み込みやすい ”SSD が登場しています。中でも、SSD の次世代フォームファクター (Next Generation Form Factor)として期待されているのが、今回開発した M.2 SSD です。 01 SATA 3Gbps M.2 SNG4A シリーズ 小型・薄型タイプで多種多様なインタフェースへ拡張が可能 M.2 とは、Serial ATA International Organization(SATA-IO)が策定した、 シリアルATA SSDの新規格 です。既存のmSATA SSDに比較して約65%の小型化、薄型化が図られています(Type 2242-D2の場合:図1)。 また、SATA、PCI Express、USB、SD、Display Port、I2C、UARTなど、多種多様なインタフェースへ拡張が 可能なため(図2)、様々な機器への組み込みが容易です。 □ 図1 mSATA、M.2サイズ比較 29.85±0.15 42.00 50.80±0.15 22.00 mSATA 51×30×4.85 mm M.2 (Type 2242-D2-B-M) 42×22×2.75 mm □ 図2 M.2対応インタフェース (SNG4Aシリーズは、Key ID B、Mに対応) Key ID A B C D E F G H J K L M Pin Location 8-15 12-19 16-23 20-27 24-31 28-35 39-46 43-50 47-54 51-58 55-62 59-66 Key Definition Connectivity Version A-SD WWAN / SSD / Others / Primary key Not Assigned Not Assigned Connectivity Version A-SD Not Assigned Future Memory Interface Not Assigned Not Assigned Not Assigned H S I Key for WWAN Solutions SSD 4 Lane PCle 02 SATA 3Gbps M.2 SNG4A シリーズ SSDのデータ信頼性および寿命性能向上のために ICT 情報機器やインフラ設備に使用されるSSD には、高いデータ信頼性が求められます。しかし、SSD 内に搭載され ているNAND 型フラッシュメモリは、多額の設備投資を背景にプロセスが急激に微細化されており、データ信頼性は低 下しています(図3)。例えば、MLC 5xn 世代では要求されるエラー訂正能力が8bit ECC だったのに対し、2xn 世代 では30bit ECC、1xn 世代では40bit ECC が必要に。書き換え可能回数も、10k 回から3k 回に下がっています。 このため、TDK は、SSD コントローラGBDriver RS4(写真1)を新規に開発。将来のフラッシュメモリにも余裕を もって対応できるよう、HW(ハードウェア)およびFW(ファームウェア)仕様を最適化しました。 □ 図3 NAND型フラッシュメモリ:プロセス別書き換え回数と要求ECC Times 40 100,000 bit 8 SLC 24 10,000 SLC MLC 16 Required ECC P/E Endurance 32 0 1,000 Process Rule Year 9xn 2006 7xn 2007 6xn 2008 5xn 4xn 2009 2010 3xn 2011 2xn 1xn 1yn 2012 2013 2014 MLC □ 写真1 SSDコントローラ GBDriver RS4 2.5inch SATA Interface I/O voltage Flash Memory 3.0Gbps or 1.5Gbps GBDriver RS4 Flash Memory Flash Memory Flash Memory Clock 03 I/O voltage Regulator Core voltage VCC(+5V) RESET SATA 3Gbps M.2 SNG4A シリーズ TDK M.2 SNG4Aシリーズの高信頼性機能:エンハンストECC 今回、開発した、TDK M.2 SNG4A シリーズは、エラー訂正能力を大幅に強化。71bit/1KByte(BCH)を実装し ており、業界最高レベルのデータ信頼性を実現しています。 さらに、MLC フラッシュ使用時のオプションとしてエンハンストECC 機能を搭載。71bit/512Byte のエラー訂正 が可能です。 □ 通常のECC(エラー訂正)機能とエンハンストECCとの比較(イメージ) 【 通常のECC 】冗長領域のみをECCに利用する。 [冗長領域] HOST SDG4Aシリーズ Write Read [データ領域] G B D r i ve r RS 4 NAND型 フラッシュメモリ 1KByte 71bit ECC 【 エンハンスト ECC 】データ領域の一部も利用し、より強力なエラー訂正を行なう。 HOST [冗長領域] SDG4Aシリーズ Write Read [データ領域] G B D r i ve r RS 4 NAND型 フラッシュメモリ 512Byte 512Byte 71bit ECC 71bit ECC [データ領域の一部] 04 SATA 3Gbps M.2 SNG4A シリーズ TDK M.2 SNG4Aシリーズの高信頼性機能:リードリトライ機能 エンハンスト ECC は強力なエラー訂正機能ですが、ECC に依存するとビットエラーが累積し、ECC 能力を超える エラーとなる危険性があります。このため、SNG4A シリーズはリードリトライ機能を装備しています。これは、ビッ トエラー検出時に再度、新しい電圧閾値パラメータで読み込みを行うことで、正しいデータを読み出す機能です。 フローティングゲートの 電位変動 読み出し電圧を変更 ビットエラー発生 1.ECCエラー発生 2.読み出し電圧を変更 Retry 3.ECCエラーなし OK TDK M.2 SNG4Aシリーズの高信頼性機能:オートリフレッシュ機能 エンハンストECC、リードリトライ機能は共に、データを読み出しながら、エラー訂正あるいは再読み出しを行い ます。しかし、実際のメモリ上ではビットエラーが発生し始めている可能性があります。 オートリフレッシュ機能は、システムアクセスがない時点で、自動で内部データの更新を行って正しいデータに戻 す機能です。 Block 0 定期的に全ブロックを 読み出しECCチェック 訂正可能ビットエラー検出 Block xxx エラー訂正を行い ビットエラー修復 定期的に全領域のデータをチェックします。 ビットエラーが累積し訂正不能になる前にデータを修復しエラーの 発生を未然に防ぎます。 05 SATA 3Gbps M.2 SNG4A シリーズ TDK M.2 SNG4Aシリーズの高信頼性機能:データランダマイザ データ書き込み時に、あらかじめデータエラーが発生しないようデータパターンをランダマイズして書き込む データランダマイザ機能を実装しています。ECC に依存しないデータ信頼性を提供します。 【書き込むべきデータ】 【実際にNANDに書き込まれる状態(例)】 0 0 0 0 0 0 読み出し時: 0 0 0 0 0 0 ランダマイズしたデータを復号化して読み出し 1 1 1 1 1 1 1 0 1 1 0 1 0 1 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1 1 1 0 1 0 0 1 0 1 1 0 1 0 0 書き込み時: 0 0 1 0 1 0 データをランダマイズして書き込み 1 0 1 0 0 1 1 1 1 1 1 1 □ データランダマイザ機能ON/OFFでのリードエラー発生比較 16KB/Page Multi-Level Cell NAND (19nm) READ回数 ~1,000回 50 Bit Error/1KByte 40 ~50万回 Required ECC 40bit/1KByte ~100万回 ~200万回 ~500万回 ~1,000万回 ~2,00 ECCエラー 30 20 赤線:Randomizer OFF 青線:Randomizer ON TEST1: フラッシュメモリ全領域に、①1回、②1000回、③2000回、④3000回、 PROGRAM/ERASEを実行する。 ①~④のフラッシュメモリを各1000回READを実行し、ECCにより、 エラービット数を確認する。 10 TEST2: TEST1 ④のフラッシュメモリは、 1000回以降もREADを続行し、 1000万回までのエラービット数を確認する。 0 1 1,000 2,000 3,000 PROGRAM/ERASE 回数 データランダマイザ機能は、特に、寿命到達間近のフラッシュメモリのデータ信頼性を格段に向上します。 06 SATA 3Gbps M.2 SNG4A シリーズ TDK M.2 SNG4Aシリーズの寿命性能:NCQ+ATA Trim機能 NCQ とは、Native Command Queuing の略で、SSD を高速化するための技術です。NCQ の使用により、複 数コマンドを連続で受け取り実行が可能で、コマンド実行順の入れ替えも同時に行うため、書き換え回数節約につな がります。 また、ATA Trim 対応により、削除済みファイルやゴミデータの一括完全削除も可能に。空き容量が増えるため、SSD の長寿命化が図れます。 □ NCQ/Trim概念図 OFF時(Write時) OFF時(Read時) 2 4 5 1 6 3 Page0 Page1 Page2 Page3 Page4 Page5 Page6 Page7 Page8 Page9 Page10 Page11 Page12 0 4 1 2 3 8 12 5 9 13 6 10 7 11 16 17 14 18 15 20 21 22 24 28 25 26 19 23 27 各WRITEコマンドにおいて指定されたデータ サイズにしたがってページ単位で書き込みを実 施。 (このとき、ページ内でデータ量が不足する 部分はPadding Dataで補う) 6回のWRITEコマンドの発行により、12ページ が消費される。他、無効データやゴミデータで、 不要なページが消費される。 ON時(Write時) 2 1 5 6 14 15 16 17 18 2 5 6 7 8 9 10 3 23 24 25 26 27 28 4 12 13 5 0 1 2 3 4 6 19 20 21 22 11 ON時(Read時) 3 4 1 Page0 Page1 Page2 Page3 Page4 Page5 Page6 Page7 0 4 8 12 16 20 24 28 1 5 9 13 17 21 25 2 6 10 14 18 22 26 3 7 11 15 19 23 27 WRITEコマンドをまとめて受信。WRITEコマン ドにおけるデータサイズを考慮してページ単位 で書込みを実施。 (このとき、データの並び順が 前後している場合は並べ替えも実施) 6回のWRITEコマンドの発行により、8ページ が消費される。よって、NCQ OFFの場合に比 べて、書込みページ数が少なくて済む分だけ高 速化と長寿命化が実現できる。 Trimコマンド発行により、空き領域を確保でき 長寿命化が実現できる。 07 1 0 1 2 3 4 2 5 6 7 8 9 3 12 13 4 14 15 16 17 18 5 19 20 21 22 6 23 24 25 26 27 10 28 11 SATA 3Gbps M.2 SNG4A シリーズ TDK M.2 SNG4Aシリーズの寿命性能:TDK Smart Swap TDK 高度書き換え分散アルゴリズム「TDK Smart Swap」により、OS 等の固定領域を含め、書き換えを分散し ます。フラッシュメモリ寿命を最大限に活用できるため、SSD 寿命を大幅に向上しています。 このため、SNG4A シリーズは、例えば、8GB の場合、毎秒2.5 回の書き換えが発生した場合でも、10 年の使用が見込 めます。 □ 全領域スタティック・ウェアレベリング (“TDK Smart Swap”) の概念図 置き換え領域 リードオンリー領域 OS 未使用 ダイナミック・ウェアレベリング 書き換え回数差が大 きい領域はスタティッ ク・ウェアレベリング 書き換え回数差が小 さい領域はダイナミッ ク・ウェアレベリング * Swap対象外とするカスタム設定も可能です(LBAにて設定)。 スタティック・ウェアレベリング(Smart Swap) リードオンリー領域* 置き換え領域 例えば、Windows 8 EmbeddedのEWF機能と併用することで、 未使用 OSの不要な移動を回避することができます。 □ TDK Smart Swap効果 TDK Smart Swap Block2047 WITHOUT TDK Smart Swap Block1023 Block0 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 9,000 10,000 11,000 Smart Swapなしの場合(赤)、特定ブロックに書き換えが集中する。Smart Swapありの場合(青)、赤表示部が10kに到達して も、1~2kに留まる。 □ 書き換え寿命目安 容量 標準品番 書き換え 寿命目安 (単位:百万回) お客様機器のご使用年数別、 許容アクセス回数/秒 (24時間365日稼動の場合) 1年 5年 10年 8GB SNG4A08GXBBCS-SSA 788 24.99 5.00 2.50 16GB SNG4A16GXDBCS-SSA 1,576 49.97 9.99 5.00 32GB SNG4A32GXDBCS-SSA 3,152 99.95 19.99 9.99 64GB SNG4A64GXDBCS-SSA 6,304 199.90 39.98 19.99 08 SATA 3Gbps M.2 SNG4A シリーズ □ 主な特長 1 HW・FWとも完全自社設計、国産SSDコントローラGBDriver RS4搭載。 2 高速・高耐久、国産SLC NAND型フラッシュメモリ搭載。 3 Serial ATA Standand Rev.2.6(Gen 1: 1.5Gbps/Gen2: 3.0Gbps)対応。 4 30bit, 71bit/1KByte ECC(BCH)搭載。エンハンストECCモードでは、 71bit/512Byte。 リード系信頼性を向上(エンハンストECC機能、リードリトライ機能や 5 オートリフレッシュ機能搭載)。 6 ライト系信頼性を向上(データランダマイザ機能、電源遮断時の書き戻し機能搭載)。 7 寿命性能を向上(TDK Global Staticウェアレべリング機能 “TDK Smart Swap”搭載、寿命診断ソフトTDK SMART付属)。 8 セキュリティー機能を向上(ATA標準パスワードロック機能、AES暗号化機能や ATA Trimコマンド対応による完全データ消去機能搭載)。 □形状・寸法 搭載フラッシュメモリ SLC(2値)NAND型フラッシュメモリ (8KB/Page) 搭載コントローラ TDK GBDriver RS4 インタフェース Serial ATA Revision 2.6 転送モード SATA Gen1: 1.5Gbps, Gen2: 3.0bps 転送速度* Read (max.) 215MByte/sec Φ6 GND PAD FULL R 42.00 M.2 Type 2242-D2-B-M (8GB~32GB) M.2 Type 2242-D5-B-M (64GB) 1.00 8GB/16GB/32GB/64GB 形状 2.00 SNG4Aシリーズ 容量 3.50 型番 22.00 Φ5.50 GND PAD Φ3.50 4.00 □仕様 2 x R0.50 エラー訂正機能(ECC) 電源電圧 30bit, 71bit/1KByte (エンハンストECCモードでは、71bit/512Byte) 3.3V±5% 動作周囲温度 0 to +70℃ 保存周囲温度 -25 to +85℃ 保存/動作湿度 0 to 90(%) RH [但し結露しないこと] 準拠規格 CE/FCC/VCCI 環境仕様 RoHS対応 PIN2 PIN1 PIN75 1.20 1.20 6.125 5,625 1.35MAX. 18.50 D2 PIN74 1.50MAX. 1.35MAX. D5 2.50 Write (max.) 95MByte/sec 1.50MAX. 19.85 * 4chモード時、CrystalDiskMark 3.0にて測定。お客様の実際の使用環境・条件に よっては速度が異なる場合もございます。 Dimensions in mm 09 0.80 0.80 2014.05.09
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