AJDT/IDC 教師協会本部の代表を経験させて頂いて… 2014/1/25 北 畠 博 私は、代表就任の挨拶で、自ら「繋ぎの私」と記し、後任が決まれば交代する前提で代表になりました。 なぜなら私は、ワールドスタイルダンス出身ではなく、競技ダンス出身のアマチュア愛好家に過ぎないか らです。 講習の前座を務める時などは 冗談で 「もぐりの教師」 といっておりましたが、教師資格無しで 教師協会の代表になったわけです。 戦後の日本で、初めて武道館で競技会の開催を実現するなど、競技ダンスを広められた第一人者と して、故 助川五郎先生が有名ですが、その助川先生が 68 年前に創設された団体の会長を 18 年間続 けられている本田季久先生が、私の師匠ともいえる方です。 助川教室の杉本秀央先生も所属する JCF の名誉会長で、本年、WDT 教師協会連合会々長に就任されました。 その本田先生は、社交ダンスを風俗営業と認めることに反対です。 いまや社交ダンス界で、風営法の 適用除外 (風俗営業の資格試験の認定) を申請しない団体は、AJ と JCF だけになってしまいました。 AJ は、昨年 12 月8日の理事会で、脱風営法・ダンス規制 「相談室」 の設置(12/10~)と 意見広告 を掲載し 全会員に発送することを決めました。 それは、例えば風俗営業の無許可という理由でダンス 教師が公民館を借りられないなどの不利益を生じた場合、代わりに交渉にあたる (必要があれば弁護士 も派遣する) というものです。 なぜなら、時代の流れと逆行するダンス規制強化は、遊びとしての「ダン スの自由」「踊る権利」を奪いかねないものであり、それは、非競技の社交ダンスの普及を目指す AJ にと って避けては通れない問題と感じたからです。 ただ、当会の中には、競技ではない社交のダンス(ワールドスタイル)が普及しないのは、競技ダンスの せいだ という主張がありました。 もちろん、初心者にいきなり競技ダンスを教えると体を固めやすいなど の癖がついたりする事は、私も身を持って体験しています。 でも それは、どのダンスにもいえる事で、そ の癖を直すのが プロ教師である事も体験してきました。 そう考えると 「社交ダンスの普及を妨げているのは競技ダンス」 と考えるのは短絡的過ぎる と感じる ようになったのです。 競技ダンス以上に楽しめる社交ダンス(パーティダンス)を示す事ができなかった、 もしくは好みの違いだという現実を直視しなければ、社交のダンスを普及する事は難しい、という認識に いたったのです。 次に、「音も取れないような教師がいるからダメなんだ」 とやり玉にあげられた事があり、私も 音楽あっ てのダンスだ と感じていたので、その通りだと思ったのですが、では、そうした教師に資格を与えてきたの は誰? という事に気付きました。 例えば、ワールドスタイルの AJDT/IDC の国際ダンス教師認定資格も、私が代表になるまでは、 50万円の養成コース(35単位)を受講すると、実技試験免除で、最初の教師資格が与えられていました。 1年間受講した私自身は、まさに音も取れなかったので、合格すると判っている試験を受験しませんでし た。 他所で資格を取得している教師は、スライドといって お金さえ払えば無試験で合格させてきた事も知 りました。 最初の教師資格試験に、6万円を頂いて、不合格にできるだろうか? という点も疑問でした。 私が代表になる以前、不合格を出したという例を聞いたことがありません。 そこで、私は受験料を値下げする提案をして、本年度から5千円で受験できるようになりました。本当 に手数料だけなので、この金額で 資格ビジネスとしてやっている という人はいません。 そして、その次にやり玉にあがったのが、そのように お客目線で改革を進めるやり方では、教師協会で ありながら 教師の利益にならない、という事なのでしょうか? 突然、昨年 12 月 19 日に、理由も告げられず「解任」を宣告され、認めなければ理事長をはじめ過半数 の理事が「退会」すると迫られました。 正式には、私が公用で欠席した1月5日の理事会において、理 事長から「退会届」が公開され、事前に私は受理しない旨を伝えてありましたので、 「解任」が 「退任」 となって1月8日に通知されました。そこにも、解任が決議された時点での理由は明らかにされておりま せん。 しかし、私は退会希望者を出してしまった責任を取り、自ら退任することに致しました。 また、1月5日には、理事会翌日より ホームページ と I T 事業室の閉鎖 (活動停止)が 理事会として 決議された、と伝えられましたので、即時に従いました。 AJDT/IDC の法人化 (私物化防止) と カリキュラム改定 (音楽とダンスの基礎を重視) という改革は、 事実上の中断を強いられてしまったかもしれません。 ただ、私が仕事の関係で、昨年3月に専務理事とお会いして以来、関係を深めている(公社)日本ダ ンススポーツ連盟(JDSF)とは協力関係を維持するそうですので、競技ダンスを敵視はできないでしょう。 私は就任当初より、内輪の組織として、小さくまとまってしまうと 大きくまとまれない、と訴えてきました が、大きく (広く) しようとしているわけではなかったようです。 これからは会員の皆さんが望む方向で、AJDT/IDC が 安心してダンスを楽しめる団体になりますよう お祈り申し上げております。
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