構 DMF保護Auクラスターの発光とエネルギー移動 研究概要・成果 端 科 学 載 技 ・加 術 推 工 進 等 機 は ⑩ナノテクノロジー・材料研究 ○塚本将人(学部生)、稲田貢(システム理工学部 物理・応用物理学科 准教授)、齊藤正(教授) ~Introduction~ クラスターとは原子が数個~数十個の原子の集合体のことを指し、量子サイズ効果により発光するなど原子やバルクとは異なった特有の性質を持つ ことからイメージング材料や光学材料への応用が期待されている。本研究室ではDMF修飾Auクラスターの発光特性を調べ、その結果からAuクラス ター間でのエネルギー移動の可能性を示唆してきた。今回、発光寿命測定を行い共鳴エネルギー移動を支持する結果が得られたので報告する。 ~Results&Discussion Auクラスター間での蛍光共鳴エネルギー移動(FRET) Gold cluster Excitation(eV) Emission (eV) Au5 3.76 3.22 Au8 3.22 2.72 Au13 2.86 2.43 Au5:Excitationのエネルギー =Au8:Emissionエネルギー Au8:Excitationのエネルギー ≒Au13:Emissionのエネルギー Au8 Au8 τ=7.8ns τ=6.0ns 濃度60%(粒子間距離:29.3nm)の時間分解PL 濃度130%(粒子間距離:22.6nm)の時間分解PL Au8 Au5 クラスター間での蛍光共鳴エネル ギー移動(FRET)が起きる可能性が ある。 ~Experiments~ ○試料作製 濃度[%] 粒子間距離[nm] τ[ns] 塩化金酸(HAuCl4)をN.N-ジメチルホルムアミド(DMF)で還 元することによりDMFを溶媒とするDMF保護Auクラスター を作製した。 写 ・転 西 60 29.3 7.8 70 27.8 7.3 断 ・装置:日立ハイテク蛍光分光光度計F2700 100 24.7 6.5 110 23.9 6.2 120 23.2 6.1 130 22.6 6.0 長 短 発光寿命 長 フェルスター機構 →I∝d6 E: エネルギー移動確率 d: 粒子間距離 R: フェルスター距離 I: 発光強度 Fig.5. 粒子間距離と発光強度の関係性 ・励起エネルギー3.82eV Auクラスター溶液の濃度増加(粒子間距離の減少) に伴い、発光 エネルギーの小さいクラスターからの発光が強くなっている。 。 無 ◆時間分解PLスペクトル測定 ・検出器:Princeton Instrument ICCD PI-MAX4 また、Au8の発光寿命は粒子間距離の減少につれて短くなった。 これらは、各クラスター間でFRETが起きていることを示唆する。 加えて発光強度の粒子間距離依存性はフェルスターのFRET理論 に従うものであることから、Auクラスター間でフェルスター機構 による蛍光共鳴エネルギー移動が起きていると考えられる。 ま ・分光器:Acton SP2300 す ・励起エネルギー Nd-YAG 4倍波(4.66ev) ※ 90 25.5 6.8 粒子間距離 複 80 26.6 7.0 短 溶媒であるDMFを添加または蒸発させることで、Auクラスター濃度 (粒子間距離)が異なる8種類の試料を作製した。それぞれの試料 について、室温中でのPLスペクトルと発光寿命を測定した。 ◆PLスペクトル測定 Fig.2. 濃度130%(粒子間距離:22.6nm)の各クラスターのPL 粒子間距離と発光寿命の関係性 従来の研究より作製したAuクラスターには、 Au5,Au8,Au13クラスターが含まれていることがわかってい る。 ○発光特性測定 Au13 Fig.1. 濃度60%(粒子間距離:29.3nm)の各クラスターのPL 大 学 先 出典:J.Zheng, C.Zhang, and R.M.Dickson : Phys.Rev.Lett. vol.93, 077402 (2004) 関 ~ じ 応用分野、実用化可能分野 禁 光学材料、イメージング材料、バイオセンサー 問合せ先: 関西大学 システム理工学部 稲田 貢 E-mail:[email protected] 関人ORDIST 先 端 科 学 技 術 推 進 機 構 社会連携部 産学官連携センター、知財センター
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