修 士 論 文 の 和 文 要 旨 BB BB BB BB H BB BB BB

修 士 論 文 の 和 文 要 旨
大学院
氏
電気通信学研究科
名
論 文 題 目
要
坂本
博士前期課程
章
知能機械工学
専攻
学籍番号 0334022
機械システムにおける双線形行列不等式を用いた
最適制御系設計
旨
制御系設計問題の多くは行列不等式条件で記述される.この行列不等式
のほとんどは変数と変数の積が現れる双線形行列不等式(Bilinear Matrix
Inequality: BMI)に自然に帰着される.しかし,BMIは非凸という性質から
一般的に効率よく解くことができない問題(NP困難)であることが知られ
ている.一方,近年いくつかの制御系設計問題はBMIから線形行列不等式
(Linear Matrix Inequality: LMI)に変換することにより,凸という性質を
利用して効率よく大域的最適解を数値的に得ることができている.しかし
ながら,数多くの設計問題,例えば静的出力フィードバック問題や多目的
制御問題,μ設計(構造化特異値μの計算)などは未だLMIに定式化でき
ず,BMIに帰着されたままとなっている.
一方BMIはNP困難な問題であるが,制御問題で扱うBMIの変数は数十程度
であり,問題を機械システムなどにおける一般的なBMI制御問題を解くこ
とに限定すれば,その解は厳密解である必要はなく,設計者の仕様を満た
す解の精度であればよい.このことから制御問題に対応するBMIを実用レ
ベルの計算時間と精度で解くための最適化手法がいくつか研究されてき
た.
本研究では,制御問題で扱うBMIの大域的最適化手法として従来行わ
れてきた分枝限定法解法 ( BB 法)の下界値の計算法に改良を加え,等価変
換をすることにより計算時間の短縮を図る( BBLB 法).またBMI問題の1つ
である機械システムにおける静的出力フィードバック制御問題に着目し,
その構造を利用した分枝操作の改良を行い,計算効率の向上を目指す
( BBbranch1 法).さらに, BBbranch1 のアルゴリズムの改良としてゲインを優先
させた分割,及び分割順序に重みを付加し,さらなる計算効率の向上を目
指す( BBbranch 2 法). 最後に数値例として静的出力フィードバック制御器の
ゲイン設計問題に適用し,最大固有値最小化問題, H ∞ ノルム最小化問題を
解くことで従来手法 BB と提案手法 BB LB , BBbranch1 , BBbranch 2 の比較を行
い,提案手法の有効性を示す.