不動産投資におけるAM企業の現状と今後(PDF 1.3MB)

特別企画 | 不動産投資におけるAM 企業の現状と今後
AUMの減少で不動産投資に
新たな戦略性が求められる
日銀による
“異次元”
超金融緩和策とアベノミクスによって株式市場はにわかに活性化した。
J-REIT 市場も新規上場や増資ラッシュで投資マネーが大量に流入し、マーケット環境は大きく改善している。
しかし、それが AM ビジネスの活性化に直結しない。AUM の減少が明らかにそのことを示している。
AM 企業が今、求められている戦略課題は何か、その早急な対応が不可避だ。※月刊プロパテ マネジメント 2014 年 1 月号より転載
ィ
の多くは、この間、売却益によるフィー
企業がどのような戦略をとるべきかが問
で利益は出しているものの、AUM によ
われている。現在の不動産投資市場に
安倍政権誕生以降の、いわゆるアベ
る運用収益の減少という事態に陥って
おいて、どのようなエクイティファイナン
ノミクス効果への期待感の高まりのな
いることが推測される。
スが可能なのか、その可能性に即した
か、円安と株式市場の活性化が弾みと
三井住友トラスト基礎研究所の「不
明確な投資ビジョンが不可欠なのであ
なって輸出企業中心にした企業収益の
動産ファンドに関する実態調査 2013 年
ろう。
大幅な改善で景況は大きく変化してい
7月」によると、2012 年 12 月から2013
その意味では投資対象の多様化と
る。
年 6 月までの 6 か月で、私募ファンドの
いう側面からのアプローチにもっとアグ
不動産投資市場も、昨年来の REIT
市場規模は 17 兆 5,000 億円から16 兆
レッシブであるべきだともいえる。
投資口価格の上昇を背景に IPOと公
7,000 億円へと約 8,000 億円減少して
たとえば、成長市場とみなされるシニ
募増資が相次ぎ、物件取引が活性化し
おり、一方、新規ファンドの組成状況は
アヘルスケアやホテル、インフラ・ エネ
始めている。もっとも、J-REIT の取引
27%に過ぎない。
ルギー市場などは、J-REIT 市場の生
先は、スポンサー企業である系列親会
また、新規ファンドの組成が進まな
成・ 拡大とあいまった戦略的なファンド
社からの相対取引が多く、それ以外の
いのは、投資適格不動産のマーケット
組成も十分にあり得るだろう。
AM 会社が恩恵に浴する機会は少ない
への供給が少ないこと、不動産売買価
また、中小規模オフィスのバリューアッ
のが実態といわれている。
格について、売り手との目線が合わない
プ投資への特化や、中規模シェア型賃
この間、多くの AM 会社は、ファンド
こと、不動産価格が高騰してきているこ
貸マンションのリニューアル投資もポテ
物件の売却中心に事業機会を得ており
となどが主な理由となっている。
ンシャリティを秘めた領域とみることが
2極化へと向かうAMビジネス
できよう。
売却先も投資ファンドのみならず、個人
投資家や一般事業会社の旺盛な投資
意欲に支えられているようだ。
多様化のなかでの
戦略的投資の時代へ
こうした状況は、日本投資顧問業協
このように、今後の AM 企業は金融
技術に頼るばかりではなく、ロケーショ
ンや物件そのものに備わる価値の最大
会の不動産関連特定投資運用業・ 開
このようなデータをみるかぎり、不動
化を図る不動産ソリューションの能力が
示データによってもうかがえる。
産投資市場は、J-REIT や旧財閥系の
不可欠となるだろう。
右頁の表は、同協会のデータベース
大手不動産会社系列の勝ち組 AMとそ
東京の不動産市場は、オリンピック
から抽出した 2013 年 9 月現在における
の他の AMとに二極化する様相をみせ
開催を前に今後 4、5 年、地価上昇と建
AM 会社の預かり資産(運用資産、投資
ている。年金資金調達の受け皿を狙う
設費の上昇で投資目線が合いにくい状
助言資産の合計、一任勘定分を除く)の
私募 REIT も大手不動産系を皮切りに
況が続くに違いない。となれば地方大
ランキングであるが、対前年同月比で
商社系、証券系など、大企業グループ
都市市場の開拓も必須で、どの市場を
AUM がマイナスとなっている企業が多
中心の組成となっている。
開拓すべきかも重要なテーマであろう。
数を占めていることがわかる。AM 企業
こうした状況のなか、独立系の AM
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PROPERTY MANAGEMENT SPECIAL EDITION
PM別冊_048_am_souron_CS4.indd 48
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不動産関連特定投資運用業 預かり資産額ランキング
契約資産額(百万円)
順位
名称
契約資産額(百万円)
2013 年
合計
対前年比増減
2012 年
投資運用
投資助言
合計
投資運用
投資助言
1
三菱地所投資顧問株式会社
732,958
151,693
581,265
936,657
141,072
795,585
-21.7%
2
セキュアード・キャピタル・インベストメント・マネジメント株式会社
526,524
213,808
312,716
468,062
234,449
233,613
12.5%
3
オリックス不動産投資顧問株式会社
476,726
378,158
98,568
393,823
363,822
30,001
21.1%
4
ケネディクス・アドバイザーズ株式会社
442,668
60,342
382,326
486,798
67,346
419,452
-9.1%
5
東急不動産キャピタル・マネジメント株式会社
401,336
116,819
284,517
442,662
167,748
274,914
-9.3%
6
森ビル不動産投資顧問株式会社
376,471
3,308
373,163
365,121
3,274
361,847
3.1%
7
東京建物不動産投資顧問株式会社
376,292
51,802
324,490
386,613
59,130
327,483
-2.7%
8
三井住友トラスト不動産投資顧問株式会社
364,147
280,759
83,388
453,095
100,888
352,207
-19.6%
9
三井不動産投資顧問株式会社
347,705
265,818
81,887
393,010
323,078
69,932
-11.5%
10
ダイヤモンド・リアルティ・マネジメント株式会社
291,124
203,721
87,403
476,514
361,668
114,846
-38.9%
11
シンプレクス不動産投資顧問株式会社
230,911
223,187
7,724
247,394
241,765
5,629
-6.7%
12
ASAアセットマネジメント株式会社
209,898
166,004
43,894
159,800
112,478
47,322
31.4%
13
株式会社イデラキャピタルマネジメント
202,533
62,869
139,664
230,478
116,263
114,215
-12.1%
14
株式会社マックスリアルティー
187,404
165,323
22,081
217,982
213,992
3,990
-14.0%
15
安田不動産投資顧問株式会社
181,535
181,535
0
195,921
189,115
6,806
-7.3%
16
野村不動産投資顧問株式会社
172,303
157,832
14,471
571,347
440,708
130,639
-69.8%
17
東京海上不動産投資顧問株式会社
157,036
155,228
1,808
193,428
178,329
15,099
-18.8%
18
日土地アセットマネジメント株式会社
127,390
4,940
122,450
141,520
0
141,520
-10.0%
19
LCR不動産投資顧問株式会社
124,253
124,253
0
205,947
205,947
0
-39.7%
20
興和不動産投資顧問株式会社
113,707
86,034
27,673
92,913
86,399
6,514
22.4%
21
トーセイ・アセット・アドバイザーズ株式会社
104,514
59,726
44,788
152,249
77,412
74,837
-31.4%
22
SPCアセットマネジメント株式会社
102,273
96,447
5,826
36,698
31,043
5,655
178.7%
23
GALILEO JAPAN 株式会社
96,279
96,279
0
106,203
106,203
0
-9.3%
24
グッドマンジャパンファンズ株式会社
94,557
94,557
0
90,669
90,669
0
4.3%
25
プルデンシャル・リアルエステート・インベスターズ・ジャパン株式会社
77,969
59,419
18,550
145,908
75,528
70,380
-46.6%
26
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド・アセットマネジメント株式会社
58,441
46,711
11,730
87,342
57,160
30,182
-33.1%
27
グロブナー ・ファンド・マネジメント・ジャパン・リミテッド
45,533
40,813
4,720
81,523
81,523
0
-44.1%
28
ジャパンアセットトラスト株式会社
44,434
15,369
29,095
32,196
8,196
24,000
38.1%
29
KW Investment 株式会社
44,064
44,064
0
43,910
43,844
66
0.4%
30
サヴィルズ・アセット・アドバイザリー株式会社
36,254
16,798
19,456
66,049
16,581
49,468
-45.1%
31
One World Asset Management 株式会社
33,238
33,238
0
46,023
46,023
0
-27.8%
32
ファンドクリエーション・アール・エム株式会社
28,063
28,063
0
23,763
23,763
0
18.1%
33
三井物産リアルティ・マネジメント株式会社
27,835
27,835
0
31,295
31,295
0
-11.1%
34
グローバル・アライアンス・リアルティ株式会社
26,600
0
26,600
-
-
-
-
35
株式会社エー・エム・ファンド・マネジメント
23,354
0
23,354
14,223
0
14,223
64.2%
36
ユニ・アジアキャピタルジャパン株式会社
22,276
19,781
2,495
66,920
64,527
2,393
-66.7%
37
株式会社リオ・コンサルティング
22,064
18,315
3,749
38,491
13,474
25,017
-42.7%
38
大和リアルエステート・アセット・マネジメント株式会社
22,047
0
22,047
23,753
1,946
21,807
-7.2%
39
アジリティー・アセット・アドバイザーズ株式会社
21,572
21,265
307
30,641
29,023
1,618
-29.6%
-11.5%
40
サムティアセットマネージメント株式会社
17,300
808
16,492
19,545
813
18,732
41
株式会社ハリファックス・アセットマネージメント
16,926
8,352
8,574
14,645
6,535
8,110
15.6%
42
イトーピア・アセットマネジメント株式会社
16,862
0
16,862
31,988
15,104
16,884
-47.3%
43
クリックシス株式会社
16,760
16,760
0
13,880
13,880
0
20.7%
44
株式会社玄海キャピタルマネジメント
15,782
1,706
14,076
47,813
1,783
46,030
-67.0%
45
BMSアセットマネジメント株式会社
13,690
8,920
4,770
13,078
4,900
8,178
4.7%
46
東京キャピタルマネジメント株式会社
12,638
4,310
8,328
13,932
4,510
9,422
-9.3%
47
株式会社アヴァルセック
12,500
12,500
0
14,000
14,000
0
-10.7%
48
SBIエステートマネジメント株式会社
12,079
12,079
0
8,358
8,358
0
44.5%
49
ヘルスケアマネジメントパートナーズ株式会社
9,881
8,481
1,400
10,381
10,381
0
-4.8%
50
株式会社レガロキャピタル
9,162
1,345
7,817
13,207
1,345
11,862
-30.6%
51
株式会社ヒューマックス
9,005
9,005
0
16,385
16,385
0
-45.0%
52
タッチストーン・キャピタル・マネージメント株式会社
5,099
0
5,099
4,691
0
4,691
8.7%
53
株式会社エーマックス
3,728
3,728
0
3,819
3,819
0
-2.4%
54
フィンテックアセットマネジメント株式会社
3,505
3,505
0
3,985
3,985
0
-12.0%
55
プロファウンド・インベストメント・マネジメント株式会社
3,310
3,310
0
19,943
19,943
0
-83.4%
56
Vermilion Capital Management 株式会社
1,650
0
1,650
4,555
0
4,555
-63.8%
57
インターキャピタル投資顧問株式会社
1,269
1,269
0
0
0
0
-
58
株式会社GCM
555
555
0
0
0
0
※一般社団法人 日本投資顧問業協会「契約資産状況 平成 25 年 9 月末」の「不動産関連特定投資運用業」データより
「投資運用」
「投資助言」契約資産額に記入がある 58 社について、両資産合計額でランキングを作成
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「不動産ファンドフォーラム 2013」
パネルディスカッションダイジェスト
アベノミクスで不動産市場はどう変わるか
期待先行のなか、投資チャンスの本命は何処に?
2012 年12月の安倍政権誕生に相前後して、株価や不動産価格は V 字回復したかたちだ。
円安を背景に企業業績は回復傾向にあるが、不動産マーケットに目をやれば、いまだ賃料の目立った回復はみえていない。
2013 年10月に開催された「不動産ファンドフォーラム 2013」内のパネルディスカッションでは、アベノミクスの成功の可否、
不動産市場の行く末について白熱した議論が展開された。本稿ではその模様をダイジェストでご紹介する。
アベノミクスの恩恵を実感
不動産株には割高感も
とはいえ当社の分析では、いまの市況で 150ぐらいの割高
な銘柄があります。そのうち 40 銘柄余りは不動産関連株が占
めています。不動産株への投資という意味では過大に評価さ
―まずはパネリストの皆様から簡単に自己紹介をしていただきたい
れている会社も数多いということです。
と思います。
中嶋 ラサール不動産投資顧問は、全世界にわたって機関投
資家の資金を不動産で運用している会社です。当社は金融危
キンモント マイルストンアセットマネジメントは、ブティック型の
機下も、その後も、短期的な経済情勢に惑わされることなく一
投資顧問会社で、内外の機関投資家向けに、日本株で運用
貫して不動産への投資を続けてきました。日本でも大きな不動
を行っています。投資スタンスは、ロングショート戦略で、平た
産ポートフォリオを保有しており、2 年程度以内のうちにさらに
くいえば、割安株を買い、割高感のある銘柄はショートしていく
3,000 億円程度の投資を実行していく構えです。
というものです。
当社はこのほか、国内のアセットマネジメント会社と組み、
私が初めて来日したのは 1985 年です。当時日本はバブル
個人の資金を集めて全世界の REITに投資するファンドも運用
景気の真っ只中でした。市況全体としては、バブル崩壊後の
しています。日本には資金が贅沢にあるといわれますが、法人
失われた 20 年を経て、これからようやく環境は良くなっていく
部門だけではなくリテール部門に関してもしかりで、この部門に
のではないかと期待しています。
おける投資ニーズは大きいと再認識しています。
50
PROPERTY MANAGEMENT SPECIAL EDITION
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「不動産ファンドフォーラム 2013 」パネルディスカッションダイジェスト
甲斐 三井住友銀行の不動産ファイナンス営業部は、J-REIT
コーディネーター
や私募ファンドへのノンリコース融資のほか、個別の案件ベー
坂口 英治
(さかぐち・えいじ)
スでエクイティ投資も行っています。
三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券
(株)
投資銀行本部 マネージング ディレクター
不動産グループ統括責任者
アベノミクスにより顕著に現れた変化は、前回のプチバブル
以降、簿価の問題などで滞留していた不動産が、ようやく動き
出したということです。売り主は私募ファンドが主役です。大き
な案件については J-REIT 勢が取得し、比較的小規模なもの
は事業会社などが購入するという構図です。
これはノンリコースローンだけではなく、エクイティ案件もそう
なのですが、買い主として J-REIT や事業会社が台頭する一
方、私募ファンド向けの投融資案件はいま一つ活況を欠いて
いるという印象です。相場の見通しが明るいものであるとする
一橋大学法学部卒業後、三井不動産(株)入社。2001 年モルガン・スタンレー証券(株)
入社。現在は、三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券(株)で不動産に関する投資銀行業務
の日本の責任者として、不動産・建設・住宅・J-REIT セクターにおけるファイナンス・M
& A・アドバイザリー業務を担当する。
パネリスト
中嶋 康雄
(なかしま・やすお)
ラサール不動産投資顧問
(株)
代表取締役 兼 CEO
と、私募ファンド勢の盛り上がりにも期待したいところです。
小野 アクサグループの不動産投資顧問会社であるアクサ・リ
アル・ エステート・インベストメントは、都心部の中規模のビル
に投資する東京オフィスプロパティファンドを運用しています。
金額規模でいえば 30∼100 億円のレンジのものです。
当該ファンドの拠点はシンガポールにあり、私は出張ベース
でほぼ毎月日本を訪れています。アベノミクス以降、出張で来
日するたびに日本全体が元気になっていることを如実に感じて
います。またシンガポールにいて感じるのは、日本は政治、経
済面を含めアジアの大国であるということです。アベノミクスの
勢いも含め、日本の動静はアジア各国の大きな注目を集めて
早稲田大学理工学部建築学科にて学士を取得。米コロンビア大学不動産開発学部にて修
士号を取得。一級建築士。
(株)リクルートビルマネジメント
(現
(株)ザイマックス)、
(株)
リクルートコスモス(現(株)コスモスイニシア)を経て、2000 年にニューヨークにてプロ
スペクト・デベロップメント・コーポレーションを共同設立。02 年にラサールインベストメ
ントマネージメント
(株)
(現ラサール不動産投資顧問
(株))入社。09 年より現職。
小野 秀俊
(おの・ひでとし)
アクサ・リアル・エステート・インベストメント・
マネージャーズ・シンガポール・プライベート・リミテッド
シニアファンドマネジャー、ジャパンコアファンド
一橋大学社会学部卒業、スタンフォード大学経営大学院で MBA 取得。三井不動産(株)
に 10 年間在籍。1997 年に GE キャピタル・リアルエステート日本オフィス開設に携わり、
GE エジソン生命執行役員、セゾン生命代表取締役等を経て、2003 年 GE ジャパン取締
(株)代表取締役社長に就任。11 年 6 月より現職。
役。06 年 5 月、ING 不動産投資顧問
います。
甲斐 泰正
(かい・やすまさ)
―安倍首相は就任以降、アベノミクスに代表される経済面に加
え、防衛面などについても積極的な発言を繰り返しています。日本は
どこに向かうのでしょうか。
(株)三井住友銀行
不動産ファイナンス営業部 部長
早稲田大学政治経済学部卒業。ニューヨーク大学スターンビジネススクール経営学修士。
1999 年より、大和証券 SMBC(株)ストラクチャード・ファイナス部にて不動産証券化お
キンモント 日本は失われた 20 年を経て、また輝きを取り戻そ
うとしていると思います。株式市場は時代の変化に敏感です。
よび J-REIT の引受・アドバイザリー業務を推進。2010 年に大和証券 SMBC(株)プリン
シパル ・ファイナンスの取締役に就任し不動産投資を担当。11 年、
(株)三井住友銀行投資
営業部に移りグローバルプライベートエクイティ投資業務に従事。12 年 7 月より現職。
1 年でインデックスが 70%も上昇するなどということは並大抵の
ことではありません。その示唆するところを軽視すべきではない
アレキサンダー・キンモント
(Alexander Kinmont )
と思います。
マイルストンアセットマネジメント
(株)
日本はこれから 2 つの点を重点的に強化するべきだと考えま
CEO
す。それは経済面と防衛面です。経済が弱っている国が外交
的に強い立場をとることは非常にむずかしいのです。安倍首
相が経済政策に力を入れているのも、そうした理由によるもの
とみられます。
小野 東南アジアのニュースなどをみていると痛感することで
英国出身。オックスフォード大学ペンブローク・カレッジで修士号取得。1985 年初来日。
91 年モルガン・スタンレー証券(株)にて不動産関連セクターのアナリスト等を務める。
その後、日興ソロモン・スミス・バーニー証券会社、プロスペクト・アセット・マネジメン
ト等を経て、2009 年モルガン・スタンレー証券(株)に再入社し、日本市場担当ストラテ
ジスト
(マネージング・ディレクター)としてグローバル投資戦略を担当。11年 8 月に独立、
11 年 12 月に日本株ロング・ショート・ファンド運用開始。
51
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すが、先にふれたように、アジアのなかで日本は中国と相対す
べきなのか、あるいは新規産業のトレンドや勢いはどうなって
る大国なのです。そして中国とは違い、政治 ・ 経済的、あるい
いるのかなど、より実需に則した視点が必要です。
は軍事的にも他国からみて安心感が高い。安倍政権も、アジ
アのリーダーとしての役割を十分に意識していると思います。
―消費税増税も決定されました。これはマーケットにどのような影
歴史問題などで方向を誤らなければ、各国の支持も得られや
響を及ぼしますか。
すいと思います。
キンモント 賛成、反対さまざまな意見があることは承知のうえ
一部で賃金上昇もインフレ転換は未知数
消費税増税は明らかな政策ミス
で申し上げると、私は明らかに政策ミスだと思います。消費税
増税により2014 年 2 月頃からは景気は再び弱含み、もとの回
復基調に戻るのは 2015 年以降になると考えています。経営者
―金融政策に話を移します。アベノミクスのもとでの金融緩和に
は皆、急激な経済変動ではなく安定した経済成長を望んでい
ついてどのように評価しますか。
ます。安定成長にのるまでに企業が積極的に設備投資するこ
とはありません。
キンモント おおむね正しい方向にあると思います。ただ金融
緩和そのものが経済を好転させることはありません。あくまで実
―デフレから脱却し、ゆるやかなインフレへと転換することはできる
体経済の成長を後押しするものです。両者が一体となることで
と思いますか。
最終的にインフレも達成されるでしょう。円安の実体経済への
波及効果にはタイムラグがありますので、影響がみえはじめる
キンモント 労働人口の減少により、とくに土木や介護など、い
のは 2014 年後半あたりからであるとみています。
わゆる 3K に近い業種で賃金が上昇しています。第一次∼第
国内のデフレ要因は構造的な円高であったことは明らかで
三次産業のピラミッドのなかで、いわば底辺に近いところに
す。円はここ20 年来、約 20%も割高でした。その流れを止め
あった業種の賃金が上昇しているわけです。インフレとはこう
た安倍首相と日銀の黒田総裁の手柄は大きいと思います。
したヒエラルキーのなかでの富の移転にほかなりません。日本
がどの程度インフレ転換できるかは、この富の移転を社会がど
―アベノミクスに相前後して、国債中心の銀行の資産ポートフォリ
れぐらい容認できるかにかかっていると思います。
オに変化はあったのでしょうか。
インフレ、景気回復への過程でかならず金利は上昇します。
しかし、銀行のバランスシートにはいまだ大量の国債の残高が
甲斐 はい。銀行全体のスタンスとして、とれるリスクはとって
あります。金利が上昇すれば評価額が下がり銀行決算に支障
いこうというように変化してきたと思います。具体的には、国債
が出てくるでしょう。日銀は国債買取りによって、国債を銀行か
の残高を減らす一方で、株価連動型投信などへのエクスポー
ら切り離す動きを進めています。これが実現されれば、銀行も
ジャーを増やすリバランスも行いました。その好影響は 2014 年
リスクをとりやすくなり、さらに景気回復の足取りは力強いもの
3 月期の中間決算でもみてとれます。不動産ファイナンスにつ
になると思います。
いては、融資の枠に余裕があるので、積極的に案件を発掘し
ていきたいと考えています。
中嶋 為替動向やキャピタルマーケットの動きは無論、重要で
ホテルなどのオペレーショナルアセットや
CRE分野にも大きなチャンス
すが、実物不動産の場合には床の需給の動向に着目する必
要があります。とくに日本のように経済が成熟した国では、需
―本題の不動産市場に的をしぼってお伺いしていきましょう。アベ
要が爆発的に拡大することが望めません。新規に床を供給す
ノミクスのもとでどのようなセクターに注目していますか。
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「不動産ファンドフォーラム 2013 」パネルディスカッションダイジェスト
中嶋 床の需給だけをみていくと、オフィスや住宅に関しては
―ホテルへのファイナンスについてはどのようみていますか。
需要は充足されている状態にあります。もっとも、経済成長あ
るいは築古の中小規模オフィスのスクラップが進めば、その分
甲斐 ホテルのキャッシュフローはオペレーションに拠る割合
だけ新規床が供給される余地はあります。商業床はオーバー
が非常に多いことから、
かつては期中のキャッシュフローで融資
サプライの状況です。時代の変化とともに、モノの売り方は変
額を全額回収できるという見立てで評価を行っていました。し
わります。ネット通販の影響もあるでしょう。こうしたトレンドに
かし最近ではホテルの取引事例も増加しています。また景気の
合致した施設に投資していくことが重要です。
上昇局面では積極的にアップサイドも狙えることから、インフレ
物流やホテルは引き続き有望な分野です。ホテルに関して
対応資産として考えられなくもありません。
よって徐々にではあ
は良質なオペレーターが不足していることが課題となっていま
りますが、柔軟な融資スタンスをとる銀行も増えてきています。
す。ヘルスケア分野は今後の日本の行く末を考えれば巨大な
小野 投資家サイドからみても、ホテルあるいは商業施設など
市場であることは確かですが、国の政策の影響を大きく受けま
オペレーションが必要となるアセットは、運営がむずかしい反
すので、その見極めが重要になります。
面、真の意味で付加価値を創造する余地があります。その意
小野 オフィスセクターに着目しています。これまでの流れを振
味でこれから一層、注目が高まっていくセクターであると思いま
り返ると、GDP の成長に連動して賃料が上昇するという動き
す。
がみてとれます。大手デベロッパーを中心に大規模 Sクラスビ
ルの竣工が相次いでいますが、一方で、当社が投資を進めて
―不動産市況が回復する一方、売り物件の先細りも懸念されてい
いる都心立地の優良な中小オフィスビルは、リーマンショック以
ます。取引額はこれから増えていくのでしょうか。
降供給がしぼられており、需給は比較的タイトです。テナント需
要のボリュームゾーンでもあり、期待がもてるとみています。
小野 取引は若干、細っているように感じます。その理由を考
政府は特区構想を掲げ、きわめて限定的な税制の優遇措
えてみると、そもそも日本には IRR あるいはタイムバリューという
置などを通じて外資の誘致を図ろうとしていますが、本気度に
概念が根付いていないように思うのです。大量の流動性を市場
はいまだ疑問があります。シンガポールの例をあげると、誘致
に供給し、長期間低金利が続いていることも影響しているでしょ
を担当している公務員は、どれだけの企業を呼び込んだかに
う。売り手は時間価値を気にしていないわけですから、
とくに現
よって成績が決まります。それぐらいのドラスティックなことがで
在のような回復局面になると完全に売り手有利となってしまいま
きなければ、特区構想も上手く進まないと思います。
す。
甲斐 三井住友銀行はヘルスケア REIT の立上げを見越した
中嶋 たしかに誰がみても理解しやすい単純かつ優良な賃貸
動きを進めています。ヘルスケアを投資対象とするにあたって
不動産の取得はむずかしくなっています。しかし、まだまだ投
一つの課題となるのが、インフレ、金利上昇への対応です。長
資する対象は数多くあります。それは銀行の担保不動産のな
期固定の賃貸借契約を前提とすれば、インフレ局面で価格が
かにも眠っているかもしれません。
また、
プロがまだ触っていない
大幅にディスカウントされてしまう可能性もあります。この点に
産業界で保有されている不動産も多くは手つかずのままです。
関しては不動産証券化協会などもガイドラインの作成を進めて
甲斐 銀行の担保として滞留していた不動産はあるにはある
おり、当行としても積極的に関わっていきたいと考えています。
のですが、ここ1 年余りの回復基調のなかでその大部分が整
キンモント 日本の高級住宅は割安だと思います。香港やシン
理されてきたと思います。産業用不動産あるいは広い意味で
ガポールでは坪 1,000 万円超の物件もめずらしくありません。
の CRE については、インフレ傾向になり金利が上がってくれば
相対的に割安な都心の高級マンションにはチャンスがあると思
企業としても高い ROE が求められることとなり、財務の効率化
います。
を進めるなかで売却ニーズが活性化する可能性があります。
―ありがとうございました。
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REPORT 注目 AM 会社の最新動向
イデラ キャピタルマネジメント
バリューアップ力を活かし
コア投資家向け物件を生み出す
イデラ キャピタルマネジメント(以下、
嵯峨 行介
COMMENT
イデラ)は、AM 会 社 の 多くが 売 却 案
[ 代表取締役社長 ]
当社はファンドマネジメントや AM から、不動産のバリューアップに至るまで、ワ
件を抱えて AUM を減らしているなか、
ンストップかつバイリンガルで対応できる合計約 70 名のプラットフォームを備え
2013 年 10 月末現在においてもAUM
ています。これに加えて、独立系企業であり、また市況低迷期に無理をしてファ
残高は前期末(2013 年 3 月)とほぼ変
ンド組成を進めてこなかったことから、国内外問わず投資家のニーズに応じて、
わらない 2,000 億円を保っている。4 月
広く柔軟に案件受託できるポジションをとっていることも強みと言えます。当社
∼10 月における売却 ・ 新規受託はとも
は「日本有数の独立系不動産キャピタルマネジメント会社」を目指していますが、
今後もこの目標に向かって邁進していきたいと考えています。
に 400 億円程度ずつあり、投資家から
のリピートオーダーが続いていることも
AUM 維持に大いに貢献しているとい
う。
の、一棟貸しを志向していたため竣工
する賃貸住宅 4 棟を約 45 億円で取得。
大勢としては投資適格物件が枯渇す
後 5 年間も空ビル状態が続き、J-REIT
続けて大阪市内の物件 1 棟を取得し、
る環境が続くものの、同社代表取締役
やコア投資家が手を出しにくい案件で
投資を完了させた。現在、2 号ファンドの
社長の嵯峨行介氏はこうした状況に変
あった。
組成に向けた準備を進めている。
化が訪れてきていると語る。
「リーマン
G10ビルは従前のリーシング戦略を
「私募ファンドAM である当社は、今後
ショック前に供給され、その後塩漬けと
変更し、飲食店やエステ・ 美容などの
もコア投資家が求める物件をある種 需
なって動きがなかった物件が、市況の
来店型テナント中心の商業ビルとして再
要の先取り をするようなかたちで取得し
回復を受けて近頃市場に再登場しはじ
スタートが図られた。入口ゲートの増設、
ていきたい。この取り組みのようにコアと
めた。まだ目線が合わない部分もある
エレベータ周りの導線変更、サイン看板
は目線が異なる投資家と組み、バリュー
が、良い傾向にあると感じている」。
の付け替えなどを含め大幅な改築工事
アップファンドを組成するのも面白いだろ
とはいえ、バブルじみたキャップレート
が実施された。現在 10フロアのうち、す
う。ビジネスチャンスはまだまだ存在して
の急低下や、賃料の大幅上昇がすぐに
でに 8フロアに申し込みが入っている。
(同氏)。
いる」
起こるとは考えにくい。今後も長期的に
さらに、物件供給にとどまらず、コア投
安定して成長するキャッシュフローを好
地方レジファンドの第 2 弾が進行中
資家を対象としたビジネスの本格化にも
むコア投資家向け商品の需要が高まる
コア投資家とのビジネスも本格化
注力している。
だろうとみている。同社では、AM 会社
「J-REIT 市場の活況などが顕著なよう
でありながらリノベーションや戦略的な
またイデラでは、13 年 3 月にデンマー
に、今後の不動産投資においては、コア
リーシングなど不動産バリューアップを
ク籍のグローバル不動産ファンドのマル
投資家の勢力が一層拡大していくと考え
主導できるという強みを活かした取り組
チ・ マネージャー、Sparinvest Property
ている。従来から取引のある国内外のコ
みを進めていく。
Investors A/S 社から投資資金を受託し、
ア投資家に加え、金融機関との取組実
その成功例のひとつが、2013 年 3 月
地方主要都市の住宅に投資するファンド
績やネットワークも活かしつつ、
これまで
に海外投資ファンドと共同投資を行った
を組成している。これも出口はコア投資
取引のないコア投資家との関係構築や
新橋駅前の「G10ビル(取得前の旧称
家を想定し、NOI 利回り10%台中盤を
新たなプロダクトの開発等にも注力し、コ
は QC キューブ西銀座 14 )」だ。同物件
目指すバリューアップファンドだ。
ア投資家とのビジネスを本格化していき、
は駅前立地で視認性が非常に高いもの
同ファンドではまず名古屋市内に立地
(同氏)。
事業規模の拡大を図っていく」
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不動産 AM 会社ガイド 2014
株式会社イデラ キャピタルマネジメント
http://www.idera-capital.com
[代表者名]嵯峨行介
[設立日]2001 年 9 月
[所在地]〒 107-0061 東京都港区北青山三丁目 5 番 12 号 青山クリスタルビル
[TEL]03-5771-9001
[FAX]03-5771-9002
[運用資産残高]2,075 億円(2013 年 3 月末時点)
[運用ファンド数]-
[対象エリア]全国
[投資家層]コア/コアプラス/バリューアッド/オポチュニスティック
アセットマネジメントの特徴
[対象アセット]オフィス/住宅/商業/ホテル/物流
エムケーキャピタルマネージメントとアトラス・ パートナーズが合併して誕生した独立系不動産キャピタル
マネジメント会社。自己資本比率 96%の強固な財務体質(2013 年 3 月末時点)のもと、現場力とファ
ンドマネジメント・ 新規商品開発力を強みとしている。2013 年は、デンマークのファンド・マネージャー
の Sparinvest 社と主要都市レジデンシャル投資プログラムを組成したほか、西日本オフィスを開設し、
営業基盤拡充を図っている。
ケネディクス株式会社
http://www.kenedix.com
[代表者名]宮島大祐
[設立日]1995 年 4 月
[所在地]〒 103-0026 東京都中央区日本橋兜町 6 番 5 号 KDX 日本橋兜町ビル
[TEL]03-5623-8400
[FAX]03-5623-8401
[運用資産残高]約 1.2 兆円(2013 年 9 月末時点)
[運用ファンド数]81 本
[対象エリア]全国主要都市
[投資家層]コア/コアプラス/バリューアッド/オポチュニスティック
※グループ全体の数値
アセットマネジメントの特徴
[対象アセット]オフィス/住宅/商業/ホテル/物流/ヘルスケア
ケネディクスグループは、日本のマーケットにおいて、多様なアセットクラスに対し、エクイティ投資や不動
産開発、M&A アドバイザリー、CMBS 投資等、幅広い投資手法で、多様な投資機会を提供してきた。
ケネディクスの情報収集能力と創造力を最大限に活用し、市場に飛び交う情報を速やかに、かつ柔軟
に魅力的な投資機会に変え、世界中のあらゆるリスク・リターンプロファイルを持った投資家のニーズ
に対応していく。
株式会社ザイマックス不動産投資顧問
http://www.xymax.co.jp/company/groups/xy-reia.html
[代表者名]稲月伸仁
[設立日]2007 年 8 月
[所在地]〒 107-0052 東京都東京都港区赤坂一丁目 1 番 1 号
[TEL]03-5544-6860
[FAX]03-5544-6861
[運用資産残高]約 1,400 億円
[運用ファンド数]22 本
[対象エリア]全国
[投資家層]コア/コアプラス/バリューアッド/オポチュニスティック
アセットマネジメントの特徴
[対象アセット]オフィス/住宅/商業/ホテル/ヘルスケア
プロパティマネジメントやビルメンテナンスで培った不動産マネジメント能力を活かし、広範なアセットマ
ネジメントサービスを提供。不動産本来の姿である長期運用の観点を大切にした、戦略的かつ安定的
なマネジメントスタイルで不動産価値を高める。
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サヴィルズ・アセット・アドバイザリー株式会社
http://jp.savills.co.jp
[代表者名]稲津俊彦
[設立日]2011 年 9 月
[所在地]〒 106-0041 東京都港区麻布台一丁目 11 番 9 号 CR 神谷町ビル 10 階
[TEL]03-5562-1770
[FAX]03-5562-1771
[運用資産残高]1,400 億円(2013 年 10 月末時点)
[運用ファンド数]-
[対象エリア]全国
[投資家層]コア/コアプラス/バリューアッド/オポチュニスティック
アセットマネジメントの特徴
[対象アセット]オフィス/住宅/商業/ホテル/その他
総合不動産サービス・プロバイダー、英国 ・ サヴィルズの日本におけるAM会社。サードパーティーA
Mとして、主に欧米 ・アジアの投資家からAM受託している。
サヴィルズ ・グループの総合力とグロ−バル・ネットワークを活かして、幅広いクライアント層からの多様
なニーズに応えるべく、カスタマイズされたきめ細かいサービスを提供している。
住商リアルティ・マネジメント株式会社
http:www.sumisho-rm.co.jp
[代表者名]藤林秀敏
[設立日]2007 年 9 月
[所在地]〒 104-0053 東京都中央区晴海一丁目 8 番 8 号 晴海トリトンスクエアオフィスタワーW 16 F
[TEL]03-5547-0571
[FAX]03-5547-0574
[運用資産残高]約 1,450 億円
[運用ファンド数]9 本
[対象エリア]全国
[投資家層]コア
アセットマネジメントの特徴
[対象アセット]オフィス/住宅/商業/物流
住友商事は、不動産事業を源流とし90 年に亘りデベロッパーとしてグループ企業と共に不動産の企画・
開発から運営管理に至るまで、幅広い事業展開を行ってきた。
住友商事の 100%出資により設立された同社は、グループの総合力を活かし、投資家に対して優良な
投資機会を提供している。また、現場の実務を確実かつ迅速にこなす現場力を持つプロフェッショナル
集団として、質の高いサービスの提供を行っていく。
タッチストーン・キャピタル・マネージメント株式会社
http://www.touchstone-cm.com
[代表者名]賣間正人
[設立日]2005 年 6 月
[所在地]〒 107-0052 東京都港区赤坂一丁目 7 番 1 号 赤坂榎坂森ビル
[TEL]03-5114-6622
[FAX]03-5114-6623
[運用資産残高]約 886 億円(2013 年 12 月末時点) [運用ファンド数][対象エリア]東京都区部/大都市圏
アセットマネジメントの特徴
[対象アセット]オフィス/商業/住宅
[投資家層]コア/コアプラス/バリューアッド/オポチュニスティック
コアからオポチュニスティック投資まで幅広い分野のアセットマネジメントサービスを少数精鋭のプロ
フェッショナル集団により提供している。英語によるバイリンガル・コミュニケーションにより海外投資家
のニーズに応えるとともに、ファイナンスに精通した独立系アセットマネジメント会社としての強みを発揮
し、顧客の個別ニーズに合わせたベンダー編成に基づく運用体制を提供している。
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不動産 AM 会社ガイド 2014
BMSアセットマネジメント株式会社
http://www.bmsam.co.jp
[代表者名]橘 延治
[設立日]2008 年 1月
[所在地]〒 101-0052 東京都千代田区神田小川町二丁目 5 番地 1 オーク神田小川町ビル 7 階
[TEL]03-5282-5400
[FAX]03-5282-5401
[運用資産残高]-
[運用ファンド数]-
[対象エリア]全国
[投資家層]コア/バリューアッド/オポチュニスティック
アセットマネジメントの特徴
[対象アセット]オフィス/住宅/商業/ホテル/物流 他
大手 PM 会社である BMS の 100%子会社として親会社の PM ・ CM 業務のノウハウを活用し、不動
産証券化のアレンジ、受託資産の運用及び売却等の提案を行っている。運用資産はオフィス・ 住宅 ・
商業施設 ・ホテル・ 物流施設等多岐にわたり、リーシング戦略や改修工事等により受託資産の付加価
値を高め、中長期的な安定運用を図っている。また、同業他社との連携も行い、それぞれの利点を活
かして様々な投資家ニーズに応えている。
丸紅アセットマネジメント株式会社
http://www.marubeni-asset.com
[代表者名]宰田哲男
[設立日]2007 年 11月
[所在地]〒 100-0004 東京都千代田区大手町二丁目 2 番 1 号 新大手町ビル 7 階
[TEL]03-3527-9477
[FAX]03-3277-3610
[運用資産残高]約 1,000 億円
[運用ファンド数]7 本
[対象エリア]全国主要都市
[投資家層]コア/コアプラス
アセットマネジメントの特徴
[対象アセット]オフィス/住宅/商業/ホテル
丸紅グループの都市開発機能に沿った不動産私募ファンドの運用を実施。総合商社系ならではの豊
富なネットワークを活かし、国内 ・ 海外の投資家様のニーズに応じ、幅広い分野を対象とした不動産投
資ファンドの組成、一任運用、運用助言、投資顧問業務の拡大を図っていく。
2013 年 5 月、シンガポール証券取引所に上場した「CROESUS RETAIL TRUST」が運用する日本
国内不動産の AM 業務にも参画している。
三井住友トラスト不動産投資顧問株式会社
http://www.smtreim.jp
[代表者名]木村光男
[設立日]2005 年 11月
[所在地]〒 100-0005 東京都千代田区丸の内一丁目 6 番 2 号
[TEL]03-6256-5530
[FAX]03-3286-8469
[運用資産残高]3,433 億円
[運用ファンド数]-
[対象エリア]全国
[投資家層]コア/コアプラス/バリューアッド/オポチュニスティック
アセットマネジメントの特徴
[対象アセット]全アセット
三井住友信託銀行の 100%出資子会社である三井住友トラスト不動産投資顧問は、不動産証券化業
務のパイオニアである信託銀行が長年培ってきた機能を活用し、多様化する投資家ニーズに対応した
新たな不動産証券化商品の開発も視野に、マーケットの要請に応え得る的確でスピーディ―なサービス
の提供に取り組んでいる。
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