3.高等部卒業生の就労継続支援B型事業所の利用について (1)制度の

3.高等部卒業生の就労継続支援B型事業所の利用について
(1)制度の概要
就労継続支援B型利用対象者(具体例)
① 就労経験がある。
② 50歳以上。
③ 障害基礎年金1級受給者(20歳以上)。
④ 就労移行支援事業を利用して、アセスメントを受け就労継続支援B型の利用が適当と判断され
た人。
⑤ 雇用の場が乏しい又は就労移行支援事業所が少ない地域では、協議会からの意見を徴し、,市
町村が一般就労困難と認めた人。(平成27年3月31日まで)
※ 協議会:自立支援協議会、市町村審査会等
※ 平成26年度末のサービス利用等計画の体制整備の期間まで、経過措置延長。
特別支援学校卒業予定者が、卒業後速やかに就労継続支援B型のサービス利用を希望する場合、①、
②、③の条件には該当しない。⑤についても、岐阜市内には就労移行支援事業所が10以上あり該当し
ない。このため、特別支援学校在学中に④の条件を満たす必要がある。
(2) 厚生労働省の方針(概要)
■
できるだけ特別支援学校在学中に就労移行支援事業所によるアセスメントを実施することを推
奨。
■
地域に就労移行支援事業所がない等の理由でアセスメントが適切に行えない地域においては、
障害者就業・生活支援センターが,同一法人内の「就労移行支援事業所の従たる事業所」の指定
を取ることにより、当該障害福祉圏域内のアセスメントを行う。
※ 従たる事業所となることで,訓練等給付費の対象とできる。
■
アセスメントの期間は10日間~1ヶ月を基本とし、アセスメント対象者の状況等により、3
日~10日間・2月程度を想定。
4.平成25年度実績報告
(1)特別支援学校卒業後のB型事業所利用者・・・12名
(2)利用就労移行支援事業所 4事業所
(3)利用日数
3日
4日
5日
7日
1か月
2名
5名
1名
2名
2名
※上記以外に、当初は就労継続支援B型利用希望だったが、就労移行支援事業所を標準利用期間利用
することとなった利用者3名あり。
5.平成26年度予定について
(1) 特別支援学校卒業予定者の進路(平成26年5月1日現在)・・・別紙1参照
(2) 高等部卒業生の就労継続支援B型事業所の利用に係る業務の流れ・・・別紙2参照
① 岐阜市から就労移行支援事業所に対して、受入可能状況の調査。
② 卒業後に就労系障害福祉サービス(就労継続支援B型事業所等)を希望する利用者が、岐阜
市に相談に行く。
③ 岐阜市は、アセスメントを受けるために就労移行支援事業所の利用が必要であることを利用
者に説明し、就労移行支援事業の利用申請を提出してもらい、自宅での聞き取り調査を行う。
④ 岐阜市は、相談支援事業所にサービス等利用計画案を作成してもらい、市に提出するよう申
請者(利用者)に依頼する。
⑤ 利用者からの依頼を受け、相談支援事業所は就労面のアセスメントを目的としたサービス等
利用計画案を作成、利用者に交付し、岐阜市に提出する。
⑥ 岐阜市は、就労面のアセスメントを目的とした短期の支給決定(暫定支給決定)をする。
⑦ 相談支援事業所は、就労移行支援事業所と連携しサービス等利用計画(本計画)を作成、利
用者に交付し、岐阜市に提出する。
⑧ 就労移行支援事業所が、利用者に就労面のアセスメントを実施する。
⑨ 就労移行支援事業所はアセスメントの結果を相談支援事業所に提出。
⑩ 相談支援事業所は、就労面のアセスメントや通常の調査(障害の状況や家庭状況、利用者の
意向など)を勘案し、最適なサービス種別を利用者に提案する。
⑪ 利用者は学校と相談、進路を決定する。
⑫ 利用者は、希望する障害福祉サービス(就労移行支援B型等)の利用について岐阜市窓口で
申請する。
⑬ 岐阜市は、相談支援事業所にサービス等利用計画案を作成してもらい、市に提出するよう申
請者(利用者)に依頼する。
6.サービス利用に係るアセスメントの進め方や依頼手順等について
(1)アセスメント期間
原則として10日間~1ケ月間程度
※10日間以上の期間を確保できない場合は、最低でも3日以上の期間を確保してください。
(2)アセスメント必須項目
アセスメントを行う場合、以下の6点を必ず行ってください。
①「就労系障害福祉サービスの利用説明」
利用者が進路の選択をする上で有効な情報となるように、就労移行支援事業所・就労継続支援
A型事業所・就労継続支援B型事業所の、それぞれの事業目的や意義等を利用者に伝えること。
②「企業就労についての説明」
利用者の直近の利用希望が企業就労でない場合でも、将来的に就労への意欲が向上する場合を
考えて、本人や保護者に一般就労への理解を促進させるための説明を行う時間を設ける。
(企業
への職場見学や実習、障害者雇用の様子が分かるDVD映像の閲覧や就労支援メニューの説明な
ど)
また、一般就労した際に困難に直面した時の相談機関についても説明すること。
(障害者就業・
生活支援センター等)
③「多様な側面の観察」
利用者の就労の可能性を多面的に検討する必要があることから、作業能力(スピード等)の観
察に加え、作業態度(報告や返事、意欲等)
、社会生活(協調性や普段の生活を知る)
、基本的ル
ール(欠勤の時の連絡や清潔感等)など、生活面や態度面など多様な側面の観察を多面的に行う
こと。
なお、アセスメントを実施する際に、再アセスメントの必要性を判断する時に、以下の点は重
要となるため、必ず観察することを必須とする。
④ 観察必須項目 9項目
イ 「体力」 一日何時間程度の作業を行えるか
ロ 「作業中の持続力」 一定のペースで作業を行えるか
ハ 「作業時間と休憩時間の区別」 休憩時間と作業時間の区別を理解できているか
ニ 「作業の集中力の維持」 よそ見をしないか、周囲の様子に気を取られないか
ホ 「作業の正確性」 ミスをしないか。ミスを注意したら修正できるか
ヘ 「作業の自己統制力」 パニック等により作業が継続しないこと等があるか
ト 「作業や日常生活の安定性」 安定した情緒で毎日作業に取り組めるか
チ 「遅刻・欠勤・無断欠勤等の有無」 欠勤・遅刻なく出勤できるか
リ 「欠勤・遅刻時の連絡体制の確立」 欠勤・遅刻を連絡できるか。できない場合は代わりに
連絡する家庭の体制が整っているか
⑤「就労支援の豊富な支援者との相談の実施」
アセスメントの結果は、評価者個人だけで決めることなく、利用者の希望、保護者や支援者(特
別支援学校担任等)の方針や計画も踏まえながら、同じ事業所内にいる就労支援の経験が豊富な
支援者とも相談して検討した後に取りまとめること。
⑥「適切な障害福祉サービス利用に向けた所見作成と再アセスメントの必要性の判断」
アセスメントの結果を取りまとめて書面に記載すること。書面には適切であると考えられる、
障害福祉サービスの利用計画を立案する際の参考となる所見を記載すること。
また、観察必須項目が良好な結果になっているにも関わらず、一般就労の可能性や一般就労に
向けた支援を受ける必要がないと利用者が考えている場合は、利用者との相談を丁寧に行い、①
利用者が一般就労を希望していない理由をしっかりと確認する。②利用者が持っている良好な力
や将来的な一般就労の可能性を伝え、希望に変更がないかを確認する。③3年後の支給決定更新
時において再アセスメントを行うことが可能であり、その頃に職業的な力が向上している可能性
がある旨の情報提供を行い、利用者の再アセスメントを受ける希望の有無について、利用者の意
思を確認する。以上のことを必ず行うこと。
(3)
「利用者・家族・支援者へのフィードバック」
最終日にアセスメント結果の取りまとめを行った後、アセスメント期間中に得られた観察結果
(途中経過でもよい)を、利用者や保護者、指導者に対して可能な範囲でフィードバックし、利
用者の今後の就労面での目標や、課題設定の参考となるようにする。
(4)アセスメント結果様式例・・・別紙3参照
(5)その他
「障害者就業・生活支援センターモデル事業による就労系障害福祉サービスの利用に係るアセ
スメント共通マニュアル」は、岐阜県のホームページで公開されています。
(厚生労働省通知No.52)
http://www.pref.gifu.lg.jp/kenko-fukushi/fukushi/shougai/sienhou/yousiki/tuchi.html