KURENAI : Kyoto University Research Information Repository Title Author(s) Citation Issue Date URL Rho-dependent Transfer of Citron-Kinase to the Cleavage Furrow of Dividing Cells( Abstract_要旨 ) Eda, Masatoshi Kyoto University (京都大学) 2001-07-23 http://hdl.handle.net/2433/150183 Right Type Textversion Thesis or Dissertation none Kyoto University 【2 5 7】 J 氏 名 えだ まき とし 枝 雅 俊 学位( 専攻分野) 博 士 (医 学 位 記 番 号 医 学位授与の 日付 平 成 1 3年 7 月 23 日 学位授与の要件 学 位 規 則 第 4 条 第 1項 該 当 研 究 科 ・専 攻 医 学 研 究 科 脳 統 御 医 科 学 系 専 攻 学位論 文題 目 Rho-depe nde ntTr ans f e rofCi t r on-Ki nas et ot heCl e avageFur r ow ofDi vi di ng Ce l l s ( ci t r o n-Ki na s eは Rho活性化 によって細胞の分裂溝 に移行する) 論文調査委員 教 授 野 田 博 学) 第 241 0号 ( 主 査) 論 亮 文 内 教 授 月 田承 一 郎 容 の 要 教 授 成 宮 周 旨 Ci t r o nキナーゼ (以下 Ci t r o n-K)は低分子量 G 蛋 白質 Rhoの標的蛋 白であ り,活性型 Rho( GTP-Rho) とは結合す るが不活性型 Rho( GDP-Rho) とは結合 しない蛋 白質 として,Ye a s t -2-hybr i d法 によって発見 された。 これまでの研究 か ら,Ci t r o n-K は細胞質分裂 の際 に 2つの娘細胞 を分離する分裂溝 に集積 してお り,かつその部分欠失変異体 を過剰発現 t r o n-K は種 々の細胞機能の中で も特 に細胞質分裂 に深 く関 させ ると細胞質分裂が失敗 して多核細胞が増 えることか ら,Ci わっていることが示唆 されていた。 今回申請者 らは,細胞周期 の中で Ci t r o n-K の細胞内局在 を詳細 に調べ, また種々の細胞内シグナルを人工的に操作する ことによって,Ci t r o n-K の細胞内局在が Rhoの活性化/不活性化 と密接 に連携 していることを示 した。 t r o n-K は細胞 画期 には細胞質内で凝集塊 を形成 しているが,分裂前中期 に細胞質内にび漫性 に分散するように 内因性 ci な り,その後分裂溝 に集積 して,そのまま分裂後の娘細胞 をつな ぐ中央体 に移行する。 ) 申請者 らはこの/ 細 胞内局在 の変化が何 らかの細胞内シグナルによるもの と考 え, まず活性型 Rhoを細胞 に過剰発現 させ て,その時の C血o n-K の局在変化 を調べた。 この結果,人工的な Rho活性化 によって Ci t r o n-K は間期細胞質内の凝集塊 か ら細胞皮質 に移行 し,そ こで線維様構造 を作 ることが分かった。 この Ci t r o n-K の局在変化 は Rhoに特異. 的であ り,同 じくCi t r o n-K と結合す ることが分かっている Ra cの活性化/不活性化, また Cdc 4 2の活性化/不活性化ではこの局在変 化 は誘導 されなか った。 また この線維状構造では活性型 Rhoと Ci t r o n-K の局在がほぼ完全 に一致 してお り, この構造 中 で Ci t r o n-K と活性型 Rhoが複合体 を形成 している可能性が示唆 された。 さらにこの線維状構造 は細胞皮質でアクチン線 t r o n-K の細胞皮質 ・分裂溝-の集積 における活性化 Rhoの役割 を検証するため,分裂中の細胞 を 申請者 らはついで Ci Rho阻害薬 C3細胞外毒素で処理 し,その時の Ci t r o n-K の細胞内局在 を調べ た。すると人工的に Rhoが不活化 された細 胞では,Ci t r on-K は分裂溝 に集積せず,紡錘体の赤道面上 に微小管 と一致 して局在することが分かった。 以上の結果 よ り,Ci r o n-K は細胞 間期 には細胞質内で凝集塊 を形成 しているが,前中期 に細胞質内にび漫性 に分散する ようにな り,その後 Rhoの活性化 によって微小管 を介 して細胞皮質 に誘導 され,そこで分裂溝 に集積 して,そのまま分裂 後の娘細胞 をつな ぐ中央体 に移行することが明 らかになった。 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 ci t r o nキナーゼ (以下 Ci t r o n-K)は,低分子量 G 蛋 白質 Rhoの標的蛋 白質で,細胞質分裂時 に分裂溝 に局在 し,変異 体発現が分裂 を阻害することなどか ら,分裂時の Rhoエフェクターと考えられている。 申請者 は Ci t r o n-K の分裂溝への局在化機構 を特異抗体 を用いた内因性蛋 白の免疫染色 と GFP との融合蛋 白の発現 によ り解析 した。その結果,① ci t r o n-K が間期 には細胞質内で凝集塊 を形成するが,前中期 にび漫性 に分散 し,その後分裂溝 - 6 6 9- -中央体 に集積す ること,②活性型 Rhoの過剰発現 によ り凝集塊か ら細胞皮質 に移行 し Rhoと複合体 を形成 して線維様構 造 を作 ること, この線維状構造 はアクチ ン線維 と相補的に局在 し, ラ トランクリン A などによるアクチ ン脱重合で分散す ること,③ C3酵素処理 による Rhoの不活化で,Ci t r o n-K の分裂溝集積 は阻害 され,紡錘体赤道面上 に微小管 と一致 して 局在す ること,が分かった。 これ らの結果か ら,Ci t r o n-K は間期の細胞内凝集塊か ら,分裂前 中期 に細胞質内にび漫性 に分散 し,Rho活性化 によっ て微小管 を介 して細胞皮質に誘導 され, アクチ ン骨格の働 きによ り分裂溝-中央体 に集積す ることが明 らか となった。 t r o nの機能発現機序 の解明に貢献 し,細胞質分裂の分子 メカニズムの理解 に寄与するとこ 以上の研究 は Rho標的蛋 白 ci ろが多い。 したがって,本論文 は博士 (医学)の学位論文 として価値 ある もの と認める。 なお,本学位授与 申請者 は,平成 1 3年 6月27日実施の論文内容 とそれに関連 した試問を受け,合格 と認め られたものであ る。 - 670-
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