2014年12月調査 日銀短観 予測

-2014年12月調査 日銀短観 予測-
客員エコノミスト 宅森昭吉 コメント
日銀短観とロイター短観(200・400社ベース)
(大企業)の業況判断DI比較
(出所)日本銀行、トムソン・ロイター
12月調査日銀短観では、大企業・製造業の業況判断DIが9月調査の+13から横ばいの+13程
度になると予測する。7期連続で「良い」超のプラスにはなろう。日銀の追加緩和、日経平均の上昇、
原油価格低下、鉱工業生産指数など足元の経済指標ではしっかりした内容のものも多くこの点からは日
銀短観の改善が期待されるが、12月調査のロイター短観やQUICK短観などの関連指標が強くはな
いので横這いと見た。
今年のプロ野球は、セ・リーグで巨人が優勝し、日本シリーズには阪神が出場したので、ジンクス的
には昨年の12月調査から業況判断DIが大幅に悪化することはないとみた。
大企業・非製造業・業況判断DIの12月調査は+14程度と9月調査の+13から1ポイント程度
改善するとみた。14期連続で「良い」超のプラスを維持しよう。消費税率引き上げに伴う駆け込み需
要の反動がやや薄れてきたことなどが支援材料になろう。
大企業・製造業の業況判断DIが+13程度と予測通りなら、9月調査の先行き見通し+13と同じ
になる。また大企業・非製造業が+14程度と予測通りなら、9月調査の先行き見通し+14と同じ数
字になり、こちらも足元の景況感が事前通りだったことを示唆する数字になろう。
この予測は、日銀短観DIと連動性が高いことが知られている12月調査のロイター短観、12月調
査のQUICK短観などを参考にした。
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本レポートは、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断に
関しましては、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。
このレポートに記載された内容は今後予告なく変更されることがあります。また、SMBCフレンド証券は、このレポートに記載
された内容に関し、正確性・完全性を保証するものではありませんのでご了承ください。
12月8日に発表されたロイター短観12月調査の調査期間は11月25日から12月3日となっ
ている。400社ベースの製造業の業況判断DIは9月調査の+10から変わらず、10月調査の+8
からは2ポイント改善の+10となった。一方、非製造業DIは9月調査の+22から1ポイント改善、
10月調査の+20からは3ポイント改善の+23となった。200社ベースの製造業の業況判断DI
は9月調査の+35から8ポイント悪化、10月調査の+25からは2ポイント改善の+27となった。
一方、非製造業DIは9月調査の+20から10ポイント改善、10月調査の+27からは3ポイント
改善の+30となった。
また、12月5日に発表されたQUICK短観12月調査の調査期間は11月18日から12月2日
である。製造業の業況判断DIは9月調査の+24から4ポイント悪化、10月調査の+22からは2
ポイント悪化の+20となった。一方、非製造業DIは9月調査の+23から4ポイント悪化、10月
調査の+22からは3ポイント悪化の+19となった。今回はロイター短観よりやや早めの調査なので、
数字が弱めになった感じがする。
ロイター短観の3月までの先行き見通しは、製造業の400社ベースで+7と12月実績の+10よ
り3ポイント悪化、製造業の200社ベースでの3月までの「先行き見通し」は+21と12月実績の
+27より6ポイント悪化、非製造業の400社ベースの3月までの「先行き見通し」は+24と、1
2月実績+23より1ポイント改善、200社ベースは+37と12月実績+30より7ポイント改善
するという予想である。QUICK短観の製造業の3月までの「先行き見通し」は+15で12月実績
の+20に比べて5ポイント悪化予想、非製造業の「先行き見通し」は+18で12月実績の+19に
比べて1ポイント悪化する予想である。調査により結果に幅がある感じだ。
日銀短観の大企業・業況判断DIの3月までの「先行き見通し」は、ロイター短観やQUICK短観
などを参考にして、製造業で12月実績比3ポイント悪化の+10程度、非製造業は12月実績比2ポ
イント改善の+16程度と予測した。
12月調査日銀短観の中小企業の業況判断DIは製造業が9月調査の▲1から2ポイント悪化の▲
3程度、非製造業が9月調査の0から1ポイント悪化の▲1程度と予測した。直近11月分までの商工
中金の景況調査、直近10月分までの景気ウォッチャー調査の企業動向関連の現状水準判断DIなどを
参考にして予測した。なお、8日発表の景気ウォッチャー調査は11月調査で改善が予想されよう。
12月調査日銀短観の中小企業・製造業の業況判断DIが▲3程度と予測通りなら、9月調査の「先
行き見通し」0を3ポイント下回る数字になり、製造業では足元の景況感が事前の予想より下振れたこ
とを示唆する数字になろう。また中小企業・非製造業が▲1程度と予測どおりなら、9月調査の「先行
き見通し」▲1と同じ数字になり、非製造業では景況感が事前の予想通りだったという数字になろう。
参考データの商工中金の中小企業月次景況観測の景気判断指数は直近11月分で製造業が47.4
(9月分48.0、10月分47.1、12月予測47.0)で、非製造業は11月分47.8(9月
分47.3、10月分47.5、12月予測49.9)となっている。
日銀短観の中小企業・業況判断DIの3月までの「先行き見通し」は、依然先行きに不透明さがある
と感じている企業も多いとみて、製造業で12月実績比3ポイント悪化の▲6程度、非製造業は12月
実績比3ポイント悪化の▲4程度と予測した。
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本レポートは、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断に
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2014年度の大企業・全産業の設備投資計画は12月調査では前年度比+8.6%程度と、9月調
査の同+8.6%とあまり変わらないと予測した。これまでの9月調査から12月調査へかけての修正
パターンや、日経の設備投資計画調査で修正計画が製造業は上方修正、非製造業は下方修正で全産業ベ
ースでは当初計画比変わらなかったことなどを参考にした。
2014年度の中小企業・全産業の設備投資計画は9月調査では前年度比▲7.9%程度と9月調査
の同▲12.9%から上方修正されると予測した。中小企業の設備投資計画は例年3月調査が弱く、そ
の後は調査の度に改善していく傾向があることなどを参考にした。
<12月調査日銀短観・予測値>
1)大企業
12月製造業DI
12月非製造業DI
3月製造業DI
3月非製造業DI
2014年度設備投資計画(大企業・全産業)
前年度比
+13
+14
+10
+16
+8.6%
2)中小企業
12月製造業DI
▲3
12月非製造業DI
▲1
3月製造業DI
▲6
3月非製造業DI
▲4
2014年度設備投資計画(中小企業・全産業)
前年度比▲7.9%
(12月8日現在)
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