2014 年 11 月 4 日 東京大学大学院工学系研究科 Innovators Marketplace on Data Jackets (IMDJ)が 経済産業省、データ・エクスチェンジ・コンソーシアムに同時採用 -産官学連携体制で実施へ- 経済産業省の、 「データ駆動(ドリブン)イノベーション協議会」およびデータ・エクスチェンジ・コ ンソーシアム(DXC: http://www.data-xc.jp)において、東京大学大学院工学系研究科システム創成学専 攻の大澤幸生教授が提唱した Innovators Marketplace on Data Jackets (IMDJ)がデータを組み合わせ た活用・分析手法やそれを用いた新しいビジネスモデルの構想技術として正式に採用されました。それ ぞれにおいて、100社以上の企業が同手法を実践してゆく予定です。 ●Innovators Marketplace on Data Jackets (IMDJ)とは? Innovators Marketplace on Data Jackets (IMDJ)とは、緩いルールを持つ市場モデルに基づいて、デ ータを組み合わせた活用・分析手法やそれを用いた新しいビジネスモデルを提案し評価し合う、グルー プによる知識デザイン技術。 オープンデータと異なりデータそのものは市場に陳列しないが、その代わりにデータジャケット(DJ) を陳列する。DJ は喩えれば、DVD の店舗で「陳列はジャケットだけで中身は入っていません」と書か れた棚に陳列された、DVD ジャケットに近い。万引きされてもジャケットだけなら別に良いという考え を、多様なデータの価値評価、共有、結合、活用、そして新規収集を可能とする仕組みとして大澤教授 が発展させた。 まず、データを持つ人あるいは知る人は、データの概要や一部の変数名を書き込んだ名刺程度の情報 を DJ として公開する。例えば、電力需要データに対応する DJ は図 1 の様になる。即ち、「解析出来る 人は連絡下さい、金額等相談の上でデータの中身を見せます」という意味で僅かな概要だけ公開する。 そして、DJ と DJ の間を、DJ に記載された概念を介して結合した可視化マップを作成する。このマ ップを見た IMDJ の参加者は、DJ 間を結ぶ概念を発見して新たにデータを結合するなど活用方法を提案 し、他の参加者の評価や批判を受けながら改良してゆく(図 2) 。データを商品とみなしてマップを描い て事業企画を行い、提案への批判を排除せずむしろ生かし、逆に報酬時の賞賛はデータ価値評価の基準 として拾うという市場型の会話が、プレーンストーミングや KJ 法と異なるポイントである。IMDJ はゲ ームとなっており、擬似紙幣(図 3)を多く獲得した提案者が優勝するほか、提案されたデータ活用案を 利用した事業の構想者が最終プレゼンを行い、評価が高ければ表彰を受ける。このことが参加者の動機 を高めてゆく。 本手法は情報学的な基礎となる理論や技術について JST-CREST の助成により開発し、実践時のノウ ハウを企業とのコラボレーションによって蓄積してゆくという、 「産学・官学」の十字連携体制で進めて きたが、今回、経産省と DXC の同時採用によって「産官」という軸が追加され立体化したことになる。 【参考文献(IMDJ についての初出論文) 】 雑誌名: 「Procedia Computer Science」Volume 22, 2013, pp. 709-716 論文タイトル:Data Jackets for Synthesizing Values in the Market of Data 著者:Yukio Ohsawa, Hiroyuki Kido, Teruaki Hayashi, and Chang Liu DOI 番号: 10.1016/j.procs.2013.09.152 アブストラクト URL:http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1877050913009459 【報道関係者 問い合わせ先】 国立大学法人東京大学大学院工学系研究科 大澤幸生研究室 ホームページ : http://www.panda.sys.t.u-tokyo.ac.jp メールアドレス: [email protected] 【添付資料】 図1 データジャケット例 図 3 IMDJ で用いる疑似紙幣 図2 可視化マップ(KeyGraph®)を用いた IMDJ 実施
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