「モバイル型ストロンチウム除去装置パイロット試験装置」 実施計画の申請内容について 平成26年6月20日 東京電力株式会社 無断複製・転載禁止 東京電力株式会社 0 設置の目的 汚染水処理設備の処理済水を貯留する設備(タンク)のうち,逆浸透膜 装置の廃液を貯留するRO濃縮水貯槽,蒸発濃縮装置の廃液を貯留する 濃縮廃液貯槽等は,高濃度の放射性ストロンチウムを含むため,濃度低 減を目的としてモバイル型ストロンチウム除去装置の導入を計画してい る。 モバイル型ストロンチウム除去装置の導入にあたり,その除去性能及び 性能維持期間等を確認するため,モバイル型ストロンチウム除去装置パ イロット試験装置を設置する。 無断複製・転載禁止 東京電力株式会社 1 モバイル型ストロンチウム除去装置の系統構成 タンク タンク タンク モバイル型 Sr除去装置 計装制御 スキッド 供給/混合 スキッド SSフィルタ スキッド 吸着塔 スキッド UF スキッド 計装制御装置 DP M 吸着塔 吸着材添加 UF 吸着塔 フィルタ SS DP DP DP 供給/混合 タンク P フィルタ SS 供給/混合 タンク M M M P UF M M 吸着塔 :サンプリング座 M 吸着塔 P :ポンプ M DP :差圧計 M :隔離弁 P DP DP 無断複製・転載禁止 東京電力株式会社 2 パイロット試験装置の概要 モバイル型ストロンチウム除去装置パイロット試験装置は,大きく以下の4つの機能に分類される。 ①吸着材粒子 を添加し混合を行う供給/混合タンク部分 ②粒子状Srの除去を行う浮遊物質(以下SSという)フィルタ部分 ③微粒子状のSrを除去するウルトラフィルタ(以下UFという)部分 ④イオン状のSrを除去する吸着塔部分 各々の性能について,実タンク内のRO濃縮水を用いて確認することにより,除去性能の確認を行い,フィ ルタ及び吸着塔の交換頻度を評価する。 モバイル型Sr除去装置 パイロット装置 UF 吸着塔 600 供給/混合 L タンク 処理対象水 (試験水供給) 600 L 吸着材粒子 P 供給/混合サイクル 補助 タンク SSフィルタサイクル UFサイクル P フィルタ ポンプ 吸着サイクル SS サンプ リング座 無断複製・転載禁止 東京電力株式会社 3 パイロット試験装置の漏えい対策 パイロット試験装置は,本装置稼動前にその性能確認を目的として1ヶ 月程度稼動するものであり,安全上の考慮すべき事項としては,汚染水 の漏えい防止,漏えい拡大防止にあると考える。 漏えい防止,漏えい拡大防止策として以下を考慮する。 適切な材料(SUS316L,ポリエチレン,EPDM)を使用 漏えいの早期検知(装置内保有水の全量を受けられる漏えいパンと漏えい検 知器の設置)及び漏えい液体の除去 運転開始前までに漏えい確認を実施 運転時は運転員が常駐し,異常時には装置の停止措置 無断複製・転載禁止 東京電力株式会社 4 パイロット試験装置への試験水供給 パイロット試験装置の設置位置:Gエリア(本装置設置位置の近く)* 試験期間:1ヶ月程度(1バッチ試験あたり3日と想定) 試験水量:1バッチ試験あたり,汚染水(約450リットル), 洗浄水(約240リットル)を使用 給水時 取水時 *申請中の実施計画から変更 したため,補正申請予定 パイロット試験装置 P タンク P 排水時 タンク、プロセス 主建屋等に排水 漏えい拡大防止策として,試験水の移送用タンクの外側をタンクで囲う。移送用タンクから装置への 水移送は水中ポンプとホースを用いるが,フランジ接続部は装置内として外部漏えいリスクを低減す る。移送タンクの残水は,ローリーに移送する。また,移送時には管理員が常駐監視し,漏えいの際 には迅速な対応を取る。(タンクからの取水∼装置への給水まで1日で完了予定) 無断複製・転載禁止 東京電力株式会社 5 パイロット試験装置を搭載したコンテナの耐震(転倒)評価について 申請中の実施計画においては,パイロット試験装置を収納したコンテナをトレーラに搭載する計画とし て耐震計算書を添付したが,作業安全の観点からコンテナをトレーラから降ろして設置することに変更 する。これに伴い,耐震計算書を変更して補正申請したい。 地震による転倒モーメントと自重による安定モーメントを算出し,それらを比較することにより転倒評 価を実施したところ,各スキッドにおいて転倒しないことを確認した。 スキッド名称 評価部位 評価項目 水平震度 重量 [kg] 地面から 重心の距 離[m] 転倒支点 と重心の 距離[m] 転倒モーメント [N・m] 安定モーメント [N・m] パイロット コンテナ 転倒 0.36 15,778 1.205 0.921 68 142 L m[kg] 地震による転倒モーメント:M1[N・m]=m×g×CH×H 自重による安定モーメント:M2[N・m] = m×g×L H m:コンテナの質量 g:重力加速度 H:地面から重心の距離 L:転倒支点と重心の距離 無断複製・転載禁止 東京電力株式会社 6 「措置を講ずべき事項」への反映状況について(1/2) 措置を講ずべき事項 設計上 の考慮 実施計画反映状況 ①準拠規格及び基準 モバイル型ストロンチウム除去装置の稼動前に1ヶ月程度を目処に使用するもの であり,規格・基準等に従った設計とはなってない。 ②自然現象に対する設計上 の考慮 「2.37.1.6 自然災害対策等」に,津波,火災,豪雨,強風について記載してい る。「措置を講ずべき事項」に記載のある台風,竜巻は,豪雨,強風の記載に包 絡される。 ③外部人為事象に対する設 計上の考慮 1F全体での要求であり,個別設備によるものではない。 ④火災に対する設計上の考 慮 「2.37.1.6 自然災害対策等」に記載している。 ⑤環境条件に対する設計上 の考慮 「添付資料-3」に,「腐食,熱による劣化,耐放射線性,紫外線」を記載してい る。 ⑥共用に対する設計上の考 慮 本装置は,単体で使用するものであり,他設備との共用を行わない。 ⑦運転員操作に対する設計 上の考慮 現状記載なし。「バルブ等に銘板を設置、運転手順書の整備」を記載予定。 無断複製・転載禁止 東京電力株式会社 7 「措置を講ずべき事項」への反映状況について(2/2) 設計上 の考慮 ⑧信頼性に対する設計上の 考慮 「2.37.1.3 設計方針」に,「漏えい発生防止のため適切な材料を使用する」 旨記載している。 ⑨検査可能性に対する設計 上の考慮 モバイル型ストロンチウム除去装置の稼動前に1ヶ月程度を目処に使用するも のであり,不要と考える。 放射性固体廃棄物の処理・保管・管理 放射性液体廃棄物の処理・保管・管理 廃棄物が継続的に発生するものではないため、記載は不要と考える。 遮へいについては, 「2.37.1.3 設計方針」に「遮へい,機器の配置等により 被ばくの低減を考慮した設計とする」旨記載している。 漏えい等による放射性物質の放出防止については, 「2.37.1.3 設計方針」に 「適切な材料を使用する」,「漏えいを早期検出し,漏えい液体の除去ができ る」,「運転員が常駐し,異常時には装置の停止措置を取れる」旨記載してい る 無断複製・転載禁止 東京電力株式会社 8 (参考)モバイル型Sr除去装置パイロット試験装置とモバイル型Sr除去装置の相違点について 設置の目的 規格・基準 等 処理量 運転監視 水移送 装置規模 供用期間 モバイル型ストロンチウム除去装置 モバイル型ストロンチウム除去装置 パイロット試験装置 (本装置) (パイロット試験装置) RO濃縮水貯槽,濃縮廃液貯槽等の放射 本装置の導入にあたり,除去性能と性 性Sr濃度の低減 能維持期間の確認 ASME Boiler & Vessel Code, なし ASME B31 Code, JWWA等 300m3/日(連続処理) 約450L/バッチ(バッチ処理) シールド中央制御室で監視(24時間運 運転員が装置に張り付き(日中のみ運 転) 転) 処理対象水をタンクから移送し,本装 小型タンクに処理対象水を汲み,装置 置で処理後,処理済水をタンクに移送 内のタンクに移送して処理(処理時に して戻す は外部と連結しない) コンテナ5基(計装制御スキッド,供 コンテナ1基(本装置の処理工程を模 給/混合スキッド,SSフィルタスキッ 擬し,主にタンク2基,SSフィルタ, ド,UFスキッド及び吸着塔スキッド) UF,吸着塔から構成) タンクの汚染水量と他設備の稼働状況 本装置稼動前の1ヶ月程度 を見ながら決定 パイロット試験装置は,本装置の性能確認を目的として,バッチ処理での試験を1ヶ月程度実施するも のであるため,本装置と比較して設計グレードに相違がある。しかしながら,処理対象水の性状を考 慮した材料(SUS316L,ポリエチレン等)を選定しており,運転開始前までに漏えい確認等を実施 し,大規模な漏えいの発生を防止する。また,内包水が漏えいした場合でもスキッド内の漏えいパン 内に収まることから,系外へ漏えいすることはない。 無断複製・転載禁止 東京電力株式会社 9 (参考)モバイル型Sr除去装置パイロット試験装置 無断複製・転載禁止 東京電力株式会社 10
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