ౘࣃ് ԣ࠭ӂࡏǍȜǨÁǶǬDZǍǴǠNjǯnjǿ ખഀࡥ ୦๏ӂଦ ¦ Ơ Ɵ ࡋ Ɯ ǁ ơ ࡋ Ɯ ƿ ǂ Ơ Ɓ Ჭ ƕ Ƥ Ɩ Ƃ థ ¾ ֦ ࢬ Ԇ ॎ Ƃ ֚ Ɖ ǀ Ǽ ǡ Ƕ Ǣ ȋ ƴ Ჭ ƕ ƅ ॎ ƍ ź ǜ Ȝ Ǥ Ȁ DZ Ɲ ໂ ƍ ƕ ե Ƥ ڒ ݊ ơ ƾ Ჭ Ɯ ு ࠝ ƞ ƍ Ɯ ƥ ঙ ӕ Ɲ Ƹ Ƕ Ჷ DZ Ș ǘ ƞ כ ઘ Ơ ǰ Ǩ Ǥ Ȝ Ǩ Ƥ ƾ ż Ơ ऐ Lj ๏ ࣅ ƞ Ƈ ƕ Ɖ ƞ ƺ ݅ ༙ ӂ ࡏ Ƃ ބ ƍ ƕ ࠝ Ƥ ޚ Ɓ ź ٷ ϳ Ƥ ࠐ ढ ଦ Ҏ Ä ਃ ফ ໍ ࡥ ࡋ ৽ ણ Ə ǁ Ä ৪ М ߵ ๆ Უ ݔ , 7 ௲ ෛ Ფ Ä ઘ ࠚ ෑ ߱ ݔ ච । Ɲ Ƥ Ǥ ǖ Ჹ ȓ ǯ Ჳ फ़ Ä ᤅ ܵ ¦ ¦ǜ ¦Ȝ ǯ ¦dz ¦٦ ¦ǰ ¦ ¦Ǩ ¦Ǥ ¦Ȝ ¦Ǩ ȋ ǡ Ჹ Ȕ Ƥ ӓ ӟ ஃ Ӛ Ä ׂ ൾ ǹ Ჷ ǘ ȅ Ȝ ƥ Ɖ ż ƍ Ɯ ї ॄ Ƌ ǂ ǁ Ä Ҡ ๋ , , Ǚ Ȗ ǹ Ȕ Ǟ Ȉ Ჷ DZ థ ෛ Nj Ȋ ȓ ǔ ȑ Ȗ Ჷ Ǻ ݔ Ǡ Ȝ Ǖ Ȇ Ȕ Ҕ Ə ǁ , , Ƥ ݔ ޞ ஃ Ӛ , , ખ ഀ ࡥ ୦ ๏ ࡏ ଦ థ ෛ ٷ ޒ ॎ ൚ ࡏ ખ ഀ ࡥ ୦ ๏ ࡏ ଦ ࣚ м జ ջ ༱ ੰ ܔ ࠀ । ƞ Ơ ǀ ౘ ࣃ ് Ä ༄ ื Ё ࣅ ƍ Ɯ ź ƕ ස ઘ Ơ ࠐ Lj ݤ ӄ Ƥ ϱ உ ¦ Ȃ DZ dz ȉ । ֏ ࠾ Ä ࣷ ں ໜ ޯ ؑ Ɲ Ʊ ƞ lj Ɵ ౘ ࣃ ് ơ ƍ ƕ Ƥ Ɲ Ÿ ǁ ӕ ơ ƀ ź Ɯ ֦ ࢬ ୵ ơ Ƹ ǜ Ȝ Ǥ Ȁ DZ Ɲ Ƹ ᦄҟƍƕźƞ߶źƴƏ¨ ǰ Ȕ Ƹ ൲ Dž ǀ Ƈ ǁ Ɖ ƞ Ɲ ઘ ƃ Ơ ߙ ؑ Ǎ Ǵ Ǡ Nj ǯ Ჳ ǿ Lj ࡥ ǀ Ƈ Ơ Ƃ ƿ ಔ ஃ ƍ ǃ ॉ ص ƍ ź ่ Ƃ ź Ɯ ่ ฝ Ƈ ਃ ơ ู ӿ ই¾ƍźവLjźƕƖƃƠƂƿ§җLj ぷろろーぐ イラスト/末房志野 ് ๋ ƞ ƍ Ɯ ণ ଦ Ə ǁ Ǎ Ȝ Ǩ Ƕ Ჷ DZ Ƥ ঙ Ɯ ƃ ƕ ŋ ŋ Ō ơ ƥ Ҳ י Lj ् ǀ ൷ ǁ Ს ࡏ ߪ Ტ ƥ ຒ ƿ Ơ ź ƞ ƍ Ɯ ƃ ƕ Ƥ Ɩ Ƃ Ҳ י Ƥ क Ʒ ǁ ࢇ Մ Lj ࡥ ǀ Ə Ɖ ƞ Ƃ Ɲ ƃ ƕ Ƥ ƥ ƍźҝോƂƕƅƋljǁ֓ƝƏ¨ 特別対談 ޚ Ơ ֘ ༶ ƞ Ơ ǁ ƥ Ɛ Ɩ Ჭ ƕ ස ઘ Ơ ࠐ Lj ഗ ӈ Ơ ࣆ Ƌ Ƥ ƀ Ɓ ƈ Ɲ Ÿ ǁ Ս Ʃ Ჭ ƍ Ჰ ǘƤޚƁƋơ،ƁƋǂƴƏ¨җƥೣ ౘ ƍ Ɯ ƍ ƴ Ჭ ƕ Ɖ ƞ Ɲ ൭ Ơ Ճ ӣ Ƃ ֚ ǀ ơ Ơ Ჭ Ɯ Ơ ƀ ฏ Ჭ Ɯ ź ƿ ǂ ǁ ƥ Ɯ§ॼƺທ്LjвƬ§ƓƤǶǬDZȘÁ Ɖ ǁ Ƥ Lj ߾ Ʒ ǁ Ɖ ƞ Ƹ Ɲ ƃ Ɛ ࣄ Ʒ Ɯ ॎ Ơ ƅ Ơ Ჭ Ɯ ź ǁ Ƥ Ɲ Ÿ ǁ ƥ§ ำƤูơǀࢿƿƋǂƕຐซƂŸƙ ƍ ź Ǔ Ǿ Ჳ Ǣ Ƥ ֆ ơ ރ Ჭ ƕ ࠝ ƥ ଦ ź ࠝ գ ӓ ӟ ࢫ ơ Ǔ Ǿ Ჳ Ǣ Ƥ ϱ உ Ƃ ઋ ǀ ¦ źǃźǃƠಔڰƂŸǀƴƏ¨žƦຐ Ʋ lj ƺ ǀ ƞ ਾ Ƥ ӟ Lj ଜ Ʒ Ɯ ź ƕ ϱ உ ࠝ ơ Ơ ƅ Ə lj Ɲ ź ƕ ƾ ż Ɲ ֍ ݔ ƍ Ɯ Ɓ ƿ ƥ Ƥഀࠅƥ§ຈ¾ƠहോLjഄźƜźƃƕ źƞ߶źƴƏ¨हോƥƎƙƞڰƜźǁƞ§ ӓ ӟ ࢫ Ƃ Ơ ƅ Џ ю ƍ ơ ໂ Ɨ Ÿ Ჭ Ɯ ź ƕ ॎ ƍ ź Ǔ Ǿ Ჳ Ǣ Ɲ Ÿ ǁ Ё خ خ జ శ ơ ŋ ǁ Ɖ ƞ Ƹ Ÿ ǁ Ƃ ࣦ ຣ Lj ڰ ю ƍ Ɯ ढ ଦ ঢ ݉ݤƾǀ§ȓǴȎÁNjȔƋǂƕÝ,,-QHZVÞ T o p ics ƿ Ÿ ǁ ź ƥ Ÿ Ƥ ස ઘ Ơ ࠐ Lj ॎ Ǔ Ǿ Ჳ ŋ Ō Lj ໂ ƍ Ɯ ۣ ƚ ู Ƥ थ ࣅ Ɲ Ÿ ǁ Lj ࠜ ƕ Ƒ ƕ ࡗ ǀ ඞ ƞ ź ż Ƥ ƥ ഒ Ƃ य़ ڕ ơ ధ Ჭ Ɯ ࠻ ֏ Lj Ʃ ƕ ݖ ࣆ Ƃ Ǣ ơ Ƹ ࠜ Ɨ ݡ lj Ɲ ƍ ƴ Ჭ ƕ Ƥ Ɓ ƞ ߶ ż ƞ ƚ ƴ ǀ ߬ த ู Ƥ Џ ю ƍ ơ Ơ ǁ Dž Ƈ Ɲ ơ ƚ ź Ɯ ƍ ƴ Ჭ ƕ Ƒ ź Ɓ ƶ Ɛ Ɓ ƍ ź Ƹ ƃ ߮ Ʒ ƕ ༲ ڕ Ƥ Ɓ ƿ ࠴ ڕ Ƥ ߮ Ʒ ơ Ɓ ࠝ Lj ௩ ƕ ࢫ Ɩ Ჭ ƕ ƾ ż Ɩ ā Џ ю ƍ ഒ Lj Ɲ ź Ჭ Ɯ ź ǁ ƞ ዠ ዡ Ƌ ǂ Ƥ Ɲ Ÿ ǁ Ƈ Ɯ ஷ Ɓ ƿ ѵ ࡾ Lj ط Ƈ Ɛ ǀ ӄ Ჭ Ɯ ź ϱ உ Lj ࢠ ƣ ॎ ƍ ź Ǔ Ǿ Ჳ Ǣ ơ ϱ ǁ ƕ ¦ ƕ ƿ Ə Ჭ Ɓ ǀ ್ ൡ ƍ ƕ ƾ ż Ɲ ࠝ ݺ Ƹ Ʃ ơ ฏ Ჭ Ɯ ź ƕ ƕ ƅ Ƌ lj Ƥ ࠐ Ƃ ౘ Ÿ Ჭ Ɯ ֍ ݔ ۪ ƥ ֚ ƃ Ƥ ࢇ Մ Ƃ Ơ ƅ Ƌ ǂ ǁ Ё À శ գ Ё த Ƹ Ÿ Ƈ ƕ Ɖ ƞ Ƥ Ơ Ჭ Ɯ ƍ ƴ ź ଘ Ƥ ༲ ࠝ ݣ ƴ Ɲ ฏ Ჭ Ɯ ź FR,=PR, Ơ ź ࠐ Lj ࣅ ƍ Ɯ ź Ɯ Ϫ Ƃ Ÿ ǁ Ƥ Ɓ ƨ ƞ ƕ Ʃ Ϭ ƃ ơ ǂ ǁ ƞ ź ż Ɓ ϗ Є ƞ แ Dž ǂ ǁ ƞ ઘ ඞ ƥ Ს ౘ ƍ Ɯ Ƹ ź ź ƾ Ტ ǁ Ɖ ƞ Ƃ Ÿ ǁ ࡠ ź ݣ Ɓ ƿ ่ ฝ Ƈ ਃ ơ ƥ Ơ థ न Lj Ჭ Ɯ ƍ ƴ ż ƞ Ơ Ɓ Ơ Ɓ Ƹ ƞ ƞ ź ż Ɖ ƞ ơ Ơ ǁ Ё ඞ Ɲ ϱ உ Ə ǁ ƞ ॉ ࣫ Lj ࢫ Ɯ ǜ ǻ Lj ᒉ ǂ ଦ Lj ƍ ơ ƥ ǂ Ơ ƅ Ơ ǁ ෧ ଘ ߬ ࠝ ơ ู ӿ Ʒ ǁ Ʒ Ჭ ƕ ơ ् ǀ ൷ ǁ Ɖ ƞ Ƥ Ơ ź ຈ ¾ Ơ Ҳ י Ơ Ƃ ƿ ߤ ࠕ ϟ ӟ Ƥ ෛ Lj ௲ ƶ ƞ ź ż ࢇ Մ Ƃ Ɖ ƞ Ƃ ź Ɓ Ɵ ż Ɓ ƥ ֪ แ Ƹ ߣ ǁ Ƥ Ɩ 人と空気とインターネット Lj ߶ ź ֚ Ɖ Ə ໂ ࠝ Ǎ Ȝ Ǩ Ƕ Ჷ DZ Ơ ƍ ƍ ୵ ơ ࣼ ฤ ƍ Ɠ ż ơ Ơ Ჭ ƕ Ƃ આ ơ ϗ lj Ǝ Ɯ ƍ ƴ ż ঢ ӹ Ƥ ࠃ ơ ƞ Ჭ ƞ ź ż Ǟ Ǽ Ǣ Ƥ ס ҕ Lj ௩ ǁ ƕ Ʒ ơ ୰ ࣻ Ɯ Ƒ Ʒ Ɯ ƨ ƞ ƚ Ɩ Ƈ Ү ƍ Ɯ ź ƕ Ƥ Ƃ Ɵ lj Ơ ơ А lj Ɲ Ƹ ଘ Ƥ ߬ ࠝ ơ ƥ ֚ ƃ Ɯ インターネット・トリビア Ơ ơ Ƃ ƍ Ɓ ơ ߨ ڊ Lj ž Ƈ ǁ Ɖ ƞ Ɩ Ჭ ƕ Ɠ ǂ Ƃ ್ ༢ ƞ Ɓ ࠝ ݺ ƞ Ɓ ட ݊ Ƥ ź ź ຸ Lj ƚ Ƈ Ɯ ƥ ϗ Є ơ ǂ グローバル・トレンド ƕ ź ƞ ź ż આ Ơ ບ ơ य़ Lj Ƽ Ɩ ƣ ǁ ƾ ż ơ Ơ Ჭ Ɯ ƍ ƴ Ჭ ƕ Ƥ ƥ ી ơ ༮ Ҏ Ƃ ॡ ഀࠅƤۅຐ¦රߵ๋ lj Ɩ ƞ ź ż Dž Ƈ Ɲ Ƹ Ơ ƅ Ɯ պ ڶ Ơ ଊ ۺ ¦ Information Ɲ Ÿ ǁ ź ơ ƍ Ɯ ƞ ź ż Ɓ Ɖ Ƥ ƞ Ɖ ¦ ༄ื Ё ખ ഀ ࡥ ୦ ๏ ࡏ ଦ ࠀ ܔ ԣ ࠭ ӂ ࡏ థ ෛ ٷ ޒ ॎ ൚ ࡏ ջ ੰ м జ ༱ 〃 アジア、そして世界へ 勝 ﹁ Nikkei Asian Review ﹂や﹁日経中文網﹂を通して、アジアに注力さ れているのは、アジアの情報を収集する目的があると思いますが、それと 同時に、欧米の読者にアジアのことを伝える 〃ソト ソ –ト の情報提供と いった狙いもあるのでしょうか? 〃 勝 五年後、一〇年後、新聞はどういう役割を果たすとお考えですか? 喜多 ﹁FT ︵ Financial Times ︶ ﹂は、 ﹁メディア﹂と﹁ニュース・メディア﹂ という言葉を使い分けています。後者には、 ﹁報道機関﹂という意味が含 まれているのでしょう。そして我々も報道機関・言論機関としての役割 を貫いていくつもりです。 そのためには、クオリティの高い記事・コンテンツを発信していくこ とが第一です。情報が氾濫するなかで、 ﹁こうですよ﹂という指針を示し ていくのです。そこは報道機関が外すことのできない 〃軸 であり、手抜 きしてはいけない部分だと思います。 今、我々はその 〃軸 を日本から海外へ広げようとしています。我々の 読者、つまり経済に携わる日本人が国内にとどまっているなら、我々も日 本のなかだけでやっていればいいのですが、昨今では皆さん、外に飛び出 して行きますよね。IIJさんもそうでしょう。 勝 そうですね。特にITはグローバル化がもっとも進んでいる分野の 一つですから、世界中のクライアントに同じようなサービスを提供する のが、IIJにとっての大きな責務です。また、常に外国の空気を吸って、 新しい技術・サービスに接することが大事だと思います。 喜多 そこで、我々もアジアや世界の情報を的確に把握・報道していか なくてはなりません。読者の活動範囲が広がれば、ニュース・メディア も取材の範囲を広げていくのは、当然のことですからね。 報道機関の役割 喜多 日経新聞は、紙の新聞を二八〇万部発行しています。それに電子 版を足した約三〇〇万人が日経の基礎的読者ということになります。 勝さんがおっしゃる通り、紙の新聞の部数は、今後もしばらくは変わら ないと見ています。日経の場合、経済活動に携わる人が急激に減らない 限り、部数も大きく減ることはないでしょう。 電子版には、通常の紙面に加え、独自のコンテンツを載せています。 I IJの鈴木会長にも、経営者ブログを書いていただいていますよね。電 子版では、こうした様々な 〃付加価値 を生み出していきたい、と考えて います。 ࣚ ԣ ࠭ ӂ ࡏ Ǎ Ȝ Ǩ Ƕ Ჷ DZ Ǎ Ǵ Ǡ Nj ǯ Ჳ ǿ ખ ഀ ࡥ ୦ ๏ ࡏ ଦ 〃 〃 〃 〃 新聞の読者はなくならない 〃 勝 ﹁紙の新聞の読者﹂については、最近、アメリカの経済学でも議論さ れており、そのなかで次のような話がありました。 例えば、ある事件に関する様々な報道やツイッターなどは、〃数 で比 較すると、ネットのほうが紙の媒体よりも圧倒的に多い。ただし、ネット には情報が れていて、信憑性の判断がむずかしい。一方、新聞のような 紙媒体は、クオリティや信頼の面で、読者にたしかな判断材料を与えてく れるように見える。したがって、紙の新聞の発行部数はある一定の線を 割ることがない、というのです。 また、自分の関心だけで情報に接していると、分野が偏ってしまう。そ れに対し、社会全体を把握したいという読者は必ずいて、彼らが紙の新聞 をとり続けるので、新聞はなくならない、ということでした。 〃 勝 日経新聞の﹁電子版﹂を毎日読んでいます。 喜多 ありがとうございます。私も目が覚めると、日経と朝日の電子版 を iPad で読みます。勝さんは、何で読んでいますか? 勝 パソコン、タブレット、スマートフォンを使い分けています。 喜多 電子版はパソコンユーザを前提にスタートしましたが、今ではス マートフォンで読む人がもっとも多くなりました。 勝 二〇一〇年に電子版を創刊されたときは、大きな 〃決断 だったので はないですか? 喜多 〃決断 というよりは、〃必然 という感じでした。紙の新聞の発行 部数はこれまでのように伸びないという認識がありましたし、 ﹁ウォー ル・ストリート・ジャーナル﹂の電子版が早くからあって、それをずっと 見ていましたから、 ﹁やらざるを得ない﹂という気持ちでした。 当初、 ﹁課金﹂モデルにするのか、 ﹁広告﹂モデルにするのかという点で、 いろいろ議論がありました。しかし、私は﹁価値のある情報はタダではな い﹂と考えていたので、 ﹁課金﹂モデルでいくことにしました。 スタートしたときは、五年で一定のところまでいくという目標を立て たのですが、実際には三年で損益分岐点を超えることができました。 勝 それは早かったですね。現在、どれくらいの購読者がいるのですか? 喜多 電子版全体で三七万部、そのうち電子版だけが約一九万部、紙と電 子版の両方が約一八万部です。 我々の予想では、紙と電子版を両方購読する人が七∼八割を占める、と 見ていました。しかし、いざ始めてみると、電子版だけを読む人のウエイ トが想像以上に高く、事業として早い段階で軌道に乗ってくれました。 日経新聞﹁電子版﹂の創刊 特別対談 各界を牽引するリーダーにご登場いただき、その豊かな知見をうかがいます。 初回のゲストには、日本経済新聞社代表取締役社長、喜多恒雄氏をお招きしました。 4 5 人となり 今号より、不定期のシリーズとしてお届けする特別対談“人となり”では、 ҔƏǁ,,-ƤޞݔஃӚ థෛ§NjȊȓǔ§ ȓǔ ȑÁȖǬǺ ȑÁȖǬǺ§ݔ §ݔǠȜǕȆÁȔ ݉ݤƥ§,,-ƤޞݔஃӚLj௬Əǁ¨ ,,-ǙȖÁǹȔǞ ǙȖÁǹȔǞȈǬDZ థෛ§NjȊȓǔ§ȑÁȖǬǺ§§ݔǠȜǕȆÁȔƤঙӕľؔơথƋǂƜźǁ¨ ݤӄƥ§,,-ƤޞݔஃӚLjDžƁǀƺƏƅಔॅƏǁƕƷơ§ ƉżƍƕಽƤǍȜǾȒLjٱơ§,,-ƤǙȖÁǹȓǥÁǠȐȜƂ§ ঙӕƤۣםÏథෛ§NjȊȓǔ§ȑÁȖǬǺ§§ݔǠȜǕȆÁȔÐLj ƅ§ƓƍƜơӷƂǀ߮ƷƜźǁ¨ ǯȕǼӂ֯ǠǢǯȉƝڒljƝ§ (司会・進行) IIJ 執行役員 グローバル事業本部長 IIJ Global Solutions China Inc.(艾杰(上海)通信技術有限公司)総経理 丸山 孝一 富田 光政 IIJ America Inc. President & CEO IIJ Global Solutions Singapore Pte. Ltd Managing Director 松本 光吉 大野 修 IIJ Europe Limited Managing Director IIJ グローバル事業本部 グローバル企画部長 山本 学 清水 博 極は、設立経緯や 発展形態などにより、 カ、ヨーロッパ、中国、シンガポールの四 清水 日本に加え、今日集まったアメリ M&A モバイルの合併交渉が進むなど、 TVをそれぞれ買収し、スプリントとT ナー・ケーブルを、 AT&Tがディレク が 活 発で、コ ム キ ャ ス ト が タ イ ム ワ ー 山本︵ヨーロッパ ︶ 私は二〇〇一年にエ フォーカスしている分野、お客さまの業 ド設備が整備され、バックボーンの延伸 クスレイヤを設立した際の起業メンバー 刷新が急速に進むと見られています。 も進んでおり、ベストプラクティスが急 の一人でして、同社が二〇一二年にII の大きな波が来ており、通信インフラの 速に平準化しています。そこで、まずは Jグループの傘下に入って以来、欧州事 種・規模、販売スタイルがそれぞれ異な 各国・地域の特色、ビジネス概況、 ITト 業を統括しています。 えています。顧客の大半は日系企業で、 ロサンゼルス、サンノゼにオフィスを構 から一八年の歴史があり、ニューヨーク、 松本︵アメリカ ︶ IIJアメリカは設立 さまは主に日系企業で、特に商社の方々 どでもビジネスを展開しています。お客 パ全土に加え、ロシア、中東、アフリカな バーしている地域は大変広く、ヨーロッ ドルフという 体 制になっています。カ 拠点はロンドン、ドイツのデュッセル 約二六〇社にインターネット接続、ファ にご愛顧いただき、 SIer として育ててい ただきました。 キュリティが三〇パーセントとなってい セント、モバイルが 二八パーセント、セ す。内訳としては、クラウドが一九パー 四・五パーセントの成長を見込んでいま IT政策に積極的なこともあり、今年度、 アメリカのIT市場は、オバマ政権が ぞれです。 いるというイメージで、要望も各国それ メント化されたマーケットが寄り添って 規模を誇るわけではなく、国単位でセグ うに活況を呈していたり、北米のような ヨーロッパのIT市場は、アジアのよ ICTソリューショ は、二〇一二年一月、 富田︵中国 ︶ IIJグローバルの上海現 ネット利用の指数関数的な増加に呼応 ンの提供を目指して設立されました。現 ます。市場規模は一三五兆円で、これは して、日本から十数年遅れていますが、ア 在は、インフラ構築のためのSIとクラ 地法人﹁艾杰︵上海︶通信技術有限公司﹂ メリカでは﹁ファイバ・トゥ・ザ・ホー ウドサービスが事業の二本柱になってい ます。 日本の六∼七倍に相当します。 などを提供しています。 イアウォール、メール、クラウドサービス アメリカの松本さんから。 レンドなどを紹介してください。最初に ります。しかしながら、各拠点にクラウ 特集イラスト/STOMACHACHE. ︶ ﹂が進んでいます。 ム︵ Fiber To The Home それにともない、大手通信事業者の動き 8 9 ҔƏǁ , ,-ƤޞݔஃӚ Topics Topics ,,-ƤǹǬǘȅÁȜƥঙӕLjЁࡻƍƜƀǀ§ǘȒǏDzǞÁǼǢƤƕƷƤս಼ƥ ൙࠙ହǀÍǙȖÁǹȔÎƠރӂLjކƍƕ¨ 活動エリアは、上海及びその近郊と、北 いる︶タイを除く、東南アジア全域にな ︵IIJグループの現法が置かれて ジは、 ます。特に 中 国で 事 業を 進める 日 系 企 ントを占め、非常に高い関心を集めてい 検討している 企業が 全体の 九七パーセ ︵仮 想 化を 含む︶クラウド 化を よると、 最近の話題ですが、シンガポールでは ることが、国の政策に掲げられています。 は 〃世界のデータストレージのハブ にな ネットワークのハブなどに続いて、今度 葉が好きでして、物流のハブ、金融のハブ、 今、こちらで 話題になっているのが、 されるなど、非常に厳しい内容になって れ、遵守できない場合は、責任者が逮捕 に 入 館する 際のIDチェックが 徹 底さ 〃 業は、スモールスタートによる投資リス 七月に﹁個人情報保護法﹂が施行されま 昨年九月に 発足した﹁中国︵上海︶自由 います。 APを導入したので、ヨーロッパも入れ にサービス提供してきました。カバレッ でして、 SIer として主に現地企業を対象 母体はエクスレイヤのシンガポール現法 ポール現地法人で働いています。ここの 年 一 月からIIJグローバルのシンガ シンガポールに在住しており、二〇一三 大野︵シンガポール ︶ 私は二〇年以上、 たいです。 ませんので、今後の動向に注目していき 国家的な流れ・取り組みをもっと営業面 プの海外拠点はIIJアメリカだけでし 設立当初は 小さな 部署で、 IIJグルー ローバル事業を本格的に開始しました。 に﹁国 際 事 業 推 進 室﹂を 立ち 上げて、グ 丸山︵日本 ︶ IIJは 二〇一一年一〇月 針と戦略を丸山さんにお願いします。 す。最初に、グローバル事業に関する方 や今後の展望を聞いていきたいと思いま 清水 ここからは、各国・地域の 〃強み これは、アメリカで一八年にわたりビ リージョナル・ヘッドクォーターをシン 〃 〃 〃 をグローバルに展開していかなければな 要望が多いです。 ステムとしてはプライベートクラウドの らユニークな提案を行なっています。シ た引き合いも多く、日本側と連携しなが 界のデータストレージのハブ になると 大野︵シンガポール ︶ 最初に触れた 〃世 し、お客さまの利便性を高めています。 取得代行サービスをワンストップで提供 ︶ライセンスが必要ですが、その Provider しています。 をもらって、それらにアプローチしたり 出してくる企業や引っ越しに関する情報 のパートナーなどと連携して、新たに進 IT関連ではない異業種 そこで我々は、 にはすでに他のベンダが入っています。 〃 りません。 あと、 IIJヨーロッパでは数年来、業 IIJが 目 いうシンガポールの 政策は、 大野︵シンガポール ︶﹁引っ 越し﹂とい 〃 京、大連などもカバーしており、お客さま ります。 を政府自ら作ったりしています。 が 使 用する﹁G ︵ Government ︶クラウド﹂ がIT政策に注力しており、政府系機関 シンガポールは小さな国ですが、国家 の多くは日系企業です。オフィスは、日 系企業が多く集まっている上海の古北地 区に構えています。 フトが進んでおり、市場規模も年々拡大 中国では、他国同様にクラウドへのシ クの 軽減や 運用コストの 圧縮などを 期 した。我々に関係するところでは、従業 シンガポールの人は﹁ハブ﹂という言 待して、クラウド化に踏み切るところが 員の 個人情報の 管理やデータセンター しています。中 国の 調 査 機 関の 資 料に 多いようです。 目指して同地区内での貿易を自由化する 貿易試験区﹂です。これは、規制緩和を ための制度で、対象分野はサービス業が 中心です。ただ、大枠は決定しているも いただく事例も増えてきましたが、基本 のの、公布された政策は具体化されてい たが、その後、数年で徐々に体制も整備さ 的には米国内でのお付き合いが中心です。 IIJのグローバル 事業は、 IIJ G ンガポール経済開発庁の日本駐在員が、 ガポールに置くと税金が安くなり、本社 ています。 いろいろと営業をかけていますよね。 うしたデマンドに対しては、要件に応じ にアメリカに進出されている企業の国際 富田︵中国 ︶ 先ほども言及した調査機関 シンガポールの利点として、地震・津 ジネスを展開してきた結果ですが、今後 展開を 支援できるよう、 IIJアメリカ の資料によると、中国企業はクラウドの 波・台風の心配がないことが挙げられま IOサービスとほぼ同じ時期にスタート 開をどのようにサポートするのか? I が率先して取り組みたいと思います。 選定基準として実績やデータセンターの す。そのため、ディザスタリカバリの拠 機能の一部を移したら、さらなる優遇が IJが提供できる一番価値のあるものは 丸山︵日本 ︶ 日 本と 海 外が 足 並み を 安全性を重視している、という結果が出 点としてご検討いただくことも多く、最 受けられます。日本企業に対しても、シ 何か? こういったことを考えたとき、 え て 、IIJ が ト ー タ ル で 提 供 で き る ています。また近頃、中国大手クラウド てカスタマイズしたシステムをクラウド ﹁クラウド=IIJ GIOサービス﹂だ を訴求していくことは、非常に大切 近では、日本のバックアップにアジア= に載せて提供するといったことを行なっ という結論に達しました。当然、国内と 〃価値 ベンダでデータを消失する事件があり、 シ ン ガ ポ ー ル を、逆 に ア ジ ア=シ ン ガ はIIJグループのグローバル事業推進 海外をつなぐには、 IIJが 誇る 高品質 ですね。 クラウド運用経験も重視されています。 ポールのバックアップに日本を置くとい のなかでお客さまの情報を共有し、すで のバックボーンも 〃強み の一つになりま 山 本︵ヨ ー ロ ッ パ ︶ 従 来、我 々の お 客 かつては﹁安かろう悪かろう﹂で良かっ うものもありました。 を武器にするのか? 日系企業の海外展 す。世界を結ぶネットワークをベースに たのかもしれませんが、ここにきて品質 SAPとクラウドを組み合わせ その際、 人税が安い、英語教育が行き届いている のどの国に行くにもアクセスがいい、法 それ以外にも、シンガポールはアジア と言えます。 術を活かして、 ﹁止まらないシステム﹂ ﹁中 など、たくさんのセールスポイントがあ IIJの強みは、日本で培った運用技 国特有の通信事情である南北問題を解決 る の で、そ こ を 積 極 的に 活 用し た い と たビジネスモデルなどを考えていて、そ ﹁日中間通信の改善﹂など する機能提供﹂ 思っています。 れに 向けたパートナーの 選定も 進めて ロンドンはヨーロッパ金融の中心地な を実現できている点です。これらは中国 富田︵中国 ︶ 一つ付け加えたいのですが、 松本︵アメリカ ︶ アメリカでは、日本で を 提 供 し て い ま し た。現 在 は、ネ ッ ト ので、ヘッジファンドのようにバックオ で非常に大きなポイントになります。 中国に来ている日系ITベンダのなかで IIJ GIOサービスが開始される前か ワーク接続サービスを提供しているお客 フィス業務でサーバが何百台も稼働して その他として、中国ではWEBサイト います。 さまにオフィスのファイルサーバ、メー いるところがあり、それらがクラウドへ ら、仮想サーバのホスティングサービス ルサーバの移行といった基盤の提供が中 シフトしつつあります。最近、こういっ は、米国独自にお付き合いをいただいて 務アプリケーションの開発及びコンサル 指す方向性とも一致するので、そうした ICP ︵ Internet Content IIJは後発に属しており、大きな企業 を公開するのに、 いるお客さまです。ここ数年、日本での 業務を進めていて、例えば、日本本社がS アメリカで取引のある日系企業の大半 お付き合いから米国で取引を開始させて ループとして標準化されたクラウド基盤 心と な っ て い ま す が、今 後は、 IIJグ が問われるようになっています。 IIJ GIOサービスを広げていく さまは日系企業中心だったので、今後は ―― これがIIJのグローバル戦略の 〃コア 現地企業も積極的に開拓していきます。 IIJが海外に出て行く際、何 しました。 に活かしていきたいです。一例として、 れていきました。 と たいのだが、お金と時間がかかる …… いった相談を受けることがあります。こ ӵ ݔ « Ͻ Ƥ غ ୵ Ơ 10 11 ҔƏǁ , ,-ƤޞݔஃӚ Topics した際、 IT設備は全てデータセンター 昨年、オフィスを街中から郊外に引っ越 ﹁クラウドオフィス﹂というものです。 ザに 自 分たちがなりました。いわゆる サービスがありまして、その第一号ユー 系 SaaS けの説明を行ない、意思決定をされてい 懸念を抱かれる場合には、日本の本社向 セキュリティ事故が起きないかといった のネットワークにバックドアが開いて、 いらっしゃいます。また、駐在員事務所 ポートを十分に受けていないお客さまも フは置いておらず、日本のIT部門のサ ごく自然なことですからね。 評価が決定に大きな影響を与えるのは、 影響力を持っていると思います。現地の が、海外の現地法人もそれに対する強い の権利は日本側にあるのかもしれません 丸山︵日本 ︶ 通常、意思決定・最終決済 予算が下りました。 社の別の部署とも再交渉して、ようやく シームレスで一貫性のあるサービス提供 のグローバル企業に対しては、迅速かつ ち目はありません。ですから、特に日系 IIJが他社と同じ轍を踏んでは、勝 スがあります。 に一貫したサービスを提供できないケー た 〃リージョンの壁 があって、お客さま 可 能なのに、欧 州ではできないといっ いと考えています。 て、日系企業にもぜひ使っていただきた ですので、我々の試みをパッケージ化し たいていの事務所は数年で引っ越します。 と国境を越えたワンストップサービスを うに、グローバル事業本部と共同で時差 双方でのコミュニケーションが図れるよ いますが、お客さま及びIIJ 社内、日米 さまのIT基盤サポートを多々行なって シンガポールは賃貸料の高騰が激しく、 IIJアメリカでは、このようなお客 した。 終的な決済が下りたということがありま 尽力が本国にフィードバックされて、最 限りの事前活動を行なったことで、その きかけて、セキュリティ診断などできる 中国の最近の案件でも、まず現法に働 し、よりいっそうグローバルな体制を構築 キームの統一をハイレベルな次元で議論 いくには、アーキテクチャーやサポートス 通りですが、サービスをシームレス化して 松本︵アメリカ ︶ 山本さんがおっしゃる いった動きが出ているでしょうか? に関与したり、予算が本社決済になると 皆さんの国や地域でも、本社が意思決定 化されている、という 話を 耳にします。 ことで、日本本社のITガバナンスが強 外のITシステムにかける予算も増えた 清水 日本企業の海外進出が加速し、海 倍になってしまった。そして、それを現 件がどんどん膨らんで、金額が当初の三 あり、本社と話を進めました。すると要 日本本社と相談して欲しいとのご依頼が とされるIT設備の概算をお出ししたら、 出してきたある企業の事例ですが、必要 大野︵シンガポール ︶ シンガポールに進 ると非常に有効だと思います。 社と海外が連携して提案・交渉を行なえ るケースがほとんどです。 IIJでも 本 ては、日本主導で調査・検討が進められ なマーケットが育っていくと思います。 いった実績を重ねることで、グローバル 携できる機会も出てくるでしょう。そう ときやその逆のケースなどで、相互に提 スのお客さまがシンガポールに出て行く ネスの面でつながりも深いので、イギリ ば、イギリスとシンガポールは金融ビジ 大野︵シンガポール ︶ そうですね。例え 及させていくことも可能だと思うのです。 士の横のつながりのなかでビジネスを波 本だけがハブになるのではなく、現法同 〃ウィン・ウィン 要で す。そ し て 最 終 的に は、お 互い が タートになるので、協 業のかたちが 重 直 後は、リソースが 少ないなかでのス 大野︵シンガポール ︶ 海 外に 進 出し た 心にコメントをお願いします。 Jに何ができるのかといったテーマを中 パートナーが海外に出て行く際に、 II 展 開 を 画 策 し て い ま す。こ こ か ら は、 市場を求めるように、パートナーも海外 な関係を結んでいますが、我々が海外に 清水 IIJは複数のパートナーと緊密 〃 山本︵ヨーロッパ ︶ 我々のオフィスも九 強化しているところです。 でサービスを受けた人がアメリカに異動 〃 に置いて、部屋にはパソコンと複合機以 ます。 う こ と で は、我 々が 最 近 作っ た 外何もない! というふうにしたのです。 月にロンドンの中心地BANKに移転す 富田︵中国 ︶ たしかに規模の大きな企業 になったとき、再び同じサービスを利用 が必要になってくると思います。 るので、シンガポールと同じように自ら では、日本側に決定権があり、特に新拠点 していく必要があるでしょうね。 を一つのモデルにして、新たな 〃引っ越し の設立やクラウドサービスの導入につい 松本︵アメリカ ︶ お客さまの事業規模、 ﹁ずいぶん大規模な提案 地に持ち帰ると、 山本︵ヨーロッパ ︶ 一般に、日系大手I いかないと、パートナー関係は長続きし UK そういった活動を続けていけば、 需要 に応えていきたいです。 したいと申し出てくれる …… そんなチャ ンスも生じるのではないでしょうか。日 ITガバナンスの方針によって状況が異 になりましたね﹂と驚かれてしまいまし Tベンダは 組 織が 大きく、アジアでは 〃 になれるようにして なります。大手企業の駐在員事務所でも た。結局、我々もあいだに入りながら、本 く受け入れられた事例は、それほど多く ながら、日本のソフトウェアが欧米で広 と、現実は厳しいように感じます。残念 海外でも売れるものは? と考えてみる ︶の製品で ︵ Independent Software Vendor 松 本︵ア メ リ カ ︶ た だ、日 本 のISV ローバル企業に成長していくためのキー プログラムの 継続と 改善は、 IIJがグ ぶための制度ですが、こうした人材育成 限られた期間、異文化のなかで働き・学 ローバルチャレンジ﹂は、一年半という れて、日に日に逞しくなっています。 ﹁グ いますが、このところ大いに活躍してく は、そういった米国のアプリケーション 狙っています。 IIJアメリカの 周りに 海 外のベンダも 日 本・アジアの 市 場を 切です。 ソフト面の知見を蓄積していくことが大 業力やエンジニアの技術力など 〃人 の力、 直結した体制を築いていけるように、営 ぜひやってみたいですね。 たサービスを逆輸入するといったことは、 らアプローチして、彼らの製品を利用し 考えられます。優れたベンダにIIJか をIIJが引き受けるといったやり方が は、日本・アジア向けのオペレーション ありません。アメリカのISVに対して オペレーション化に長けているわけでは ● います。 ト体制とインフラを整えていきたいと思 つ、グローバルで連携したマネージメン えません。今後は、カバレッジを広げつ がない。アジアの拠点もまだ十分とは言 ですし、中近東、アフリカ、南米には拠点 らない。アメリカは東海岸と西海岸だけ 点の数をもっと増やしていかなければな アイデアを持っていても、サービス化・ あと、増えてきたとはいえ、海外の 拠 〃 ベンダが多々います。米国ベンチャーは 〃 ありません。国内実績が豊富で、海外で になると思います。 山本︵ヨーロッパ ︶ IIJのトレーニー も利用されるコンピテンスが明確な製品 丸山︵日本 ︶ 近年、 IIJのグローバル でも中国市場向けのパートナーセミナー を選ぶことが必要になるでしょう。 事業も大きくなってきましたが、今まで 制度﹁グローバルチャレンジ﹂で日本か 清水 逆に、アメリカで見つけたものを はどちらかと言うと 〃面 的な広がりでし ら赴任してきた若手二名と一緒に働いて IIJが日本で売るみたいなことは、あ 的につながって、お客さまの課題解決に た。これからは、より有機的に、より効率 催する予定です。 松本︵アメリカ ︶ 十分あり得るでしょう。 り得るでしょうか? を開催しており、今期は東京以外でも開 進出は、依然として活発です。毎年、日本 富田︵中国 ︶ パートナー企業の中国への ないでしょうね。 数十名という規模で、 IT専任のスタッ ǙǺ Ȗ DZ ǹdz Ȕ Ǽƞ ǡƞ ǶƸ Ǣơ ॡ Ʒ ǁ । ޡ Ƥ Ǚ Ȗ ǹ Ȕ Ҏ Ǚ Ȗ ǹ Ȕ ŋ Ŗ Ǖ ǹ dz Ȝ Ǣ 12 13 ҔƏǁ , ,-ƤޞݔஃӚ Topics ƉƉƝƥ§ۂथƠƿƝƥƤǑǽǦÁDzLj۷žƠƂƿ§їॄޯؑƤЁોLjऋӁƏǁ¨ 河野 誠 保守﹂は、 ﹁運用・保守﹂とひと言でいっ ても、各 国・地 域によって 異なります。 今までのノウハウを生かすことはもちろ んですが、データセンターやバックボー ン機器の選定時に現地へ赴き、ベンダの 保守責任者と話すなどして問題点を解決 します。また、運用開始後に実施したメ ンテナンス・障害対応を現地ベンダとと もにレビューし、改善を続けています。 最後は﹁接続性﹂についてです。バッ クボーン設備の接続性を向上させるため 本 誌 の 一一 七 号 で﹁世 界 一 周 IIJ バックボーン﹂という特集を組み、はや 一年が経ちました。昨年、ロンドンデー タセンターを立ち上げ、米英、日英間の回 線が開通するなど、私達は海外でのバッ クボーン延伸を積極的に行なってきまし クボーンを延伸し、現在に至っています。 た。その後もシンガポール、香港とバッ 今 回は シ ン ガ ポ ー ル、香 港へ の バ ッ ク IIJバックボーン ボーン 展開を 含め、 の国際展開についてご紹介します。 IIJは現在、米国、英国、シンガポー ル、香 港と 日 本 以 外の 四ヵ 国に バ ッ ク ボーン 設 備を 展 開しています。私 達が バックボーン設備を海外展開する際には、 ﹁場 所、回 線、運 用・保 守、接 続 性﹂の 四 外におけるバックボーン設備の展開と、 つの点に注力しています。ここでは、海 各ISPとのピアリングについてお話し たいと思います。 まず﹁場所﹂選び、すなわちバックボー ン機器を設置するNOC *の選定ですが、 こ れ は、主 要 なISPや キ ャ リ ア が 集 まっている場所が候補地になります。な ぜなら、そこに接続したい回線キャリア やISPが い な い と、接 続 コ ス ト が あ がったり、ピアリングに関しては、お目当 てのISPと接続条件が合わずに接続で きなくなってしまうからです。私達は、 ︶というルーティングプ Gateway Protocol か、私達は大切なお客さまのトラフィッ うなISPは皆無でしょう。そうしたな るなら、作業も簡単に進みますが、そのよ 接続を行ない、そのうえでBGP ︵ Border バックボーン費用を湯水のように使え ています。 今年三月に無事開通し、今も安定運用し 運用・保守、接続性︶には特に注意を払い、 した。その際、先述した四点︵場所、回線、 ポール、香港へバックボーンを延伸しま ロトコルを使って、お互いの経路情報を ク を 安 定 的か つ 効 率 的に 運べ る よ う、 一つ検討プロセスを経て判断しています。 情報に従って、お互いのトラフィックが 日々、設計・構築・運用を行なっています。 構築作業の苦労話を少しご紹介します。 昨年のロンドン構築時にはかなり苦労し ISP同士はどのように接 ところで、 ISPとつなぎたい場合の接続形態です。 続形態であり、パブリックピアは、多くの ISPと太い回線でつなぎたい場合の接 国、英国︶とアジア展開については一線 クボーンを展開してきた地域︵日本、米 お持ちでしょうか? 私はこれまでバッ ア展開について、どのようなイメージを IIJバックボーンのアジ 皆さんは、 ルをアレンジしてしまい、一部構築スケ ︵中国の春節︶を理解せずにスケジュー なかったり、チャイニーズニューイヤー と、構築直前まで一部モジュールが届か ました。しかしながら、蓋を開けてみる たので、このたびは準備期間を十分とり 続されるのか? と 思った 方がいらっ ジュールを再調整するなど、海外での構 まして、カンファレンス、電話、メールな ジネスのアジア展開における再チャレン した。そこで今回は、ネットワークとビ つないでいましたが、実を結びませんで ISPとピアリング交渉を進めていまし フィックを交換するために、お目当ての ルを含む東南アジア諸国とローカルトラ 私達は、香港ローカル及びシンガポー 築のむずかしさを痛感しました。 どで担当者と連絡しながら交渉します。 ジ で あ り、国 際 展 開の 節 目に な る プ ロ た。そして、シンガポールは * 交渉が成立すれば対等な関係で双方のオ ジェクトと位置づけています。 A-Boneでアジア各国間を直接 ペレータが接続作業を行ないます。もち 香 港はH K I X のサービスの購入︶を勧めてきます。こ いと判断し、有償での接続︵もしくは別 相手のISPが自分達と同等規模ではな 理由は様々ですが、だいたいのISPは のプロジェクトの成否が、今後のIIJ には十分な土俵と言えます。そして、こ 出しているため、再チャレンジを試みる たくさんの日系企業がそうした国々へ進 急速な発展を遂げている新興国も多く、 います。 Jが希望するISPと接続交渉を進めて II て現在も接続性の向上を目指して、 集まっているIXに接続しました。そし と い う、も っ と もISPが e Xcha nge) ● めていきます。 ら、今後もバックボーンの海外展開を進 私達はこうした取り組みを継続しなが のように、実はアナログなやり取りを繰 こ う し た 思い を 胸に、私 達は シ ン ガ 考えています。 バックボーンの国際展開の伴を握る、と 海外展開するうえで不可欠であり、一つ こうした取り組みは、バックボーンを り返したうえで接続が決定されるのです。 (Hong Kong Internet 、 Equinix-IX ろん、交渉が成立しない場合もあります。 アジアには、政治・経済などの分野で 過去に を画する、と捉えています。 です。 しゃるかもしれませんが、答えは 簡 単 あります。プライベートピアは、特定の ︶経由で接続するパブリックピアが Point ベートピアと、 IXP ︵ Internet eXchange 接 続 形 態に は、直 接 接 続す る プ ラ イ 交換されます。 交換し合うことです。そして、その経路 ピアリングとは、 ISPが 物理的に 相互 IIJ ネットワーク本部 ネットワークサービス部 技術開発課長 三つめのバックボーン設備の﹁運用・ 一般にISPにはピアリング担当がい クボーン回線障害は発生していません。 斐あって、現在までクリティカルなバッ レベルの回線を導入しています。その甲 に回線断しない構成など、 IIJが求める 各キャリアと協議し、主系・従系が同時 理由は様々です。よって、 あったり …… 設計段階で運用条件や冗長構成について ル を 引っ か け た り、ケ ー ブ ル が 盗 難に 失敗したり、海底区間で漁船が光ケーブ あります。例えば、計画メンテナンスを できない理由で回線断が発生することも に比べて高くなっており、私達には想像 はまったく異なり、回線断の頻度は日本 についてです。海外の回線事情は日本と 次は﹁回線﹂ 、特に各国を結ぶ国際回線 す。 ター事業者と調整・選定を行なっていま IIJの条件に合った各国のデータセン ,,-ƂޞݔஃӚƏǁżžƝڎƁƑƠźƤƂÍǹǬǘȅÁȜїॄÎƝŸǁ¨ には、展開先で各ISPとのピアリング ݔŋ ޞŋ ஃŌ Ӛǹ Ჷ ǘ ȅ Ȝ Ƥ ݤ ۪ Ƹ ƅ ї ॄ ޯ ؑ ǹǬǘȅÁȜ ȜƥƉżƍƜїॄƋǂǁ ISPとの を 実施する 必要があります。 ǹǠ ᲷȜ ǘǕ ȅȆ ȜȔ ї ॄ݄ ܤ Ʈ Ƥ 14 * Network Operations Center。 * IIJ が設立した株式会社アジア・インターネット・ホールディング (AIH) によって 1996 年 1 月に運用を開始した、アジア太平洋地域を接続する国際インターネット回線網。 15 ҔƏǁ , ,-ƤޞݔஃӚ Topics 分けていた空調や停電時用バッテリーな どの電気設備を一台のモジュールのなか にコンパクトに収容し、設置期間とコス トを低減しました。 IIJ サービスオペレーション本部 データセンターサービス部長 久保 力 データセンターに必要な空調設備、消 火設備などを内蔵したコンテナ型データ セ ン タ ー モ ジ ュ ー ル は、数 百 台 規 模の サ ー バ を 収 容 で き ま す。こ う し た モ ジュールを海外、国内でいくつかのメー IIJはこれを カが 販売していますが、 独自開発し、 IZmo ︵イズモ︶と名付け、二 〇一一年四月から島根県の松江データセ ンターパークで、クラウドサービスII J GIOの基盤として運用しています。 自社で利用することを目的に開発した ですが、この 一、二 年で 国 内の 大 IZmo 学や研究機関などから﹁敷地内で情報処 理基盤を効率よく運用できるプライベー トデータセンターを構築するために利用 したい﹂という引き合いが増え、昨年度 は四台受注し、数十ラック規模のデータ センターを提供しました。ただ、九ラッ クで三、四〇〇台のサーバを収容できる では 大きすぎるため、提案を 断念 IZmo は、外部の冷たい空気を直 IZmo した小規模な案件もありました。 また 接内部に送り込むことで空調の消費電力 を大幅に下げましたが、外気がきれいな 場所に設置する必要があり、どこにでも 設置できるわけではありません。そこで、 新たな需要にも対応できるように、小規 模で設置場所を選ばないモジュールを開 発することにしました。 運 搬しやすい 二〇フィートコンテナ ︵約 六メートル︶をベースとし、間 接 的 に外気を使う冷却方式を採用することで、 設置場所の制約を少なくし、省エネを実 きるのか? 道路の状態は? 貨物輸送 の付いたトラックやトレーラーを手配で 経験から、メーカ側ではなく顧客の立場 どは、これまでのデータセンターの運用 タセンター固有の空調制御や内部構造な IJがメーカではないことに起因してい 現状、左記のような要望を持つ東南ア 用の鉄道は使えるのか?︵例えば、シベ 送はトラックか鉄道になりますが、その ジア、中国、東欧の企業や公共機関と商 リア鉄道は材木などの積荷がたまらない る、と考えています。 談を進めていますが、通常のデータセン から、ノウハウを凝縮して設計・開発し 際、振動を吸収するエアサスペンション ターのように特殊な施設の設計や工事の と出発しないので、スケジュールが立て います。また、松江データセンターパー ている点が強みになっている、と感じて 本 体はOEM生 産ですが、デー IZmo 要員を確保しなくても、コンテナであれ ︶といったことも考慮して られない …… 方法を決める必要があります。 クを見学した海外のお客さまの声を聞く ば高品質なセンターを短期間で構築でき また、お客さまとのコミュニケーショ と、実際のクラウドサービスの基盤とし が三年以上にわたり運 IZmo 用されている点もポジティブな印象を与 以外の言語でも機械翻訳でなんとなくわ も連絡がとれたり、ドキュメントは英語 供してきましたが、コンテナを提供する ターラック貸しなどのITサービスを提 運 用 ア ウ ト ソ ー ス、回 線、デ ー タ セ ン SI、 IIJは、インターネット接続、 えているようです。 かったり︵最 終 的な 合 意には 英 語のド こ と で、こ れ ま でIIJと 関 わ り の な それでも、電子メールでいつでもどこで レベルであれば、スマホの翻訳アプリで 、会話も 単語 キュメントは 必要ですが︶ にも、ビジネスの領域を広げることがで でなく、データセンターに関わる全てを ンスが増え、海外へはファシリティだけ の運用もワンストップで提供できるチャ かったデータセンターファシリティ構築 間に合ったり …… 等々、ひと昔前では考 えられなかったことが 〃ITの 力 で 何 IT きるようになります。それにより、 は国内で生産しているので、 co-IZmo/I とになります。海外への運搬方法は、航 とかなったりして、 ﹁世界は 小さくなっ システムの構築、ネットワーク、その後 海外で利用する場合、当面は輸出するこ 空便や船便がありますが、数千台のコン ているな﹂と感じます。 吸収することが困難なら、カーフェリー 収する仕組みが必要になります。衝撃を 船に下すときの衝撃が問題で、これを吸 ﹁ IZmo はレクサスだ﹂と言っていた て、 けており、競合他社のコンテナと比較し す。そのなかでもIIJは高い評価を受 売しているメーカは国内外に多数ありま コンテナ型データセンターを製作・販 ● に高める施策も検討していきます。 運用するなど、お客さまの利便性をさら 広がる になるよう尽力し、全国そして全世界に し、今後数年で一〇〇台規模のビジネス 今年度は国内外で一〇台の販売を目指 輸出できる可能性も出てきます。 ル・オー︶と呼ばれる貨物船で運ぶこと のようなRORO船︵アール・オー・アー I だいたこともあります。この違いは、 を松江から一元的に管理・ IZmo になります。また、輸出先の国内での陸 度を持っていますが、クレーンで吊って は、積み 重ねに 耐え 得る 強 co-IZmo/I かしいと考えています。 テナのように積み重ねて運ぶことはむず テナを運ぶ﹁コンテナ船﹂で一般のコン なデータセンターを作りたい。 ●公共機関の基盤システムとして高品質 模のデータセンターを分散配置したい。 語での対応が必要な場合も出てきます。 ●信頼性向上のために複数の場所に小規 作って、早く事業を始めたい。 るところが評価されているようです。 以外にも次のようなニーズを持つ国内の お客さまに検討いただいています。 ●サーバルームが一杯になり、空いてい る敷地にサーバルームを増設したい。 ●有休地にコンテナ型データセンターを 設置して、 新たなビジネスを始めたい。 ●緊急時に移動できるサーバルームを作 りたい。 海外のお客さまとも複数の商談が進ん でおり、成 約に 近い︵と 思われる︶案 件 もいくつか出てきています。なかには弊 社の代表電話に﹁コンテナを売って欲し い﹂と海外から連絡が入り、そこから商 談が始まったケースもありました。コン テナの販売については、これまで対外的 には積極的にアピールしていませんでし ࢫ Ə ǁ ޞ Ƥ ص ༢ 現 在、 co-IZmo/I は、大 学 や 研 究 機 関 結すれば、中∼大規模データセンターの ンは、英語がベースとなりますが *、英語 て数十台の ●IT事業用にデータセンターを短期で 圏ではない国も多いため、それ以外の言 めています。 弊社のコンテナに対する認知が広がり始 §ݤƉƤFR,=PR,Ƃ§ঙӕơ܃ƇƜМƦƕƉżƞƍƜźǁ¨ 構築にも利用できる設計になっています。 付けられたこのモジュールは、複数台連 で、間接外気を意味します︶と名 Indirect ﹁ co-IZmo/I ﹂ ︵ co は コ ン パ ク ト、 は I が取り上げられ、 IZmo 〃 ,,-ƤॎƍźǜȜǯdz٦ǰÁǨǤȜǨÁȋǡȎÁȔÛFR,=PR,ܨ 現しました。また、これまでは物理的に ƾǀܐƠຳຌLjู߷ƍƜӚಔƋǂƕ たが、海 外のデータセンター 専 門のメ ディアなどでも ǜŋ Ȝŋ ǯŌ dzƤ ņ ŅƵ ಳƞ ౫ Ƥ Ϫ ǜȜǯdz٦ǰÁǨǤȜǨÁȋǡȎÁȔ FR,=PR, ,ƤӓӟஃӚ ӓǜ ӟȜ ஃǯ dz Ӛ٦ ǰ Ǩ Ǥ Ȝ Ǩ Ƥ 16 *コンテナ DC の特設サイトが、英語化されました。http://www.iij.ad.jp/DC/en/ 17 ҔƏǁ , ,-ƤޞݔஃӚ Topics IIJ グローバル事業本部 グローバル企画部 IIJ グローバル事業本部 グローバル企画部 プロジェクトマネージャ 袁航 大導寺 牧子 セキュ るのか調査するものです。よって、 態にあり、どのような問題を内包してい 法人のIT環境が、現状、どのような状 セキュリティ診断は、お客さまの中国 断のニーズが高まっているのです。 のシステムの実情を把握するために、診 本社との連携システム導入に向けて中国 対応に困っているのが実情です。そこで、 フを強化・増員することは容易でなく、 ンにつながりかねません。 なダメージであり、会社のイメージダウ 不安もさることながら、財政的にも大き 不正OSだったりして、セキュリティの 経済状況などを把握することで、ビジネ て見えてくるものもあります。例えば、 各社員のPCの利用状況の調査を通し リティ診断に向けた初回のミーティング で開始されます。どんな結果が出てくる は、お客さまも我々も大変緊張した状態 ばよく、社内にLANはあるものの、 ﹁日 工場内の生産情報の管理を行なっていれ 中国に進出してきました。この時点では、 て豊富な労働力を求め、生産拠点として ります。かつて日系企業の多くは、安く いるのでしょうか? いくつか理由があ なぜ、最近になり調査依頼が増加して いるケースもあります。また、セキュリ あれば通信できなくなるリスクを抱えて 成が実はシングルだったりして、障害が というケースです。分析を進め いる …… ると、冗長化されていると思っていた構 結されたりしていて、把握不能になって ていくのですが、増設されたりハブが連 ク構成図をもとに、全体の構成を探索し 数年前のネットワー ます。よくあるのは、 構成を正確に把握するところから始まり 診断は、お客さまの社内ネットワーク ます。 はこうしたほうがより深刻であったりし り記録が削除されていることもあり、実 利用記録がゼロ! つまり、ユーザによ なっていた場合もありました。さらには、 ゲームをやっていたり、株 式 投 資を 行 必要以上に動画のサイトを見ていたり、 ングサイトで長い時間を費やしていたり、 しながら、いざ調べてみると、ショッピ 理されていたわけではありません。しか などは、日系企業ではそれほど厳しく管 ソフトで対応しているのが実情だったの スへの対応能力が弱いといった問題もあ ルータが残っていて、現在の不正アクセ 戸や窓の修繕を行なうという意味で、日 ﹁未雨 绸 缪﹂とは、雨が 降り 出す 前に 〃 ÍǤǖȎȓǯnjफ़ÎLjƏǁǚÁǢƂžƜźǁ¨ ࣟࢇՄƠƟƤϸźơ֚ЍƏǁǼǡǶǢञƤݥచƂƚƃƸƤƝŸǁ¨ スにプラスになるニュースサイトの閲覧 本本社につなげるネットワークには接続 か、とても古いファイアウォールに使う ティソフトウェアが更新されていないと で、実務的にはそれで困るといったこと ります。さらに、物理的なサーバルーム です。 くるはずですが、こうした診断を通して、 セキュリティに対する事前の意識を高め ます。お客さまが直面する問題も多く、 ことがとてもむずかしい、と言われてい 中国国内ではITシステムを構築する ITスタッ しかしながら現地法人では、 ルシステムに組み込まれつつあります。 情報システムは日本と連携したグローバ 違っておりインストールできなかったり ハードディスクの容量が指定したものと バージョンが異なっていたり、メモリや OSの 理 店 か ら サ ー バ を 調 達 し て も、 は、ひと苦労でした。例えば、現地の代 ちんと購入した﹂と思っていても、実は フトウェアの使用です。お客さまは﹁き 診断時、必ず発見されるのは、不正ソ が独自に行なった、中国人ITスタッフ ﹃中国IT読本﹄には、 IIJグループ ることをお勧めいたします。 ● 我々にお問い合わせいただき、調査され るお 客さまがいらっしゃったら、ぜひ の意識調査が含まれています。 れることなく様々なものを見てきました。 在 の中国に正面から対峙し、過去に囚わ です。ただ、短期間ではありますが、〃現 ピューティングの世界的規模での普及﹂ ﹁クラウドコン 開できた要因の一つに、 まと良好な関係を構築し、ビジネスを展 IIJが短期間のうちに中国でお客さ 把握することで、人=ソフトウェアを含 そして、その人たちの気持ちや考え方を 配置・活用していかなければなりません。 ない現実では、中国人のITスタッフを 本人のITマネージャーをなかなか置け 〃 ෛܩƝƥ§ƓƤٱƺफ़ƤǂLjીơƴƞƷƜƵƕ¨ ƓƤЁƚơ,7ǠǢǯȉƤܠ૪«вຌơեƏǁแછƂŸǁ¨ のか、まったく予測がつかないからです。 してはならない﹂と 規 則 化されていた 绸缪 ケースもあったほどです。実際、表計算 もなかったのではないでしょうか。 本語の﹁転ばぬ先の 伺﹂と 同じ ていくなかで、リアルタイムなビジネス 状況を日本の本社が把握する必要性が生 ベンダとの交渉や現地のビジネス慣習へ して、日本のITスタッフの出張予定も ておくことが重要です。もし、心配のあ 要素は、枚挙に暇がありません。 たびたび変更になるほどでした。 機器を購入すれば解決できる問題も少 ITシステムを構築・ なくありませんが、 運用するのはあくまでも 〃人間 です。日 今回、そうした経験を﹃中国IT読本﹄* が挙げられます。 IJグループの中国法人の歴史は三年弱 I の経験を重ねています。それに比べて、 の日系ITベンダが中国に展開し、多く 日系企業の中国進出にともない、複数 の戸惑いなど、トラブルに発展しそうな じました。それにともない、中国法人の ことわざ のセキュリティ管理がなされていなかっ 中国人なら誰もがこの を聞くとピンと から巨大な一三億人の 〃市場 へと変貌し 中国の位置づけが、そうした生産拠点 たりするケースも散見されます。 ก О 中国に関しては、インターネットに情 のクラウド環境を確認できるので、すぐ 間が大幅に減り、日本国内からでも中国 調達したり稼働テストに要したりする手 従来のように、現地でハードウェアを 国IT読本﹄を参考にしていただきたい ミュニケーションを深める際に、 この﹃中 れ ま す。中 国 人のITス タ ッ フ と の コ むIT環境が構築されていく、と考えら いったことを、具体的な事例とともに紹 問題をどのように解決・克服したか﹂と ﹁実際の 系企業が直面する課題と解決策﹂ ﹁現地ITスタッフの特性﹂ ﹁日 レンド﹂ 欠かせない﹁中国の経済状況﹂ ﹁ITのト 日系企業が中国でITを構築するうえで ために、海外においてはクラウドを選択 安・障害からシステムを守り・運用する を導入していないお客さまも、様々な不 ます。日本では基幹システムにクラウド ティングは、海外でも高い評価を得てい をもたらしているクラウドコンピュー 〃現在の 切り 口 では、 冒頭でも述べた通り、﹃中国IT読本﹄ していることも多いかもしれませんが、 開されているお客さまは、経験値で把握 すでに長いあいだ中国でビジネスを展 と思います。 にシステムを稼働させることが可能です。 介しています。これを読んでいただければ、 されるケースが増えています。つまり、 ﹃中国IT読本﹄では、 日本国内でITシステムに大きな変革 でいます。一方、 報が れ、書店には関連書籍が多数並ん という読み物にまとめてみました。 〃 ݔơॡࢫƍƜźǁథٶոؑƤݔච।Ɲ§ థෛոؑƤݔƮƤॡࢫơƥ§ ݔ ච । Ƥ ϡ ƛ Ƈ Ƥ ൲ Ҏ Უ ݔ ŋ Ŗ ௲ ෛ Ფ ƞ ƥ ® から最新の情報を整理 限必要な知識は得られると思います。 中国でITマネージャーになっても最低 あるのです。 ウドの利用が進んでいる、という実情が 十分なコストもかけられないので、クラ 海外ではIT担当者を置くことができず、 ● けましたら幸いです。 いる日系企業の皆さまに、ご一読いただ れている、もしくは、進出を検討されて しました。よって、すでに中国に進出さ ムを、中国に限らず海外で稼働させるの ひと昔前であれば、日本のITシステ 〃 ݔච।ƝƤǤǖȎȓǯnjफ़ Ýݔ,7௲ෛÞ Ǥ ǖ Ჹ ȓ ǯ Ჳ फ़ Ƥ ǂ फ़ Ɓ ƿ ڰ ž Ɯ ƅ ǁ Ƹ Ƥ ǘ Ȓ Ǐ Dz Ƃ Ƹ ƕ ƿ ƍ ƕ Ƹ Ƥ Ϫ ݔ ଡ। ݻŋ Ŗ Ǣ Ǩ Ჷ Ǿ ௲ lj Ɲ ບ ƍ ź ඞ 18 *『中国 IT 読本』については、https://www.iij.ad.jp/app/form/itbook/ をご覧ください。 19 ҔƏǁ , ,-ƤޞݔஃӚ Topics ようという意図がユーザに明確なメッセージとして伝 無意識のうちにユーザにイメージを植えつけるとい フェイスブックが二〇一二年、ユーザに無断で心理 期間中、対象ユーザ向けのニュースフィードから、ポ ﹁サブリミナル効果﹂が思い浮かびます。 うことでは、 わるので、受け取ったユーザには、買うか買わないかを ジティブもしくはネガティブな文言を含むコンテンツ これは映像で利用する手法です。映像は、静止画像を 実験をしていたことが発覚し非難されています。実験 を、特定のアルゴリズムを使って自動的に削除した結 連続的に表示させることで成立しますが、そのなかに 冷静に考えて、主体的に選ぶ余地が残されています。 果、ポジティブなコンテンツを減らされた人は、その発 一コマだけ、まったく別の画像を混ぜるのです。次々 内容は、ユーザに見せるニュースフィードの内容を意 言からポジティブな発言の比率が減って、ネガティブな に表示される画像のなかに一枚だけ別の画像を挿入し それに対してフェイスブックの実験では、気がつかな 内容が増えたそうです。一方、ネガティブなコンテンツ ても、表示時間が非常に短いため、視聴者はその一コマ 図的に操作して、ユーザの感情を変化させられるかど を減らされた人には、反対の傾向が見られたそうです。 を認知できません。しかし、顕在意識では認知できて いうちにユーザの感情が操作されている点に問題があ この実験結果が﹁米国科学アカデミー紀要﹂に掲載さ いなくても、その画像のイメージが気づかないうちに うかを試すもので、七〇万人近くのユーザを対象に一 れて発覚したのですが、同社は、ユーザに同意を得てい 潜在意識に植えつけられ、視聴者の行動や考えに影響 るように思います。 る﹁ データ利用に関するポリシー﹂の範囲内としながら を与える、と言われています。 週間ほど行なったそうです。 も、ユーザの感情操作を意図的に行なうことは倫理的に 品も買っています﹂というレコメンデーション機能を 例えば、アマゾンは﹁この商品を買った人はこんな商 果を使うことが禁止されています。もっとも、サブリ メリカや日本では映画やテレビなどでサブリミナル効 視聴者に特定商品の購買を促すことができるので、ア サブリミナル効果を広告映像のなかで使用すれば、 提供しています。これなどは、他のユーザの購買傾向 ミナル効果自体、科学的にその有効性が証明されたわ 問題だとする批判に対し謝罪しました。 を見せることでユーザの﹁欲しい﹂という感情を操作し メディアを利用するユーザがコンテンツとして情報 けではないようです。 たという話は聞いたことがありません。では、今回の を受け取る際、コンテンツの提供者やメディアの運営 ているともとれそうですが、特にアマゾンが批判され フェイスブックの実験に関して﹁倫理的に問題がある﹂ 者によって、解釈の傾向が決められたり、喚起される感 摘されているものは、予防原則に従って禁止されるべ 学的に効果が証明されていなくても、その可能性が指 い話です。このような倫理的に問題のある行為は、科 情まで操作されたりするとなると、かなり気持ちが悪 という声が多いのは、どうしてでしょうか? サブリミナル効果の危険性 レコメンデーション機能は、何かを便乗して買わせ かたちにして、その効果を科学的に証明しようとして 今回のフェイスブックの実験は、結果を論文という ザ数を抱えているものもあります。よって、もし特定 世界中からユーザを集めており、一国を凌駕するユー フェイスブックのような昨今のSNSサービスは、 論操作のようなことに利用されたら大変です。 いるわけですから、規制についても並行して議論がな の誰かにそんな力が与えられたら、恐ろしく強大な権 きだと思います。 されるべきでしょう。 力に成長する危険性を孕んでしまうのではないでしょ うか。 きる状態でなされているうちは、受け取る側で取捨選 た。プロパガンダが﹁プロパガンダである﹂と認識で 為政者によるプロパガンダに 利用され 続けてきまし 歴史的に見て、メディアというものは、時の権力者や でに民衆を暗黙のうちにコントロール可能にする﹁第 つながっていたと思うのです。しかしその裏では、す れがエリック・シュミット氏の言う﹁第五の権力﹂に を、民衆側に開放する機能を持っていたはずであり、そ る 側に 取り 込まれがちな 既存の 巨大メディアの 権力 が国家安全保障局︵NSA︶によるインテリジェンス 〃 択できますが、潜在意識に働きかけて、暗黙のうちに何 六の権力﹂に向けた覇権争いが始まっているのかもし そもそもインターネットは、民衆をコントロールす らかの 感情や 判断の 傾向を 植えつけようとするなら れません。 メディアの特性を知る ば、メディアの運営者による 〃世論操作 といったこと 特にインターネットのSNSのようなメディアは、 のツールとして活用され、フェイスブックなどのソー 一年ほど前のスノーデン事件では、インターネット ユーザ一人一人に対する働きかけを個別に調整できま シャルメディア企業が情報提供していたことを示す資 が可能になってしまいます。 す。すると、単一のメッセージを不特定多数のユーザ 料が公開され、衝撃が走ったばかりです。今度はさら そうは言っても、インターネットは便利すぎて、ネッ に届けるマスメディアよりも、フェイスブックのよう 思えばフェイスブック 上には、様々な 種類の﹁あな トを使わない生活など、もう想像できないところにき に、民衆をコントロールするためのツールに発展しよ たはどのタイプ?﹂的な診断ゲームが繰り返し流れて ています。このような時代をしっかりと生き抜くため に一人一人の傾向に合わせてメッセージを変えること きます。実は、そうやってユーザのタイプをいろいろ には、少なくとも新しいメディアの可能性をきちんと うとしているのでは? と考えてしまうのは妄想が過 な側面から細かく調査し、タイプ別に感情を操作する 理解したうえで、次々と新しく出てくるサービスや機 のできるメディアのほうが、はるかに効率が良くなる 方法を密かに研究しているのかもしれません。それが 能の意味を考え、〃取捨選択する力 を一人一人が身に ぎるでしょうか。 単に広告宣伝に使われて、余計なものを買わされるく ● つけていくしかないと思います。 でしょう。 らいならまだいいのですが、特定の誰かに好都合な世 〃 取 捨 選 択する力 浅羽 登志也 イノベーションインスティテュート 代表取締役社長 ないだろうか。 瀬戸際に立たされているのでは どこまで保てるのか、 今、我々は、自身の判断力を 不測の影響をおよぼす。 それは、心=意識の深層に 生活に浸透すればするほど、 メディアが I I J 20 イラスト/末房志野 21 I T 連載 インターネット・トリビア 冗長化 IIJ プロダクト本部 プロダクト推進部 新連載 グローバル・トレンド 松元 涼 傷つ け な い よ う に 言 葉を 選び、 少しでも理解してもらえるよう ベト ナ ム 人 気 質 I I J グローバル事業本部 グローバル事業開発室 プロジェクトマネージャ まってちょっとした悶着が起き 今号から、海外拠点や 海外出 会食が 終わりに 近づくと、決 張者から届いた最新の海外動向 心を砕くことが重要です。また を見せることが懐疑的な彼らに は 有 効です。一 度、信 用されれ ば、いろいろと 融通を 利かせて くれることもあります。 おうとするのです。気がつくと、 言葉や資料に加えて、極力、実物 ます。皆が 皆、勘定を 我先に 払 のプロダクトや 何かしら理屈をつけて誰かが全 を連載でお届けしていきます。 近年、 ノウハウをパッケージ化し、国 の財布はいつも宙に浮いてしま 額を 払っており、出しかけた 私 案する機会が増えています。し います。一般に、ハノイを 中心 外のパートナーやお客さまに提 がその としたベトナム北部は、プライ ベトナムでは、日本製品への か し、日 本 方 式 の まま受け入れられないこともあ 信頼が 厚い 一方、日本の 製品や サービスは多機能で様々な付加 時の 悶着には、その 一端が 垣間 ドとメンツを重視します。会計 価値が 備わっているため、複雑 言われることがあります。 で使いこなすのに苦労する、と 的な特質が関連しているようで 見えているのです。 疑的で、打ち 解けた 仲になるに 加えて、性格のほうはやや 懐 ります。そこには、彼らの 文化 す。今回はベトナムでの事例を 紹介したいと思います。 私自身、ベトナムに 出張する ムではシンプルなものが受け入 ナム 人は、基本的に 怠惰だから、 れられる。なぜかって? ベト は時間がかかります。しかし一 あるベトナム人曰く、 ﹁ベトナ は打って変わって親切になりま ことが多く、少しでも彼らの文 す。家族を紹介したり自宅に招 説明書を読むのが面倒なのさ﹂ 。 度、胸 襟を 開くと、それまでと 機会を大切にしています。気の 問わず、ベトナム 人と 食事する いたり、家族同様に接してくれ いると思います。 化や 気質を 理解しようと、公私 合う仲間とベトナム家庭料理を りません。メンツやプライドを 大いにうなずいてしまうほど、 ます。 肴にビールを飲む 私もその ―― 輪に 加わりながら、大いに 楽し ビジネスシーンも例外ではあ ベトナム人の側面をよく捉えて んでいます。 I T I I J 今号より、IIJグループ広報誌「IIJ.news」 の表紙・誌 面のデザインをリニューアルしました。 また、海外拠 点の現場情報をお届けするコラム 「グローバル・トレ ンド」 を新連載としてスタートするなど、一部内容を 発行/株式会社インターネットイニシアティブ 広報部 刷新してお届けします。 お問い合わせ/株式会社インターネットイニシアティブ 広報部内「IIJ.news」編集室 〒102-0071 東京都千代田区富士見2-10-2 紙としてダウンロードできるようになりました。以下の URL よりダウンロードのうえ、ぜひご利用ください。 飯田橋グラン・ブルーム ダウンロード壁紙画像 (見本) TEL:03-5205-6310 E-mail:[email protected] ● 壁紙ダウンロードはこちら http://www.iij.ad.jp/news/iijnews/2014/wp/ これからも IIJ ならではの情報をお届けできるよう、 スタッフ一同、 より魅力的な誌面づくりに取り を今後ともよろしくお願いいたします。 組んでまいります。 「IIJ.news」 堂前 清隆 インターネット関連の技術用語には、舌を噛みそうなものがい じょうちょうか なことになりかねません。 「冗長化」も発音しにくい単語の 1 つですが、イ くつもあります。 通常時に同じ用途の設備が 2 台以上稼働するシステムにおい ンターネットや IT システムについて考えるうえで、とても重要な 「n+1 構成」をとることもあります。n は常時稼働している ては、 事柄です。今回はこの「冗長化」を紹介します。 設備の台数を指していて、例えば、常時 5 台の設備が稼働して IT システムで利用される機器は、頻度の高低はともかく、い 「5+1=6 台分」の設備を用意しておくという方法です。 いるなら、 ずれも故障の可能性があります。機器が故障すると、当然、IT 5 台のなかのどれか 1 台が故障した場合、+1 の予備機が交替 システムは利用できなくなります。 「n+1」では、故障は 1 台までしか許されず、2 して動作します。 故障した機器を修理・交換すればシステムは復旧しますが、 台同時に故障するとシステムが停止してしまいます。稼働台数 それをいちいち手作業で行なっていると、とても時間がかかりま 「n+2」や「n+3」など、予備機を 2 台、3 が多いシステムでは、 す。システムが利用できない時間をできるだけ短くするには、何 台と増設し、故障に対する耐性を高める場合もあります。 らかの手を打たなければなりません。その 1 つの手段が冗長 冗長化は、適用する IT システムの種類によって、選択すべき 化です。 手法が異なります。例えば、通信ネットワークに対しては、一般 冗長化にはいくつかの方法がありますが、基本的な考え方は、 的にアクティブ・スタンバイ構成を適用しますが、アクティブ・ 「IIJ.news」 リニューアルと壁紙ダウンロード開始のお知らせ さらに、 リニューアルにともない、表紙のイラストを壁 企画業務課 リードエンジニア 編集/増田倫子、小河文乃、村田茉莉 表紙イラスト/末房志野 デザイン/ 原健祐(Iroha Design) 印刷/株式会社興陽館 印刷事業部 「予備の設備を準備しておく」 「故障時は速やかに予備の設備に アクティブ構成をとることも原理的には可能です。しかし、デー 切り替えて、システムの動作を継続する」という 2 点です。 タセンターの電源設備などは、故障時に供給電力が足りなくなる もっとも単純な冗長化は、同じ動作をする設備を 2 系統設置 ことは絶対に避けなければならないので、アクティブ・アクティ することです。片側を常時稼働させておき、故障時には待機し ブ構成はとらず、n+1 構成か、アクティブ・スタンバイ構成をと ていたもう片側の設備に切り替えて、処理を継続します。このよ ります。 うな構成を「アクティブ・スタンバイ構成」と言います。 冗長化は、故障時のシステム停止時間を短縮するために導 アクティブ・スタンバイ構成はシンプルな考え方ですが、設 入するものですが、万能というわけではありません。また冗長 備を片側だけしか常用できないので、全体的な能力から見る 化のために予備の設備を設置することは、コストの上昇につな と設備が半分しか活用されておらず、もったいなく感じてしま がりますので、コストを優先するシステムでは、システムの停止 います。 時間とのトレードオフを考えながら、別の手法をとる必要も出て 他方、設置した全ての設備を有効活用する方法として「アク きます。 ティブ・アクティブ構成」があります。これは、2 系統の設備を さらに冗長化したシステムには、設備を切り替えるための何らか 稼働状態にしておき、通常時はその両方で処理を行なうというも の機能が必要になります。こうした機能はシステム本来の動作に のです。設置した設備の両方を活用できるため、無駄がないよ は不要ですし、切り替え機能自体が故障の原因になることも考えら うに見えますが、いざ設備が故障すると能力が通常時の半分に れます。故障時に切り替えが正しく動作するかというテストも含め、 なってしまいます。そのことを念頭に置いた設計をしていないと、 複雑なシステムの維持には手間もかかりますので、冗長化によるメ 故障時に設備の能力が不足して、システムが停止してしまうよう リット/デメリットを考慮した設計が必要となります。 ◎IIJ.newsのバックナンバーをご覧いただけます。 URL:http://www.iij.ad.jp/iijnews/ 23 イラスト( P22,23)/山本加奈子 22
© Copyright 2024