超解像顕微鏡 N-SIM / N-STORM ( PDF: 3.46MB

ニコン超解像顕微鏡 N-SIM/N-STORM
ニコン超解像顕微鏡
ニコン 超 解 像 顕 微 鏡
細胞内の構造を直接見る!
光の回折限界を超えた、超解像イメージング。
「細胞内の構造をより精細に、しかもその動きも観察したい」というのは、研究者の普遍の願いです。しかしこれまでの
光学顕微鏡では、光の回折による200nmという解像限界が、大きな壁として立ちはだかっていました。また、その壁を
超える電子顕微鏡には、生体試料を観察できないという制約がありました。
ニコンの超解像顕微鏡「N-SIM」
「N-STORM」は、これまでの光学顕微鏡の限界を打破して、細胞内の構造を精細に
観察することが可能です。
N-SIM は、
「構造化照明顕微鏡法」というイメージング法により、光学顕微鏡では不可能だった約100nm の解像度を
実現。しかも、0.6 秒/ 枚 *の高速で超解像タイムラプスイメージングが行え、生細胞中の分子の相互作用も取得でき
ます。生細胞は N-SIM 用に設計されたステージ培養装置により、最適な環境で活性を維持できます。
N-STORM は、
「ローカリゼーション法」の採用により、従来の光学顕微鏡の約10倍もの高分解能を実現。約 20nm の
解像度で、タンパク質の相互作用を1分子レベルで観察することが可能です。
N-SIM
ニコンの超解像顕微鏡シリーズは既存技術の限界を打破し、ナノスケールによる細胞内部の微細構造や機能解明の
実現に革新的な技術で応えます。
*TIRF-SIM/2D-SIM モードの場合
新たな可能 性が見えてくる。
N-STORM
2
3
超解像ライブセルイメージングが可能な高速画像取得、最速 0.6 秒/枚。
既知の空間周波数を持つストライプ状の照明パターンを照射して生じるモアレ縞を読み取り、画像処理で
従来の顕微鏡の2倍以上の超解像
細かい構造体の形を復元する「構造化照明顕微鏡法」を採用し、約100nm の超解像を実現しました。
Volume view
Maximum projection
さらに、1秒/枚以下での超解像画像の連続取得が可能なため、ライブセルイメージングにも適用可能です。
従来の光学顕微鏡の約 2 倍以上の超解像力
構造化照明顕微鏡法(Structured Illumination Microscopy)を採用した超解像顕微鏡です。画期的なイメージン
グ法とCFIアポクロマートTIRF 100×H対物レンズ
(NA=1.49)など、ニコンの高度な光学技術との組み合わせにより、
空間分解能を従来の光学顕微鏡の約 2 倍以上(約100nm)まで向上させ、生細胞内の微細構造や物質の動きの
超解像による可視化を実現しました。
超解像画像を、わずか 0.6 秒/枚で手軽に取得
超解像顕微鏡としては高速の 0.6 秒/ 枚のスピードで、連続画像取得が可能。生きた細胞や組織内のリアルな変化
を追跡することができます(TIRF-SIM/2D-SIM モードで最速の場合。スライス 3D-SIM モードの場合も最速1秒 /
枚程度の高速で取得可能)。
2D/3D/TIRF、多彩なモードでの超解像観察を1台で実現
● TIRF-SIM/2D-SIMモード
超解像 2 次元画像を高速で取得します。TIRF-SIM モードは従来のTIRF 顕微鏡より高い分解能での全反射照明
Width: 28.89 µm, Height: 27.83 µm, Depth: 17.20 µm
mVenus-SNAP23 を安定発現するマウスマクロファージ J774 細胞による、Alexa555 標識化抗体が付着したオプソニン化ビーズの貪食。
赤色の蛍光を持たな いビーズは、ファゴソーム膜と密に結合していることを示します。
撮影ご協力:福島県立医科大学医学部 櫻井千恵先生、初沢清隆先生、和田郁夫先生
蛍光観察が可能で、細胞膜近傍のより詳細な構造が観察できます。
● 3D-SIMモード
2 つのモードをご用意。スライス 3D-SIM モードでは、Z 軸 方向の超 解 像イメージングにより、光学 切片厚
約 300nm のセクショニング画像が生成できます。スタック3D-SIM モードでは、スライス 3D-SIM モードよりも
厚みのあるサンプルを、より高いコントラストでイメージング可能です。
5 本のレーザーを用いた多色超解像イメージングが可能
最大 5 本のレーザーが搭載可能で、多色の超解像イメージングが行えます。複数の構造体の位置関係、異なる物質
の局在などが観察可能になります。
マウス内耳蝸牛管、生後 1 日目
緑色(Alexa488):F- アクチン、赤色(Alexa555):アセチル化チューブリン
撮影ご協力:神戸大学大学院医学研究科 分子細胞生物学分野 小南賀乃子先生、富樫英先生、高井義美先生
上皮細胞の前縁
F-アクチンを Phalloidin(緑)でハイライト。
微小管は抗チューブリン抗体(赤)で免疫染色。
撮影ご協力:Dr. Ulrike Engel, Nikon Imaging Center at the University of
Heidelberg
4
上皮細胞の微小管構築
微小管を抗チューブリン抗体で免疫染色。
撮影ご協力:Dr. Ulrike Engel, Nikon Imaging Center at the University of
Heidelberg
5
生細胞の動態の超解像イメージング
N-SIM 画像(スライス 3D-SIM)
従来の蛍光観察画像
Mito-Tracker red で標識したミトコンドリア。生細胞超解像観察により、従来の二倍の解像度でミトコンドリアの動的挙動が解明され、内部のクリステまで鮮明に観察できます。
スライス 3D-SIM モード
対物レンズ:CFI アポクロマートTIRF 100xH (NA1.49)
取得時間間隔:約 1秒(動画)
N-SIM 画像(TIRF-SIM)
YFP で標識した B16 腫瘍細胞の微小管
対物レンズ:CFI アポクロマート TIRF 100xH (NA1.49)
取得時間:約 1.8 秒 / 枚 ( 動画 )
撮影ご協力:独立行政法人理化学研究所 生命システム研究センター 細胞極性統御研究チーム 岡田康志先生
スタック3D-SIMモード
Gustafsson の理論に基づいた 3D 復元処理を行う、ボリュームデータに適した 3D-SIMモードです。
特に、やや厚めのサンプルを観察する際など、蛍光の S/N(Signal to Noise) 比が低下しがちな状況で効果を発揮します。
従来の TIRF 画像
Volume view
0分
48 分
96 分
144 分
192 分
Maximum projection
240 分
eGFP-vinculin を発現した FoLu 細胞(キツネ肺由来)
TIRF-SIM モード
撮影ご協力:Dr. Michael W. Davidson, National High Magnetic Field Laboratory, Florida State University
スライス 3D-SIMモード
Width: 26.19 µm, Height: 27.11 µm, Depth: 3.36 µm
特定の深度における生細胞内の時間変化を捉えるのに適した 3D-SIMモードです。
抗ケラチン中間径フィラメント抗体で標識し、Alexa 488 標識二次抗体で染色したマウスのケラチン生成細胞
撮影ご協力:Dr. Reinhard Windoffer, RWTH Aachen University
N-SIM 画像(スライス 3D-SIM)
従来の蛍光観察画像
膜色素 Nile Red(赤)で染色後、GFP(緑)と融合した細胞分裂タンパク質 DivIVA を発現した枯草菌バクテリア
N-SIM により、細胞分裂中のタンパク質の局在を正確に可視化できます。
撮影ご協力:Drs. Henrik Strahl and Leendert Hamoen, Centre for Bacterial Cell Biology, Newcastle University
6
Width:16.00 µm, Height: 13.36 µm, Depth: 6.00 µm
有糸分裂中期のヒト U2OS 細胞
細胞を緑(動原体タンパク質 CENP-B)、赤(α - チューブリン)、青(DNA)で標識。
撮影ご協力:Dr. Alexey Khodjakov, Wadsworth Center, Albany NY
7
構造化照明顕微鏡法(Structured Illumination Microscopy)の原理
N-SIM Analysisソフトウェア
ストライプ状照明から生まれるモアレ縞を読み取り、
画像処理で構造を復元
ある特定の濃淡パターンで照明することを「構造化照明」といい、
標本の微細構造の上にストライプ状の照明パターンを重ねると、
ニコンの画像統合ソフトウェア NIS-Elements にN-SIM Analysis を追加することより、顕微鏡やカメラ、
モアレと呼ばれる粗い縞が現れます。モアレには標本の細かい
コンフォーカル装置などと同じ操作感で、容易に画像の取得・処理、N-SIM 画像の構築が行えます。
構造の情報が変調されて含まれているため、モアレを撮像して、
画像演算によって元の構造を復元することで、顕微鏡の分解能を
既知の高空間周波数のパターン照明を照射
することによって、微細構造の超解像情報
が「モアレ縞」として取得できる。
超えた細かい構造もイメージング可能になります。これが、構造化
照明顕微鏡法です。
複数画像からの超解像画像構築
構造化照明された1枚の取得画像では情報が不足するため、位相と方向を変えて複数枚の画像を
取得したのち、
画像演算により微細構造を抽出して超解像画像を構築します。
複数の画像情報をもとに超解像画像を生成
構造化照明の位相を複数回シフトさせて画像データを取得
さらに、これを3 方向行い、独自のアルゴリズムで
処理することで 2 次元の超解像情報を取得
モアレパターンを利用して、約 2 倍に解像力を向上
顕微鏡の解像力を上げるには、広がり角の大きな回折光を顕微鏡
ところが、標本に構造化照明を施すと、対物レンズの NA よりも大
に取り込む必要がありますが、実際に取り込める角度は対物レンズ
きな広がり角をもつ標本からの回折光を対物レンズで取り込める
の NAで制限されるため、対物レンズの NA よりも大きな広がり角を
角度に変換することができます。
(図 B)
持つ、標本の微細構造からの回折光を取り込むことは不可能でした。
そのときに生じるモアレパターンを利用することにより、あたかも
NA が2倍になったかのような解像力が得られます。
(図 C)
(図 A)
N-SIM 画像取得画面(3D-SIMモード)
画像取得
● N-SIMモードの選択
●各レーザーのパワーコントロール
●画像取得方法の選択
画像取得条件の設定
5種類までのレーザー波長が設定できます。また、多色、Z スタック、タイムラプスの各イメージング条件を設定する
図 A:NA で解像力が制限される
図 B:構造化照明により、大きな角度の光束を
回折させ、NA で取り込める角度に変換
図 C:NA の2倍相当の角度の光速を
取り込み
輝度プロファイル
TIRF-SIMと従来のレーザー TIRF の比較
1
直径100nm の蛍光ビーズ標本の、従来
輝度
を用いて取得した画像の比較です。
それぞれの点像輝度プロファイルに
の光学顕微鏡の2 倍以上になっている
●計測(距離、長さ、角度、面積 etc.)
●輝度プロファイル
●3次元画像再構築
●タイムラプス輝度グラフ
0.2
ことがわかります。
●その他
TIRF-SIM
8
● N-SIM 超解像画像再構築
● N-SIM 画像構築パラメーター設定
0.6
0.4
より、超解像顕微鏡の分解能が従来
変更し、N-SIM 画像の構築を最適化することも可能です。
画像解析
TIRF-SIM
従来の TIRF
0.8
の蛍光顕微鏡と超解像顕微鏡 N-SIM
ことにより、画像取得からN-SIM 画像構築までを自動的に行うことが可能です。さらに、画像取得後にパラメーターを
従来のレーザー TIRF
-500
-400 -300 -200 -100
0 -100 -200
[nm]
-300
-400 -500
9
N-SIMシステム図
電動蛍光ターレット
N-SIM 照明装置
超解像顕微鏡に最適な対物レンズ
回折格子によってストライプ状の照明パターンを生成し、標本に
投影します。また位相と方向を変えて複数回にわたり標本を構造
化照明します。
SR(超解像)対物レンズは、従来の顕微鏡の回折限界を超えた性能を実現
するために開発されました。最新の光学設計と、選び抜かれた光学ガラス
により、球面収差とシリンドリカル収差を極限まで低減させた光学性能を
実現しました。
TIRF/光刺激用レーザー
HGファイバー照明Intensilight
ピエゾステージ
パーフェクト
フォーカスユニット
落射照明装置 /
レーザーTIRF装置 /
光刺激装置
リニアエンコーダー付き
電動ステージ
four blocks during
Fix the laser unit with
transportation.
PC
70mmステージアップキット
L4
L2
L5
L3
L1
N-SIM 照明装置
N-SIM 5 レーザー
モジュール
Ti-E 落射蛍光セット
レーザー
(488nm、561nm
オプション:405nm, 458nm、
514nm、532nm、640nm)
C マウント TV アダプター VM2.5x
除振台
N-SIM/N-STORM キット
N-SIM シールドボックス
CFI SR プランアポクロマート IR 60xWI
CFI SR アポクロマート TIRF 100xH
ソフトウェア
NIS-Elements Ar/C,
NIS-A N-SIM Analysis
N-SIM
光学ファイバー
iXon3 897 EM-CCD カメラ
N-SIM 用オプションアクセサリー
顕微鏡用培養装置 TIZSH
ディッシュ内の温度を温度制御部へ直接フィードバック。精密で安定したサンプル温
度管理を実現します。PC 通信機能により、温度、CO2 濃度のモニタリング・ロギング
も可能です。
(製造元:株式会社東海ヒット)
■主な仕様
付属品
●35mmディッシュ用アタッチメントUNIV-D35 ●35mmディッシュ用センサー蓋 D35-200F
●温度・CO2 濃度モニタリングソフト「Neco」
N-SIM
水平解像度
約100nm
Z 軸方向解像度
約 300nm
画像データ取得時間
最速 0.6 秒/ 枚(2D-SIM/TIRF-SIMモードの場合)
最速 1秒/ 枚(スライス 3D-SIMモード時)
画像取得モード
TIRF-SIM(XY 超解像、TIRF 観察)
2D-SIM(XY 超解像、深さ3μm 程度まで)
スライス3D-SIM(XYZ 超解像、深さ20μm 程度まで)
スタック3D-SIM(XYZ 超解像、深さ50μm 程度まで)
最大 5色
多色画像対応
使用レーザー
標準:488nm、561nm
オプション:405nm、458nm、514nm、532nm、640nm
組み合わせ例:
405nm/488nm/514nm/532nm/561nm、405nm/488nm/514nm/561nm/640nm、
458nm/488nm/514nm/532nm/561nm、458nm/488nm/514nm/561nm/640nm
対応顕微鏡
電動倒立顕微鏡エクリプスTi-E
パーフェクトフォーカスシステム
エンコーダー内蔵電動 XYステージ
ピエゾ Z ステージ
使用対物レンズ
CFI SR アポクロマートTIRF 100xH (NA1.49)
CFIアポクロマートTIRF 100xH (NA1.49)
CFI SRプランアポクロマートIR 60xWI (NA1.27)
CFIプランアポクロマートIR 60xWI (NA1.27)
Andor Technology 社製 EM-CCD カメラ iXon3 897
使用カメラ
ソフトウエア
NIS-Elements Arまたは C ( 共焦点レーザー顕微鏡 A1+ / A1R+ 併設時 )、
いずれもオプションモジュールソフトNIS-A N-SIM Analysis が必要。
20 ~ 28℃、温度変動 ±0.5℃以内
設置条件
オプション
● Ti 電動XYステージ用アダプター TID-NA ●スライドガラス、チェンバースライド兼用アタッチメント UNIV-SC
●カバーグラスチェンバー用アタッチメント UNIV-CGC
●チェンバースライド用センサー蓋 CS-200F
●カバーグラスチェンバー用センサー蓋 CGC-200F 超解像システムバリエーション
A1+ with N-SIM
共焦点レーザー顕微鏡システム A1+ と超解像顕微鏡システム N-SIM を切
り替えて、同じ生細胞のダイナミクスを多角的に観察することが可能です。
A1+では生細胞の高速画像取得や低倍率観察・光刺激などを、また、N-SIM
では約100nm の高分解能で生細胞の変化を捉えることができます。
SGFP2 を発現する大腸菌 XL1-Blue
撮影ご協力:福島県立医科大学医学部 鈴木貴久先生、和田郁夫先生
N-SIM 画像
10
仕様
●ディッシュ内温度範囲:30℃~ 40℃(室温 25℃± 2℃の場合)
●各ヒーター設定温度:
トップヒーター 室温~ 50℃、バスヒーター 室温~ 50℃、ステージ
ヒーター 室温~ 55℃、フィードバックセンサー室温~ 40℃、
レンズヒーター 室温~ 45℃
●温度精度:± 0.3℃(プレート上)
●チャンバー内湿度:RH 99%以上
共焦点顕微鏡画像
11
分子レベルの理解を可能にする、従来の光学顕微鏡の約10 倍の分解能。
ローカリゼーション 法 の 一 つであ る STORM (STochastic Optical Reconstruction Microscopy) 法 を 採 用した
Z軸方向にも10倍の超解像
N-STORM。複数の蛍光画像から高精度に検出した蛍光色素1分子ごとの位置情報を重ね合わせ、一枚の高分解能
蛍光画像を再構築します。ニコンの研究用倒立顕微鏡エクリプスTi-Eとの組み合わせで、従来の光学顕微鏡の
N-STORM 画像
従来の蛍光観察画像
約10倍の超解像度(2D の場合は約 20nm)を実現。1分子レベルの検出を可能としたことで、
「構造レベルの理解」
から「分子レベルの理解」に踏み込む情報が得られます。
従来の光学顕微鏡の約10 倍の超高分解能
N-STORM は、1,000 回以上もの励起を繰り返して撮影した蛍光画像から、蛍光色素1分子ごとの位置情報を高精
度に検出し重ね合わせて、一枚の超高分解能蛍光画像(2Dまたは 3D)を再構築します。空間分解能が、従来の光
学顕微鏡の約10 倍(2D の場合は約 20nm)に飛躍的に向上しました。
3 次元蛍光画像も従来の約10 倍の超解像力
Z 軸方向にも従来の約10 倍(約 50nm)の超解像力を実現しており、2 次元の高分解能蛍光画像に加え、同一標
本の3 次元高分解能蛍光画像が取得できます。
複数の蛍光試薬を用いた多色イメージングが可能
活性化用と画像化用の2つの色素を組み合わせた専用の試薬、または、市販の連続刺激イメージング用の二次抗
抗体標識した微小管の 3D-STORM 画像
Z軸深度を色で表示
体を使用して、マルチカラー超解像イメージングを行うことができます。複数の構造体の位置関係、あるいは、異な
る物質の局在が観察可能になります。
BSC-1 細胞のゴルジ体を Alexa647 で標識した 2D-STORM 画像 (continuous mode)
撮影ご協力:Dr. Michael W. Davidson, National High Magnetic Field Laboratory,
Florida State University
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BSC-1 細胞のミトコンドリアを Alexa405-Alexa647 で標識した 3D-STORM 画像
(スケールバーの色はZ軸位置を表示)
13
従来の光学顕微鏡の10倍の超解像
N-STORM 画像
5 µm
1 µm
200nm
1 µm
200nm
従来の蛍光観察画像
200nm
哺乳類細胞のクラスリン被覆ピットを Cy3-Alexa647 で標識した STORM 画像
対物レンズ:CFI アポクロマート TIRF 100xH (NA1.49)
5 µm
チューブリンを Alexa Fluor 647 で、カルレティキュリンを ATTO 488 で標識したアフリカミドリザル腎細胞(BSC-1)
撮影ご協力:Dr. Michael W. Davidson, National High Magnetic Field Laboratory, Florida State University
N-STORM 画像
N-STORM 画像
5 µm
1 µm
200nm
従来の蛍光観察画像
5 µm
1 µm
200nm
1 µm
200nm
従来の蛍光観察画像
5 µm
1 µm
200nm
Alexa647 で標識した EdU を使用し、ブタ腎由来上皮細胞(LLC-PK1)の DNA 合成部位を、連続活性イメージングにより超解像で可視化。
撮影ご協力:Dr. Michael W. Davidson, National High Magnetic Field Laboratory, Florida State University
5 µm
NUP153 を Alexa Fluor 647 で、TPR を ATTO 488 で標識したヒト子宮頸がん細胞(HeLa S3)
撮影ご協力:Dr. Michael W. Davidson, National High Magnetic Field Laboratory, Florida State University
14
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N-STORM (STochastic Optical Reconstruction Microscopy) 法の原理
N-STORM Analysisソフトウェア
蛍光色素1分子ごとの位置情報を重ね合わせて、
高分解能画像を再構築
専用の試薬を使用
一度にすべての蛍光分子を励起するのではなく、専用の試薬を用いて非常
する性質をもった、2つの色素のコンビネーションの専用の
に弱い光で、蛍光分子をばらばらに、重複しないように活性化します。これに
試薬を使用して、多色超解像イメージングが可能です。また、
強い励 起 光を照 射して蛍 光画 像を撮 像し、 分 子ごとの 2D 位置情 報を
従来の1色素標識抗体を使用しても continuous mode に
ナノスケールの高精度で取得します。また、独自の3D-STORM 光学系により
よるN-STORM 画像構築が可能です。
短波長の色素を光刺激することで長波長の色素が活性化
ニコンの画像統合ソフトウェア NIS-Elements にN-STORM Analysis を追加することにより、N-STORM 画像の取得から再構築まで
を容易に行えます。また、取得中の落射蛍光像とN-STORM 構築像および輝点数をリアルタイム表示できます。
Z軸方向の位置情報も高精度に取得します。取得した点の3D 位置情報を
重ね合わせて画像演算によって一枚の超解像蛍光画像を構築します。
N-STORM 試薬
活性化用色素
高分解能を実現するN-STORM 技術
画像化用色素
従来の蛍光イメージング
Cy2
Alexa647
すべての分子を励起
個々の分子の判別はできない
分子の位置情報を記録
Alexa405
Alexa647
Cy2 Alexa647
Cy3 Alexa647
* Continuous Mode(一色素を使用した STORM 画 像取得)用の色素は、
Alexa647、Alexa488、ATTO488、Alexa568 を推奨します。
分子の位置情報を記録
強いレーザー
で励起
分子ごとの位置をプロットする
画像化用色素
N-STORM の試薬は、活性化用の短波長側の色素と、画像化用の長波長側
の色素との複合体で構成されます。複数の試薬を使用することにより、
3 色の超解像画像の生成が可能です。
繰り返し
強いレーザー
で励起
非常に弱い
レーザーで活性化
活性化用色素
目的分子
N-STORM のプロセス
非常に弱い
レーザーで活性化
STEP1 全ての分子を不活性化する。
超解像画像
Cy2
Alexa647
目的分子
STEP2 弱い光を Cy2 に当てると Alexa647 が離散的に
活性化される。
Z軸の位置情報を高精度に取得
1方向のみに光が集光するシリンドリカルレンズ(半円筒状のレンズ)を用い
Cy2
N-STORM 画像取得画面
Alexa647
て取得した画像の、ピント面からずれた点光源のボケ像の方向と大きさ
から、分子の光軸(Z 軸)方向の位置を約 50nm の精度で抽出。平面の位置
情報と組み合わせることで、3D 蛍光画像を再構築します。
画像取得
目的分子
STEP3 強い光で Alexa647 を励起して位置を記録。
標本サンプル
Cy2
Z 軸方向の距離
(nm)
400
対物レンズ
200
0
シリンドリカルレンズ
-200
目的分子
Alexa647
1000 回以上
繰り返し
画像解析
画像取得の設定
クロストーク除去
2次元取得や3次元取得、単色取得や多色取得など、画像取得
励起のクロストークによる輝点が除去できます。除去の条件
に関する設定が行えます。
を設定すると直ちに結果が画像に反映されるため、クロス
トーク除去の確認が容易に行えます。
画像取得条件の設定
N-STORM 法で用いる色素や使用レーザー波長の設定が行え
3D 表示機能
ます。Continuous mode を選択すると、1色素での N-STORM
N-STORM の最大の特徴は、3D での画像取得・画像解析が
画像を高速で取得できます。
行えることです。解析後には画像を自由に動かして任意の
向きで表示可能です。
取得中の輝点の位置をリアルタイム表示
N-STORM 画像の取得時に、明滅している蛍光 分子の数を
N-STORM 画像の表示方法
画像とグラフでリアルタイムに表示します。Auto LP (Auto
解析後の表示は目的に応じて、ガウシアン表示、クロス表示、
Laser Power)ボタンにより、検出した輝点の数に応じて自動的
またはガウシアン・クロス両表示から選択することができます。
にレーザーの強度を調節可能です。
拡大表示機能
結像光学系
-400
画 像 中の 任 意の箇 所を 最 大 20000% まで拡 大可能です。
N-STORM 法で取得した個々の点像レベルまで拡大して表示
CCD カメラ
16
点像
することができ、微細構造の確認に有効です。
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N-STORMシステム図
ピエゾステージ
各種レーザー
アダプター
リニアエンコーダー付き
電動ステージ
電動 N-STORM/TIRF 照明装置
N-STORM 用サイドポート
超解像顕微鏡に最適な対物レンズ
レーザー照 射 角やシャッター、 水 銀 光 源との 切 替
えが、倒立顕微鏡 Ti-E のコントロールパッドまたは
NIS-Elementsソフトウェアから電動制御できます。
光路へのシリンドリカルレンズの挿脱
により、2D/3D-STORM と従 来の蛍 光
観察との切り替えが行えます。
SR(超解像)対物レンズは、従来の顕微鏡の
回折限界を超えた性能を実現するために
開発されました。最新の光学設計と、選び
抜かれた光学ガラスにより、球面収差と
シリンドリカル収差を極限まで低減させた
光学性能を実現しました。
4レーザーモジュール
NIS-A
N-STORM Analysis
ソフトウェア
NIS-Elements Ar/C
パーフェクト
フォーカスユニット
シングルモード
ファイバー
CFI SR アポクロマート TIRF 100xH
電動
N-STORM/TIRF
照明装置
PC
Ti-E 落射蛍光セット
HGファイバー照明
Intensilight
N-STORMフィルターキューブ
N-STORM用サイドポート
N-SIM/N-STORMキット
iXon3 897 EMCCDカメラ
除振台
超解像システムバリエーション
A1+ with N-STORM
A1+ や C2+ などの共焦点レーザー顕微鏡システムでは生細胞の高速画像取
得や低倍率観察・光刺激などが可能です。超解像顕微鏡システム N-STORM
では約 20nm の超高分解能での観察を駆使し、より詳細な3D 情報の取得
が可能です。また、全反射蛍光(TIRF)観察も行えます。
■主な仕様
N-STORM
水平解像度
約 20nm
Z 軸方向解像度
約 50nm
画像取得モード
2D-STORM
3D-STORM
多色画像対応
同時 3 色
使用レーザー
405nm、457nm、488nm、561nm、647nm
対応顕微鏡
電動倒立顕微鏡エクリプスTi-E
パーフェクトフォーカスシステム
エンコーダー内蔵電動 XYステージ
ピエゾ Z ステージ
使用対物レンズ
CFI SR アポクロマートTIRF 100xH (NA1.49)
CFIアポクロマートTIRF 100×H (NA1.49)
CFIプランアポクロマートVC 100xH (NA1.40)
Andor Technology 社製 EM-CCD カメラ iXon3 897
使用カメラ
ソフトウエア
NIS-Elements Arまたは C(共焦点レーザー顕微鏡 A1+/A1R+ 併設時)、
いずれもオプションモジュールソフトNIS-A N-STORM Analysis が必要。
20 ~ 25℃ 温度変動±0.5℃以内
設置条件
N-SIM with N-STORM
超解像顕微鏡 N-SIMとN-STORM の両システムを一台の倒立顕微鏡に同時
に搭載することにより、多角的な超解像観察システムを構築することが可能
です。N-SIM/N-STORM キットを使用することで、N-SIMとN-STORM の切
り換えがアダプターを交換することなく行えます。
N-SIM/N-STORM キット
N-SIM、従来のレーザー TIRF/2D-STORM、
3D-STORM の3ポジションが選択可能です。
18
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N-SIM 推奨配置図
N-STORM 推奨配置図
N-SIM
除振台
除振台
レーザーモジュール
PCラック
N-STORM
PCラック
1000
1000
レーザーモジュール
1500
1500
2823
2975
673
675
435
1450
800
1001
1354
1603
500
(単位:mm)
表紙写真(上):
マウス内耳蝸牛管、生後1日目
撮影ご協力:神戸大学大学院医学研究科 分子細胞生物学分野 小南賀乃子先生、富樫英先生、高井義美先生
安全に関するご注意
■ご使用の前に「使用説明書」
をよくお読みの上、正しくお使いください。
ご注意:本カタログに掲載した製品及び製品の技術
(ソフトウェアを含む)
は、
「外国為替及び外国貿易法」等に定める規制貨物等
(技術を含む)
に該当します。輸出する場合には政府許可取得等適正な手続きをお取り下さい。
・本カタログ記載の会社名及び商品名は各社の商標または登録商標です。
・本カタログは2013年11月現在のものです。仕様と製品は、
製造者/販売者側がなんら債務を負うことなく予告なしに変更されます。
©2013 NIKON CORPORATION
100-8331 東京都千代田区有楽町1-12-1 新有楽町ビル
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販売元
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本
社
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