<抜粋版> 「最新磁石材料の技術動向と 着・脱磁、熱減

情報機構
(東京・大井町 / きゅりあん、2014.3.5)
<抜粋版>
「最新磁石材料の技術動向と
着・脱磁、熱減磁トラブル対応、測定評価技術」
(株)KRI
フェロ&ピコシステム研究部
部長 山本日登志
[email protected]
http://www.kri-inc.jp/ts/dept/magnet.html
取締役会
(株)KRI組織図(2013.4.1現在)
社長
副社長
CTO
経営会議
エネルギー材料研究部
環境・エネルギー材料
有機デバイス材料研究室
ナノ構造制御研究部
新機能性材料研究部
新素材
デバイスマテリアル研究室
エネルギー変換研究部
二次電池
電池評価・解析室
次世代電池推進プロジェクト室
新エネルギーデバイス研究部
燃料電池
電気化学デバイス研究室
環境化学プロセス研究部
グリーンケミストリー・生命科学
センシングバイオ研究室
材料解析研究センター
ナノ構造解析研究室
エネルギーソリューションセンター
旧磁石材料研究室
フェロ&ピコシステム研究部
先進技術調査室
経営企画部
施設管理部
京都地区
未来戦略
大阪地区
目次
• 希土類原料コストと将来予測
• 焼結磁石メーカの現状シェアと今後
• 最新磁石(Dy拡散、微粒子型、保磁力分布
磁石)
• 着磁特性、脱磁特性、不完全着磁の課題
• 熱減磁、Hkの重要性、長期安定性
• 各種磁石性能測定方法
• パルス測定事例紹介
• その他磁石品質評価測定例
Rare Earth Metal Price (2014.1)
Nd ; $87/kg
Dy ; $625/kg
Sm ; $33/kg
2013.9
Nd ; $103/kg
Dy ; $720/kg
Sm ; $33/kg
Nd磁石コストトレンドと動向
Nd,Pr,Di(ジジム;NdとPrの合金)
• 希土類資源の中国依存度低下による安定調達化加速
依存度;約97%から50%未満、海外鉱山の稼働(Mauntain Pass, Maunt Weld,
Don Pao, Tore Lake) JOGMEC資源開発支援、民間技術提携(三菱商事、信越化学)
Nd価格は徐々に低下するか?(数年前の希土類暴騰の再発はない)
Dy, Tb
• Dy資源
Ndと異なり、中国依存離脱は当面難、中国(江西省)以外に有用なイオン吸着
鉱床が発見されていない。太平洋海底鉱床は話題性はあるが??
Dy(Tb)拡散技術はDy削減重要技術として今後の主流か。課題は工程コスト。
Dy(Tb)価格は暴騰は無いが高止まりか?
SmCo磁石
• SmCo,フェライトへの回帰
Nd,Prの需要は旺盛のため、その他希土類が余剰(既にCe価格は暴落中)
Sm原料が余剰、そのためSmCo需要は今後も拡大か(東芝等)
フェライト需要も加速か (欧州特許紛争締結有り)
Smコストは徐々に低下か?
中国焼結Nd磁石主要メーカ
•
北京中科三環高技術股份有限公司
(Beijing Zhong Ke San Huan High-Tech
Co.,Ltd)
1) 天津三環楽喜新材料有限公司(天津)
2) 三環瓦克華磁製器件有限公司(北京)
3) 寧波科寧達工業有限公司(寧波)
4) 肇慶三環京粤磁材有限責任公司(広東)
•
北京京磁技術公司 (北京)
(Beijing Jingci Magnetism Technology Co.)
•
安泰科技股份有限公司 (北京)
(Advance Technology & Materials
Co., Ltd)
*分社: 寧波、包頭
•
北京銀納金科科技有限公司 (北京)
(Thinova Co., Ltd.)
•
寧波韵升股份有限公司 (寧波)
(Ningbo Yunsheng Co., Ltd.)
•
横店集団東磁股份有限公司
•
寧波永久事業有限公司
•
煙台首鋼磁性材料股份有限公司
•
煙台正海磁性材料有限公司
•
寧波金鶏釹鉄硼強磁材有限公司
6
NdFeBの製造プロセス
Process of NdFeB Magnet
Raw
Materials
Nd, Dy, Fe,
Co, B, Tb,
Al, Cu, Ga
Melting
Pressing
Machining
SC
Strip Casting
Pulverizing
Sintering
Coating
Magnetizing
Inspection
Milling
Annealing
Shipping
7
中国Nd磁石の製造工程問題点
例;平行プレスは弱強面差が
現れやすい。
赤印が特性バラツキを起こしやすい要因のある工程
日本
中国と日本のプレス成型の違い
1段プレス成型 vs 2段プレス成型
中国
• 2段プレス成型
1段目; 直角仮成型
2段目; CIP(Cold Isostatic Press)
2段成型採用の理由(推定);
①金型設計能力
②高品質金型材料が入手難
③ブロック販売への容易な対応性
④金型費無料の営業利点
⑤安価な加工費、労働力
保磁力とBHカーブ
保磁力の支配要因
固有保磁力 HcJ = c × HA ー N × Js
HA : 異方性磁界
Js : 飽和磁化
c : 磁石組織に依存する係数
N : 局所反磁界係数
•
•
•
•
この式でHcJはもっぱら第一項の寄与大
実現されているHcJは理論値HAより、かなり低い
c値は通常0.2-0.4
c値要因; 結晶粒径、結晶方位、結晶粒界、
その他金属微細組織
例; 結晶粒度が大きいと保磁力は低下
保磁力HcJ、Hkと結晶粒径
(左)国内 35EH相当
磁気特性;Br=12.1 kG,
Hcb=11.8 kOe,
HcJ>28.9 kOe,
(BH)max=35.7 MGOe
(右)Z社 35SH
磁気特性;Br=12.1 kG,
Hcb=11.3 kOe,
HcJ=20.6 kOe,
(BH)max=34.4 MGOe
倍率; x1000
Dy拡散
完全拡散
t=3μm
Dy拡散試料のJ-H曲線
a) Dyスパッタ後
b) 1073K x 60min拡散後
c) 1073K x 60min拡散
+ 873K x 60min熱処理後
粒界拡散
t=3μm
Dy拡散試料のJ-H曲線
a) Dyスパッタ後
b) 1073K x 5min拡散後
c) 1073K x 5min拡散
+ 873K x 20min熱処理後
K. T. Park, K. Hiraga and M. Sagawa: Proc. of 6th Intl’ Workshop on Rare-Earth
Magnets and their Applications, p. 257, Sendai, Japan (2000).
*2012年KRIワークショップ講演(明治大学徳永先生)
保磁力分布磁石の作製例
ブロック状態で
粒界拡散し、
蒲鉾形状に加工
中村元、廣田晃一、美濃輪武久:機能材料、2011年7月号、Vol.31、No.7、 p. 14.
廣田晃一、中村元、美濃輪武久:粉体粉末冶金協会平成22年度春季大会
講演概要集、(1-9)、p. 91 (2010).
*2012年KRIワークショップ講演(明治大学徳永先生)
保磁力と結晶粒径
結晶磁気異方性型永久磁石
フェライト、SmCo,NdFeB
Hc 
2K
 N  Is
Is
K; 異方性定数、Is;飽和磁化、N;反磁界係数
N
S
N
S
S
N
N
S
N
単磁区粒子
Dc (臨界径)
磁壁エネルギー(Ew)は D2に比例
Dc
静磁エネルギー(Es)はD3に比例
保磁力HcJ(kOe)と結晶粒径(μm)
*元Dataは佐川真人氏
保磁力分布磁石とは?
保磁力の必要な部分のみにDy(Tb)を濃縮させた磁石
• 磁石の場所々で保磁力の値が異なる
• 予め客先から指定された必要保磁力のデータをもらう
• それに応じて、必要な箇所にのみDy(Tb)粉末を塗布して
局部的にHcJを高める
従来磁石
Dy(Tb)は均一に分布
保磁力分布磁石
Pcの低い箇所のみ
Dy(Tb)を濃縮
メリット;
1.低HcJ材質に切り替え出来るので、Brが向上
2.低Dy,Tb使用量になり、原料費コストダウン可能
3.新たな材質性能を積極的に活用したモータ設計可能
M-Hカーブの着磁磁場依存性
G(フル着磁)
Pc2
Pc1
着磁磁界
M
F
小
大
D
E
A B C D E F G
C
H
B
A
着磁の課題
• 磁石メーカ、材質、プロセスで若干
着磁特性が異なる
• 同一材質でも用途、設計で影響
が異なる
例;磁場Fの着磁品
Pc1;OK, Pc2; NG(減磁)
• 使用温度;
常温ではOKでも高温ではNG
高温ではPc1でも減磁も有り得る
反対方向磁化の再着磁特性
磁化
A
100
着磁磁界
B
A B C D E F
80
60
着磁率(%)
40
20
0
C
D
磁化
バージン状態
E
フル着磁に必要な磁界増大
大
小
-20
-40
大
小
F
HA HB HC HD HE HF
-60
-80
-100
HA HB H HD H H
C
E
着磁磁界
F
反対方向に着磁された磁石は
再フル着磁は非常に困難。
交流、直流消磁も注意要
熱脱磁が望ましい
Nd焼結磁石_初磁化曲線
1
9
Dyフリー、HcJ=20kOeを示す焼結磁石の磁化曲線
粉砕粒径
宇根康裕、佐川真人:日本金属学会誌、第76巻、第1号、12 (2012).
Dy-free微粒子型磁石; 着磁が難しくなっている。
材料によっては3.5Tesla以上必要も!
*2012年KRIワークショップ講演(明治大学徳永先生)
微結晶粒径磁石の着磁特性シミュレーション結果
着磁磁界H=25kOe
Hkが低いとさらに
低磁界で減磁
*NIMS資料から引用
着磁特性測定の一例
20KOe
18
16
14
12
10
8
N35EH材はHex=20KOeでもJ-Hカーブのクニック点近傍の
Jが若干低い
Pcによっては熱減磁考慮要か?
KRI加熱着磁予備検討
•
•
•
•
•
試料; Nd微粒子型磁石
測定; パルス磁場測定装置
測定試料; 7x7x7mm
着磁磁界; 2Tesla, 8Tesla
着磁温度; 23℃、80℃、100℃
Nd磁石の特徴;
異方性磁界HAは
温度上昇と共に激減
Br
(BH)max
T(℃)
23
80
100
23
80
100
2 T
98.2
99.1
99.7
96.1
97.8
99.8
8 T
100
100
100
100
100
100
予備検討であるが、加熱着磁も着磁率向上効果有り、ただ
各社で組成や結晶粒径が異なるため各材質で加熱温度の
最適化の検討は必要か?
外部磁界による減磁
モータ用途(弱め界磁、短絡電流)、ハルバッハ磁気回路等
P c ’
’
Pc’(=Pc+1)
Q
R
Pc
Δ B
P
Hkが低いとさらに
低磁界Hexで減磁
HCJ HCB
B r
Hex
0
電気学会技術報告 1011号(2005) 図3.4
時間( h)
0
1
10
100
1000
0.0
不 可 逆 減 磁 率 (% )
-0.5
Hkが低いとさらに
低磁界Hexで減磁
100%着磁
-1.0
75%着磁
-1.5
50%着磁
-2.0
H cJ= 1.6MA /m(20kOe)
放置温 度: 100℃
-2.5
図3.4
不可逆減磁率の経時変化(1.6MAm, 100℃)
電気学会技術報告 1011号(2005) 図3.7
時間( h)
0
1
10
100
1000
0.0
不 可 逆 減 磁 率 (% )
100%着磁
-0.5
75%着磁
-1.0
-1.5
Hkが低いとさらに
低磁界Hexで減磁
H cJ= 2.0M A /m(25kOe)
50%着磁
放置温 度: 100℃
-2.0
図3.7
不可逆減磁率の経時変化(2.0MAm, 100℃)
電気学会技術報告 1011号(2005) 図3.9
時間( h)
0
0
1
不 可 逆 減 磁 率(% )
100
1000
100%着磁
-2
Hkが低いとさらに
低磁界Hexで減磁
10
-4
75%着磁
-6
-8
H cJ= 2.0M A /m(25kOe)
放置温 度: 200℃
50%着磁
-10
図3.9
不可逆減磁率の経時変化(2.0MAm, 200℃)
高温測定によるフェライト磁石低温減磁の推定
温度係数
α(%/C);保磁力HcJの温度係数
β(%/C);残留磁束密度Brの温度係数
α ; - 0.18~ -0.21 (%/C)
β ; +0.13 ~ +0.50 (%/C)
保磁力温度係数βはプラスでかつ
メーカや材質で非常に差が大きい。
特に大きいβの材質は低温減磁に
注意要。
低温HcJの推定
HcJ
(MA/m)
フェライト磁石温度測定(例)
T(℃)
磁石寸法のJHカーブへの影響
~加工劣化~
加工劣化
試料; 7x7x7mm
Br= 1.294T
HcB= 986.8kA/m
HcJ= 1413.5kA/m
(BH)max= 315.8kJ/m3
Hk95=1190.7kA/m
* Hk95; J-H曲線上でJの値がBrの95%になるHの値
試料; 3x3x3mm
Br= 1.268T
HcB= 943.1kA/m
HcJ= 1418.1kA/m
(BH)max= 291.9kJ/m3
Hk95=603.8kA/m
国内大手磁石メーカの測定値差異*
A社
B社
C社
約4%の差異有り
磁石ユーザ各社の対応の動き
1.測定装置の購入(常温、高温タイプ)
2.磁石各社毎の社内校正値の検討、バイアス標準化
3.第3社機関への確認検証
A社
B社
C社
約8%の差異有り
*KRI入手クライアント情報
Br
[kG]
HcJ[kOe]&
温度[℃]
STD7-3 Br・HcJ値の推移
12.9
<TiN標準試料>
2012/12/4 ~
2013/9/26
26.0
Br(kG)
温度(℃)
HcJ(kOe)
12.8
12.7
25.0
24.0
Br
温度
(℃)
(kG)
HcJ
(kOe)
12.6
23.0
2012/12/4
22.7
12.565
20.641
2012/12/6
23.4
12.529
20.597
12.5
22.0
2012/12/13
23.3
12.539
20.704
12.4
21.0
2012/12/27
22.9
12.541
20.853
2013/1/17
22.7
12.522
20.936
12.3
20.0
2013/1/31
23.5
12.530
20.760
12.2
19.0
2013/2/26
23.2
12.517
20.652
12.1
2012年10月
18.0
2013/3/7
23.3
12.512
20.620
2013/3/14
23.6
12.557
20.619
2013/3/28
23.3
12.534
20.768
2013/4/11
22.9
12.537
20.700
2013/4/30
22.9
12.551
20.777
2013/5/14
23.1
12.510
20.890
2013/5/16
22.8
12.513
20.715
2013/5/23
23.0
12.535
20.654
2013/6/11
22.9
12.546
20.770
23.5
12.515
20.814
2013年3月
温度
(℃)
n
21
2013年8月
Br
(kG)
21
Hcj
(kOe)
21
平均値(X)
23.1
12.5
20.7
2013/6/27
最大
23.6
12.6
20.9
2013/7/4
23.3
12.497
20.798
2013/7/25
22.9
12.492
20.766
最少
22.7
12.5
20.6
2013/8/7
23.0
12.500
20.793
2013/9/26
23.6
12.489
20.792
R
0.9
0.1
0.3
R/X(%)
3.9
0.6
1.6
装置名:TPM-2-08s25VT-C
(東英工業株式会社製)
標準磁石のご提供
• 目的; BHトレーサの日常管理
• 特徴; TiN処理のため、薄膜(5μ)ながら機械
強度に強い。耐食性に優れるので、
長期校正磁石として使用
• 寸法; 7x7x7mm
• KRIパルスBHトレーサ生データ, textデータ付
測定;23, 60,100,140,180,200℃
TiN表面処理焼結Nd磁石のモータ用途例
IPM Motor用
<その他用途>
人工心臓用アクチュエータ
超高真空用途
宇宙用
SPIRAL Motor用(横浜国大)
SPIRAL MOTOR;
ロータ側に配置された磁石が螺旋状に加
工されている。ステータも
それにあわせて螺旋構造。
理論的にコギングゼロ。
究極のコギングゼロモータ
ただし加工は極めて難。 量産コスト?
焼結NdFeB磁石測定 初磁化&全磁化曲線測定データ
(TPM-2 パルス励磁型 B-H トレーサ)
iHc=30kOe
NMC
34
NEOMAX32EH測定 初磁化&全磁化曲線測定データ
(TPM-2 パルス励磁型 B-H トレーサ)
NMC
35
測定例
図3 Nd焼結磁石のJ-Hカーブ温度特性
室温から200℃まで連続で温度変化を測定すること
で、熱安定性の評価が可能。 高精度でα、βの
温度係数、2次関数近似曲線が測定可能
図4 Nd焼結磁石のJ-Hカーブ磁気異方性
容易軸および困難軸方向の測定により、
磁気異方性(HA)、配向度の推定が可能。
<参考>
HA; 困難軸を飽和に必要な磁界。
Co単結晶のデータ
NdボンドNdFeB磁石測定 初磁化&全磁化曲線測定データ
(TPM-2 パルス励磁型 B-H トレーサ)
iHc=約9kOe
NMC
37
パルスBH測定異常
磁化の異常上昇
磁化のクロス異常
試料材質、寸法、形状によって測定条件を最適化する必要有り
パルス測定装置固有の注意事項
EMAJマグネット技術委員会データ
磁場侵入深さ
IEC/TC68 Meeting data
1.2
Slow
Fast
1.0
1.2
1.0
0.8
0.6
低速
0.4
0.4
0.2
0.2
B [T]
0.8
高速
B [T]
B [T]
1.4
Slow
Fast
1.0
0.8
0.6
 f 
原因; うず電流表皮効果補正の不整合、
データ演算処理速度、電流切り替え不整合等
1.2
Slow
Fast
1
 
うず電流表皮効果
0.6
0.4
-2200
-2150
-2100
-2050
-2000
-1950
-1900
-1850
0.0
-1800
-1580
-1560
-1540
-1520
-0.2
H [kA/m]
-1500
0.0
-1480
0.2
-1250
-1230
-1210
-1190
-1170
-0.2
H [kA/m]
H [kA/m]
*さらに測定装置メーカによっては温度計測、制御等に問題。温度測定がNG.
0.0
-1150
-0.2
パルスBH測定と高精度2次関数近似評価
H= 8 Tesla, T= 20~ 160℃
Nd磁石の試料厚み依存性/積層測定(1)
•
•
•
•
•
装置; パルスBHトレーサ(東英工業)
測定温度; 23℃
最大磁界; 8Tesla
磁石材質; N40SH相当材 (メーカ; 中国NDK社)
磁石寸法; t x 7 x 7 mm ( t ; 磁場方向)
t = 7mm, 3.5mm, 2.34mm, 1.75mm, 1.00mm
各寸法に応じて7x7x7mmに積層した測定形状
Nd磁石の試料厚み依存性/積層測定(2)
低下率;0.6%
低下率;1.8%
Br
HcJ
(BH)max
低下率;2.9%
Hk90
低下率;19.2%
• 7mmt, 3.5mmtでは加工劣化の影響無し、また測定数値再現性も良好
• 薄板になるにつれ、全ての磁気特性が劣化
• 特にHk90の低下が最大、磁束低下、耐熱性低下に考慮不可欠
Nd磁石のHAや配向度評価
(1)高Br材
試料;7mm立方体
― 未着磁
― 着磁・振動磁場消磁
S-T法
(>25kOe)
S-T&R-G法
+Ms
[T]
-Ms
[T]
calc. Ms
[T]
Mr_easy
[T]
Mr_hard
[T]
α =(Ms-Mr_hard)/Ms
a
[MA/(m・T^3)]
b
[MA/(m・T)]
K1
[MJ/m^3]
K2
[MJ/m^3]
Ha
[MA/m]
[kOe]
未着磁
1.479
-1.479
1.479
1.413
0.2094
0.8584
0.8274
3.385
3.704
0.9908
7.687
96.60
着磁・
磁場消磁
1.479
-1.479
1.479
1.413
0.2035
0.8624
0.7889
3.457
3.783
0.9448
7.669
96.38
Nd磁石のHA測定例
(2)高HcJ材
― 未着磁
― 着磁・振動磁場消磁
S-T&R-G法
+Ms
[T]
-Ms
[T]
calc. Ms
[T]
Mr_easy
[T]
Mr_hard
[T]
α =(Ms-Mr_hard)/Ms
a
[MA/(m・T^3)]
b
[MA/(m・T)]
K1
[MJ/m^3]
K2
[MJ/m^3]
Ha
[MA/m]
[kOe]
未着磁
1.318
-1.318
1.325
1.413
0.183
0.8619
1.2048
4.600
3.996
0.9092
8.822
110.87
着磁・
磁場消磁
1.318
-1.318
1.325
1.413
0.183
0.8619
1.2377
4.439
3.856
0.9340
8.685
109.14
Nd焼結磁石/定量成分分析事例
高速多元素同時型蛍光X線(XRF)装置
高精度検量線データにより
XRFで焼結Nd磁石の成分分析が可
能
主成分
不純物成分
定性分析チャート
測定試料;中国製市販磁石
装置;RIGAKU/PRIMUS
Nd
Pr*
Dy
Tb
Fe
Co*
Al
Cu
Nb
Ga
18.47
6.32
2.43
1.85
65.05
2.85
0.1
0.59
0.20
0.23
Si
P*
S*
Ca*
Mn
Zn
Mo
<0.1
1.24
0.31
<0.09
<0.17
0.19
<0.04
<検出できる元素>
F以上の原子番号をもつ元素
*Bは検出不可
*耐食性懸念
株式会社KRI フェロ&ピコシステム研究部 お問い合わせ
TEL. 075-322-6832 ,
FAX. 075-315-3095
e-mail : [email protected] URL : http://www.kri-inc.jp
蛍光X線チャート
試料;外国製焼結Nd磁石
FE-EPMA測定;
Dy濃度分布の一例
金属組織から推定出来る事
1.2つ以上の粉末をブレンドして焼結
2.1つの粉末はDy-richな粉末
3.目的はDy使用量の削減による原料費低減か?
組成マッピング
中央部の面分析
数値はX線強度
48
Dy(Tb)拡散磁石の模式図
Dy(Tb)拡散磁石; 資源の少ないDy(Tb)の削減とコストダウンのため、減磁の
起こりやすい表面近傍のみDy(Tb)を塗布または蒸着させた磁石
NdFeB磁石
磁石最表面(Dy-rich) ; HcJ大
磁石表面近傍(Dy-medium) ; HcJ中
磁石内部(Dy-poor) ; HcJ小
Dy濃度勾配層;3-5mm
NdFeB磁石(断面模式図)
新規受託測定; 磁石内部の磁場測定
目的; 従来磁石の内部磁場を測定する手段が無く、磁石表面の漏れ磁界を測定し、その値から内部磁
場分布を推測する方法のみであった。
一方磁石の減磁状態を正確に把握するためには磁石内部の減磁状況の分布の測定が不可欠との認識
が高まっている。最近超小型ホール素子が開発され、この素子を使って内部磁場の測定を行う。
磁石横穴;約1mmφ
Pcの低い中央部で減磁
C軸
X
B
Nd磁石ブロック(着磁品)
x
超小型ホール素子;
幅 0.60mm x 厚さ 0.28mm
磁石内部磁場の測定例
• 熱減磁前後の局所磁場分布
• 着磁磁界による磁場分布
電子線後方散乱回折法(走査電顕-結晶方位解析)
(Electron Backscatter Diffraction: EBSD)
原理
金属やセラミックスをはじめとする結晶性材料に電子線を照射すると、試料表
面で生じる電子線後方散乱回折により菊池線回折図形すなわちEBSDパター
ンが観測され、試料の結晶系や結晶方位に関する情報が得られる。走査電子
顕微鏡(SEM : Scanning Electron Microscope)と組合わせて、電子線を走
査しながらEBSDパターンを測定,解析することで、微小領域の結晶系や結晶
方位の分布に関する情報が得られる。
EBSD測定結果一例
T-4(面1)
30mm×3mmの面
T-4(面2)
30mm×1.5mmの面
Inverse pole figure(装標系ND=測定面法線方向)
ND (Normal Direction)
TD (Transverse Direction)
【EBSD装置座標系】
RD (Reference Direction)
EBSD測定結果/Nd磁石配向度評価
T-4(面1)
T-4(面2) 測定面法線方向
T-4(面2) C軸配向方向
<001>からの分布(累積ヒストグラム)
磁場解析シュミレーションと実測値には
なぜ差異が出てくるのか?
理由;以下磁石に関しては以下いくつかの”前提”(誤解)も要因
従来モータ設計では理想的磁石、理想的な条件が
前提となるシュミレーションソフトが使われてきたと思われる。
①現物の磁石特性は磁石カタログ値と同じ数値が得られている
という前提
②磁石特性は均一であるという前提
磁気特性;Br, bHc, HcJ, Hk, (BH)max, 温度特性、着磁特性、
機械特性、電気抵抗、耐食性
③量産バラツキは無いという前提
ロット間の磁気特性バラツキはほとんど無視できるという前提
④磁石材料の測定方法、評価方法は確立しているという前提
国内磁石メーカ各社や海外の磁石測定値は同一という前提
⑤磁石表面と内部は同一磁気特性を有するという前提
酸化、加工劣化、表面処理劣化は起こっていないという前提
磁石測定ご依頼フロー
磁石材料研究室Web掲載の
左記ご依頼フォームに
記入、返信
質疑、確認事項のメールやり取り
測定個数、条件を確定頂き
見積もり
注文書受領
測定&報告書作成提出
報告書納期;通常最長4週間、特急;1週間、費用x2倍
脱磁、試験片加工; 1~2週間加算
KRI磁気測定装置見学、立ち合い希望の皆様へ;
KRIへの道順
JR嵯峨野線各駅停
車で丹波口下車。
改札出て正面の五
条通を左折(西)徒歩
約3分の信号手前を
左折(七本松通)
左のビルが1号館玄
関。ロビー正面のエ
レベータで3Fへ。
左がKRI受付です。
受付電話で呼び出し
て下さい。
五条通
東
西
サイエンス&テクノロジーセミナー
(大田区産業プラザ、2013.2.21)
お問い合わせ
山本へメールもしくは
http://www.kriinc.jp/ts/dept/magnet.html