グローバル版 April 2014 | ey.com/ccb 10th edition キャピタル・ コンフィデンス調査 ―M&Aに対する経営層の意識― 将来に向けた改革 M&A 計画的な動き、より大規模なディール 経済的見通し 衝撃や低成長をよそに回復力のある信頼感 コスト管理が最優先 低成長の見通しの中の永続的な特徴 成長は新たな方向へ イノベーションが中心 将来に向けた改革 低成長で不安定な環境で成功するために、企業はリスクとリターンのバランスを保ち、 現実的な見方を示しています 主な調査結果 60% 27% 31% 29% 60% 88% 65% 回答者の 60% がコスト削減等を最優先課題と捉えています 回答者の 27% が 5 億米ドル超のディールを見込んでいます 回答者の 31% が買収を予定しています 回答者の 29% が M&A 案件のパイプラインの増加を見込んでいます 回答者の 60% が世界経済は回復しているとの見方を示しており、 衝撃をよそに信頼感には回復力があります 回答者の 88% が借入能力は現状を維持するもしくは増加すると 見込んでいます 回答者の 65% が企業収益の見通しが良いと答えて おり、 過去 5 年間で最も高い割合となっています 「ビジネス界は新たな形をとっており、大手 企業は将来に向けた改革に取り組むことに よってこれに対応しています。」 とトランザクション・アドバイザリー・サービスのグローバル・ バイス・チェアのピップ・マクロスティがコメントしています。 第 10 回目のキャピタル・コンフィデンス調査では、今日の経営における多数の複雑な課題が 明確に示されました。大手グローバル企業にとって、リスクと利益のバランスを取ることがこ れほど困難であったことはあまりありません。かつてないほどの株主のアクティビズム(行動 主義)の中、企業は地政学的な不安定性、脆弱な世界景気の回復、および労働人口の変化や デジタル・ トランスフォーメーションといったメガトレンドの劇的な変化への対応に取り組んで います。 このような状況の中、本調査では、近年の地政学的衝撃、成熟市場の低成長や BRICs 地域 の成長の鈍化をよそに、世界経済に対する回復力のある信頼感が示されました。借入能力 に対する見通しは本調査開始以来 5 年間で最も良い結果となり、現金の供給は準備が整い、 バリュエーション・ギャップは縮小してきています。 従来は、これら全てが M&A 増加の要因でした。しかし今日では、優先事項が並列しており、 経営幹部は舵取りが複雑になっています。マネジメント・チームは、コスト管理やアクティビス ト (物言う株主)に対する配当還元に新たに焦点をあて、企業価値の達成に努めています。 それと同時に、一部の経営幹部は、革新的なオーガニック・グロース (内部成長) や計画的な ディール・メイキングによって価値創造や売上・収益も求めています。その結果、より大きく、 より変革的な M&A が戦略的な成長課題となっています。低成長の環境ではディール件数 が少なくなるため、パイプラインからは M&A 活動の緩やかな上昇しか示されていません。 ディール件数ではなく、ディール金額の増加が今後1年間大きく取り上げられると予想されま す。長引く金融危機と M&A 市場の停滞を経て、企業と取締役会は量ではなく質を選択して います。 ビジネス界は、財政刺激策のテーパリング(縮小) 、アクティビスト、新興国市場と成熟市場に わたる投資優先順位のリバランス、および全セクターにわたるイノベーションへの絶え間な い意欲によって影響を受けた新たな形をとっています。これに対し大手企業は、コスト管理、 よりリスクの高いオーガニック・グロース、また一部では大規模な、戦略的で変革的なディー ルに重点を置くことによって、将来に向けた改革に取り組んでいます。 1 経済的見通し − 衝撃をよそに弾力性のある回復 経営幹部は現在、実質的で持続的な経済回復を確信しており、グローバル・メガトレンドは企業の 成長戦略に対しより変革的な影響を及ぼす可能性があります。 回答者の経済に対する見通しは、過去 5 年間で最も回復力があるとしています。新興国市場の成長の鈍化、米国における量的緩和のテーパリング、中東 や東欧における不安といった経済的圧力および地政学的な衝撃は、この信頼感をいくらか弱めます。しかし、このような衝撃の持続は、これらのリスクが 長期的な事業計画に盛り込まれていることを意味しています。信頼感は半年前と比較してやや減少しましたが、1 年前と比較すると確実に増加しており、 全体的な信頼感が比較的安定していることは、見通しが改善していることを示しています。 • 経営幹部は引き続き世界経済を信頼 ビジネスの基礎的条件(ファンダメンタルズ) の強化に支えられ、経営幹部の経済に対する信頼感は 1 年前と比較して引 き続き大幅に上昇しています。経済は悪化していると答えた回答者の割合は 9% に減少し、5 年前に本調査を開始して以 来最も低い割合となっています。 • 世界的なメガトレンドが事業戦略と買収戦略を形成 マクロの動向は、買収行動に直接影響を与え得る企業戦略に影響を及ぼします。今後 12カ月間で最も影響を与える可 能性のある動向として、半数以上の経営幹部が、技能不足、人材をめぐる競争、雇用主と従業員の義務の変化などといっ た一般に「今後の労働環境( future of work) 」と呼ばれている動向を挙げました。この一連の課題は、事業戦略と買 収戦略の両方に最も影響を与えると予測されています。回答者の大半は、デジタル・トランスフォーメーション(ビッグ・ データ、クラウドおよびモバイル・テクノロジーなど) とグローバル・リバランス (先進国市場 / 新興国市場の定義、中流階 級の増加など)も影響を与える動向として挙げており、これらも全て優秀な人材の不足の一因となっている可能性があ ります。 • 世界経済に対する信頼感は成熟経済で最も高い 全体的に見て、最も発展した経済が、世界経済の強さに対して引き続き最も高い信頼感を示しており、これは前回の 調査と一致しています。BRICs 諸国の中では、中国とロシアが世界経済に対して最も肯定的な見方を示しています。 また、米国の世界経済に対する信頼感は、グローバル平均をわずかに上回っています。 2 持続する信頼感 Q: 現在の世界経済の状況は、どのような段階にあると考えますか? 60% 65% 回復している 51% 31% 24% 安定している 36% 回答者の 60 % が世界経済は回復してい 9% るとの見方を示しており、1 年前の51% 11% 13% 悪化している Apr-14 Oct-13 から増加しています Apr-13 Q: 今後12カ月間において、貴社の事業戦略および買収戦略に最も影響を与える可能性のある 世界的動向は次のどれに該当しますか? 2つまでお選びください 54% 今後の労働環境 42% 39% 41% デジタル・ トランスフォーメーション 38% グローバル・リバランス 34% 豊富な資源の存在 題が、事業戦略に影響を及ぼすと予測し 35% ています 28% 31% 政府の見直し 買収戦略 Q: 世界経済に対する見通しが良い国 (回答者40名以上の国) オーストラリア 70% フランス 70% 68% 中国 64% ロシア 61% 米国 60% 日本 Apr-14 54% 回答者の 54 % が「今後の労働環境」問 30% 事業戦略 60% 70% オーストラリアとフランスの回 答 者の 70 % が、世界経済に対して前向きな見 方を示しています グローバル平均 (60%) 3 経済的見通し 本格的な回復の兆候 • メガトレンド「今後の労働環境」が雇用創出に影響 大多数のセクターにおいて、雇用創出の見込みが大幅に減少しました。雇用は引き続き世界的な経済回復に遅れ を取っており、これは労働力の長期的な構造変化を反映しているのかもしれません。デジタル・ トランスフォーメー ションは、新規雇用を創出すると同時に、多くの仕事を陳腐化させています。また、余剰雇用も雇用創出の低迷の 一因となっているのかもしれません。 • 政治不安と新興国市場における成長の鈍化が主要な 経済的リスク 本調査を開始して以来 5 年間、地政学的な衝撃が常に回答者の経済および事業に対する信頼感を抑制してきまし た。企業のリーダーは今では世界的なリスクをある程度自社のビジネスに組み込んでいますが、特定のマクロな 出来事は短期的な信頼感に影響を及ぼす可能性があります。経営幹部は、今後 6∼12カ月間におけるビジネスへ の最大のリスクは、政治不安と成長の鈍化により新興国市場が中心になると答えています。 • 主要な財務指標に対する信頼感 回復が実質的であることは、回答者の各種財務指標に対する見通しにも強く表れています。全ての項目において 見通しが上昇し、その多くは大幅な上昇となっており、世界的な見通しに対する信頼感の高まりを表しています。 特に、企業収益に信頼感を持っている回答者の割合は、本調査開始以来最も高い結果となっており、借入能力や 株式市場の安定性といった指標の前年比成長率も同様の結果となっています。 4 31% Q: 今後12カ月間における貴社の雇用計画をご回答ください Apr-14 Oct-13 Apr-13 17% 52% 11% 31% 41% 10% 48% 48% 42% 人員数を削減 回答者の31% が雇用の創出を見込んで 現状の人員数を維持 います 雇用を創出/採用を拡大 Q: 今後6∼12カ月間において、貴社のビジネスに対する最も大きな経済的リスクになると考えら れるのは以下のうちのどれですか? 世界的な政治不安の増大 30% 主要な新興国市場における継続する成長の鈍化 26% 効果的な量的緩和のテーパリングの失敗 21% 回答者の30 % が自社のビジネスの成長 14% ユーロ圏の構造改革のペース インフレーション への最 大の障害として、世界的な政 治 不安を挙げています 6% デフレーション 30% 3% Apr-14 Q: 以下の項目におけるグローバルでの今後の見通しをご回答ください (見通しが良いと回答した割合(%)) 43% 企業収益 65% 51% 48% 49% 借入能力 短期的な市場の安定感 21% 54% 32% 29% 株価/株式市場 Apr-14 Oct-13 54% 49% 65% 回答者の 65%が企業収益の見通しが良 いと答えており、過去5 年間で最も高い 割合となっています 34% Apr-13 5 より大規模なディールを促す借入能力 過去数回の調査結果では、概して企業は借入能力があることが示されました。しかし今回 の調査では、経営幹部は借入を活用することに関心が高まっていることが示されました。 企業のバランスシートへのレバレッジ追加に対する関心の高まりは、信頼感とディールへの意欲が一致することで、ディール活動が 増加することを示唆しています。ディール件数は短期的には引き続き抑制されたままとなりますが、多くの場合非常に低コストでデッ ト・ファイナンスがより多く利用できるようになります。企業は、高価値の戦略を促進するための資金調達にデットを利用し、より大規 模なディールが経営議題として取り上げられるでしょう。 • 世界的な借入能力への信頼感は過去最高 グローバルでの借入能力への信頼感に関する回答結果は、調査開始以来最も高い水準となりました。信用状況の 全体的な安定化と相まって、企業の借入能力は大幅に増加していることが分かります。特に大企業や優良企業にお ける資金調達の際の借入能力の増加および継続的な信頼感は、厳選されたディール・メイキングに有利な基盤を提 供します。 • レバレッジの活用は増加すると予想 負債総資本比率は、昨年 1 年を通して安定していましたが、今後12カ月間については、変化が見られるかもしれま せん。金利の上昇が予想される中、企業は早急に現在の低金利で長期資金調達を確定しようとしています。 • 買収資金調達のためのデットの利用が大幅に増加 経営幹部はリターンを最大化すべく、買収額のうちのデットの割合の大幅な増加を見込んでいます。記録的な現金 残高にもかかわらず、現在のデットによる資金調達の有利な条件は、現金からデットへのシフトを促進しています。 6 デットへの動き 88% Q: 貴社のグローバルレベルでの借入能力をお答えください Apr-14 12% Oct-13 13% 39% 48% Apr-13 14% 37% 49% 34% 54% 減少する 回答者の88%が借入能力は現状を維持 現状を維持する するもしくは増加すると答えています 増加する Q: 今後12カ月間で貴社の負債総資本比率はどのように変化すると予測しますか? Apr-14 40% 33% 34% Oct-13 33% Apr-13 27% 46% 20% 43% 24% 減少する 現状を維持する 回答者の27%が負債総資本比率は今後 増加する 12カ月間で増加すると答えています Q: 今後12カ月間におけるM&Aの主な原資をご回答ください Apr-14 Oct-13 Apr-13 19% 19% 16% 45% 34% 30% エクイティ (自己資本) デット (借入・社債発行) 現金 27% 36% 47% 54% 45% 回答者の 45 % が M&Aの主な原資とし てデットを挙げています 7 コスト管理と成長が役員会での最重要検討事項 低成長の見通しの中ではコスト管理が永続的な特徴 ここ数年間、企業はコスト削減とリスクの回避による恩恵を受けてきました。しかし、コスト削減は、もはや単なる業務上の問題ではなく、戦略的に不 可欠であり、そして多くの場合、アクティビストが重要視する分野となります。 成長は新たな方向性をとり、イノベーションは注目を集める 企業は、コスト管理と並行して、自社のコア収益基盤を越えた革新的なオーガニック・グロースに目を向けています。 • 成長とコスト削減へバランスの取れたフォーカス 長期的にGDP 成長率が停滞しているにもかかわらず、企業は引き続き成長へのプレッシャーを抱えています。 しかし、世界的な金融危機から学んだ教訓により、コスト構造および業務の効率化について詳細に精査すること は今では標準となっています。業務の効率化とコスト管理の強力な枠組みの中で、新たなオーガニック・グロース の機会をますます追求する企業が増えています。 • 株主のアクティビズムが実行とコストへのフォーカス を促進 10人のうち 9人の経営幹部は、株主から提起された問題は役員会の議題を形成していると答えています。アク ティビィストは概して、高い経費率を持つ組織(複数の異なる、時にはノンコアの事業部) にフォーカスし、資本配 分に関して懸念しています。役員会はこれに対して、戦略的なダイベストメントを通したノンコア部門のスピンオ フといった、業務の効率化とコスト削減に焦点をあて、自社株買いと配当による資本の還元によって対応してい ます。革新的なコスト管理への新たなフォーカスは、ますます影響力の高まる株主行動主義への対応と見ること ができます。 • 企業は高リスクのオーガニック戦略を導入して推進 競争の激化と相まって、世界経済の成長率の長期にわたる停滞は、企業により高いリスクを取ったオーガニック・ グロースへの取り組みを検討することを促しています。既存のプロダクトミックスやサービスミックスを変更しよ うとする企業は大幅に増加しています。さらに、研究開発の取り組みは過去 6カ月間でほぼ 3 倍になり、イノベー ションが成長を生み出すことができるという、より前向きな傾向を示唆しています。 8 並列する優先課題 60% Q: 今後12カ月間における貴社の最優先課題は次のどれに該当しますか? 6% 17% 2% Oct-13 8% 2% Apr-13 15% Apr-14 37% 40% 32% 58% 31% 52% 回答者の60% がコスト削減等を今後12 存続 カ月間における最優先課題ととらえてお 現状維持 コスト削減および経営効率 り、40%が成長を最優先課題として挙げ 成長 ています Q: 株主のアクティビズムにより、より重要度が上がった経営課題を以下よりお選びください。2つま でお選びください 47% コスト削減 配当金の支払い 26% 24% 自社株買い 22% 戦略的なタイベストメント 20% ポートフォリオ分析 買収 回答者の93%が、株主のアクティビズム 12% は経営上の決断に影響を及ぼしていると 回答しています 9% スピンオフ/IPO 93% 7% ほとんど影響はない Apr-14 Q: 今後12カ月間における貴社のオーガニック・グロースの最優先事項は次のどれに該当しますか? 低リスク 高リスク 既存プロダクトミックスおよび 既存サービスミックスの変更 24% 主力製品 / 既存市場の強化 30% 新規市場開拓 / 新製品開発のための技術開発 11% 新規販売チャネル 研究開発の強化 / 製品の導入 40% 17% 19% 新しい地域 / 市場への投資 Apr-14 Oct-13 9% 6% 21% 14% 17% 12% 15% 16% 16% 12% 12% 9% 65% 回答企業のオーガニック・グロース戦略 の65%が高リスクの戦略です Apr-13 9 M&A − 計画された動き、より大規模なディール ディール金額の増加が今後12カ月間のM&A の話題となるかもしれません。 現在の記録的に少ないディール件数は、わずかな増加しか見込まれていません。世界的なディール活動の大幅な増加ではなく、大規模で、変革的 なディールがニュースで取り上げられるでしょう。企業は世界的なディール件数および自社の M&A 案件のパイプラインの改善を見込んではいま すが、短期的なディール件数の見通しは横ばいとなっています。金額の観点から見ると、実施されるディールは引き続きより大規模で、より戦略的 になるでしょう。変革的なディールを予定している主なセクターには、小売・卸売、電力・公益事業、テレコム、テクノロジー、鉱業・金属、石油・ガスが 含まれます。 • より大規模なディールを見込む回答者が増加 今後 1 年間により大規模なディール(5 億米ドル超)の実施を見込んでいる企業は大幅に増加し、12カ月間で倍増 しました。これは、特に大企業において変革的な買収計画が増えていることを示しています。また、10 億米ドルを 超える買収を計画している企業が 6 カ月前の 2 倍以上になったことにより、今後 1 年間で見出しを飾るような高額 で戦略的なディールの増加が見込まれます。大手企業では、量ではなく質が M&A 戦略の中心となるでしょう。 • 大規模なディールの展望を定めるセクター 大規模なディールの見通しは多くのセクターにわたって一貫していますが、この重要な結果は特にいくつかの セクターで際立っています。小売、電力・公益事業、テレコム、石油・ガス、鉱業・金属、自動車といった資産およ び不動産を多く保有する業種の回答者が、最も大規模なディール(ディール金額が 5 億米ドル超)の実施を見込 んでいます。テクノロジー業界の回答者もより大規模なディールの実施を見込んでおり、高い評価倍率が主な 理由と考えられます。 • 約 3 分の1の回答者が買収を予定 過去 2 年間において、企業は世界経済を注視し、持続的な回復の兆しを求めていたため、買収を予定している企 業の割合はあまり変化しませんでした。現在、今後 12 カ月間に買収を予定している企業の割合は 31% となって います。回答者の案件の数、質、実現性に対する信頼感は安定を保っています。しかし、低成長な環境では M&A 活動のベースラインはより低く設定されるため、これはわずかなディール件数の増加にしかつながらないで しょう。 10 ディールは量ではなく質を重視 27% Q: ディールの規模はどのくらいになると予測しますか? Apr-14 23% 20% 30% 27% Oct-13 31% 35% Apr-13 15% 23% 40% 12% 14% 13% 5% 6% 6% US$0~US$50百万 回答者の 27 % が 5 億米ドルを超える規 US$51百万~US$250百万 US$251百万~US$500百万 模のディールの実施を見込んでいます US$501百万~US$1,000百万 US$1,000百万超 Q: 5億米ドル超のディールの割合(セクター別) 42% 42% 小売・卸売 38% 電力・公益事業 36% テレコム 34% テクノロジー 小売・卸売業界の回答者の42%がディー 33% 鉱業・金属 ルの規模は5億米ドルを超えると見込ん 32% 石油・ガス 自動車 でいます 28% Apr-14 グローバル平均 (27%) Q: 今後12カ月間における買収実施の見通し、および以下の項目におけるグローバルレベルでの見通しを ご回答ください 買収を予定している回答者の割合 40% 見通しが良いと回答した割合 35% 31% 30% 31% 29% 32% 取引の実現性 32% 25% 41% 案件の質 39% 10% Apr-12 Oct-12 Apr-13 Oct-13 Apr-14 31% の企業が今後 1 年間に買収を予定 しています 20% グローバルの回答 31% 51% 案件数 50% Apr-14 Apr-13 11 M&A 成長を補完するための 戦略的なディール • バリュエーション・ギャップは縮小 経済回復が根付き、成長への要求が加速するにつれ、企業が資産に対して希望する額と基礎的なバリュエーションの 差が縮小してきています。約半数の回答者がバリュエーション・ギャップは現在 10% 未満であるとの見方を示し、また 大半の回答者が今後 1 年間でバリュエーション・ギャップは現状のままもしくは縮小すると見込んでいます。この動き が、より大規模で、より戦略的なディールの実現を可能にする環境を生み出します。 • M&A 案件のパイプラインはわずかに改善 過去 12カ月の間、企業は既存事業の業績改善およびオーガニックな成長戦略の追求に重点を置いていたため、 M&A 案件のパイプラインは若干減少しました。しかし、今後 12カ月間においては、本調査の回答者は M&A 案件の パイプラインはある程度増加すると見込んでいます。回答者の約 10人に 3人がパイプラインは増加すると見込んで おり、減少を見込んでいる回答者の割合はわずか 9% でした。これは信頼感の回復を示していますが、回答者の 60% がパイプラインは変化しないと見込んでいるため、今後 1 年間における M&A 件数は増加したとしてもわずかである 可能性が高いでしょう。 • バランスのとれた投資の意図 投資の意図は、全ての市場において同様の傾向を示しており、企業が新興国市場と成熟市場への投資のバランスを とることに目を向けていること示唆しています。新興国市場は引き続き重要であり、BRICs は中期的成長に、そして BRICs 以外の新興国市場は長期的成長において重要となっています。しかし、貴重な短期的成長においては、成熟 市場が非常に重要となっています。成熟市場への投資の意図が復活したことは、回答者の米国、英国、およびドイツ への投資の意欲によって明らかになっています。 12 Q: 現在、買い手と売り手のバリュエーションの Q: 今後12カ月間で買い手と売り手のバリュエーションの ? Do you ギャップはどれくらいだと思いますか believe the valuation gap today between buyers and sellers is: ギャップはどうなると思いますか ? between Do you expect the valuation gap buyers and sellers in the next 12 months to: 12% 6% 8% ギャップはない 25% 33% 17% 23% 29% 10%未満 10~20% 55% 49% 51% 30%超 Apr-14 Oct-13 53% 現状のまま 62% 14% 22% 13% 12% 6% 5% 21~30% 16% 21% 縮小する 回答者の45%がバリュエーション・ギャッ 20% プは10%未満であると答えています 31% 拡大する 45% 17% Apr-13 Apr-14 Oct-13 Apr-13 Q: 貴社のパイプラインに入っているディールの件数は、今後12カ月間でどのように変化すると予測しますか? 29% 増加する 変わらない 62% 29% 回答者の29%が今後12カ月間で、M&A 減少する 9% 案件のパイプラインは増加すると予測し ています Apr-14 グローバルの回答 Q: 12カ月前と比較して、以下の市場に対する戦略・ 投資の意欲はどのように変化しましたか? How has your strategy toward/ focus on investing in the following markets changed versus 12 months ago? 先進国市場・成熟市場 を投入する予定ですか? Where do you expect to deploy the majority of your acquisition capital in the following markets? 50% BRICs新興国市場 BRICs以外の新興国市場 Q: 以下のうちのどの市場に最も多くの買収資金 47% 41% 増加したと回答した回答者の割合 39% BRICs新興国市場 33% 先進国市場・成熟市場 28% BRICs以外の新興国市場 39% 回答者の 39 % が買収資金の大部分を BRICs新興国市場に投入すると予測し ています Apr-14 13 M&A 企業は引き続き新興国市場と 先進国市場に分散 上位投資先、およびこれらの国々への投資国上位3カ国 投資先上位5カ国 英国 米国 ドイツ フランス 米国 米国 英国 フランス フランス ロシア 中国 14 ドイツ 特 定 の BRICs 経 済と共に欧州経済が 資本を引き寄せる 前回の調査以後、投資先上位 5カ国に参入してき た最も注目すべき国は、英国とドイツです。これ は新興国市場と成熟市場への投資の優先順位の リバランスと緊縮政策後の欧州への信頼感の回 復を示しています。しかし、企業は投資先上位国 の中で、中国、インド、ブラジルに最も多くの資金 (10% 超) の配分を予定しています。特に中間所 得層の増加といったこれらの BRICs 諸国におけ る利益は、政治的リスクおよび為替リスクや成長 の鈍化を含む重大な課題に勝っています。投資 先上位 5カ国内に安定しているのは、世界の資本 の不変の行き先となっている米国です。 その他の上位投資先: ブラジル 中国 アイルランド 米国 英国 インド 日本 シンガポール アラブ首長国連邦 オーストラリア 米国 オーストラリア 中国 15 キャピタルの最適化および 調達への移行 Q: 貴社が最も重点を置いているキャピタル・マネジメントに関する課題を以下よりお選びください 調達 : 企業の資金調達力は、成長の重要な要素であり、財務の健全性の達成に 欠かせません。魅力的な金利で借入が幅広く可能となっており、企業がより多くの レバレッジを利用することを望み、ディール・メイキングの増加を予定していること が示されています。 Apr-14 14% Apr-13 達 投 資 Oct-13 調 28% 24% キャピタル・アジェンダ Apr-13 維持 : 持 9% 化 5% 維 Oct-13 3% 適 Apr-14 最 企業の流動性へのアクセス、コスト管理、および主要なステークホルダー との関与にかかわる能力は、市場の動向が変化している中、キャピタルの維持に不 可欠となっています。世界経済の見通しの好転により、企業は存続重視の状態から 概ね脱し、現在は他のキャピタル・アジェンダに焦点をあてています。 本調査について 「キャピタル・コンフィデンス調査」は、経営陣がどのように経済環境を見通し、 本調査は、エコノミスト・インテリジェンス・ユニット (EIU)が世界中の有力企 「キャピタル」 ( 資本・負債) という経営課題(キャピタル・アジェンダ) に対応し 業の経営陣に対して半年ごとに実施するアンケート調査です。回答者グルー ているかという実務の傾向と実際を把握しようとするものです。 「キャピタル・ プは、EIU のパネルのほか、EY のクライアント企業及び取引先企業によって アジェンダ」とは、戦略的にキャピタルを管理するための EY のフレームワー 構成されています。 クです。 •54 カ国 1600 名以上の経営陣(半数が CEO/CFO 等の経営幹部クラス) によるパネルを対象に、2014 年 3 月に調査を実施 16 レバレッジの増加お よび更なる最 適 化 は、焦点を絞った成 長戦略 および選択 投資 : キャピタルの調達および最適化の大幅な増加は、投資を最優先課題として挙げ る回答者が減少したことによります。これは企業がのちのインオーガニック・グロース(外 部成長)の準備をしていることを示しています。長期的に買収を計画している役員会は、 今はスピードではなくディール・メイキングのキャパシティ構築と投資戦略との厳密な整 的なM&A投資を示 します 合性に焦点をあてています。 Apr-14 22% Oct-13 52% Apr-13 40% Apr-14 Oct-13 Apr-13 最適化 : 47% 29% 27% 負債総資本比率は過去 1年間安定した状態を保っていましたが、最適化とはも はや資本構成を安定させることではありません。キャピタル・アジェンダの最重要課題と して本項目に焦点をあてる回答者の大幅な増加に見られる最適化の次の段階は、企業が M&A の可能性を秘めた投資の次の波に向けて準備をしていることです。 •22 の業種にわたる幅広い回答者(金融サービス、消費財、テクノロジー、 •売上高ベースで Fortune 1000 に入る800 社以上の企業 ライフサイエンス、自動車、石油・ガス、電力・公益事業、鉱業・金属、生産財、 建設等) •年間グローバル売上高 US$500 百万未満から US$5,000 百万以上に •上場企業(68%)、非上場企業(21%)、同族経営(6%)、国有企業(3%)、 プライベート・エクイティのポートフォリオ会社(2%) 及ぶ企業(US$500 百万未満 17%、US$500 ∼1,000 百万未満 25%、 US$1,000 百万 ∼ US$5,000 百万未満 31%、US$5,000 百万以上 27%) 17 本資料に関する お問い合わせ: G. スミス(Kenneth G. Smith) Representative Director, President [email protected] 03-4582-6400 ケネス 島田 英海(Hidemi Shimada) Director Markets [email protected] 03-4582-6405 EY | Assurance | Tax | Transactions | Advisory EY について アシュアランス、税務、トランザクションおよびアドバイザリーなどの分野に EY は、 おける世界的なリーダーです。私たちの深い洞察と高品質なサービスは、世界中の 資本市場や経済活動に信頼をもたらします。私たちはさまざまなステークホルダー の期待に応えるチームを率いるリーダーを生み出していきます。そうすることで、構 成員、クライアント、そして地域社会のために、より良い世界の構築に貢献します。 EYと は 、アーンスト・ア ンド・ヤ ン グ・グ ロ ーバ ル・リミテッド の グローバル・ネッ トワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファー ムは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッド は、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。詳しくは、 ey.com をご覧ください。 EYトランザクション・アドバイザリー・サービス株式会社について EYトランザクション・アドバイザリー・サービス株式会社は、財務アドバイザリー業 務およびトランザクション関連の各種サービスを提供するプロフェッショナルファー ムです。グローバルネットワークを駆使し、M&A 戦略の策定から実施支援、ならび にトランザクションの完了・効果の実現までのトータルサポート、また、人事・組織 改革支援、事業再構築支援等、幅広いサービスを提供しています。詳しくは、www. eytas.co.jp をご覧ください。 © 2014 Ernst & Young Transaction Advisory Services Co., Ltd. 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