メインベンチ発破における大塊抑制の取組みについて 秩父太平洋セメント株式会社 鉱山部 叶山鉱業所 1.はじめに 叶山鉱山は、群馬県と埼玉県に跨っており群馬県神流町の切羽で採掘した鉱石を 14km 離 れた埼玉県秩父市吉田の巣掛採鉱場まで長距離ベルトコンベヤで運搬して2次破砕を行っ ている。2次破砕後は 8.5km のベルトコンベヤで当社秩父工場に輸送された後、更に秩父鉄 道㈱の貨車でユーザーである太平洋セメント㈱熊谷工場に供給している。石灰石の主たる用 途はセメント原料であり、他にタンカル原料、石灰原料としても供給を行っている。当鉱山 の年間採掘量は、ピーク時に 3 百万tを超えていたが、ここ数年で年間 2 百万tまで減少し ている。なお、累計採掘量は 1984 年の開山時から 30 年間で約 70 百万tに達している。 当鉱山の採掘切羽は、東西方向に 1,100m、南北方向に 150mと東西に細長い形状をして おり、現在の採掘切羽面積は 16ha である(図1参照) 。この東西に細長い切羽で生産量の 増加に対応するため、1989 年より打掛発破を実施してきたが、近年の採掘量の減少により 2009 年から自由面発破に切替えている。自由面発破切替えにより装薬量を減らしたことで 大塊発生量が増加して積込作業ロスやブレーカの稼働時間が増加した。このため、メイン ベンチ発破における大塊抑制を目的に発破方法見直し等を検討した結果、大塊発生量を抑 制することができるようになったので以下に報告する。 立坑 1,100m 150m 採掘切羽面積16ha 図1 叶山鉱山の採掘ベンチ 2.大塊抑制の必要性 採掘した鉱石は、立坑に投入され、坑内に設置された小割室を通過するが小割室には 800mm のグリズリーバーが設けられているため、投入する鉱石は 800mm 以下と決めている (図2参照) 。 切羽で発生した大塊は、バックホウで選別し、ダンプトラックにて横持ち後、ブレーカ で小割作業を行うと言った作業ロスが発生するため、発破では大塊発生量を少なくするこ とが重要である。 (1/ 10 ) 採掘切羽 中 央 坑 貯 鉱 BC 場 小割室に800mmの 破砕室 グリズリーバー 長距離 BC 図2 叶山鉱山摸式断面図 3.穿孔・発破規格 自由面発破に切替えてから角度 75 度、孔径 80mm の発破孔を 3 列から 4 列に穿孔して一 度に 50 本程度、発破処理している。単列発破に比べ多列発破では、発破時に起砕鉱石がぶ つかり合うため、比較的、大塊発生量を減らすことができるといわれている(表1・図3 参照) 。 表1 従来の発破規格 項目 従来の発破規格 ベンチ高さ 穿孔角度 孔径 穿孔長 8m 75° φ80mm 9.7m 抵抗 1列目3.5m 2列目以降3.2m 孔間隔 込め物長 3.2m 4.7m 雷管 MS電気式 1段~10段 含水爆薬 AN-FO爆薬 爆薬計 起砕量 設計原単位 0.2kg/孔 22.0kg/孔 22.2kg/孔 231.5t/孔 95.9g/t 1列目抵抗 3.5m 3.2m 3.2m 3.2m 込め物長 4.7m 切羽面 3.2m 3.2m 親ダイ 含水爆薬 200g MS雷管 1~10段 高さ8m 薬長 5.0m AN-FO 22.0kg サブドリリング 1.5m 1列目 2列目 図3 発破規格断面 4.大塊発生の要因 大塊が発生する要因は、下記のことが考えられる。 ・発破孔の配置 ・装薬量と込め物の長さ ・岩質 (2/10 ) 3列目 5.大塊発生量の抑制検討 大塊発生の要因を踏まえ、火薬費アップとならないよう従来の自由面発破設計原単位 95.9gを維持することとして検討を開始した。 (1) 発破孔の配置 大塊発生量を減らすため、直列穿孔から千鳥穿孔で 6 ヶ月程度試験発破を実施したが、 穿孔位置決めロスや掘り直しで穿孔機が孔を上手く跨げずに壊してしまう作業ロスが 発生した。また、期待した大塊抑制効果も得られなかったため、千鳥穿孔は不採用とし た(図4参照) 。 この他にワイドスペース発破についても検討したが、最小抵抗線を小さくする必要が あるため、飛石が発生する恐れがあることからワイドスペース発破は行わないこととし た。 直列穿孔 発破方向 千鳥穿孔 発破方向 × 穿 孔 機 機 穿 孔 ×× ×穿 × 孔 機 図4 穿孔パターン (2) 装薬量と込め物長 孔径を小さくして薬長を長くすると抵抗・孔間隔を縮める必要があり、結果的に発破 孔数が増えて火薬費アップとなってしまう。このため、発破に関する資料を参照したと ころ、エアーバッグを用いた装薬方法があり、この方法について検討することとした。 1) エアーバッグを用いた発破の特徴 エアーバッグを用いた発破は、爆薬の装薬位置や込め物の位置を容易に調整するこ とが可能であり、装薬量を増やさずに良好な起砕粒度が得られる等、種々のメリット がある。 エアーバッグを用いた発破方法の特徴は以下のとおりである。 ① 良好な起砕粒度・・・・・爆轟の伝播範囲拡大による大塊発生量の抑制。 ② 火薬消費量の削減・・・・火薬費の低減。 ③ 飛石のリスク低減・・・・爆薬原単位削減による飛石防止。 ④ 発破振動の低減・・・・・発破振動低減における近隣住民への危害の防止。 (3/ 10 ) 2)装薬方法の検討 エアーバッグを用いた装薬方法には幾つかの方法があり、これらの方法の内、今の 発破作業量と大きく変わらない作業方法①でテスト発破を実施することとした(図5 参照) 。 ① 孔底に AN-FO 爆薬を装填して AN-FO 爆薬の上側に空間を設ける方法 ② 孔底に含水爆薬等を装填して爆薬の上側に水を充填する方法 ③ 下方に装填した AN-FO 爆薬の上側に空間を設け、上側に再度 AN-FO 爆薬を装填 する方法 ④ 下方・上方にそれぞれ AN-FO 爆薬の装填と空間を設ける方法 ⑤ 孔底に水を充填した後、中層に AN-FO 爆薬を装填する方法 従来の装薬方法 込め物 装薬方法① 装薬方法② 装薬方法③ 込め物 込め物 込め物 エアーバッグ エアーバッグ AN-FO 水 エアーバッグ 空間 空間 AN-FO 込め物 AN-FO 装薬方法⑤ 込め物 エアーバッグ 空間 AN-FO AN-FO エアーバッグ 空間 含水爆薬 AN-FO 装薬方法④ AN-FO エアーバッグ 水 図5 エアーバッグの装薬方法 3)テスト発破 テスト発破にあたり、エアーバッグは高価であることやエアーを充填する器具が必 要となることから、エアーバッグの代わりに AN-FO 爆薬の空き袋を使用することとし た(図6参照) 。これまでも残壁造成の PSB では、AN-FO 爆薬の空き袋を適当な大き さに切り分けて発破孔に押し込み、込め物長の調整用として使用していたことから、 同様の方法で容易に装薬作業が行えると判断してテスト発破を実施することとした。 当鉱山では、この装薬方法をエアーデッキと称し 2010 年 7 月より試験発破を繰返 し行った。 エアーバッグの装填器具の一例 エアーホース エアーバッグ コンプレッサ 紙栓(AN-FO空袋)の装填器具 込め棒 図6 エアーバッグ装薬の器具 (4/ 10 ) AN-FO爆薬の空袋 4)テスト発破の結果 エアーデッキ発破における装薬の作業性や大塊発生量を評価するため、担当者にて 定期的に検討会で検証した結果、装薬作業における作業性に問題はなく、大塊発生量 も従来の発破方法と比較して、エアーデッキ発破を実施した方が発破の起砕粒度が良 く大塊発生量も減少する結果が得られた(表2・図7参照) 。 表2 ブレーカ稼働状況 エアーデッキ発破 実施前後の状況 従来の発破方法 ブレーカ稼働時間 H 782 エアーデッキ発破テスト時 53 生産量 千t 1,958 155 千t あたりの稼働時間 H/千t 0.40 0.34 従来の装薬方法 備考 エアーデッキ発破実施前1年間実績 テスト開始の2010年7月実績 エアーデッキ 図7 テスト発破結果 従来の自由面発破では、爆薬が装填されている下方でしか鉱石が起砕されなかった と考えられるが、エアーデッキ発破では、空間まで爆薬のガスが瞬時に拡がり鉱石を 起砕すると考えられる(図8参照) 。 従来の自由面発 破 3.5m 3.2m エアーデッキ発破 3.2m 3.5m 3.2m 3.2m 込め物 込め物長 4.7m 切羽面 切羽面 空間 高さ8m 薬長 5.0m 薬長5.0m AN-FO 22.0kg 高さ8m AN-FO 22.0kg サブドリリング 1.5m サブドリリング1.5m 1列目 2列目 3列目 1列目 2列目 3列目 図8 爆轟の伝播イメージ (3)岩質の評価 従来の発破実績とエアーデッキ発破によるテストを繰返し、起砕状況が異なる場所 をブロック毎に評価。適正装薬による大塊抑制と火薬費低減のために原単位マップの 作成を行った(図9参照) 。 (5/ 10 ) Bブロック Cブロック Aブロック 項目 Dブロック Eブロック 鉱石起砕程度 悪い 中程度に良い 良好 項目 面積 m2 鉱量 t 爆薬原単位 g /t Aブロック 25% Bブロック 12.5% Cブロック 10% Dブロック 40% Eブロック 12.5% 合計 40,000 20,000 15,000 65,000 20,000 160,000 864,000 432,000 324,000 1,404,000 432,000 3,456,000 86 78 86 75 86 平均 80.5 ※ 計算条件: ベンチ面積16ha 切羽高さ 8 m ブロック毎の割合は全体量の比率。 従来爆薬原単位 95.9 図9 エアーデッキ開始後の原単位マップ 6.エアーデッキ発破規格の見直し 従来の孔間隔でエアーデッキ発破のテストを繰返し行った結果、大塊発生量が減少し、 良好な起砕粒度が確認できたことから、発破規格を見直すこととした。 最適な発破規格とするため、下表の組合せで込め物長・装薬量・孔間隔等を変え、テス ト発破を実施した(表3参照) 。 表3 テスト発破規格 20.1 装薬量 kg 3.2 3.3 3.4 21.1 3.5 3.3 3.4 3.5 22.1 3.6 3.4 3.5 3.6 23.1 3.7 3.5 3.6 3.7 3.8 孔間隔 m 込め物長 m 空間長 m 2.5 3.0 3.5 2.6 2.1 1.6 2.5 3.0 3.5 2.4 1.9 1.4 2.5 3.0 3.5 2.2 1.7 1.2 2.5 3.0 3.5 2.0 1.5 1.0 ※装薬量は、AN-FO 爆薬及び含水爆薬の合計量 (1)装薬量と孔間隔 テスト発破期間中に親ダイを 200gから 100g に変更しても良好な起砕粒度が維持で きたため、親ダイは 100g とし、主に4パターンの装薬量で孔間隔と込め物長を組替 えながらテスト発破を実施した。 装薬量を増やしても 3.7m以上に孔間隔を拡げた場合、多列で発破を実施している 当鉱山では 2 列目以降の発破孔で根切れ状態が悪くなったことから、エアーデッキ発 破における孔間隔は 3.6m以下が適正であると判断した(表4参照) 。 (6/ 10) (2)込め物長 込め物長については、最小抵抗線以上を確保することが一般的であるが、最大込め 物長を 3.5mとし 0.5mピッチで 2.5mまで短くしてテスト発破を実施した。 込め物長を 2.5mとしても鉄砲現象は発生していないが、どの装薬量においても根 切れ状態が悪くなったことから、込め物長は 3.0mが最適であると判断した(表4参 照) 。 表4 テスト発破評価表 装薬量 kg 20.1 21.1 22.1 23.1 孔間隔 m 3.2 3.3 3.4 3.5 3.3 3.4 3.5 3.6 3.4 3.5 3.6 3.7 3.5 3.6 3.7 3.8 根切れ状況 ○ ○ ○ △ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ ○ ○ △ △ 起砕状況 ○ ○ ○ △ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ ○ ○ △ △ 込め物長 m 2.5 3.0 3.5 根切れ状況 △ ○ ○ 起砕状況 ○ ○ △ 装薬量21.1kgの場合、孔間隔、込め物長を変化させても安定した起砕状況 評価 ※評価: ○良好である △良好ではない (3)検討結果 試験発破を繰返し行った結果、装薬 量は 21.1kg、込め物長を 3.0mとし、 孔間隔は発破場所に応じて調整する発 破規格に見直すこととした(表5・図 10参照) 。 表5 見直し前後の発破規格 エアーデッキ発破 改善前 ベンチ高さ 8m 穿孔角度 75° 孔径 φ80mm 穿孔長 9.7m 抵抗 1列目3.5m 2列目以降3.2m 孔間隔 3.2m 3.5m 雷管 MS電気式 1段~10段 MS電気式 1段~10段 変更なし 0.2kg/孔 22.0kg/孔 0.1kg/孔 21.0kg/孔 0.1kg/孔減少 1.0kg/孔減少 含水爆薬 1列目 抵抗3.5m 2列目以降 3.2m 見直し後 エアーデッキ発破模式図 1列目抵抗3.5m~3.7m 2列目~ 3.3m~3.6m 孔間隔 3.3m~3.6m 孔間隔 3.2m 込め物長 3.5m 込め物長 3.5m 比較 変更なし 同上 同上 同上 1列目3.5m~3.7m 0.2m~0.4m 2列目以降3.3m~3.6m 拡張 0.2m~0.5m 3.3m~3.6m 拡張 3.0m 0.5m短尺 込め物長 AN-FO爆薬 見直し前 エアーデッキ発破模式図 エアーデッキ発破 改善後 8m 75° φ80mm 9.7m 項目 込め物長 3.0m AN-FO 爆薬の紙栓 込め物長 3.0m AN-FO 爆薬の紙栓 切羽面 切羽面 空間長 1.2m 薬長 5.0m 空間長 1.2m 親ダイ 含水爆薬 200g MS雷管 1~10段 薬長 5.0m AN-FO 22.0kg サブドリリング 1.5m 1列目 2列目 空間長 1.9m 高さ8m 薬長 4.8m 薬長 4.8m AN-FO 21.0kg サブドリリング 1.5m 3列目 空間長 1.9m 1列目 図10 エアーデッキ発破模式図 (7/ 10 ) 2列目 高さ8m 親ダイ 含水爆薬 100g MS雷管 1~10段 3列目 7.エアーデッキ発破の効果検証 発破孔に空間を設けたエアーデッキ発破は、爆薬のガスの拡張により上方まで岩石破壊 を生じる。この時の孔内に作用する圧力から岩石の亀裂半径を求め、孔間隔を検証した。 1)装薬孔内作用圧力 Abel-Nobel の状態方程式 2)孔内圧力の作用による亀裂半径(図11参照) 亀裂半径算出の提唱実験式 図11 亀裂半径模式図 3)計算結果及び考察 上記計算式により亀裂半径を求めると、エアーデッキ発破(改善後)は理論的に 3.0m となるが、テスト発破を繰返すことによって現在では最大孔間隔を 3.6mとし発破を実施 しており、根切れ状態も良好である(表6参照) 。 エアーデッキ発破の事象については、爆薬原単位マップ(図9)に示すとおり当鉱山の 岩質は均質ではないことから理論的な検証が難しく、テスト発破を繰返し行うことで最 適な発破規格が見出せたものと考える。 表6 孔間隔算出表 発破方法 従 来 の 発 破 エアデッキ発破 改善前 エアデッキ発破 改善後 火薬力 l・㎏f/cm2/kg 9000 9000 9000 薬量 ㎏ 22.2 22.2 21.1 薬長 空間長 穿孔径 孔内容積 m m φmm l 5.0 0 80 25.1 5.0 1.2 80 31.1 4.8 1.9 80 33.7 コボリウム 仮比重 孔内圧力 引張強度 亀裂半径 l/kg 0.62 0.62 0.60 (8/10) kg/l kgf/㎝2 kgf/cm2 0.88 17,471 62.3 0.88 11,440 62.3 0.91 9,088 62.3 m 2.1 1.7 1.5 理論値孔間隔 実績孔間隔 m 4.1 3.3 3.0 m 3.2 3.2 3.6 (最大) 8.エアーデッキ発破による低減効果 (1)ブレーカ稼働状況 大塊発生量を確認するため、小割専用機のブレーカ稼動時間で確認するとエアーデッ キ発破導入前の千 t あたりの稼働時間は 0.41H/千tからエアーデッキ発破導入後は 0.33 H/千tとなり、20%減少している(図12参照)。 生産量 右軸 ブレーカ稼働状況 左軸 生産量とブレーカ稼働状況 H/千t 従来発破の稼働状況 エアーデッキ導入後の稼働状況 0.33H/千t 20%減少 0.41 H/千t 千t 250 200 150 平均 平均 100 12年3月 12年2月 12年1月 11年12月 11年11月 11年9月 11年10月 11年8月 11年7月 11年6月 11年5月 11年4月 11年3月 11年2月 11年1月 10年12月 10年11月 10年9月 10年10月 10年8月 10年7月 10年6月 10年5月 10年4月 10年3月 10年2月 10年1月 09年12月 09年11月 09年9月 09年10月 09年8月 09年7月 09年6月 09年5月 50 09年4月 1.00 0.90 0.80 0.70 0.60 0.50 0.40 0.30 0.20 0.10 0.00 0 図12 生産量とブレーカ稼働時間 (2)爆薬原単位 従来の爆薬原単位 95.6g/tに比べ、エアーデッキ発破では、1 孔あたりの装薬量が 減り孔間隔も広げられたことで 80.5g/tとなり 16%低減することができた(表7参 照)。 表7 エアーデッキ発破規格 項目 従来の発破規格 ベンチ高さ 穿孔角度 孔径 穿孔長 8m 75° φ80mm 9.7m エアーデッキによる 自由面発破 8m 75° φ80mm 9.7m 抵抗 1列目3.5m 2列目以降3.2m 1列目3.5m~3.7m 2列目以降3.3m~3.6m 0.2m~0.4m 拡張 孔間隔 込め物長 3.2m 4.7m 3.3m~3.6m 3.0m 0.1m~0.3m 拡張 1.7m 短尺 雷管 MS電気式 1段~10段 MS電気式 1段~10段 変更なし 含水爆薬 AN-FO爆薬 爆薬計 起砕量 設計原単位 0.2kg/孔 22.0kg/孔 22.2kg/孔 231.5t/孔 95.9g/t 比較 変更なし 同上 〃 〃 0.1kg/孔 0.1kg/孔 減少 21.0kg/孔 1.0kg/孔 減少 21.1kg/孔 1.1kg/孔 減少 245.9t/孔~283.0t/孔 14.4~51.5t/孔 増加 平均 80.5g/t 15.4g /t 16%低減 (9/ 10) (3)コスト比較 コスト比較では、メインベンチ発破で起砕する 1,200 千t/年で比較しているが、エ アーデッキ発破導入後は、装薬作業で手間が掛かるために装薬労務費が僅かに増加して いるものの、大塊発生量の減少によりブレーカ稼働時間が減少したことと発破孔の間隔 が拡げられたことにより燃料費・火薬費が削減でき 16%のコスト低減が図れた(表8 参照) 。 項目 エアーデッキ 導入前① 導入後② 差異(②-①) 表8 コスト低減効果 火薬費・装薬労務費低減効果 ブレーカ稼動経費低減効果 平均燃費 稼働時間 L/H 25.0 - H/月 66.8 52.2 -14.6 燃料費 割合 100% 78% -22% 労務費 割合 100% 78% -22% 爆薬原価 割合 100% 83% -17% 雷管原価 装薬労務費 割合 割合 100% 100% 84% 105% -16% 5% コスト 合計 割合 100% 84% -16% エアーデッキ導入前の費用を100%とした場合の低減効果割合。 9.おわりに 今回の取組みで大塊発生量の抑制に加え爆薬原単位の低減も行うことができた。当鉱山 においては、メインベンチ発破のみならず、端縁処理や残壁造成の発破についても取組む べき課題は多い。今後も保安確保を念頭に種々の改善に取組んでいきたい。 (10/ 10 )
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