1. No category

イ
ン
タ
ビ
ュ
ー
LIXIL
上席執行役員
リフォーム推進統括部 統括部長
田口和敏氏
まに対して十分なサービスを提供
できなくなり、地域密着型のサービ
ス業としては致命的になってしま
うのです。
購入したお客さまの満足度を高
「目標は地域密着 FCを800店」
消費増税後の新築住宅需要の伸びが期待
できない一方で、リフォーム需要は拡大
が予想されている。FC や VC 店で地域
密着型ビジネスを展開しているリクシル
は、どのような取り組みを行っているの
か。上席執行役員 リフォーム推進統括部
統括部長の田口和敏氏に同社のリフォー
ム事業戦略について聞いた。
ーム店は小規模店まで含めると全国に約 30
めるのがサービス業の使命なので、
「5%」にとどめることでサービスの
質を維持するという考え方です。
「チラシ」
に勝る販促なし
─今後は FC 店をどのように展
は現在約 1 万 1,000 店。そのうち FC は約 400
開していこうとお考えですか。
店で、そのリフォーム売り上げはトータル約
田口　現在 400 店ある FC 店を、今
650 億円で、順調に伸びています。
後は徐々に増やしていきたいです。
FC 店は、1 店当たり 20 万人という商圏設
まずは 600 店、最終的には 800 店ま
定で展開しています。そのマーケットの中で
で増やしたい。
シェア 5% の 1 万人を獲得して、顧客 1 人当た
FC の加盟条件は、建設業許可と
り年間 3 万円の単価設定で年商 3 億円という
一級建築士の資格を取得していることが必
─リクシルの
「地域密着店」
である FC
（フラ
のが当面の目標です。
要になるので、地域の電気屋さんから見ると
ンチャイズ・チェーン）
や VC
（ボランタリー・
顧客はもともと新築住宅を購入した地場の
厳しく映るかもしれませんね。住宅の構造体
チェーン）店舗数は現在、どのような状況で
OB 客がメーンで、築年数がある程度経過し
に関わる仕事を請け負うので、サービスの質
─家電業界では家電店が年々減少し、かつ
すか。
た住宅を、リフォームにつなげていくという
を下げないために高いハードルを設定してい
ては 7 万店ほどあったのが、現在では 3 万店
田口和敏統括部長（以下、敬称略）
リフォ
サイクルです。
ます。
を切っています。地域密着型の店の今後をど
─商圏シェアを「5%」に絞ってい
一方で、現在 1 万店以上ある当社の VC へ
のように見ていますか。
るのはなぜですか。
の加盟条件は、FC ほど高くありません。家電
田口　私はあまり悲観していません。これま
田口　リフォームは、物販というよ
店がリフォームを取り扱う場合と同程度で加
では大型の量販店が次々と出店してきました
りも問題解決型のサービス業なの
盟できます。
が、今後お客さまが地域密着型の店に戻って
で、
「地域密着」
できめ細かく対応す
VC の 3 割は順調に伸びていますが、伸び
いく可能性は十分にあると考えています。
ることが何よりも重要だと考えて
ている店とそうでない店の 2 極化が進んでい
というのも、人口が集中している都心部で
います。特に購入してからリフォ
ます。その差は、ビジネスモデルをしっかり
は特に、自治体だけでは対応しきれない部分
ームまでのサイクルが約 20 年と比
と持っているかどうかにあると見ています。
の受け皿として、地域密着型の店が役割を果
較的長いので、アフターサービスな
─販促はどのように行っていますか。
たせるからです。今後は、ますます必要にな
どを一人一人のお客さまに丁寧に
田口　家電店と同様、
「チラシと DM」が販
ってくるでしょう。
対応できるかによって満足度が左
促ツールです。チラシ営業がメーンで、後は
その好例が、コンビニの食事宅配サービス
右されるのです。
DM をポスティングする。この取り組みは昔
です。地域に根差した取り組みが自治体から
ですので、20 万人商圏で 5% 以上
からずっと変わっていないし、地域密着ビジ
も注目されています。実際に、コンビニはこ
のシェアを取ろうとすると、お客さ
ネスの販促でこれに勝るものはないと考えて
うした地域に密着した取り組みが奏功して成
●図　リクシルの FC 展開
1店につき20万人商圏
➡商圏内のシェア
5% を狙う
LIXIL FC
目標年商
3億円強
最終的には
FC：現在約400店
70　技術営業 2014.12
800店に
オール電化・
リフォーム
万店あるといわれています。当社のチャネル
▲リクシル 上席執行役員 リフォーム推進統括部 統括部長の田口和敏氏
います。他の販促より反響もありますし。
地域密着店は
「社会インフラ」
2014.12 技術営業　71