30aPS-82 パイナップル鱗片配置を分点とする数値積分 埼玉工業大学,根岸利一郎,関口久美子,高畑一夫,埼玉県深谷市普済寺 1690 Calculated Integration using Nodes Arrangement of Pineapple Ramenta Saitama Institute of Technology, Riichirou Negishi, Kumiko Sekiguchi, Kazuo Takahata パイナップル鱗片を真似た点分布は任意矩形に任意点数を擬似的に一様充填されること が知られる[1]。この分布の点を数値積分の分点として使用する場合の数値積分の誤差はど うなるであろうか。 多次元単位平面における数値積分において,積分誤差の少ない方法として優良格子点法の点 配置があり,2 次元で注目される点配置がフィボナッチ格子として知られている[2]。その x-y 平面 での点位置は次式で与えられる。 (x, y)={mod(j, Fk), mod(j*Fk-1, Fk)}, j=1,2,…, (Fk は Fibonacci 数で k は順番号) …… ① 図 1(a) は①式を使って F9=34 で規格化した点を配置した分布図である。他方,パイナップル 鱗片を点として真似た配置(P 配置)は横軸を θ=mod(nϕ, 2π),縦軸を l として次式で与えられ, 同じ点数 34 を最大値として規格化すると図 1(b)になり,(a)と同じ点配置が得られる。 (θ, l)=(mod(nϕ, 2π), np), n=1,2,…, (ϕ=2π(1- ), 𝜏= √ ) ………… ② さらに,この配置での点間隔はアスペクト比が変わっても図 2 のようにほぼ一様に充填する[3]。 優良格子点法の点配置の方法は Fk で規格化されて基本的に正方であるが,P 配置は任意の点数 とアスペクト比の場合でもその点間隔がほぼ一様な ことからこれを分点として利用することができる。 図 1 (a) F9=34 (b) n=34,p=1 図 2 アスペクト比に伴う点間距離の変化 2 次元単位正方内の軸付近で発 散する関数 f ( x, y) e xy xy の 積分において,p 配置の分点とフィ ボナッチ格子の分点とを比較する。 誤 積分誤差の最も少ないフィボナッチ 差 格子の方法に比べて G1=1 と G2=4 とする一般フィボナッチ数や任意点 数を黄金比τで割った数値で作る 点配置は比較的積分誤差が少ない。 これらの検討結果を報告する。 分点数 図 3 積分誤差の変化 文献 [1] R. Negishi and K. Sekiguchi;FORMA, 22(2007), 207. [2] I. H. Sloan and S. Joe;“Lattice Methods for Multiple Integration”, Oxford University Press, Oxford(1994). [3]根岸利一郎ほか;形の科学会誌,28(2013), 32.
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