FL-net OPCN-2 マルチベンダ環境を実現する 産業用オープンネットワーク FL-net(OPCN-2) -仕様概説と普及の取組み- 一般社団法人 日本電機工業会(JEMA) ネットワーク推進特別委員会 JEMA ホームページ : http://www.jema-net.or.jp/ オープンPCネットワーク(OPCN)のご案内: http://www.jema-net.or.jp/Japanese/standard/opcn/index.html JEMA ネットワーク推進特別委員会 1 FL-net OPCN-2 アジェンダ FL-net の説明 FL-net FL-net FL-net FL-net FL-net FL-net とは のコンセプト の仕様 の概要 システム構成例 のシステム構成のまとめ FL-net 普及に向けた取組み FL-net FL-net FL-net FL-net FL-net (OPCN-2)規格化状況 (OPCN-2)普及状況 (OPCN-2)提供リソースのご紹介 の認証 今後の展望 JEMA ネットワーク推進特別委員会 2 FL-net OPCN-2 FL-net 仕様説明 JEMA ネットワーク推進特別委員会 3 FL-netとは FL-net OPCN-2 FL-netとは、Ethernetをベースとした産業用オープンネットワークです。 コントローラレベルからデバイスレベルにわたるリアルタイム制御システムを 容易に構築することが出来ます。 マルチベンダ環境の実現が非常に容易 日本発のオープンネットワークとして国内31社がサポート マルチベンダでのコントローラシステムで実績多数、高い評価 ユーザ指向の使いやすい仕様と性能 マスタレス 特定局に依存しないコントローラシステム構築が容易 リフレッシュの定時性を保証 リアルタイム制御システム構築が容易 相手局のアプリケーションを知らなくてもデータのやり取りが可能 標準化、認証体制の確立 国内の認証サイト試験により認証 JEMA ネットワーク推進特別委員会 4 FL-net OPCN-2 FL-netのコンセプト Ethernet技術の応用 既存の標準技術 安価で入手容易な部品 専用HWなし 高速性、将来性 どのベンダでも開発し易い FA用途のサービスの実装 サイクリック伝送(データリンク) によるコモンメモリシステム メッセージ伝送 (メモリ、パラメータの読出、書込) 汎用プロトコル(TCP/IP)の重畳 トークンパスの空き時間を活用 入出力(IO)定義をコモンメモリに搭載 ネットワーク設定サーバを搭載 応答時間の保証 伝送周期: 50ms/32ノード、 サイクリックデータ(2kbit+2kW) ノード#1メモリ ノード#2メモリ ノード#3メモリ 送信 受信 受信 受信 送信 受信 受信 受信 送信 応用プログラム PC IO定義 インタフェース FAリンクプロトコル UDP/IP TCP/IP Ethernet FAコントローラ PC UDP/IP TCP/IP FAリンクプロトコル インタフェース TCP/IP FAリンクプロトコル IO定義 応用プログラム UDP/IP インタフェース IO定義 応用プログラム JEMA ネットワーク推進特別委員会 5 FL-net OPCN-2 FL-netの仕様 仕様項目 仕様 備考 伝送媒体 10BASE-2,5,T 100BASE-TX,FX リピータ、光メディアコンバータ などにより伝送距離延長可 100MbpsはスイッチングHUB を推奨 物理層規格 IEEE 802.3 トポロジ バス型、スター型 最大接続局(ノード)数 254局 交信権制御方式 トークンパス方式 通信局管理方式 マスタレス方式 プロトコル UDP/IPベースFAリンクプロトコル 伝送サービス サイクリック伝送サービス 全局で8Kbit+8KWordのコモンメモリ サイクリック伝送は全局宛一 斉同報(ブロードキャスト) メッセージ伝送サービス 1:1伝送/1:N伝送 最大1024Byte 1:1メッセージ伝送は送達確 認あり 負荷測定サービス 汎用通信の負荷を測定 IO定義設定サービス、勧誘サービス 任意マップモードで使用 伝送性能 32局、2Kbit+2KWordデータを50ms以下でリフレッシュ可能 製品化仕様目標値 デバイスレベル対応 固定マップ/任意マップ 2方式 実装クラスはベンダ依存 汎用通信重畳 TCP/IP、UDP/IPなどFAリンクプロトコル以外のパケット通信 の重畳が可能 空き帯域を使用 ネットワーク設定 ネットワーク設定パラメータの専用サーバ機能を搭載 ノード設定一元管理が可能 特定のマスタ局は不要(コント ローラレベル)。サイクリック伝 送の送達時間保証を実現 JEMA ネットワーク推進特別委員会 6 FL-net の概要 FL-net OPCN-2 コントローラ間の接続 –マルチベンダシステムの構築が容易・国内の主要なPLCメーカーがFL-netをサポート。マルチベンダ環境を容易に実現 できます。 ・コモンメモリ通信により、相手局のアプリケーションを知らなくてもデータのやり取りが 可能です。 上位系、情報系との接続 –TCP/IPの通信混在が可能・OA機器、インターネット接続など、より柔軟な情報システムへの適用が可能です。 ・ERP、MESなど、監視、情報システムやOAシステムとの統合化を実現する システムソリューションが可能です。 JEMA ネットワーク推進特別委員会 7 FL-net の概要 FL-net OPCN-2 ユーザ利便性の向上 –統合設定/モニタツールの提供・Ethernet接続のパソコンから、全てのベンダから提供されるFL-net機器の通信設定、 モニタ、診断を行うことが可能です。 ・統合設定ツールはソフトウェアで提供します。 ・単一のユーザインタフェースで設定でき、設定ミス削減、立上げ時間短縮が可能です。 デバイスレベルとの接続 ・FL-net上に、全ての局からアクセスできる共有の入出力が設置可能です。 ・複数ベンダの機器が混在するマルチマスタのデバイスレベルネットワークシステムが 容易に構築可能です。 ・HMI、産業用パソコンなどから容易に管理でき、トータルシステムコストの削減が 可能です。 JEMA ネットワーク推進特別委員会 8 FL-net OPCN-2 システム構成例:コントローラ間の接続 コントローラ間通信 (コモンメモリ通信) 産業用 パソコン FL-net Ver.3 or Ver.2 B社PLC A社PLC C社PLC HMI NC メリット RC 国内の主要なPLCメーカーがFL-netをサポート。マルチベンダシステムを構築し、異メーカー間・異 機種間での制御データ交換が容易に実現できます。 コモンメモリ通信による簡単プログラミング。通信を意識せず、自ノードのメモリへのアクセスと同様 に制御プログラムを作成できます。 マスタレス方式。特定局に依存しないコントローラシステム構築が可能です。 ノード#1メモリ ノード#2メモリ ノード#3メモリ 送信 受信 受信 受信 送信 受信 受信 受信 送信 【コモンメモリ通信】 ノード間で制御用メモリ領域を共有する イメージで通信を行います。 各ノードの送信領域の値は、他のノードの 受信領域の値に自動的に反映されます。 JEMA ネットワーク推進特別委員会 9 FL-net OPCN-2 システム構成例:上位系、情報系ネットワークとの接続 JEMA公開 設定ツール 非FL-netノード プリンタ OA機器 産業用パソコン インターネット 一般パソコン 100Mbps スイッチングHUB SW-HUB A社PLC メリット SW-HUB B社PLC SW-HUB セキュリティ ルータ等 FL-net Ver.3 HMI FL-netではないノードをシステム構成に混在できます。 セグメント内に限定された通信だけでなく、セグメント外(インターネットなど)からのアクセスを可能 とすることで、システム構築の柔軟性が向上します。 監視系、上位系との連携が必要なシステムをフラットな環境で構築できます。 JEMA ネットワーク推進特別委員会 10 FL-net OPCN-2 システム構成例:デバイスレベルとの接続 コントローラ間通信と、複数のIOマスタースレーブ間通信を、同一ネットワーク回線で混在 使用することができ、かつ定時性が保証されます。 マルチマスタシステムでも、IOマスタースレーブ間通信でやり取りしているデータを、IOマスタ 以外のコントローラ、パソコンからも直接モニタすることができます。 メリット 配線コスト、通信ユニットコストなどのシステム構築コストを低減できます。 入出力信号状態を、IOマスタを介さずに、HMIで高速表示できます。 複数のフィールドネットワークのリモートIO局の動作・故障履歴等を、 IOマスタを介さずに、パソコン で一括自動収集できます。 IOマスタースレーブ間通信で やり取りしているデータを、 IOマスタ局以外のコントローラ、 パソコンからもモニタ可能 産業用 パソコン A社PLC IOマスタ1 B社PLC HMI C社PLC IOマスタ2 FL-net Ver.3 バーコードリーダ IDリーダ IO ビルディングブロックタイプIO INV JEMA ネットワーク推進特別委員会 11 FL-net OPCN-2 システム構成例:ネットワークの階層化 コントローラレベルとデバイスレベルを階層的に構築することができます。 メリット 高速応答性が必要とされる通信については、ネットワークを切り離すことができます。 FL-netでは、コントローラレベル、デバイスレベルに対応し、またメモリの考え方が共通で ユーザにわかりやすいインタフェースを提供します。 コントローラレベルでは、FL-net Ver.3とVer.2の混在構成が可能です。 産業用 パソコン FL-net Ver.3 or Ver.2 ネットワーク1 コントローラ間通信 B社PLC A社PLC C社PLC HMI IOマスタ ネットワーク2 FL-net Ver.3 IOマスタ-スレーブ間 通信 バーコードリーダ IDリーダ IO ビルディングブロックタイプIO INV JEMA ネットワーク推進特別委員会 12 FL-net OPCN-2 FL-net のシステム構成のまとめ コモンメモリ方式によるマルチベンダ通信機能により、既存のシステムにFL-net機器を追加する ことで、独立していたシステムを容易に統合することが可能です。 さらには、上位系のコンピュータなどは特別なプログラムなしにシステムのデータ収集、監視が可 能です。 コンピュータレベル、コントローラレベル、デバイスレべルを一つのネットワークで構築することも、階 層化することも可能です。 監視制御ステーション 生産管理システムなど 設定用PC 一か所から全FL-net ノードの設定が可能 FL-net( コントローラレベル) 産業用 パソコン コントローラ間通信 A社PLC B社PLC IOマスタ1 HMI C社PLC IOマスタ2 IOマスタ-スレーブ間 通信 FL-net IO バーコードリーダ IDリーダ ビルディングブロックタイプIO (デバイスレベル) INV JEMA ネットワーク推進特別委員会 13 FL-net OPCN-2 FL-net 普及に向けた取組み JEMA ネットワーク推進特別委員会 14 FL-net OPCN-2 FL-net (OPCN-2)規格化状況 ■FL-net (OPCN-2)に関して、現在以下の規格が制定されています。 制定規格 ◆ISO(ISO15745-4):2003年10月制定 Industrial Automation systems and integration – Open systems application frameworks -Part4 Ethernet-based control systems ◆JIS B3521(JEM1479のJIS化):2004年2月制定 FAコントロールネットワーク[FL-net(OPCN-2)]-プロトコル仕様 ◆JEM 1479:2012年9月改正 FAコントロールネットワーク[FL-net(OPCN-2)]-プロトコル仕様 ◆JEM 1480:2012年9月改正 FAコントロールネットワーク[FL-net(OPCN-2)]-試験仕様 ◆JEM-TR 213:2011年7月改正 FAコントロールネットワーク[FL-net(OPCN-2)]-実装ガイドライン ◆JEM-TR 214:2000年11月改正 FAコントロールネットワーク[FL-net(OPCN-2)]-デバイスプロファイル共通仕様 JEMA ネットワーク推進特別委員会 15 FL-net (OPCN-2) 普及状況 FL-net OPCN-2 ■出荷ノード数実績 FL-netの評価は高く、日本のコントローラ レベルネットワークの標準としてあらゆる産 業分野に定着。 2013年度の累計出荷実績は、ハードウェア製品240,200ノード、ソフトウェア製品2,774 ノード、合計で242,974ノードとなった。 JEMA ネットワーク推進特別委員会 16 FL-net OPCN-2 FL-net 普及状況 ■採用の理由 ■適用分野 異機種、異メーカ間 の相互接続ニーズが 半数以上 ■導入後の評価 ほとんどのユーザが満足、 使いやすさ、設計しやすさ が半数 FL-net(OPCN-2)の適用分野は、 標準化提案要求元である加工組み立 て産業に留まらず、プロセス産業、食品・ 薬品産業、さらに公共・社会システムと あらゆる分野に広がっている。 FL-net (OPCN-2) 普及状況 FL-net OPCN-2 FL-netは多数のベンダのマスタノードを持つコモンメモリ方式の マルチベンダネットワークである。 ■認証機器構成 ■認証機器製造ベンダ:31社 JEMA ネットワーク推進特別委員会 18 FL-net (OPCN-2) Ver.3提供リソースのご紹介 FL-net OPCN-2 FL-net(OPCN-2)Ver.3設定ツール FL-netカードを持たない一般のEthernet接 続のパソコンから、全てのベンダが提供するFLnet機器の通信設定、モニタ、診断を行うことが できます。 設定ツールはソフトウェアで提供されます。 単一のユーザインタフェースで設定ができ、設 定ミス削減、立上げ時間短縮が可能です。 JEMA ネットワーク推進特別委員会 19 FL-net (OPCN-2) Ver.3提供リソースのご紹介 FL-net OPCN-2 ■JEMA Web上にてFL-net (OPCN-2) Ver.3のリソースを提供しております。 http://www.jema-net.or.jp/Japanese/hyojun/opcn/opcn07.htm JEMA ネットワーク推進特別委員会 20 FL-net OPCN-2 FL-net (OPCN-2) 規格のご紹介 ■JEMA Web上にてFL-net (OPCN-2) の各種規格リソースを提供しております。 http://www.jema-net.or.jp/Japanese/hyojun/opcn/opcn07.htm JEMA ネットワーク推進特別委員会 21 FL-net (OPCN-2) の認証 FL-net OPCN-2 認証とは 標準仕様およびその他の技術文書に基づき、 第三者が試験その他の方法により、仕様への適合性を確認して、 その旨を文書で保証する手続き。 FL-netの場合 技術文書 プロトコル仕様書:JEM 1479 実装ガイドライン:JEM-TR 213 試験仕様書:JEM 1480 第三者機関 JEMA ネットワーク認証特別委員会 試験所:神奈川県産業技術センター 試験内容 適合性試験 相互接続性試験 2012年12月より,Ver3認証開始 JEMA ネットワーク推進特別委員会 22 FL-net (OPCN-2) 今後の展望 FL-net OPCN-2 技術サポートの継続 FL-netは今後もJEMA ネットワーク推進特別委員会がしっかり した技術サポートで開発ベンダ、ユーザを支援します。 技術サポート窓口はJEMA 技術部技術課です。 ユーザ要望の取り込みとブラッシュアップ FL-netは今後も定期的なユーザ要望調査、ヒアリングなどを行 い、市場ニーズに合わせた仕様ブラッシュアップを行います。 認証体制のサポート JEMA ネットワーク認証特別委員会で認証を推進し、ユーザ、 開発ベンダへのサポートを継続します。 JEMA ネットワーク推進特別委員会 23 FL-net OPCN-2 ご静聴ありがとうございました JEMA ネットワーク推進特別委員会 24
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