やさしい超音波回路

FUTURE
やさしい超音波回路
NIPPON FUTURE Co.,LTD
超音波振動子について
 最近では共振周波数が数百KHzの圧電型の振動子をス
タックにし、それを共振ブロックでサンドイッチ状にしてボ
ルトで締め付けたボルト締めランジュバン振動子が多く
使用される為、これについては後で詳しく述べたいと思い
ます。
 超音波振動子にはニッケル、フェライト等にコイルを巻き
その磁界で歪みを発生する、磁歪型と水晶振動子やジ
ルコン酸チタン酸鉛(PZT)等でお馴染みの電界で歪み
を発生させる圧電型(電歪型)の振動子があります。
磁歪型振動子の原理
ニッケル振動子
フェライト振動子
分極を一定方向
に揃える為直流で
偏倚磁場を与える
NS
高周波電流を
流すと歪みが
発生する
分極を一定方向
に揃える為磁石で
偏倚磁場を与える
圧電型振動子の原理
0
0
+
−
電界を加える事
により一定方向に
配列される
ボルト締めランジュバン振動子
一枚で数百KHzの素子を
偶数枚重ねて金属BLOC
で挟んでボルトで締め付
け共振周波数を下げる。
超音波回路の発振方式について
 超音波発振回路では通常使われる発振方式として、
自励発振型、他励発振型、振動帰還型の三つに大別
出来ます。
 これらの欠点を補う方式
PLL(フェイズロックループ)方式
Athmos(アトモス)方式
☆ これらの発振回路について超音波溶着.PPTでも
触れているのでご参照ください。
振動帰還方式
PU方式
FB
位相器、フィルター
ブリッジ方式
FB
検出部
整合部
増幅器
アドミッタンスループについて
freq
負荷時
Ym
Yd
0
f0
無負荷時
Yf  Yd  Ym
Yf
無負荷時は電流帰還でも発振可能
だが負荷時はブリッジ回路が必要
モーショナルブリッジ回路について
制動周波数時にバランスをとる
R分は無視出来る
振動子
Yf  Yd  Ym
Yd
p
入力
検出
pZ
Z
低インピーダンス
p  1
通常は高インピーダンスにする
ブリッジとLC整合回路の組合せでブリッジ
の比例辺を低インピーダンスに出来る
比較的大きな検出信号が取り
出せる為1段増幅が可能である
マッチング回路の動作について
 マッチング回路は定振幅制御と力率補正、高調波成分の電流
カットの3つの重要な役割を果たしている。
 圧電型振動子では定振幅制御は不可欠である。
 負荷変動により絶えず力率が変動する超音波振動子では、
力率補正は不可欠である。
 矩形波駆動の為BLTの容量分に流れる高調波をカットする
 マッチング回路の動作説明に入る前に抵抗、コンデンサコイル、
のおさらいをしましよう。
 またコンデンサとコイルを組み合わせた共振回路について述べ、
振動子と共振回路とを対比して動作説明をしたいと思います。
周波数に対する抵抗の動作
抵抗は周波数を変えても電流は一定であり、また電圧と
電流の位相もいつも一致している“ 0度”である
+90
電流
i
発振機
R  const
-90
周波数 freq
高周波電流計
i
e
i
R
抵抗
0
e
i
R
高周波電圧計
e  const
(一定)
周波数に対するコンデンサの動作
コンデンサは周波数を上げて行くと電流は増加する
位相は“ 90度”進む
位相の変化
+90
1
1

 C 2 f C
0
i
e
i
Z
-90
freq
i
発振機
e
i
コンデンサ
Z
高周波電流計
高周波電圧計
(一定にする)
周波数に対するコイルの動作
コイルは周波数を上げて行くと電流は減少する
位相は90度遅れる
+90
Z   L  2 f L
-90
i
発振機
e
i
Z
i
e
位相の変化
freq
高周波電圧計
(一定にする)
コイル
0
i
高周波電流計
コンデンサとコイルをつなぐと?
コンデンサとコイルをつなぎ、周波数を変えた場合電流は
どうなるでしょうか?
1
2 f C
i
高周波電流計
i
発振機
f0
freq
e
i
高周波電圧計
(一定にする)
コンデンサ コイル
2 f L 
コンデンサとコイルをつないだ場合
1+1=2ではない。
発振機
Z1
e1
Z2
e2
e
e  e1  e2
Z1 Z2が
抵抗同士
コンデンサ同士
コイル同士
の場合は左下の
式が成り立つが
異種部品では全く
違ってくる
コンデンサとコイルをつなぐと?
f1
i
f2
0
発振機
i
e
i
i
-90
freq
高周波電圧計
(一定にする)
コンデンサ コイル
コンデンサの赤線とコイルの青線の交点の周波数で共振現象
が起こり大電流が流れ、それぞれの端子に高電圧が発生する
f0
高周波電流計
+90
電流の変化と位相の変化の軌跡
f1
+90
尖鋭度をQで表す
freq
f0
f0
Q

f
f 2  f1
i
0

f0
これを
アドミッタンスループ
と云う
-90
f2
振動子をつないだ場合の電流は
振動子の共振周波数付近で共振電流が流れ電流値が最大に
なりそれより少し上で最小になる(反共振点)
f0
高周波電流計
+90
i
f2
0
発振機
i
e
i
i
-90
freq
高周波電圧計
(一定にする)
振動子
f1
LCの直列共振と振動子の
共振ループはそっくりである
f1
+90
freq
i
0
共振点

f0
但しQが非常に高く
スプリアスが沢山有る
又反共振点が出来て
それを過ぎるとC性
(容量性)に変わる
反共振点
-90
f2
これをモーショナル
アドミッタンスループ
と云う
無負荷時のループと
負荷時のループ
+90
freq
負荷がかかると
ループはどんどん小さくなり
ハイインピーダンスになる
つまり電流が流れ難くなり
パワーを入れ難くなる
0
負荷時
-90
無負荷時
負荷時にパワーを入れる為には
共振回路を使って特性を反転する
+90
freq
無負荷時
電流大
電流小
0
負荷時
負荷時にパワーを入れる
為にはLCの共振に振動子
の共振を乗せることにより
図の様に特性反転が出来る
-90
LCマッチングによる特性反転回路
f 
L
C
1
2 LC
振動子の共振
周波数とLCの共振
周波数とがほぼ一致
するように定数
を選ぶ
“D級”増幅器の電流電圧波形
オシロスコープで増幅器の出力の電圧電流波形を観測すると
電圧波形
負荷時電流波形
無負荷時電流波形