ウィメンズ・ウエア・デイリー・ジャパン vol. 1815 昭和54年 4 月24日第三種郵便物認可 週 1 回月曜日発行 2014年 (平成26年)7月28日 (月曜日) 発行 WWD FOR JAPAN 27 “ささげ” って 「撮影」 「採寸」 「原 稿 」の 頭 文字なのね ECに欠かせない商品情報の制作をトータルサポート “ささげ”に特化したサービス提供で“売れる”サイトに “ささげ”という言葉を知っている人 業が倉庫に常駐するほどの商品バリエー ク回避になる」と述べる。 「とはいえ、コス PHOTO BY RYOICHI INOUE はどれくらいいるだろうか。 “ささげ”とは ションを持たない場合や、撮影や原稿の ト重視傾向は変わらない。だから、さら 「撮影」 「採寸」 「原稿」の頭文字を取った みの業務を委託したい場合は、自社スタ なる合理化やスピードアップが課題。だ もの。当たり前だが、ECサイトは商品情 ジオ (江東区木場)に商品を送ることで が、現時点で (我々よりも)単価が安く同 報がなければ始まらない。その商品情 対応できるようにしている。また、緊急 じクオリティを提供し続けるのは難しい 報の制作に特化したサービスを提供して 時や商品送付が困難な場合は、スタッフ はずだ」 。 いるのがささげ屋だ。同社はアパレル企 がアパレル企業へ出向き業務を行なう ささげ屋のクライアントの9割はアパ 業や物流会社、ECフルフィル提供会社と 出張サービスも行なっている。規模の大 レル企業だ。アパレルといえば、商材は 提携し、商品がある倉庫で “ささげ” を行 小に関わらず、クライアントにとって必要 季節もので繁忙期があれば閑散期もあ なっている。ECビジネスがどんどん拡 な業務だけを選んで発注できるというフ る。クライアントにはこだわりの強い個 大しているにもかかわらず、多くのアパレ レキシビリティもささげ屋の大きな魅力 性的な人も多い。だから 「我々の強みは ル企業や物流会社には “ささげ”機能が だ。子川CEOは 「ささげ 業務はよほど 人。繁忙期を無事に乗り越え顧客と誠 ないところが多い。その隙間に目を付け のボリュームにならない限り、アウトソー 実に向き合える人を育てている」と子川 子川智/ささげ屋・社長兼最高経営責任者 起業したのがささげ屋だ。 シングを活用した方が良い」という。 「閑 CEO。その観点から、同社は、プロジェ 同社の子川智・社長兼最高経営責任 繁の波に合わせてリソースを調整する困 クトごとにクライアントと意思疎通が取 者 (CEO)は大学在学中からフリーライ 難さはもちろん、多くのサイトの撮影を手 れる担当者を置いている。 「会社として ターとして活躍していた。 「フライデー」 掛けている我々だからこそわかるコツや 関係性を築ける人材を育て、それを広げ PROFILE:1973年、香川県生まれ。96年、専修大学経営学部 卒業。在学中からフリー記者の下、記事収集を行なう。99年、オ ンラインマガジン 「Web 現代」の専属記者になり、執筆及びウェ ブディレクションを行なう。2001年、フリーライターとして 「週 刊ダイヤモンド」 「GQ JAPAN」 「週刊プレイボーイ」などに寄稿。 06年から現職 や 「GQ ジャパン」 「週刊ダイヤモンド」な データも多い。アパレル企業のなかに ていきたい。顧客と同じ目線でECサイ ようなリクエストには、経験上わかってい ど、さまざまな媒体の取材及びライティ は、MD 担当者が “ささげ”業務を兼任し トを考えることが重要」と話す。 “人が強 る一定の回答を出しつつ、随時新たな提 ングを行なっていた。 「30歳を過ぎて、起 ているところもあるが、MD本来の業務 み”というだけあり、ささげ屋は、上司、同 案も行なう」 。同社は5月、 自社サイト上で 業関連の勉強会に頻繁に参加するよう は良い商品を多く売ること。 “ささげ”業 僚、 部下などあらゆる角度からスタッフを 「とる・くらべる (toru:kura) 」というフォ になり、起業意欲が高まっていた」と子 務は我々に任せ、自社リソースは有効に 評価する360度評価を導入している。も ト・シュミレーターをスタートさせた。アイ 川CEOは当時を振り返る。そして、EC 使ったほうがよい」と話す。 「結果的では ちろん、子川CEOも例外ではなく、時に テムごとに 「吊り」 「置き」 「マネキン」 「モデ に欠かせない “ささげ”にビジネスチャン あるが、我々は “ささげ”に特化している は社員から厳しい評価を受けることもあ ル」 「立体」 「ハンガー」を選ぶとそのイメー スがあると、2006年に会社を設立した。 からこそ、適正価格でサービスを提供で るという。 ジが 表 示される仕 組みになっており、 「“ささげ”に特化することで、アパレル 企業や物流会社など、いろいろな会社と きる」と続ける。 “エブリワン・ノウズ・ささげ屋”を目指して ブランド側が撮影のイメージを事前に チェックし、プランニングに活用すること ささげ屋の強みは人 現実的な効率化で安心感を提供 ささげ屋の一番の目的は “売れる”を ができる。これも8年間地道に “ささげ” 実現するサービスを提供することだ。子 業務を積み重ねてきた同社ならではの 子川CEOのいう適正価格はどのよう 川CEOは 「よそのマネをしても売れると サービスだ。また 「 “売れる”を実現する に設定されているのだろう。彼は 「労働 は限らない。そのブランドやサイトに合っ ために、今後はウェブサイトのトップペー 集約型の業務だから、人件費が単価に た見せ方をクライアントと一緒に追求し ジなどに使用するイメージ写真が撮影で ささげ屋は、複数のアパレル企業や物 反映される。単価を下げるため、安い労 たい。我々は今まで積み重ねてきた経 きる体制を構築中だ。近々、新たに都内 流会社などと提携し、首都圏5ヵ所の倉 力に頼ると作業ミスや確認のための時間 験からささげ特有のノウハウがある」と スタジオを開設する」と子川CEO。 「ささ 庫内にスタジオを設営。同社のチームを がかかり、クライアントにも迷惑をかけ 述べる。同社はアパレル企業と仕様を げ屋を皆に知ってもらいたい。必要に応 常駐させている。そうすることで、撮影 てしまう。そして結果的にはコストが高 決定する際、 要望を聞きつつ、 商材によっ じて、ささげ内製化のための業務フロー のための商品移動の時間とコストが省か くなる。単価は底を打った感があるが、 て撮影方法の提案も行なっている。 「ブ のコンサルティングも行なっている。そし れ、入庫からECサイト掲載までのリード 適正価格を保ちつつ業務を安定させら ランドによっては、他と違った商品撮影 て、お互いに学びながら一緒に “売れる” タイムを短縮できる。一方、アパレル企 れれば、実はサイトにとっても一番のリス をしたいというリクエストも多い。その ECサイトを作っていくのが理想だ」。 業務提携でき、双方にメリットがあると 思った」と子川CEO。 ささげ屋のフレキシブルな サービスで効率アップ 「B to B」も 「B to C」も一括カバーするから 「便利」 「早い」 「安い」 商品の入荷や出荷、商品及び品質管理が行なわ れる倉庫で “ささげ”を行なうことで、商品の入荷 から輸送まで1ヵ所で完結するため、商品移動の 時間とコストを省くことができる。発注量は少量 でも大量でも問題なし。また、撮影だけ、原稿だ けといった部分的な依頼も受けている。ささげ屋 のスタッフは同社独自のスタッフ育成を受けてお り経験豊富なため、モデル、トルソー、置き、吊りな ど、どんな撮影方法にも対応可能。 “ささげ”のプ ロがアパレル企業や提携している物流会社からの さまざまな要望に応え、スピード、クオリティ、コス 商品の入荷~ささげ~データUP ~輸送まで、 1ヵ所で完結するから無駄がない ささげ屋 #31CAFF C:60 M:0 Y:0 K:0 #B1DD36 C:40 M:0 Y:80 K:0 #000000 C:0 M:0 Y:0 K:100 パと三拍子揃ったサービスを提供している。 社名:ささげ屋/設立:2006年4月12日/本社所在地:東京都品川区東五反田1-21-9 ウィスタリア東五反田ビル3A /従業員数:55人/業務内容:EC サイトの商品データ作成・ページ制作・運用/ URL:http://sasageya.co.jp/ 問い合わせ先:ささげ屋 03 - 5422-7464/企画・制作:WWDジャパン
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