2014 SUPER GT Round1 『OKAYAMA GT300km Race』レースレポート 4月5日（土）公式予選『予選Q1で1分19秒台をマーク。決勝は8番グリッドからスタート』 ! SUPER GTの2014年シーズンが岡山県の岡山国際サーキットで開幕。初日の5日は公式予選が行われた。待ちに待ったシーズン開幕とあって、サーキットには早朝から多くのファンが来場。分厚い雲に覆われたが、夕方まで雨が降ることはなくセッションが進んだ。 ! ウイダーモデューロ童夢レーシングで2年目を迎える山本尚貴は、新たに加入したジャン-カール・ベルネとのコンビで参戦。さらに今シーズンは車両規定の変更に伴い、 G T 5 0 0 クラスに参戦する全メーカーがマシンを変更。ホンダが新開発した N S X CONCEPT-GTで2014シーズンに臨む。 ! 今年も2ラウンドのノックアウト方式で決勝グリッドが決められる公式予選。上位8台を絞り込むQ1を担当した山本は、いきなり1分20秒314と自身が午前の公式練習で記録したタイムを上回ると、その勢いで次のラップもアタックを継続。果敢に各コーナーを攻め、1分19秒968を記録。従来のコースレコードを約2.5秒も上回る速さだった。結局これがベストタイムとなり、トップとわずか0.106秒差の5位で見事Q2進出を果たし、チームの期待に応えた。 www.naoki-yamamoto.com ポールポジションを決めるQ2は新加入のベルネが担当。初めて挑むSUPER GT公式予選で悪戦苦闘しながらも必死にタイム更新を試み、1分21秒011で8番グリッドから決勝レースをスタートする。 ! シーズン前の合同テストではレクサス、日産陣営に先行されることが多かったが、チームの努力とホンダの諦めないマシン開発、そして予選・決勝でしっかりしっかりパフォーマンスを発揮できるタイヤを用意したミシュラン。そして山本の気迫れる走りが、予想を遥かに上回るパフォーマンスを発揮。結果的に両陣営のマシンを破ることはできなかったが、ホンダのエース格として存在感を発揮した予選だった。山本尚貴コメント「テストの時から比べるとクルマが格段に良くなっているのを感じることができました。ここまで寝ないで頑張ってくれたチームの皆と開発を続けてくれたホンダさんに感謝したいです。Q1は良いアタックができたんですが、トップとの差を見ると0.1秒しかないので、もう少し上手くできていればトップはとれたなと思うと少し悔しい部分があります。でも、このNSX CONCEPT-GTで1分19秒台まで出せるとは正直思っていなかったので、満足は出来る結果かなと思います。明日の決勝に向けてはロングランでも安定してパフォーマンスを発揮できるタイヤを選択しました。スタート直後の温まりもいいので、早い段階から順位を上げて、一つでも上のポジションでJK（ベルネ）にバトンを渡したいです。」 ! ! ! ! www.naoki-yamamoto.com 4月6日（日）決勝レース『突然雨が降り出すなど大波乱の開幕戦、最後まで堅実な走りを披露し、 5位入賞』 2014年のSUPER GT第1戦岡山の決勝日。荒天になるという天気予報とは裏腹に朝から太陽が顔を出す晴天に恵まれた岡山国際サーキットだったが、午前中のフリー走行前に霰（あられ）混じりの雨が急に降ってすぐ止むなど、はっきりしない天候。結局、青空が広がった中で決勝レースのスタートが切られた。 ! 山本尚貴が乗り込むウイダーモデューロNSX CONCEPT-GTは、8番グリッドからのスタート。冷えた状態だと効きが悪いカーボンブレーキを装着してのスタートだったが1 コーナーでは大きな混乱もなく通過。しかし、コース中盤のリボルバーコーナーで目の前を走る2台のマシンが接触。その背後にいた山本は間一髪のところで接触を避け、5位まで順位を上げてメインストレートまで帰ってくる。 ! 序盤からハイペースで逃げていくライバルに対し、山本も1分23秒台のペースを維持。途中からGT300クラスとの混走になる中、前のマシンを捉えることはできなかったが、後ろのマシンにも横に並ばせるを与えず、5位のポジションを守り続けた。 ! www.naoki-yamamoto.com その後すぐに4位にポジションを上げると、自らが担当するスティント終盤までペースを崩すことなく順位をキープ。実は3月中旬に同地で行われた合同テストで、決勝でのロングランを想定したタイヤテストを実施。昨年は周回を重ねていくと、ペースが落ちて苦しい戦いになることも多かったが、その対策として今回は各スティントの終盤まで安定したパフォーマンスを発揮できるよう、ミシュランと連携してタイヤ選びに取り組んできていたのだ。それが見事に的中し、最後まで力強い走りをみせ、39周を終えたところでピットイン。新パートナーのジャン-カール・ベルネにバトンを渡した。 ! 山本の頑張りもあり、さらに3位のマシンとの距離が近くなった状態でステアリングを託されたベルネだが、後方から追い上げてきた1台にパスされ5位に順位を落としてしまう。SUPER GT初参戦ということもありGT300との混走など慣れない部分も少なくなかったが、周回を重ねるごとに安定した走りを披露。終盤には1分24秒台のペースで走行。最後まで大きなミスもなく順位をキープし、5位でチェッカーを受けた。予選同様、結果的にはレクサス・日産両陣営の先行を許してしまったが、ホンダ勢の中では堂々の最上位。また山本、ベルネともにトップに匹敵するようなペースで走行するシーンも見られ、存在感を十分に発揮。目標としていた優勝や表彰台といった結果は得られなかったが、今後に大きくつながるレースを披露してくれた。山本尚貴コメント「スタート直後は混乱もありましたが、上手く切り抜けてポジションを3つ上げて帰ってくることができました。その後はペース的には悪くなかったので順位を落とす心配はなかったですが、突然の雨の時は、さすがにピットインしようと思いました。でも、冷静になって様子をみようと1周ステイアウト（コース上に留まって周回を続けること）した結果、すぐに止んでくれてよかったです。今回は新しいマシンでの初レースということでエンジンの温度管理やタイヤマネジメントなど、様子をみながら走らなければいけなかったですが、その中で自分が“これだ”と思う走りをみつけて、しっかりJKにバトンを渡すことができたのはよかったなと思います。後半のJKも彼なりに色々学んで上手くレースを進めてくれて5位入賞で終えることができました。僕たちは優勝を目指しているので、決して望んでいる結果ではないですが、チームが今持っている力は全部出すことができたと思います。次の富士でも、僕たちがやれることは全てやって、一つでも上のポジションを目指してベストを尽くします。次回も応援よろしくお願いします。」 www.naoki-yamamoto.com