兵庫教育大学附属小学校の外国語活動実践事例 平成23年度より、小学校にも外国語活動が導入され、全国の小学校で「英語」の授業が実施 されるようになりました。学習指導要領の目標には、「外国語の音声や基本的な表現に慣れ 親しませながら、コミュニケーション能力の素地を養う。」ことがうたわれています。 GlobalvoiceCall (以下、GVC) を主に次の3点で活用しています。 (1) 個々の児童の英語発音を「診断するツール」として (2) 装備されているTTSを用いての「教材作成ツール」として (3) 児童全体の英語音声の特徴を把握する「データ処理ツール」として 兵庫教育大学附属小学校 真崎 克彦 副校長 (1)「診断するツール」 GVCは、児童の音声をwavファイルで自動保存し、エクセル等で計算できるように設計されています。単語だけでなく、センテン ス単位でも、イントネーションやアクセントをグラフで視覚的にも判断できます。これらの機能を使うと、授業時間以外、例えば、 放課後等、時間に余裕のある時に音声に関する評価をすることが可能です。児童の下校後に、効率よく評価できるので、たくさ んの教科を教え、行事や会議で忙しい小学校現場にはとても便利です。 (2)「教材作成ツール」 モデル音声として、内蔵の男声/女声(Text-to-Speech)や、これ以外にも、ALT (Assistant Language Teacher) の音声を利 用することもできるので機能的です。授業では、Kate(GVC内の女声)とALTの声で対話モードにて、そのダイアローグを構成し た教材を使用しました。また、ALTが常時勤務していない学校でも、GVCのモデル音声を使うことで、ダイアローグ教材の作成 することが可能です。 (3)「データ処理ツール」 GVCに内蔵するモデル音声と児童の音声を比較判定するのが基本的な使い方です。これ以外にALT等の録音した任意の音 声をモデルとして利用し、児童の声とを比較判定することもできます。 GVCでは、ユーザーIDを設定、登録することで、複数児 童のデータ処理ができるので、単元指導後には、児童全体としての音声の特徴や、指導後の音声の変化について統計的に処 理をすることもできます。 GVCの実践でわかったこと GVCを活用することによって、児童の苦手な発音が明らかになってきました。 一例をあげると、’circle’の、/ɚ:r/は、児童にとっても非常に難しい発音であるということがわかりました。さらに、児童の音声を 細かく調べていくと、発音時に日本語の母音を代用し、「アー」 と発音したり、「エー」、「ウー」と発音したりしたために、良い評価 点が出ないようであるということがわかりました。 その他、指導前と指導後の音声データをGVCで比較することで、チャンツ導入による、英語音声のリズム獲得への効果につ いての検証を行っています。今後は、これらの結果をもとに、児童が興味を持ちながら学習できる「小学生用音声教材」を開発 していきたいと考えています。 http://www.hyogo-u.ac.jp/element/ 製品に関するお問合せ 〒164-8545東京都中野区中野4-10-2 中野セントラルパークサウス6F HOYAサービス株式会社 音声ソリューション事業部 Tel. 03-5913-2312 E-mail: [email protected] 製品HPはこちら http://voicetext.jp/gv/ リスニングと発音練習の両面で活躍するソフト 関西国際大学 教育学部英語教育学科 有本 純 教授 GlobalvoiceCALL(以下、「Globalvoice」という)を様々な観点から試してみましたが、どのよう な語でも文でも、男声・女声で再生でき、しかもその聞こえ方は、従来のいかにも合成音という ものとは比較にならない程、自然な肉声に聞こえます。 授業での活用法としては、テキスト・ファイルがあれば、それがリスニングのオリジナル・コンテ ンツとして作成できること、また発音が難しい語を取り出して聞かせることもでき、イントネーショ ンの変化を画像として学習者に見せることにより、ピッチの上昇・下降が理解し易くなります。特 に、聴き取りで日本人学生が難しいと感じる、いわゆる弱形の聴き取りにも対応しています。こ れは、ネイティブ・スピーカーの録音では何度も取り直しをした経験があり、リスニング教材とし て理想的な読みをしてもらうのに苦労をしました。しかし、このGlobalvoiceを使えば、そのような 苦労や心配も不要です。 次に、学生が自分の発音についてその場で評価を知ることができるので、何をどう矯正すればよいのかが分かり、正面、側 面の2種類の画像を見ながらリアルタイムでの発音学習が可能になります。いくらCALL教室を使用していても、教員はすべて の学生の発音をチェックすることは物理的に難しいのですが、このGlobalvoiceを使用すれば、教員はモニターしながら必要に 応じてアドバイスをする役割だけになり、多人数クラスであっても、発音指導のサポート役を十分にしてくれます。 また、発音指導では、これまで教員の耳に頼っていた判定を、このGlobalvoiceが代わって 判定してくれますので、何度も聞き直して評価する必要がありません。最終評価を教員が 行っても構いませんが、かなりの省力化につながるでしょう。今後は、「英語発音クリニック」 の授業での導入を検討したいと考えています。 http://www.kuins.ac.jp/ 「発音矯正・評価・動機づけ」 3拍子そろったすぐれもの 長年音読指導の研究・実践に取り組み、いくつかのソフトウエアに出会いましたが、 GlobalvoiceCALLほど素晴らしいソフトに出会うのは初めてです。 音読指導関連のソフトには、 発音の矯正をしてくれる教育ソフトと、発音の評価をしてくれる診断ソフトがありますが、 GlobalvoiceCALLは1つでその両方の側面を持っています。音読では文単位で発音の流暢さを 重視しますが、GlobalvoiceCALLは、文単位の診断と矯正をしてくれます。また、対話モードが あり、コミュニケーションを前提としたインタラクティブな環境をつくる工夫もされています。さらに 重要なのは、文単位でおろそかになりがちな音素の診断と矯正をしてくれることです。単語に含 まれる音素1つ1つに得点を付けてくれますし、ストレス・アクセントは、曲線を使ったビジュアル 西武文理大学 な表示もしてくれます。画面さえ見ていれば、自分の音声がモデル音声とどのように違うのかが サービス経営学部 ひと目で確認できるすぐれものです。 鈴木 政浩 先生 生徒/学生は、こうした評価には非常に関心を示すものです。 隣のブースに座っている 友だちのスコアを横目で見ながら、 「よし、もっと高得点を出すぞ」と、やる気で競い合い練習に取り組むこと請け合いです。 CALL教室での活動では、どうしても個別の取組がメインになりがちですが、あえてブースの壁を越えて、発音の流暢さ・正確さ でやる気を高める工夫をしてもよいでしょう。そういう意味で、GlobalvoiceCALLは、学習の動機づけまでやってのけるソフトウ エアであると言うことができます。 言いかえると、GlobalvoiceCALLは、「発音矯正・評価・動機づけ」の3拍子そろったソフトウエアであると言うことができる でしょう。教師が苦労してきた音読指導の肩代わりをそっくりしてくれるという点で、是非導入を検討してみてはいかがでしょうか。 鈴木政浩先生 西武文理大学 http://msuzuki.sakura.ne.jp/index.html http://www.bunri-c.ac.jp/univ/ 無償評価版のご案内<教育関係者限定> 先生方の研究を支援いたします! GlobalvoiceCALLのよさを先生方に体験して もらいたい・・・ ささやかですが、評価版をお試しいただく チャンスをもうけました。 GlobalvoiceCALLを利用して、学術研究をされて みたい先生方がいらっしゃいましたら、お気軽に 弊社担当宛にご相談下さい。 製品に関するお問合せ 〒164-8545 東京都中野区中野4-10-2 中野セントラルパークサウス6F HOYAサービス株式会社 音声ソリューション事業部 Tel. 03-5913-2312 E-mail: [email protected] 製品HPはこちら http://voicetext.jp/gv/ 言語教育センターの新設3教室にGlobalvoiceCALLを導入し ました。 西南学院大学 言語教育センター 板崎 由恵さん 北城戸 祐樹さん 三宅 敦子 先生 ぺニントン 和雅子 先生 冬野 美晴 先生 川瀬 義清 先生 (写真左より) 西南学院大学では、2012年4月より、新棟に生まれ変わった言語教育セン ターにて、CALL教室3教室にGlobalvoiceCALLを導入しました。 GlobalvoiceCALLは、自由なテキスト(単語、文章)を登録し、これを練習で きるため,今後幅広い活用が見込まれます。 特に、英語のプレゼンテーションの練習には、うってつけでしょう。CD等の 音声教材を準備できないオリジナルなテキストを入力するだけで発音練習が できるというニーズにマッチしています。 また、学生の自習用端末としても、GlobalvoiceCALLは、発音練習ソフト ウェアとしての活躍することを期待しています。 西南学院大学 http://www.seinan-gu.ac.jp/ 初めて入力した文が音声で流れると、学生達から「すごい!」という声がでました。 流通科学大学 商学部 山本 勝巳 准教授 流通科学大学では2011年度からMoodleを利用したブレンド型授業を取り入れた新カリキュラムをスタートさせました。その教 材作成でGlobalvoiceEnglishを利用してその有用性は理解していたので,TTS合成エンジンを共用する発音評価ソフトには当 初から興味津々でした。 2011年5月のGlobalvoiceCALL(GVC)製品評価版の完成にあわせて,GVCをCALL教室での講義で利用しています。主な 使い方は,教科書でその週に扱った部分から学生が読みにくそうな一部分を抜き出して練習させるという用途です。学生には, モデル音声を聴いてから,なるべくその真似をして読むように指示しています。 ここでは,発音練習のモデルとして新規の英 文をその場で提供できることが本当に役立っています。 練習する英文を初めて学生に入力させた時には,ボタンを押したら すぐにヘッドセットから入力した文が音声として流れてくることに「すごい!」という声が聞かれました。モデル音声との一致度が 評価の基本になるので,男子学生は男性モデル,女子学生は女性モデルを選択するようにしています。速さ調節もできるので, 練習しやすいようです。 その他のGVCのメリットは,単語と文という二つのレベルで発音練習ができること,判定は自動評価で即座に表示されること, 分節音だけでなくアクセントやイントネーション,リズムといったプロソディについても練習結果が視覚化できること,学習者の目 標レベルが初級・中級・上級と選べること,だと思います。単語レベルでの読みに苦労する学生もいますし,一つ一つの単語の 発音は大丈夫だけれど文として読むのは苦手,という学生もいます。その間を行き来しながら発音練習できるのは助かります。 また,評価に時間がかかって練習時間が減ってしまっては本末転倒ですが,本学のCALL環境(特筆するほど先端スペックで はありません)でも瞬時に判定されるので,練習時間の足をひっぱることはありません。発音練習そのものはポイントを押さえて 繰り返すことが重要だと思いますが,GVCでは単語・アクセント・イントネーション・リズムといった異なるポイントからの評価が 「見える化」されるため,練習にも熱が入るようです。授業内では「初級者」レベルで練習するよう指示していますが,いずれ講 義外で高い目標を持った学生が利用する際には上のレベルで練習させることが可能だと思います。その場合には,もともと用 意されている単語・文レベルでの練習素材だけでも十分な量だと思います。 GVCを使って学生の練習成果の蓄積ができることも魅力です。録音は自動で行われますし,その評価結果が保存されます ので,講義時間内での学生の向上度合いだけでなく,今後は学期を通しての進歩も確認できると期待しています。 流通科学大学英語教室 http://english4umds.mediahof.org/ 流通科学大学 http://www.umds.ac.jp/ 発音練習には目標とすべきモデルの発音が必要です。 2012年4月より、立命館大学ではGlobalvoiceCALL(以下、「GVC」という)を経済学部で利用する 全CALL教室に導入しました。 導入の初年度にあたり、まずは経済学部1年生全員(全20クラス以上)の共通科目として、前期 は発音の基礎を習得すべくCALL教室を利用して指導しています。 今の学習指導要領で勉強してきた学生は発音記号を習っていません。このため辞書で単語を調 べても、その発音を再現することができないことが少なくありません。一方で、コミュニケーションの 立命館大学 経済学部 手段としての英語の発音の重要性を感じている学生は多くいます。 野澤 健 教授 講義では、対立を起こす音素のペアを1回あたり2~3種類のレッスンをします。最初に教員が SPEAKING WELL(Benjamin Willey著)を用いて英語の母音、子音の説明をします。その後、GVC用にシラバスにそって事前に 準備したコンテンツ(単語リスト)をGVCのモニターに表示させて、学生は個々に発音練習をはじめます。 学生はGVCの発音結果が、「GOOD」や「EXCELLENT」のような良い評価だと単純に喜びますし、悪い評価のときは、次は良 い評価を得ようと繰り返し発音練習をします。 1回90分の講義で、60分程度をGVCの発音練習に充てています。普通の学生は、おおよそ100回以上、熱心な学生は 200回程度の単語の発音練習をします。講義のはじめと終わりの状態で、どのように成果が出たかを確認するために、各学生 の「本日の結果」リストを、データ印刷し提出させています。 CALL教室では、一人あたり1台のPCで、GVCを活用できることで、学生は自分のペースで苦手な音の発音練習ができます。 成人の学習者は、ともすると大きな声をだして発音することをためらう傾向にありますので、意識してGVCに向かってしゃべる( 練習する)ことにGVCを活用させることの意義があると考えています。しかし、週1回の授業でできることは限界があります。授 業外での発音練習をいかに定着させるかが今後の課題といえます。 また、GVCを導入して感じられる点は、次の通りです。 1.学生は、自らの発音と目標の発音とがどの程度離れているか、発音をよくするために克服すべき問題を確認できる。 2.シラバスにあわせて、自由にコンテンツ(単語/文章)を登録できる。特に、コンテンツの表示順序は、登録順であるためで あるため、順序の入れ替えが簡単である。 3.GVCの活用により、共通科目として、全クラスの学生の共通基準が持てる一つのツールとなりえる。 4.学生のGVCの練習回数を見ることで、「熱心さ」という成果を視覚的にみられる。 5.CALL教室で、一人1台のGVCを活用できるので、学生は周囲に気兼ねなく練習できる。また、ぼそぼそとしか話さない学生 でも必然的にGVCに明瞭に話しかけることになるので、話す(発音練習する)きっかけづくりになる。 あわせて、経済学部では、全学生の個人用パソコンにもGVCソフトウェアをダウンロードできる環境を提供しています。この環 境を最大限いかすことで、熱心な学生は自宅学習でも発音練習ができ、いっそうの発音のレベルアップがはかれていくものと 期待しています。 http://www.ritsumei.jp/index_j.html
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