ゴールデンウィーク課題 化学(化学基礎)その2解答解説cgw-2a

SIEG 化学G.W.課題その2(5月1週目まで) 1 s 
解説
s 
解説 高分子化合物の重合
付加重合
>
Cl - がイオン結合してできている。
 は共有結合の結晶である。
 正しい。ダイヤモンドは,炭素原子の 4 個の価電
 は金属元素と非金属元素の化合物で,イオン結晶である。
子が次々に他の炭素原子と共有結合しており,正四
よって,イオン結晶であるものは,。
面体の構造がくり返された立体構造をもつ。
b  ともに金属の結晶である。
縮合重合
 ともに分子結晶である。
重合とは,1 種類または数種類の単量体 (分子量の比較的小さな分子) が,次々と共有結
 ともに共有結合の結晶である。
合でつながって重合体 (分子量の大きな分子) となる反応である。重合には付加重合と縮
 NaCl はイオン結晶,Al は金属の結晶である。
合重合がある。
付加重合とは,単量体が二重結合をもち,この二重結合の 1 本が開いて別の分子と共有
 誤り。『金属ナトリウムでは,ナトリウム原子の価電子は,金属全体を自由に動
 ともにイオン結晶である。
結合をつくりながら次々とつながる反応である。
くことができない。』
よって,分子結晶であるものの組合せは,。
縮合重合とは,分子間で水のような簡単な分子が取れて,残った部分が共有結合をつく
ナトリウムは金属であるので,金属結合をしている。金属原子の電子殻は重なりあっ
c , はイオン結晶をつくる。また,, は分子結晶をつくる。 は,ダイ
りながら次々とつながる反応である。
ており,価電子はその電子殻を伝わって自由に動くことができる。
ヤモンドの CC 結合を SiOSi 結合で置き換えた構造の共有結合の結晶をつくる。
 エチレンの付加重合によってつくられる。
 正しい。ポリエチレンは,エチレン C 2H 4 分子が付加重合してできた高分子化合物
 塩化ビニルの付加重合によってつくられる。
である。
 プロピレンの付加重合によってつくられる。
よって,誤りを含むものは,。
 スチレンの付加重合によってつくられる。
 エチレングリコールとテレフタル酸の縮合重合によってつくられる。
よって,縮合重合によってつくられるものは,。
2 s 
解説
s 
解説  正しい。
 正しい。ステンレス鋼は,主成分である鉄にクロムやニッケルなどを加えた合金
解説
4 s 
s a  b  c 
解説 a  亜鉛は,多数の Zn 原子が規則正しく配列し,金属結合で結ばれた金属の
解説
s 
結晶である。
解説  誤り。『共有結合の結晶は,原子間で電子対を共有するため,電気伝導性を
 塩化水素 HCl は,H 原子と Cl 原子が互いに価電子を 1 個ずつ出しあって共有結
示すものはない。』
合した分子からなる物質である。
共有結合の結晶は,非金属元素の原子が多数,次々に共有結合した構造の結晶であ
 塩化ナトリウム NaCl は,Na + と Cl - からなるイオン結晶である。
る。共有結合の結晶は,基本的に電気伝導性を示さないが,例外として黒鉛は電気伝
 炭酸水素ナトリウム NaHCO 3 は,Na + と HCO 3 - からなるイオン結晶である。
導性を示す。
 アルミニウムは,多数の Al 原子が規則正しく配列し,金属結合で結ばれた金属
黒鉛は,炭素原子の 4 個の価電子のうち,3 個が他の炭素原子と共有結合して,網
で,さびにくいので,台所用品や工具,鉄道車両などに使われる。
目状の平面構造をつくり,この平面構造が何層にも重なりあって結晶をつくってい
 誤り。『銀は電気をよく導くため,電線に使われる。』
る。炭素原子の残りの 1 個ずつの価電子は,平面構造の中を自由に動くことができる
一般的な電線の材料には,銅が使われる。なお,電気伝導性が最も大きい金属は銀で
ので,黒鉛には電気伝導性がある。
ある。しかし,銀は高価なので,他の金属のうち比較的電気伝導性のよい銅が,電線
 正しい。イオン結合でできている炭酸カルシウム CaCO 3 や硫酸バリウム BaSO 4 は
に使われている。
 正しい。黄銅 (しんちゅう) は,銅と亜鉛の合金で,美しく加工がしやすいので,
硬貨や楽器などに使われる。
 正しい。ジュラルミンは,主成分であるアルミニウムに,銅やマグネシウムやマ
ンガンを加えた合金で,軽くて強いので,航空機の機体などに使われる。
よって,誤りを含むものは,。
3 s 
解説
水に溶けにくい。
 正しい。金属は自由電子をもつので,熱や電気の良導体であり,細くのばせる性
質 (延性) や薄く広げられる性質 (展性) がある。
 正しい。分子結晶は,分子どうしが弱い分子間力で結合しているため,結晶はや
わらかく,融点 ! 沸点が低い。特に,無極性分子である二酸化炭素,ヨウ素などは,
昇華しやすい。
 正しい。水分子 H 2O のもつ非共有電子対が水素イオン H + と配位結合して,オキ
ソニウムイオン H 3O + を形成する。オキソニウムイオンに含まれる 3 本の OH 結合
s 
は,まったく同じ性質をもっており,そのうちのどの結合が配位結合によってできた
解説  正しい。酢酸 CH 3COOH を構成するすべての原子は,共有結合で結合してい
ものかは,区別することができない。
る。
よって,誤りを含むものは,。
 正しい。塩化ナトリウム NaCl の結晶は,ナトリウムイオン Na + と塩化物イオン
よって,共有結合の結晶をつくるものは,。
6 s a  b  c 
5 s a  b  c 
解説
s a  b  c 
解説 a ,,, は非金属元素どうしの化合物で,,, は分子結晶,
-1-
の結晶である。
よって,分子からなる物質は,。
b 分子からなる物質は,分子を構成する原子の種類とその数を書いた分子式で表され
る。それ以外の,イオンからなる物質や原子からなる物質 (金属や共有結合の結晶)
は,物質を構成する原子の数を最も簡単な整数比で表した組成式で表される。
 のアンモニア NH 3 は分子からなる物質のため,分子式で表される。,,
 はイオン結晶, は共有結合の結晶, は金属の結晶なので,いずれも組成式
で表される。
よって,分子式で表すのが適当なものは,。
c 沸点とは,液体が沸騰する温度である。常温で固体または液体の物質は,沸点が常
温以上である。一方,常温で気体の物質は,沸点が常温以下となる。つまり,常温で
固体や液体の物質より,気体の物質のほうが沸点は低い。それぞれの物質の大気圧に
おける常温での状態は,次の通りである。
 リチウム (固体)  水銀 (液体)  塩化ナトリウム (固体)
 メタン (気体)  エタノール (液体)  鉄 (固体)
8 s 
1500
気
体
=
解説
よって,化合物 A は N 原子と O 原子の物質量の比で 1:1,そして,
s 
1000
解説  正しい。原子量は,同位体の相対質量と存在比から求められる,その元素を
液
体
構成する原子の平均の相対質量である。同位体が存在しない元素では,原子量はそ
500
常温
0
-500
の原子の相対質量と一致する。
物質量の比 = 原子数の比 であるから,A の分子中には N 原子と O 原子が 1:1 の
原子数の比で含まれていることがわかる。
イ 正しい。グラフより,例えば窒素 7 g と化合する酸素の質量は,化合物 A では
8 g,化合物 B では 16 g で,その比は 8 g:16 g=1:2 である。
 誤り。『炭素の原子量を 12 と定義し,他の原子の相対質量を求める。』
固
体
Li
20
12 と定義されているのは,質量数 12 の炭素原子 12 C 1 個の質量である。炭素の原子
Hg
NaCl
量は 12 C と 13 C の相対質量と存在比から求められ,およそ 12.01 である。
CH 4
Fe
エタノール
15
窒
素
の 10
質
量 7
(g) 5
 正しい。原子量は,各同位体の 「相対質量%存在比」 の総和 である。
したがって,ホウ素の原子量は,
よって,選択肢のうち沸点が最も低い物質は,常温で気体であるメタン 
補足 分子間にはたらく分子間力は,他の化学結合 (共有結合,金属結合,イオン結
10 % 合) に比べてはるかに弱い。そのため,分子からなる物質の融点 ! 沸点は,他の物
10
Bの
相対質量
質の融点 ! 沸点に比べて低い。また,分子からなる物質のうち,極性分子は,極性
があるために分子間に若干の静電気力がはたらく。そのため,極性分子は無極性分
子より沸点が高くなる。
20
80
+ 11 % = 10.8
100
100
10
Bの
存在比
11
Bの
相対質量
なる物質は  のメタンと  のエタノールである。さらに,メタンは無極性分子
であり,エタノールは極性分子であるので,最も沸点の低い物質はメタンとなる。
7 s 
0
0
5
15 16 20
8 10
酸素の質量 (g)
よって,下線部に誤りを含むものは,。
よって,正誤の組合せとして正しいものは,。
解説
補足 化合物 A の窒素と酸素の質量の比は常に 7:8,化合物 B の窒素と酸素の質量
s 
解説 M の原子量を x とすると,Br の原子量は 80 であるから,MBr 3 の式量 X は次の
式で表される。
解説
化合物 A
化合物 B
11
Bの
存在比
9 s 
選択肢のうち,,, は金属, はイオンからなる物質であり,分子から
7g
8g
:
=0.5 mol:0.5 mol=1:1
14 g/mol 16 g/mol
s 
よって,M の原子量 x を X を用いて表すと,x = X -80 % 3 となるので,
解説  正しい。イオン結合の結晶は,粒子間にはたらくイオン結合が強いため,一
M 2O 3 の式量は,
般に融点が高く,硬い。
x % 2+16 % 3= 0 X -80 % 3 1 % 2+16 % 3
 正しい。金属結合の結晶は,自由電子が結晶全体を移動できるので,たたかれて
=2X - 432 
M 2O 3
結合は切れ
ない
このように,二つの元素からなる化合物が 2 種類以上あるとき,一方の元素の一定
M
Br
x
80
M
M
x
x
?
O
る。これを倍数比例の法則という。
11 s 
解説
X
がずれても
する酸素の質量を A と B で比較すると,8 g:16 g=1:2 と簡単な整数比になる。
量と化合している他方の元素の質量は,これらの化合物の間では簡単な整数比にな
原子核の位置が多少ずれても結合が切れない。そのため,展性や延性がある。
原子の位置
素の質量の比は常に一定である。これを定比例の法則という。
窒素と酸素を成分元素とする化合物が A と B の 2 種類あって,窒素 7 g と化合
x +80 % 3= X
MBr 3
の比は常に 7:16 で,それぞれ一定である。このように,同じ化合物では,成分元
Br
Br
80
80
O
s 
解説
氷の体積
O
%密度
氷の質量
&モル質量
%アボガドロ定数
3
16
16
16
水分子の数
3
密度が 0.91 g/cm であるから,体積 1.0 cm の氷の質量は,
0.91 g/cm 3 % 1.0 cm 3 =0.91 g
水のモル質量が 18 g/mol であるから,氷 0.91 g 中の水分子の数は,
10 s 
 誤り。『ケイ素の単体は金属結合の結晶であり,半導体の材料として用いられ
解説
0.91 g
% 6.0 % 10 23 /mol73.0 % 10 22 0 個 1 
18 g/mol
る。』
s 
ケイ素は,多数のケイ素原子が次々に共有結合した構造をもつ共有結合の結晶であ
解説 ア 誤り。『A の分子中には,窒素原子と酸素原子が 1:2 の原子数の比で含まれ
る。
ている。』
 正しい。銅は金属元素であり,金属結合しているので自由電子をもっている。自
グラフより,化合物 A では,窒素 7 g に対して酸素は 8 g の割合で含まれてい
由電子が移動することで,電気や熱をよく伝えることができる。
る。そして,窒素 N 原子と酸素 O 原子のモル質量はそれぞれ 14 g/mol,16 g/mol
 正しい。ドライアイスは二酸化炭素の結晶で,分子からなる物質であり,分子間
である。
力によって集合している。二酸化炭素の分子間力は弱く,昇華しやすい。
物質量 2 mol 3 =
よって,誤りを含むものは,。
水の物質量
アボガドロ定数
12 s 
解説
s 
物質の質量 2 g 3
より,化合物 A に含まれる N 原子と O 原子の物
モル質量 2 g/mol 3
解説 一つの炭素原子が 13 C である確率は
確率は
質量の比は,
0 N 原子の物質量 1:0 O 原子の物質量 1
-2-
1
なので,二つの炭素原子とも 13 C である
100
積は 22.4 L。
1
1
1
=
%
100
100
10000
よって,6.0 % 10 23 (個) %
20 % x + 40 % 0 1 - x 1 = 30.0 x =0.50
 標準状態で 20 L の He である。
1
=6.0 % 10 19 (個) 
10000
Ne の
分子量
 88 g の CO 2 (分子量 44) の物質量は 2.0 mol であるから,その標準状態の体積は,
22.4 L/mol % 2.0 mol=44.8 L
位体という。自然界に 13 C は 1.0 % 含まれているので,炭素原子 100 個につき,13 C
 28 g の N 2 (分子量 28) の物質量は 1.0 mol であるから,その標準状態の体積は
が 1 個含まれることになる。エチレン分子 C 2H 4 の二つの炭素原子の組合せを考えれ
22.4 L。よって,標準状態で 5.6 L の O 2 との混合気体の体積は,
ばよい。
22.4 L+5.6 L =28.0 L
100 個
………
炭素原子
混合前
混合後
Ar
Ne
x
40
1- x
混合気体
1
30.0
よって,標準状態における体積が最も大きいものは,。
t 標準状態であるから,気体の体積比は物質量の比となる。よって物質量の最も
………
100 個
炭素原子
20
22.4 L/mol % 2.5 mol=56.0 L
. とな
るのは 1 通
りしかない
二つ目の
Ar の
存在比
x:0 1 - x 1 =0.50:0.50=1:1 
 2.5 mol の CH 4 の標準状態の体積は,
一つ目の
Ar の
分子量
よって,Ne と Ar の存在比は,
t 同一元素の原子で,12 C と 13 C のように質量数が異なる原子どうしを,互いに同
:12 C
:13 C
Ne の
存在比
解説
 2.0 g の H 2 … 1.0 mol
s 
 標準状態で 20 L の He …
一つ目の炭素原子 1 個に着目すると,二つ目の炭素原子の選び方は 100 通りあり,二つ
の炭素原子の選び方は,100 % 100=10000 通りとなる。二つの炭素原子の組合せは
12 C12 C,12 C13 C,13 C12 C,13 C13 C の四つで,それぞれ何通りあるかを考えると,
12 C12 C:99 % 99=9801 通り
16 s 
大きいものを選べばよい。
 88 g の CO 2 …
 28 g の N2 は
20
mol 0 <1 1
22.4
解説 硫酸の質量パーセント濃度は,
質量パーセント濃度 "%# =
88 g
=2.0 mol
44 g/mol
28 g
5.6 L
=1.0 mol ,5.6 L の O 2 は
=0.25 mol
28 g/mol
22.4 L/mol
溶質 (硫酸) の質量 2 g 3
% 100
溶液の質量 2 g 3
で表される。
2.0 mol/L の硫酸 1 L 中には,2.0 mol の硫酸 H 2SO 4 (分子量 98 g/mol) が含まれて
総物質量は 1.0+0.25=1.25 0 mol 1
いる。また,1 L=1000 cm 3 であるから,2.0 mol/L の硫酸 1 L について溶質の質量と
 2.5 mol の CH 4
溶液の質量を考えると,
13 C12 C:1 % 99=99 通り
13 C13 C:1 % 1=1 通り
よって,物質量が最も大きいものは,。
12 C13 C:99 % 1=99 通り
溶質 (硫酸) の質量は,2.0 mol % 98 g/mol=196 g
溶液の質量は,1.1 g/cm 3 % 1000 cm 3 =1100 g
二つの炭素原子とも 13 C であるものは,10000 通りのうち 1 通りである。したがって, 15 s 問 1  問 2 
6.0 % 10
23
硫酸の密度
解説
1.0 mol=6.0 % 10 23 個 のエチレンでは,
よって,硫酸の質量パーセント濃度は,
s 問 1  問 2 
1
( 個) %
=6.0 % 10 19 (個) 
10000
解説 問 1 混合気体の平均の分子量は,(成分気体の分子量%成分気体の存在比) の和
13 s 
196 g
% 100718 (%) 
1100 g
17 s 
で求められるので,
解説
解説
s 
2.0 % 解説 ドライアイスの体積が 1.0 cm 3 の場合を考える。
H2 の
分子量
体積
(固体)
%密度
質量
&モル質量
物質量
%モル体積
75
25
+ 28 % = 8.5 
100
100
H2 の
存在比
N2 の
分子量
解説 グリセリン C 3H 8O 3 (分子量 92) 9.2 g の物質量は,
体積
(気体)
混合前
混合後
N2
イアイスは CO 2 (分子量 44) の固体なので,その物質量は,
体積 2 cm 33 =
28
H2
混合気体
2
75 %
8.5
100 %
25 %
22.4 L/mol % 0.0363 mol=0.813 … L7810 cm
モル体積
1 L =1000 cm
3
3
よって,1.0 cm のドライアイスが約 810 cm 3 の二酸化炭素に変わるので,最も適当な
数値は,。
14 s 
解説
0
質量 2 g 3
より,その体積は,
密度 2 g/cm 33
9.2 + 100 1 g
=109.2 cm 3 =0.1092 L
1.0 g/cm 3
よって,グリセリンのモル濃度は,
このドライアイスが気体になったとき,標準状態の気体の体積は,
3
9.2 g
=0.10 mol
92 g/mol
グリセリンの水溶液の質量は 0 9.2 +100 1 g で,密度が 1.0 g/cm 3 であるから,
密度が 1.6 g/cm 3 であるので,ドライアイス 1.0 cm 3 の質量は 1.6 g である。ドラ
1.6 g
=0.0363 … mol70.0363 mol
44 g/mol
s 
N2 の
存在比
問 2 この混合気体のモル質量は,
モル濃度 2 mol/L 3 =
1.34 g/L % 22.4 L/mol730.0 g/mol
密度
モル体積
溶質の物質量 2 mol 3
0.10 mol
=
70.92 mol/L 
溶液の体積 2 L 3
0.1092 L
18 s 
解説
したがって,この混合気体の平均の分子量は 30.0 である。ネオンの存在比を x とす
ると,アルゴンの存在比は 1- x となる。また,希ガスは単原子分子 (1 個の原子のま
まで分子のようにふるまう) なので,分子量 = 原子量である。
s 
解説  H 2 (分子量 2.0) の 2.0 g の物質量は 1.0 mol であるから,その標準状態の体
-3-
s 
解説
水和物
の質量
化合物
%の組成
無水物
の質量
&モル質量
物質量
&体積
モル濃度
硫酸銅 (Ⅱ) 五水和物 CuSO 4 ・ 5H 2O の式量が 250,硫酸銅 (Ⅱ) CuSO 4 の式量が 160 なの
50 ℃
50 ℃
20 ℃
溶質
で,CuSO 4 ・ 5H 2O 50 g 中の CuSO 4 の質量は,
50 g %
160
=32 g
250
100 g とる
冷却する
溶媒
析出する
8
32 g
=0.20 mol
160 g/mol
水和物を水に溶解させたとき,水和水は溶媒の水と区別できなくなるので,溶質とし
溶質
て扱うのは無水物 0 CuSO 41 の部分である。500 mL=0.500 L なので,モル濃度は,
40 g
0 KCl 1
0.20 mol
=0.40 mol/L 
0.500 L
溶媒
100 g
0水1
t CuSO 4 ・ 5H 2O (式量 250) 50 g の物質量は,
溶液
50 g
=0.20 mol
250 g/mol
100
倍
140
最大の
溶液
9
40 g %
100 g %
140 g
100
200
=
g
140
7
200
g - 析出量
7
100
500
g
=
140
7
500
g
7
100 g
析出量
よって,モル濃度は,
0.20 mol
=0.40 mol/L 
0.500 L
42.9 g
42.9 g %
溶解量
溶液は 500 mL=0.500 L 中に溶質 CuSO 4 を 0.20 mol 含む。
100 g - 析出量
0g
100
214.5
g
=
140
7
34.2 g %
100
171
=
g
140
7
0g
200
171
29
gg=
g
7
7
7
t 水 100 g に KCl を 40.0 g 溶かした水溶液 140 g をそのまま 20 ℃ に冷却すると,
同じ。
20 ℃ では KCl が 34.2 g までしか溶けないので,40.0 g-34.2 g=5.8 g の KCl が析出
する。
CuSO 4 ・ 5H 2O 50 g
CuSO 4 32 g
水和水
水
水
xg
x +18 g
x 2 g 3 とすると,
析出量 2 g 3
5.8 g
x g
より,
= 2 3
140 g
100 g
飽和溶液の質量 2 g 3
よって,x74.1 g 
g の KNO 3 を含む飽和溶液中の水の質量を y 2 g 3 とすると,
溶質 0 KNO 31 の質量 2 g 3
より,
飽和溶液の質量 2 g 3
32 g
14 g
=
y =43.75 g
32 g + 100 g
14 g + y 2 g 3
20 ℃
解説
溶液は
同じ濃度
たとき,KCl の溶解量は,
100
171
=
g
140
7
水 100 g に
対する溶解度 0 20 ℃1
よって,析出する KCl の質量は,
100 g
y "g#
132 g
14 g + y "g#
50 g-43.75 g =6.25 g76 g 
t 20 ℃ で水 50 g に KNO 3 は 16 g まで溶ける。水の蒸発がなかった場合,析出す
同じ温度では,
る KNO 3 の質量は,55 g-16 g=39 g なので,水の蒸発によって,KNO 3 が 2 g 分溶
けきれなくなったことになる。
蒸発した水の質量を z 2 g 3 とすると,
溶液中の溶質と溶媒と溶液の比も常に一定
の中に溶けている KCl の質量は,
100
100
倍になっているため,KCl の溶解量も
倍になる。20 ℃ に冷却し
140
140
14 g
よって,蒸発した水の質量は,
飽和溶液の濃度は常に一定
140 g から 100 g を取り出した
32 g
0 KNO 31
溶液
解説 水 100 g に KCl を 40.0 g 溶かした水溶液 140 g から 100 g を取り出したとき,そ
100 g
200
=
g
140 g
7
20 ℃
0 KNO 3 + 水1
20 s 
s 
55 g-41 g=14 g
グラフより,20 ℃ では水 100 g に KNO 3 は 32 g まで溶ける。したがって,20 ℃ で 14
0水1
s 
解説
55 g + x "g#
KNO 3 の析出量が 41 g なので,20 ℃ で溶けている KNO 3 は,
溶媒
解説
19 s 
34.2 g %
210 g
溶質
したがって,この水溶液 100 g を 20 ℃ まで冷却したときに析出する KCl の質量を
水の質量は
x "g#
補足 飽和溶液の質量が変わっても,溶液中の溶質と溶媒の比は常に一定である。
補足 CuSO 4 ・ 5H 2O 50 g を水に溶解させるのは,CuSO 4 32 g と水 18 g を加えるのと
40.0 g %
100 g
0 KNO 3 + 水1
0 KCl + 水 1
CuSO 4 ・ 5H 2O の物質量と,その中に含まれる CuSO 4 の物質量は等しいので,この水
55 g
0水1
その物質量は,
110 g
0 KNO 31
グラフより,60 ℃ では水 100 g に硝酸カリウム KNO 3 は 110 g まで溶ける。したがっ
て,60 ℃ で 55 g の KNO 3 を含む飽和溶液中の水の質量を x 2 g 3 とすると,
60 ℃
20 ℃
20 ℃
水を蒸発させずに冷却する
溶質 0 KNO 31 の質量 2 g 3
より,
飽和溶液の質量 2 g 3
水を蒸発させ
て冷却する
110 g
55 g
=
x =50 g
110 g + 100 g
55 g + x 2 g 3
60 ℃
60 ℃
溶液は
同じ濃度
200
171
29
gg=
g74.1 g 
7
7
7
-4-
溶液は
同じ濃度
CuSO 4 の質量を x 2 g 3 とすると,溶解度は 20 g/100 g 水 なので,
溶質
55 g
14 g
16 g
0KNO 31
溶媒
50 g
0水1
溶液
105 g
0 KNO 3+水1
50 g - z "g#
50 g
64 g - z "g#
aNO 2 + bH + + ce -
溶質 0 CuSO 41 の質量 2 g 3
より,
飽和溶液の質量 2 g 3
0 N 原子の数 1
0 O 原子の数 1
20 g
x g
= 2 3 x =30 g
100 + 20 g
180 g
66 g
60 ℃
20 ℃
20 ℃
0
2
0
2a
0
0
0
d
0
b
0
0
2d
0
+b
-c
0
0
イオン反応式においては,反応物と生成物の原子の数,および電荷の総和が等しくな
溶質の質量 2 g 3
16 g
14 g
より,
=
水の質量 2 g 3
50 g
50 g - z 2 g 3
z =6.25 g76 g 
らなければならないため,反応式から以下の関係を導ける。
溶液は
同じ濃度
冷却する
a =2 (N 原子の数) … (i)
2a = d (O 原子の数) … (ii)
21 s a  b 
b =2d (H 原子の数) … (iii)
解説
溶質
s a  b 
0CuSO 41
解説 a Na 2CO 3 ・ 10H 2O の 1 mol 中に含まれる,無水物 0Na 2CO 31 の質量は 106 g,水
溶媒
式量 106
0水 1
16 g + x "g#
x "g#
189 g - x "g#
溶液
和水 0 10H 2O1 の質量は 180 g である。106 g の Na 2CO 3 が含まれる 28 ℃ の飽和溶液
20 g
180 g - x "g#
100 g
180 g
120 g
205 g
0 CuSO 4 + 水1
中の水の質量を x 2 g 3 とすると,溶解度が 40 なので,
溶質 0 Na 2CO 31 の質量 2 g 3
より,
飽和溶液の質量 2 g 3
40 g
106 g
x =265 g
=
40 g + 100 g
106 g + x 2 g 3
28 ℃
溶質
溶液
0Na 2CO 3 + 水1
24 s 
解説
s 
解説  Fe の原子量は 56 であるから,56 g の鉄の物質量は,
 C 3H 8 + 5O 2
の物質量は,
 2H 2 + O 2
標準状態での気体の体積 2 L 3
33.6 L
=
=1.5 mol
22.4 L/mol
22.4 L/mol
100 g
x "g#
 モル濃度 2 mol/L 3 =
140 g
106 g + x "g#
溶質の物質量 2 mol 3
より,
水溶液の体積 2 L 3
溶質の物質量 2 mol 3 = モル濃度 2 mol/L 3 % 水溶液の体積 2 L 3
300
したがって,1.0 mol/L 水溶液 300 mL
L をつくるのに必要な塩化ナトリウ
1000
8
265 g の水のうち,180 g は Na 2CO 3 ・ 10H 2O の水和水から得られるので,必要な水の
ムの物質量は,
質量は,
300
1.0 mol/L %
L=0.30 mol
1000
溶質の質量 2 g 3
より,
水の質量 2 g 3
40 g
106 g
=
y =85 g 
100 g
y 2 g 3 + 180 g
b 析出した CuSO 4 ・ 5H 2O (式量 250) 25 g 中に含まれる CuSO 4 (式量 160) の質量は,
9
2CO 2 + 3H 2O
3CO 2 + 4H 2O
2H 2O
各物質 1 mol が完全燃焼するとき必要な O 2 の物質量は,化学反応式の
係数の比 = 物質量の比より,
 1 mol %
CO の
物質量
1
3
=0.5 mol  1 mol % =3 mol
2
1
C H Oの
2
係数の比
 1 mol %
C 3H 8 の
物質量
6
物質量
係数の比
5
1
=5 mol  1 mol % =0.5 mol
1
2
H の
2
係数の比
物質量
係数の比
よって,酸素を最も多く消費するものは,。
 エタノールの完全燃焼の化学反応式は,
C 2H 6O + 3O 2
2CO 2
 C 2H 6O + 3O 2
 標準状態の気体のモル体積は 22.4 L/mol であるから,標準状態で 33.6 L の酸素
物質量 2 mol 3 =
t 必要な水の質量を y 2 g 3 とすると,飽和溶液中の水の質量は y 2 g 3 +180 g と
表せる。
解説 各物質が完全燃焼するときの化学反応式は,
 2CO + O 2
56 g
=1.0 mol
56 g/mol
106 g
265 g-180 g=85 g 
補足 この問題では,未知数の数と関係式の数が等しい。したがって,この連立方程
に a =1 とすると …」 などの仮定を設けないと連立方程式は解けない。
40 g
0水1
よって,係数の組合せとして正しいものは,。
16 g+30 g=46 g 
0 Na2CO 31
溶媒
(ii),(iii) より,b =2 % 4 =8,(iii),(iv) より 8- c =0 c =8
らで,係数がすべて未知数の場合は,関係式の数は未知数の数より一つ少なく,「仮
s 
溶液は
同じ濃度
(i) より,a =2 ,(i),(ii) より,d =2 % 2 =4
よって,もとの水溶液に溶けていた CuSO 4 の質量は,
22 s 
28 ℃
b - c =0 (電荷) … (iv)
式は上記のように解くことができる。これは N2 の係数が 1 とすでに決まっているか
解説
0 H 原子の数 1
0 電荷 1
0
a
N 2 + dH 2O
2CO 2 + 3H 2O
25 s 
解説
エタノール 1.0 mol が完全燃焼したときに生成する二酸化炭素の物質量は,化学反
s 
応式から,係数の比 = 物質量の比 より,2.0 mol とわかる。
解説 CaCO 3 (式量 100) と加えた塩酸の,それぞれの物質量は,
よって,物質量が最も多いものは,。
23 s 
CaCO 3:
1.0 g
=0.010 mol
100 g/mol
HCl :1.0 mol/L %
解説
160
=16 g
25 g %
250
s 
また,60 ℃ から 20 ℃ に冷却したとき,205 g の水溶液から 25 g の結晶が析出した
解説 イオン反応式中の原子の数および電荷についてまとめると,
ので,205 g-25 g=180 g の飽和溶液が得られたことになる。この中に溶けている
-5-
30
L=0.030 mol
1000
CaCO 3 + 2HCl
0 反応前 1
0 変化量 1
0.010
0.030
- 0.010
-0.020
0 反応後 1
0
CaCl2 + CO 20 + H 2O
+ 0.010
0.010
0.010
H 2SO 4 … (iii)
与えられた 3 段階の反応を一つの式にまとめる。(i) 式で得られた SO 2 は (ii) 式で消費
0 mol 1
0 mol 1
され,(ii) 式で得られた SO 3 は (iii) 式で消費される。式をまとめるには,これらのよう
0 mol 1
に反応の途中で生成 ! 消費される物質を消去するように考えればよい。
係数の比 = 物質量の比 より CaCO 3 0.010 mol と HCl 0.020 mol が反応し (HCl 0.010
mol が残る),CO 2 0.010 mol が生成することがわかる。よって,CaCO 3 1.0 g が反応し
たときに発生する CO 2 (分子量 44) の質量は,
26 s 
解説
s 
c 気体反応の法則といい,1808 年,フランスのゲーリュサックが発表した。
r 2 mol の一酸化炭素が完全燃焼する反応では,
2CO + O 2 0 物質量 1
気体の
8
まず,SO 2 を消去する。0 i 1 式 + 0 ii1 式% 2 より,
4FeS + 9O 2
2Fe 2O 3 + 4SO 3 … (iv)
CO 2 + 2H 2O
0 反応前 1
0 変化量 1
10
40
0
- 10
- 20
+ 10
0 反応後 1
0
20
10
0 0 mL 1
- 0 mL 1
- 0 mL 1
2
反応後の気体の体積は,20 mL+10 mL=30 mL
残った O2 生じた CO2
よって,反応後の気体の体積は,20 mL 減少する 
27 s 
解説
s 
解説 一酸化炭素 CO とエタン C 2H 6 の完全燃焼は,
2CO + O 2
2C 2H 6 + 7O 2
2CO 2 … (i)
4CO 2 + 6H 2O … (ii)
反応前の混合気体中の物質量を, CO が x 2 mol3 ,C 2H 6 が y 2 mol3 とすると,
係数の比 = 物質量の比 より,
(i) 式の反応で,CO 2 x 2 mol3 が生成
(ii) 式の反応で,CO 2 2y 2 mol3 と H 2O 3y 2 mol3 が生成
したがって,
生成した CO 2 は,x +2y =0.045 mol … (iii)
生成した H 2O は,3y =0.030 mol … (iv)
よって,必要な酸素の物質量は,
(質量保存の法則)
よって,化学の法則と最も関係の深い人物の組合せとして正しいものは,。
係数の比
31 s a  b  c 
t H 2SO 4 と O 2 の物質量の関係は,各々の反応式の係数からも求められる。
解説
(i) 式より,4 mol の SO 2 を得るのに必要な O 2 は,7 mol。
s a  b  c 
(ii) 式より,4 mol の SO 2 から 4 mol の SO 3 を得るのに必要な O 2 は,2 mol。
解説 この反応の化学反応式は,
(iii) 式より,4 mol の SO 3 から 4 mol の H 2SO 4 を得られるが,このとき O 2 は必要
2H 2 + O 2
ない。したがって,4 mol の H 2SO 4 を得るのに必要な O 2 は 0 7 +2= 1 9 mol とわか
 b に当てはまる。この反応における気体の体積の比は,H 2:O 2:H 2O=2:1:2
る。
であるが,モデル図では,2:1:1 となっているため,この反応の体積変化を正しく
以下は前記に同じ。
表していない。
29 s 
2H 2O
 a に当てはまる。反応前は H 原子が 6 個,O 原子が 3 個であるのに対し,反応後
解説
は H 原子が 12 個 O 原子が 6 個となっている。このため,反応の前後で質量が変わ
s 
ってしまうため,質量保存の法則に反している。
解説 a 正しい。
補足 c にも当てはまる。「原子は消滅したり,無から生じることはない。」 という
b 誤り。『気体反応の法則 化学反応の前後で,反応に関係した物質の総質量は変わ
ドルトンの原子説と矛盾している。
らない。』
 c に当てはまる。反応後に O 原子が分割されているため,「原子はそれ以上分割で
この説明は,質量保存の法則である。
きない。」 というドルトンの原子説と矛盾している。
c 誤り。『定比例の法則 同温 ! 同圧のもとで,反応する気体や生成する気体の体積
 分子説の正しいモデル。~ の矛盾を解決するため,1811 年,アボガドロ
の間には,簡単な整数比が成りたつ。』
は,「気体はいくつかの原子が結合した分子という粒子からできていて,同じ温度と
この説明は,気体反応の法則である。
同じ圧力では,同じ体積の中に同じ数の分子が含まれ,分子が反応するときは原子
d 誤り。『質量保存の法則 ある化合物中の元素の質量の比は,その化合物のつくり
に分かれることができる。」 という仮説を発表した。
よって,物質量の組合せとして正しいものは,。
この説明は,定比例の法則である。
32 s 
解説
よって,誤りを含むものの組合せとして適当なものは,。
30 s 
s 
2
反応の前後において,物質の質量の総和は変化しない
156.8 g
9
% =3.6 mol 
98 g/mol
4
方に関係なく,常に一定である。』
解説
:
56 g + 32 g = 88 g
80 %
H2SO 4 の
モル質量
=44.8 L
0 質量 1 28 g/mol % 2 mol 32 g/mol % 1 mol 44 g/mol % 2 mol
=56 g
=32 g
=88 g
80
=156.8 g
100
(iv) より,y =0.010 mol y の値と (iii) より,x =0.025 mol
28 s 
1
(気体反応の法則)
液体であるため,計算に含めなくてよい。
O2
:
気体の体積の間には簡単な整数比が成りたつ
196 g %
2 mol
=22.4 L
9
量 98) の物質量の
倍であることがわかる。
4
同温 ! 同圧では,変化量が係数の比 = 気体の体積の比になる。また,反応で生じた水は
CH4
=44.8 L
(v) 式より,係数の比 = 物質量の比 から,必要な O 2 の物質量は生成する H 2SO 4 (分子
反応前の気体の体積は,10 mL+40 mL=50 mL
9
2CO 2
1 mol
22.4 L/mol % 2 mol 22.4 L/mol % 1 mol 22.4 L/mol % 2 mol
2Fe 2O 3 + 4H 2SO 4 … (v)
質量パーセント濃度 80 % の硫酸 196 g 中の H 2SO 4 の質量は,
CH 4 + 2O 2
体積
2 mol
0 同温 ・ 同圧 1
次に SO 3 を消去する。0 iv1 式 + 0 iii 1 式% 4 より,
4FeS + 9O 2 + 4H 2O
44 g/mol % 0.010 mol=0.44 g 
解説
SO 3 + H 2O
s 
解説 硝酸銀水溶液に塩酸を加えたときの化学反応式は,
解説
AgNO 3 + HCl
解説 反応式をまとめて,O 2 と H 2SO 4 の係数の比を求める。
s 
4FeS + 7O 2
2Fe 2O 3 + 4SO 2 … (i)
解説 a この法則を,アボガドロの法則という。
2SO 2 + O 2
2SO 3 … (ii)
AgCl1 + HNO 3
1.7 g の硝酸銀 AgNO 3 (式量 170) の物質量は,
b 質量保存の法則といい,1774 年,フランスのラボアジエが発表した。
-6-
1.7 g
=0.010 mol
170 g/mol
この硝酸銀水溶液中の銀イオンをすべて沈殿させるのに必要な HCl の物質量は
よって,捕集する気体の体積の測定には 100 mL のメスシリンダーでは小さ過ぎる。
0.010 mol であるから,必要な 0.50 mol/L 塩酸の体積を V 2 mL 3 とすると,
V
0.50 mol/L %
L =0.010 mol V=20 mL
1000 2 3
 妥当でない。『塩酸の量が不足のため,マグネシウムが全部は溶解しない。』
モル濃度
溶液の体積
1.00 mol/L の塩酸 20 mL 中に含まれる HCl の物質量は,
S
溶質の物質量
溶質の物質量 2 mol 3
より,
溶液の体積 2 L 3
溶質の物質量 2 mol 3 = モル濃度 2 mol/L 3 % 溶液の体積 2 L 3
20
L=2.0 % 10 -2 mol
=1.00 mol/L %
1000
20 mL
モル濃度 2 mol/L 3 =
このとき生成する AgCl (式量 143.5) は,係数の比 = 物質量の比 より 0.010 mol であ
るから,その質量は,
単分子膜の面積 S 2 cm 23
143.5 g/mol % 0.010 mol71.4 g
よって,0.50 mol/L 塩酸を加えていったとき,加えた塩酸の体積に比例して沈殿の量
が増加し,塩酸 20 mL で沈殿の質量が 1.4 g を示すグラフは,。
Mg 5.0 % 10 -3 mol と完全に反応するのに必要な HCl は 1.0 % 10 -2 mol であるから,
a
33 s 
Mg:HCl=1:2
ステアリン酸分子 1 個が占める面積 a 2 cm 3
2
解説
s 
解説 ステアリン酸分子 C 17H 35COOH は,水になじみやすい部分 0 COOH 1 と,水になじ
みにくい部分 0C 17H 351 をもつ。ステアリン酸分子は図のように,水になじみやすい
COOH を水中に,水になじみにくい C 17H 35 を空気中に出して,分子がすき間なく
水面に一層に並んだ膜 (単分子膜) をつくる。
 妥当でない。『水素は水によく溶けるので,水上置換は不適当である。』
つ。
水素は水に溶けにくいので,捕集は水上置換が適当である。
NA %w
S
284S
= よって,N A =
284
a
wa
CH2
CH2
水になじみ
にくい部分
室温で無触媒の状態では,水素と酸素が反応することはないので,容器中の空気を
O C
水素で置換する必要はない。
s 
よって,意見として妥当なものは,。
解説 マグネシウムと塩酸の反応は,
補足 標準状態 0 0 ℃,1.013 % 10 5 Pa1 で気体 1 mol の体積は 22.4 L である。ただし,
Mg + 2HCl
温度や圧力が変わると,気体 1 mol の体積も変わる。
MgCl2 + H 20
水になじみ
やすい部分
OH
解説
22.4 L/mol % 0.010 mol =0.224 L=224 mL
1 L=1000 mL
OH
NA %w
(個)。
284
また,ステアリン酸分子 1 個が占める面積を a 2cm 3 とすると,S 2 cm 3 の単分子膜
S
を形成する分子の数は
(個)。
a
2
2
酸 :青
赤
塩基:赤
青
また,Mg 0.010 mol と反応する HCl の物質量は,Mg の 2 倍の 0.020 mol であるから,
青色リトマス紙を赤色に変えたので,液体 a は酸性の物質であり,液体 b を十分に加
Mg がすべて反応するまでに加えた 1.0 mol/L の塩酸の体積 V 2 mL 3 は,
えると赤色リトマス紙を青色に変えるようになったので,液体 b は塩基性の物質であ
1.0 mol/L %
w
単分子膜を形成するステアリン酸 (分子量 284) の w 2 g 3 の物質量は
mol 3 である
284 2
s 
解説 リトマス紙の色の変化
その体積は標準状態で,
CH2
から,その分子の数は,
36 s 
0.24 g
=0.010 mol
24 g/mol
反応式の係数の比より,発生する水素の最大量は Mg の物質量に等しく 0.010 mol で,
CH2
CH2
O C
水素で置換しておかなければならない。』
34 s 
0.24 g のマグネシウム Mg (原子量 24) の物質量は,
CH2
CH3
水面
 妥当でない。『空気中の酸素は水素と反応するので,あらかじめ容器中の空気を

解説
CH3
塩酸が不足することはなく,マグネシウムは全部溶解する。
したがって,単分子膜を形成するステアリン酸の分子の数について次の関係が成りた
る。選択肢中の物質を酸性 ! 中性 ! 塩基性に分類すると,
V
L =0.020 mol V=20 mL
1000 2 3
【酸 性】 食酢,レモン汁
よって,加えた塩酸の体積に比例して水素が発生し,加えた塩酸の体積が 20 mL のと
【中 性】 食塩水
き水素の発生量が標準状態で 224 mL である  が,関係を表す図として最も適当であ
【塩基性】 セッケン水,水酸化ナトリウム水溶液,アンモニア水
る。
よって,組合せとして最も適当なものは,。
なお,加えた塩酸が 20 mL を超えると,塩酸が過剰となり,水素は発生しない。
35 s 
37 s 
解説
s 
解説
s 
ブレンステッド ! ローリーの定義
解説
H+
解説 マグネシウムと塩酸の反応は,
Mg + 2HCl
MgCl 2 + H 20
酸
 妥当である。Mg (原子量 24) 0.12 g の物質量は,
塩基
反応の前後で,H + を他に与えているものが酸,H + を他から受け取っているものが塩
基である。
0.12 g
=5.0 % 10 -3 mol
24 g/mol
(a) HCl + H 2O
であるから,Mg が全部反応すると,発生する水素の物質量も 5.0 % 10
5
る。その 20 ℃,1.0 % 10 Pa における体積は,
24.0 L/mol % 5.0 % 10 -3 mol=0.12 L=120 mL
-7-
-3
mol であ
酸
Cl - + H 3O +
塩基
H+
(b) NH 3 + H 2O
酸
塩基
H+
NH 4 + + OH -
(c) HCO 3 - + H 2O
H 2CO 3 + OH -
さいが,1.0 % 10 -2 mol/L より大きい。
酸
塩基
(d) CH 3COO - + H 2O
CH 3COOH + OH -
になり,水素イオン濃度も 1.0 % 10 -8 mol/L,pH は 8 になるように考えられる。し
H+
(e) HS
+ H 2O
酸
S
2-
+ H 3O
H+
④
H+
一見,1.0 % 10 -4 mol/L の塩酸を水で 10 4 倍に薄めると,濃度は 1.0 % 10 -8 mol/L
酸
塩基
-
③
 誤り。『1.0 % 10 -4 mol/L の塩酸を水で 10 4 倍に薄めると,pH は 8 になる。』
H+
+
かし,酸を薄めていっても塩基性になることはない。このようにきわめて薄い酸の
塩基
水溶液では,水の電離によって生じる H + が無視できず,酸や塩基は薄めれば薄める
H+
よって,組合せとして最も適当なものは,。
H 2O
NH 4 +
H 2O
NH 4 +
OH -
NH 4 +
H 2O
NH 4 +
NH 3
H 2O
NH 4 +
ほど純粋な水に近づくから,pH は 7 に近づくが,7 を超えることはない。
 誤り。『酢酸ナトリウム水溶液は弱酸性である。』
38 s 
CH 3COONa は弱酸 0 CH 3COOH1 と強塩基 0 NaOH 1 からなる正塩であるから,その水
解説
つまり,1 価の塩基を 1 価の酸で過不足なく中和するときは,塩基 ! 酸の強弱に関係
s 
溶液は弱塩基性を示す。
なく,塩基の物質量と酸の物質量は等しい。
解説  正しい。
よって,正しいものは,。
c 誤り。『水酸化カルシウムは,弱塩基である。』
水酸化カルシウムは,溶解度は小さい (25 ℃ で 0.17 g/水 100 g) ので,濃い水溶液を
 正しい。アレーニウスの定義によると,水溶液中で水酸化物イオン OH を生じる 40 s 
物質が塩基である。また,水によく溶ける塩基のことを一般にアルカリという。
つくることはできない。しかし,電離度は大きいので,強塩基である。
解説
電離度が 1 に近い酸 ! 塩基を強酸 ! 強塩基といい,電離度が小さい酸 ! 塩基を弱酸 !
 正しい。酸から生じる陰イオンと塩基から生じる陽イオンからなるイオン結合の
s 
物質を塩という。水に溶ける塩は,水溶液中で電離して陽イオンと陰イオンに分か
解説 a 誤り。『水溶液中で,水素イオン濃度を増加させても,水酸化物イオン濃度は
れた状態で存在する。ただし,BaSO 4 などの水にきわめて溶けにくい塩は,水中で
変わらない。』
も陽イオンと陰イオンがくっついたままで,ほとんど電離していない。
水溶液中で,4 H +5 と 4 OH -5 の間には反比例の関係があるので,水素イオン濃度を増
 正しい。このように,酸の H + と塩基の OH - が反応して水 H 2O になることで,酸
加させると,水酸化物イオン濃度は減少する。
解説
と塩基の性質を互いに打ち消しあうことを中和という。
b 誤り。『濃度 0.10 mol/L のアンモニア水中のアンモニアの電離度は,25 ℃ におい
s 
 誤り。『雨水の pH は,二酸化炭素が溶けているので,7 より大きい。』
て 0.013 である。この溶液 1.0 L は,0.013 mol/L の硝酸 1.0 L で過不足なく中和す
解説 青色リトマス紙が赤色に変色したことから,水溶液が酸性を示す塩を選ぶ。
ることができる。』
 適当でない。CaCl 2 は強酸 0 HCl1 と強塩基 0Ca0 OH 1 21 からなる正塩であるから,そ
(i) 酸から生じる H + と塩基から生じる OH - の物質量が等しいとき,酸と塩基は過
の水溶液は中性。
不足なく中和する。
 適当でない。Na 2SO 4 は強酸 0 H 2SO 41 と強塩基 0 NaOH 1 からなる正塩であるから,
二酸化炭素は酸性酸化物であり,水に少し溶け,次のように反応して H + を放出する。
H + + HCO 3 -
CO 2 + H 2O
したがって,二酸化炭素が溶けた雨水は,酸性を示すので,pH は 7 より小さい。
よって,誤りを含むものは,。
補足 自然界の雨水には大気中の二酸化炭素が溶けこんでいて,pH が 5.6 程度の弱い
酸性を示す。これに加えて,工場や自動車から排出された硫黄酸化物や窒素酸化物
が溶けこみ,pH が 5.6 より小さくなった雨を酸性雨という。
H + + OH -
H 2O
その水溶液は中性。
 適当でない。NaHCO 3 は弱酸 0 CO 2 0 あるいは H 2CO 311 と強塩基 0 NaOH 1 からなる酸
OH - が生じる。
性塩であるから,その水溶液は塩基性。
したがって,アンモニアと硝酸はともに 1 価の塩基,酸であるから,0.10 mol/L の
 適当である。NaHSO 4 は強酸 0 H 2SO 41 と強塩基 0 NaOH 1 からなる酸性塩で,次のよ
して NH 4 + と OH - を生じているにすぎず,アンモニア水の OH - の濃度は小さい。
s 
② これに酸を加えると OH - が H + と反応して H 2O になる。
解説  誤り。『酸や塩基の電離度は濃度によらない。』
電離度は,酸や塩基の濃度によって変化する。また,温度によっても変化する。
 正しい。水酸化バリウム水溶液と希硫酸の反応をイオン反応式で表すと,
2+
+ 2OH 1 + 02H
-
+
+ SO 4
+
2-
1
+
③ 未反応の NH 3 分子が水分子と反応して OH - を生じる。
④ このような反応がくり返されて,結局,NH 3 1 mol から OH - 1 mol が生じて酸
を中和することになる。
BaSO 4 + 2H 2O
-
-
中和点では水に溶けている H と OH はほとんどない。H と OH は他のイオンに
41 s 
(ii) 中和のとき,酸 ! 塩基の 1 mol からは,それぞれの価数と同じ物質量の H +,
① 0.10 mol/L のアンモニア水では,溶けている NH 3 分子の 1.3 % が水分子と反応
解説
0Ba
よって,正誤の組合せとして正しいものは,。
アンモニア水 1.0 L は,0.10 mol/L の硝酸 1.0 L と過不足なく中和する。
39 s 
弱塩基という。
①
NaHSO 4
Na + + H + + SO 4 2-
 適当でない。KNO 3 は強酸 0 HNO 31 と 強塩基 0 KOH 1 からなる正塩であるから,その
水溶液は中性。
よって,最も適当なものは,。
42 s 
解説
s 
②
H+
うに電離するから,その水溶液は酸性。
比べて水溶液中を移動しやすく,電気を通しやすくする。よって,中和点で水溶液
解説 a 正しい。塩化ナトリウム水溶液は中性を示す。中性の水溶液中では
の電気伝導度 (電気の通しやすさ) が最小となる。
4 H +5 = 4 OH -5 =1 % 10 -7 mol/L となっている。
 誤り。『1.0 % 10
-2
mol/L の硫酸中の水素イオン濃度は 1.0 % 10
-2
mol/L であ
る。』
硫酸は 2 価の強酸で,水溶液中で次のように 2 段階に電離する。
H 2SO 4
HSO 4
-
H + + HSO 4 - … (i)
H
+
+ SO 4
OH -
NH 4 +
H 2O
NH 4 +
NH 3
NH 3
NH 3
NH 3
2-
… (ii)
n
4H +5 =1 % 10 - mol/L のとき,pH= n より,
この水溶液の pH は 7 である。
b 正しい。酸性が強い水溶液ほど水素イオン H + の濃度 4 H +5 が大きい 04 H +5=1%
10 -n mol/L の n の値が小さい1 ので,pH は小さくなる。
c 誤り。『アンモニア水の pH は 7 よりも小さい。』
(i) 式の電離度は 1 に近いが,(ii) 式の電離度はそれより小さい。したがって,
アンモニア水は塩基性であり,4 H +5 <1 % 10 -7 mol/L< 4 OH -5 となっている。した
1.0 % 10 -2 mol/L の硫酸中の水素イオン濃度は,2.0 % 10 -2 mol/L よりいくらか小
がって,pH は 7 よりも大きい。
-8-
よって,正誤の組合せとして正しいものは,。
s 
43 s 問 1  問 2 
47 s 
解説 酸と塩基が過不足なく中和するとき,
+
解説
-
酸から生じる H の物質量 = 塩基から生じる OH の物質量 より,
解説
+
s 問 1  問 2 
s 
同じ体積で比較した際に,生じる H の物質量が小さい水溶液が,中和するのに必要な
解説 滴定曲線から,使用した酸 ! 塩基の強弱を読み取るには,「滴定開始前の pH」 と
滴下量が最大となる。したがって,酸の水溶液 1 L 当たりで比較すると,
「過剰に酸 (塩基) を加えたときの pH」 に着目するとよい。それぞれの滴定曲線を読み
イオン指数といい,pH で表される。
 2 % 0.15 mol/L % 1 L=0.30 mol
取ると,
4H 5 =1 % 10
 1 % 0.15 mol/L % 1 L=0.15 mol
 弱塩基を強酸で中和滴定した滴定曲線
解説 問 1 水溶液中の水素イオン濃度を 1 % 10
+
-n
-n
mol/L で表したときの n の値を水素
mol/L のとき,pH= n より,
pH=2 の水溶液:4 H 5 =1 % 10
-2
mol/L
 2 % 0.10 mol/L % 1 L=0.20 mol
 強塩基を弱酸で中和滴定した滴定曲線
pH=4 の水溶液:4 H 5 =1 % 10
-4
mol/L
 1 % 0.20 mol/L % 1 L=0.20 mol
 強塩基を強酸で中和滴定した滴定曲線
 1 % 0.10 mol/L % 1 L=0.10 mol
また, は,pH が急激に変化している所が 2 か所あるので,炭酸ナトリウム Na 2CO 3
よって,中和するのに必要な滴下量が最大である酸の水溶液は,。
などの二段階中和の滴定曲線だと推測できる。アンモニアは弱塩基,塩酸は強酸なの
t 中和の関係式 acV = bc -V - より,中和に必要な酸の体積 V は,
で,滴定曲線として最も適当なものは,。
bc -V V=
ac
t 完全に中和したとき,滴定曲線における pH の変化は最大となり,正塩が生じ
る。正塩の水溶液の性質はもととなった酸と塩基の強弱によって決まる。アンモニ
アは弱塩基,塩酸は強酸なので,中和点は酸性側にかたよる。よって,滴定曲線と
+
+
-2
よって,
1 % 10 mol/L
=1 % 10 -2-(-4) =1 % 10 2 =100 (倍) 
1 % 10 -4 mol/L
問 2 塩化水素 (塩酸の溶質) は強酸であるから,薄い塩酸では電離度は 1 と考えてよ
い。したがって,
pH=1.0
4H 5 =1.0 % 10
塩酸の濃度 =1.0 % 10 -1 mol/L
問題文より,塩基についての b,c -,V - は ~ で同じであるため,価数 a と濃
pH=3.0
4H 5 =1.0 % 10
度 c の積 ac の値が小さい酸ほど,必要となる体積 V は大きくなる。ac の値は,
塩酸の濃度 =1.0 % 10 -3 mol/L
+
+
-1
-3
mol/L
mol/L
 2 % 0.15=0.30  1 % 0.15=0.15
濃度が 1.0 % 10 -1 mol/L の塩酸 10 mL に,水を加えて体積を V 2 mL 3 にしたとき,
塩酸の濃度が 1.0 % 10
-3
mol/L になったとすると,水を加えて薄めても HCl の物質
量は変わらないから,
溶質の物質量 2 mol 3 = モル濃度 2 mol/L 3 % 溶液の体積 2 L 3 より,
10
1.0 % 10 -1 mol/L %
L
1000
=1.0 % 10 -3 mol/L %
 2 % 0.10=0.20  1 % 0.20=0.20
解説
 1 % 0.10=0.10
s 
よって, の ac が最小であり,必要となる体積 V が最大となる。
解説 中和点の pH は,酸と塩基の強さによって異なるため,酸 ! 塩基の種類によって
46 s a  b 
適切な指示薬を選ばなければならない。
解説
s a  b 
pH=1.0 の塩酸 10 mL 中の HCl の物質量
V
L
1000 2 3
pH=3.0 の水溶液 V 2 mL 3 中の HCl の物質量
よって,V =1000 mL 
44 s 
解説
解説 a 酢酸と水酸化ナトリウムはいずれも 1 価の酸と塩基である。NaOH 水溶液の濃
度を c 2 mol/L 3 とすると,
酸の 0 価数 % 濃度 2 mol/L 3 % 体積 2 L 3 1
= 塩基の 0 価数 % 濃度 2 mol/L 3 % 体積 2 L 3 1
10.0
18.0
1 % 0.036 mol/L %
L=1 % c 2 mol/L 3 %
L
1000
1000
+
CH3COOH から生じる H
s 
解説 水酸化バリウム Ba0 OH 1 2 (式量 171) 17.1 g を純粋な水に溶かして 1.00 L の水溶液と
したときの濃度は,
NaOH から生じる OH
-
b 酢酸は水溶液中では次のように電離する。
4 H 5 =1 % 10
+
-n
CH 3COO
-
+
+ H … (i)
mol/L のとき,pH= n の関係から,
酸の 0 価数 % 濃度 2 mol/L 3 % 体積 2 L 3 1 = 塩基の 0 価数 % 濃度 2 mol/L 3 % 体積 2 L 3 1
酢酸 CH 3COOH は 1 価の酸,水酸化バリウム Ba0 OH 1 2 は 2 価の塩基であるから,酢酸
(i) 式より,酢酸水溶液中の H + の物質量は,電離している酢酸の物質量に等しい。
水溶液の濃度を c 2 mol/L 3 とすると,
10.0
15.0
L=2 % 0.100 mol/L %
L
1 % c 2 mol/L 3 %
1000
1000
ち,1.0 % 10 -3 mol が電離していることがわかる。
CH3COOH から生じる H+
よって, c = 0.300 mol/L 
45 s 
Ba0 OH 1 2 から生じる OH-
mol/L
よって,0.036 mol/L の酢酸水溶液を 1 L とったとき,その中の酢酸 0.036 mol のう
強酸と弱塩基
メチルオレンジ
弱酸と強塩基
フェノールフタレイン
 適当である。水酸化ナトリウム水溶液 (強塩基) と塩酸 (強酸) の組合せでは,指示
薬としてフェノールフタレインを使用できる。
 適当でない。アンモニア水 (弱塩基) と塩酸 (強酸) の組合せでは,フェノールフタ
レインは使用できない。この場合,メチルオレンジは使用できる。
は,指示薬としてフェノールフタレインを使用できる。
 適当である。水酸化ナトリウム水溶液 (強塩基) と硫酸 (強酸) の組合せでは,指示
薬としてメチルオレンジを使用できる。
 適当である。塩酸 (強酸) と水酸化ナトリウム水溶液 (強塩基) の組合せでは,指示
薬としてメチルオレンジを使用できる。
よって,適当でないものは,。
49 s a  b 
よって,
電離度 a =
フェノールフタレイン ・ メチルオレンジ
チルオレンジを使用できる。
4H 5 =1.0 % 10
-3
指示薬
強酸と強塩基
 適当である。アンモニア水 (弱塩基) と硫酸 (強酸) の組合せでは,指示薬としてメ
pH が 3.0 の水素イオン濃度は,
酸と塩基が過不足なく中和するとき,酸 ! 塩基の強弱にかかわらず次の関係が成りたつ。
+
酸と塩基の種類
 適当である。酢酸水溶液 (弱酸) と水酸化ナトリウム水溶液 (強塩基) の組合せで
よって,c =0.020 mol/L 
CH 3COOH
17.1 g
171 g/mol
=0.100 mol/L
1.00 L
して最も適当なものは,。
48 s 
電離している酸の物質量
溶けている酸の物質量
1.0 % 10 -3 mol
=
72.8 % 10 -2 
0.036 mol
解説
解説
s a  b 
解説 a 酸 ! 塩基の中和滴定では,中和点付近で水溶液の pH は急激に変化する。その
ため,1 価の酸の 0.2 mol/L 水溶液 10 mL をちょうど中和するのに必要なある塩基
の水溶液の量は,滴定曲線から,20 mL とわかる。
-9-
 正しい。1 価の酸が電離度71 の強酸ならば,その 0.2 mol/L 水溶液は,
4 H 5 72 % 10
+
-1
mol/L で,4 H +5 =1 % 10 -1 mol/L 0
よって,
pH =1 1 の水溶液よりも
水酸化ナトリウムから生じる OH -
pH が小さい 1 はずである。しかし,滴定曲線を見ると,滴定
酸性が強い 0
開始時の値より,この酸の pH は 2.7 であるため,弱酸であることがわかる。
 正しい。滴定曲線より,塩基の水溶液を十分過剰に加えたときの混合溶液の
pH は 13 に近い。このことから,滴定に用いた塩基の水溶液の pH は 12 より大
きい (13 に近い) ことがわかる。
水溶液の pH は 7 より大きい。
解説
s 
解説 a 0.100 mol/L のシュウ酸標準溶液 250 mLをつくるのに必要なシュウ酸二水和
硫酸から生じる H+
物 H 2C 2O 4 ・ 2H 2O (式量 126) の物質量および質量は,
10.0
=1 % c 2 mol/L 3 %
L
1000
水酸化ナトリウムから生じる OH-
10 と急激に変化してい
る。したがって,この滴定に用いる指示薬は,変色域が pH 8.0~9.8 のフェノール
53 s 
したがって,水酸化ナトリウム水溶液の濃度を c 2 mol/L 3 とすると,
20.0
10.0
1 % 0.100 mol/L %
L+2 % 0.100 mol/L %
L
1000
1000
硝酸から生じる H+
滴定曲線の垂直部分の中央の点が中和点であるから,この滴定の中和点における
4Na +5 :4 OH -5 =0.010 mol:0.0050 mol=2:1 
硫酸から生じる H +
 誤り。『中和点における水溶液の pH は 7 である。』
 正しい。この滴定曲線では,中和点付近で pH が 7
と OH - のモル濃度の比は,混合水溶液中のそれぞれのイオンの物質量の比に等しい。
硝酸から生じる H +
よって,c =0.400 mol/L 
 正しい。1 価の酸の 0.2 mol/L 水溶液 10 mL が中和のときに出す H + の物質量
1 % 0.2 mol/L %
10
L=2 % 10 -3 mol
1000
た。』
ビーカーの目盛りはおおよその目安であるから,定量実験の計量器として用いる
解説
mL で正しい。
オ 適当である。メスフラスコを用いるのが標準溶液の正しい調製法である。
硫酸から生じる H
10
2 % 0.1 mol/L %
L=2 % 10 -3 mol
1000
したがって,どちらを中和するにも同じだけの塩基が必要なので,滴下量は 20
ことはできない。
アンモニアから生じる OH -
0.1 mol/L の硫酸 (2 価) 10 mL が中和のときに出す H + の物質量は,
であり,両者の物質量は等しい。
126 g/mol % 0.0250 mol=3.15 g (ウ)
水に溶かし,ビーカーの 250 mL の目盛りまで水を加えたあと,よくかき混ぜ
解説
s 
は,
250
L=0.0250 mol
1000
b エ 適当でない。『500 mL のビーカーにシュウ酸二水和物を入れて約 200 mL の
51 s 
フタレインが適している。
0.100 mol/L %
カ 適当でない。『500 mL ビーカーにシュウ酸二水和物を入れ,メスシリンダーで
+
はかり取った水 250 mL を加え,よくかき混ぜて溶解した。』
水酸化ナトリウムから生じる OH -
シュウ酸二水和物 3.15 g を水に溶かして,オの操作のように,メスフラスコを用
いて水溶液の全量を 250 mL にするのが正しい。水 250 mL を加えて溶解するの
はじめのアンモニアの物質量を x 2 moL 3 とすると,
40
20
2 % 0.30 mol/L %
L = 1 % x 2 mol 3 + 1 % 0.20 mol/L %
L
1000
1000
アンモニアから生じる OH- 水酸化ナトリウムから生じる OH-
硫酸から生じる H+
よって,誤りを含むものは,。
ではない。(mol/L の /L は,"溶液" 1 L 当たりの意味であって,"溶媒" 1 L 当た
りではない!!) また,メスシリンダーは細かい目盛りもあって便利に使えるが,
メスシリンダーの目盛りはおおよその数値なので,標準溶液の調製などには不適
b ~に示されたアンモニアと水酸化ナトリウムは,ともに 1 価の塩基である。
x =0.020 mol
当な計量器である。
したがって,1 価の酸の 0.2 mol/L 水溶液 10 mL を過不足なく中和する 1 価の塩基
よって,アンモニアの標準状態での体積は,
よって,a ! b の答えの組合せとして正しいものは,。
22.4 L/mol % 0.020 mol =0.448 L70.45 L 
の水溶液 20 mL の濃度を c 2 mol/L 3 とすると,水溶液の中和における以下の関係か
ら,
52 s 
酸の (価数%濃度 2 mol/L 3 % 体積 2 L 3)
解説
= 塩基の (価数%濃度 2 mol/L 3 % 体積 2 L 3)
10
20
1 % 0.2 mol/L %
L=1 % c 2 mol/L 3 %
L
1000
1000
酸から生じる H+
塩基から生じる OH-
54 s a  b 
解説
s a  b 
s 
解説 a 中和滴定に使用するガラス器具は,よく洗ってから純粋な水ですすぎ,自然乾
解説 混合した塩基と酸の物質量は,
NaOH:0.10 mol/L %
c =0.1 mol/L
燥させてから使用すればよい。しかし,乾燥させる時間がないときにどうすればよ
100
L=0.010 mol
1000
いかは,器具によって異なる。なお,体積をはかるガラス器具を,加熱乾燥しては
いけない。ガラスは熱膨張し,容積が変化するからである。
50
L=0.0025 mol
1000
次に,a の  の解説から,滴定に用いた塩基の水溶液の pH は 13 に近い。濃度が
H 2SO 4:0.050 mol/L %
0.1 mol/L の水溶液の pH713 であるものは,強塩基の水溶液である。
NaOH と H 2SO 4 の中和反応の化学反応式は,
アンモニアは電離度が小さい弱塩基,水酸化ナトリウムは電離度71 の強塩基であ
2NaOH + H 2SO 4
る。
反応式より,H 2SO 4 によって中和された NaOH の物質量は,H 2SO 4 の物質量の 2 倍で
あるから,中和されずに残った NaOH の物質量は,
ナトリウム水溶液 
0.010 mol - 2 % 0.0025 mol = 0.0050 mol
解説
s 
解説 酸と塩基が過不足なく中和するとき,次式が成りたつ。
酸の 0 価数 % 物質量 2 mol 3 1 = 塩基の 0 価数 % 物質量 2 mol 3 1
この関係は,酸や塩基が複数の場合も成りたつ。
中和前の NaOH
中和された NaOH
後,内部が A でぬれたまま使用する。
混合水溶液中の Na の物質量は,はじめの NaOH の物質量 0 0.010 mol 1 に等しく,Na
薄められるが,酢酸の物質量には変化がないからである。
 誤り。『操作 2 において,コニカルビーカーの内部に水滴が残っていたので,
+
Na + の物質量 2 mol 3
である。
混合水溶液の体積 2 L 3
-
また,混合水溶液中の OH の物質量は,残った NaOH の物質量 0 0.0050 mol 1 に等し
く,OH - の濃度は
OH - の物質量 2 mol 3
である。したがって,混合水溶液中の Na +
混合水溶液の体積 2 L 3
-10-
 正しい。メスフラスコは,純粋な水でぬれたものをそのまま用いてよい。この
場合は,ホールピペットではかり取った溶液 A はメスフラスコに残っている水で
残った NaOH
+
の濃度は
量とってすすぎ,内壁の水を洗い流す操作 (「共洗い」 という) を 2~3 回くり返した
Na 2SO 4 + 2H 2O
よって,滴定に用いた塩基の水溶液として最も適当なものは,0.1 mol/L の水酸化
50 s 
 正しい。ホールピペットに水滴が残っていると,溶液 A が薄まるので,A を少
内部を B で洗ってから用いた。』
コニカルビーカーは,純粋な水でぬれたものをそのまま用いればよい。この場合
は,ホールピペットではかり取った溶液 B が,コニカルビーカー内部の水滴で薄
められても,溶液 B に含まれる酢酸の物質量には変化がないからである。
 正しい。ビュレットに水滴が残っていると,溶液 D が薄められるので,ホール
ピペット同様に共洗いして,内部が使用する溶液 D でぬれたまま使用する。
 正しい。ビュレットの先端部分まで溶液 D で満たしてから使用する。ビュレッ
中和反応の量的関係から,
(v) 式の反応は,I - が電子を失う (vi) 式と,Cl 2 が電子を受け取る (vii) 式の二つの反応
トの先端部分が溶液 D で満たされていないと,その部分の体積も測定されるの
10.0
7.50
1 % c 2 mol/L 3 %
L=1 % 0.110 mol/L %
L
1000
1000
の組合せである。
で,不正確になるためである。
水溶液 C から生じる H+
よって,誤りを含むものは,。
水溶液 D から生じる OH-
乾燥させたホールピペットで 0.10 mol/L の酢酸水溶液を 10.0 mL はかり取る場
合,その中の酢酸の物質量は,
10.0
0.10 mol/L %
L=1.0 % 10 -3 mol
1000
t 酸化還元反応における酸化数の変化から,酸化されたもの (還元されたもの) を
判別できる。
解説
酸化された
乾燥
水ぬれ
いように,安全ピペッターを使ってはかり取る。
解説 電極に直流電圧をかけたとき,変色部分がしだいに左側 (+ 極) にひろがった変化
から,+ 極へ移動するものは陰イオンであるので,OH - か Cl - である。また,この陰
イオンはリトマス紙を変色させるイオンであるから, ウ は OH - と決まる。また,
イ はその水溶液中に OH - を生じる化合物であるから,選択肢のうち NaOH と決ま
る。NaOH は塩基性の物質であり,赤色リトマス紙を青色に変色させるので, ア は
ホールピペットで 0.010 mol/L の酢酸水溶液を 10.0 mL はかり取り,乾燥させ
たコニカルビーカーに移した場合,その中の酢酸の物質量は,
0.010 mol/L %
赤と決まる。
s 1  2  3  4  5  6 
まってしまうが,酢酸の物質量は,ホールピペットではかり取った 1.0 % 10 -4
解説
乾燥
e
酸化される
化しないため,そのまま使用してよい。
水ぬれ
-
水
酢酸の物質量は同じ
b 滴定に用いた酢酸水溶液 C の濃度を c 2 mol/L 3 とする。
したがって,NO 3 - について,
x + 0 -2 1 % 3=-1 x =+5
【NH 4Cl】 NH 4 + と Cl - のイオンからなる化合物である。
したがって,NH 4 + について,
z + 0 -2 1 =0 z =+2
59 s 
解説
還元される
s 
過酸化水素と硫化水素の反応 (下の (iii) 式) は,H 2O 2 が電子を受け取る (i) 式と,
解説 それぞれの原子の酸化数の変化は,次の通り。
H 2S が電子を失う (ii) 式の二つの反応の組合せである。
H 2O 2 + 2H + + 2e -
2H 2O … (i)
 HNO 3
+5
+
2H + + S + 2e -
… (ii)
酸化数の変化 0 +2 1 - 0 +5 1 =-3 変化量:3
2H 2O + S
… (iii)
よって,この反応で,酸化されたものは電子を失った H 2S ,還元されたものは電子を
 S O 2
+4
受け取った H 2O 2  となる。
酸化数の変化 0 +6 1 - 0 +4 1 =+2 変化量:2
また,ヨウ化カリウムと塩素の反応は下の (iv) 式で表されるが,KI と KCl はイオンか
らなる化合物であるから,実質の変化は (v) 式のイオン反応式で表される。
 H 2S
-2
2KI + Cl 2
2KCl + I 2 … (iv)
酸化数の変化 0- 0 -2 1 =+2 変化量:2
2I + Cl 2
2Cl - + I 2 … (v)
 MnO 2
+4
H 2S
H 2O 2 + H 2S
酢酸
化数の総和は,そのイオンの電荷の符号と価数に等しい。
よって,N について酸化数が大きい順に並べると,KNO 3 >NO> NH 4Cl 
仮にコニカルビーカーの内部が純粋な水でぬれていた場合,水溶液の濃度は薄
このように,純粋な水でぬれたまま使用しても,水溶液中の酢酸の物質量が変
【KNO 3】 K+ と NO 3 - のイオンからなる化合物である。多原子イオン中の原子の酸
【NO】 化合物中の原子の酸化数の総和は 0 であるから,
解説
mol のままで変化しない。
58 s 
y + 0 +1 1 % 4=+1 y =-3
よって,組合せとして最も適当なものは,。
57 s 1  2  3  4  5  6 
10.0
L=1.0 % 10 -4 mol
1000
-1
0
還元された
KNO 3,NH 4Cl,NO の N 原子の酸化数をそれぞれ x,y,z とすると,
s 
例 2 純粋な水でぬれたコニカルビーカーを使用した場合
0
2KCl + I 2
解説 化合物中の酸素の酸化数はふつう -2,水素の酸化数はふつう +1 である。
解説
酢酸の物質量は同じ
酸化された
s 
56 s 
共洗いで
使用した酢酸
-2
還元された
解説
よって,正誤の組合せとして正しいものは,。
水
2H 2O + S
2KI + Cl 2
b 誤り。『ホールピペットを使って,希硫酸を口で吸い上げてはかり取った。』
希硫酸をホールピペットではかり取るときは,誤って口の中に薬品が入ることがな
酢酸
0
H 2O 2 + H 2S
-1
て,最も低いところの目盛りを読み取る。
共洗い
-2
-1
合わせるときも,湾曲した液面 (メニスカス) の最も低いところに目の高さを合わせ
このような場合,酢酸水溶液で共洗いを行う。
… (v)
受け取った Cl 2  となる。
解説 a 正しい。ビュレットのほかに,メスフラスコやホールピペットの標線に液面を
水溶液中の酢酸の物質量が減ってしまう。
… (vii)
2Cl - + I 2
0.0825 mol/L % 10=0.825 mol/L 
その中の酢酸の物質量は,
このように,純粋な水でぬれたまま使用すると,正確な体積をはかり取れず,
+ Cl 2
2Cl -
よって,この反応で酸化されたものは電子を失った I - ,還元されたものは電子を
s 
9.0
L=9.0 % 10 -4 mol
1000
-
度は,
トで吸い上げる酢酸水溶液の体積は 10.0 mL-1.0 mL=9.0 mL となるので,
0.10 mol/L %
2I
操作 1 で酢酸水溶液を 10 倍に希釈しているから,希釈する前の酢酸水溶液 A の濃
55 s 
仮にホールピペットの内部が純粋な水 1.0 mL でぬれていた場合,ホールピペッ
I 2 + 2e - … (vi)
+ Cl 2 + 2e -
c =0.0825 mol/L
補足 例 1 純粋な水でぬれたホールピペットを使用した場合
2I -
-11-
NO
+2
H 2SO 4
+6
S
0
MnCl 2
+2
酸化数の変化 0 +2 1 - 0 +4 1 =-2 変化量:2
したがって,酸化還元反応ではない。
s 
 KI
-1
b H 2SO 4 + Fe
解説 酸化剤
I2
0
0
+1 +6 -2
FeSO 4 + H 2
0
+2 +6-2
自身は還元される
酸化数が減少する
それぞれの反応における原子の酸化数の変化は,次の通り。
酸化数の変化 0- 0 -1 1 =+1 変化量:1
酸化数の変化は,H:+1
よって,酸化数が最も大きく変化しているものは,。
したがって,酸化還元反応である。
c BaCO 3 + 2HCl
60 s 
+2 +4-2
+1 -1
0, Fe :0
+2
H 2O + CO 2 + BaCl 2
+1 -2
+4 -2
+2 -1
酸化される
-2
0
a SO 2 + 2H 2S
+4
3S + 2H 2O
0
還元される
解説
s 
解説 酸化数が減少する
還元される
酸化剤
 の K 2Cr 2O 7 との反応では,H 2O 2 は還元剤としてはたらき,K2Cr 2O 7 が酸化剤であ
この反応には,酸化数が変化している原子はない。
SO 2 は還元され,H 2S は酸化されている。すなわち,SO 2 が H 2S を酸化しているの
したがって,酸化還元反応ではない。
で,酸化剤は SO 2
d Cl 2 + H 2
0
2HCl
0
+1 -1
+2
+4
酸化される
b Fe 2O 3 + 3CO
2Fe + 3CO 2
る。
酸化数の変化は,Cl:0
~ が酸性水溶液中で H 2O 2 と反応するとき,~ はいずれも還元剤としては
したがって,酸化還元反応である。
Fe 2O 3 は還元され,CO は酸化されている。すなわち, Fe 2O 3 が CO を酸化している
たらくので,H 2O 2 は酸化剤である。
よって,組合せとして正しいものは,。
ので,酸化剤は Fe 2O 3
 H 2 O 2
補足 単体中の原子の酸化数は 0 である。よって,単体が化合物になったり,化合物か
O 2 + 2H + + 2e - … (i)
Cr 2O 7 2- + 14H + + 6e -
2Cr 3+ + 7H 2O … (ii)
Cr 2O 7 2- + 3H 2O 2 + 8H +
+6
2Cr 3+ + 3O 2 + 7H 2O
+3
Sn 4+ + 2e - … (iii)
H 2O 2 + 2H + + 2e -
2H 2O … (iv)
Sn 2+ + H 2O 2 + 2H +
+2
Sn4+ + 2H 2O
+4
Fe 3+ + e - … (v)
H 2O 2 + 2H + + 2e -
2Fe
+2
 H 2 S
+ H 2O 2 + 2H
3+
2Fe
+3
+ 2H 2O
S + 2H + + 2e - … (vii)
H 2O 2 + 2H
+
+ 2e
-
2H 2O … (viii)
解説 還元剤
解説
自身は酸化される
酸化数が増加する
問題文中の反応式で,下線を引いた物質に含まれる原子の酸化数の変化は,次の通り。
 2H 2O + 2K
+1-2
2KOH + H 2
-2
s 
解説 a 誤り。『二クロム酸カリウムの硫酸酸性水溶液に過酸化水素水を加えると,二
クロム酸イオンが酸化されてクロム (Ⅲ) イオンが生成し,溶液は赤橙色から緑色に
0
変わる。』
 Cl 2 + 2KBr
0
2KCl + Br 2
二クロム酸イオン Cr 2O 7 2-
クロム (Ⅲ) イオン Cr 3+ の反応では,Cr の酸化数は
+3 と減少する。すなわち,Cr 2O 7 2- (赤橙色) が還元されて Cr 3+ (緑色) が生
+6
-1
成する。
Cl 2 には,酸化数が減少する (還元されている) 原子が含まれるので酸化剤。
 H 2O 2 + 2KI + H 2SO 4
+1 -1
2H 2O + I 2 + K2SO 4
+1 -2
b 正しい。銅 (Ⅱ) イオン Cu 2+
銅 Cu の反応では,Cu の酸化数は +2
0 と減少
する。すなわち,Cu 2+ (青色) が還元されて Cu が析出し,溶液中の Cu 2+ の量が減少
するため,溶液の青色が薄くなる。
S + 2H 2O
0
H 2O 2 には,酸化数が減少する (還元されている) 原子が含まれるので酸化剤。
c 誤り。『塩素 Cl 2 を臭化カリウム水溶液に通すと,臭化物イオンが還元されて臭素
 H 2O 2 + SO 2
Br 2 が遊離し,溶液は赤褐色になる。』
H 2SO 4
+1 -2
臭化物イオン Br -
t 酸化数が減少するということは,自身は還元され,相手の物質を酸化すること
である。つまり,酸性水溶液中で過酸化水素に対して酸化剤としてはたらくもので
 SO 2 + Br 2 + 2H 2O
+4 -2
あるので,選択肢中の物質では,K2Cr 2O 7 だけである。
H 2SO 4 + 2HBr
+6 -2
SO 2 には,酸化数が増加する (酸化されている) 原子が含まれるので還元剤。
61 s 
 SO 2 + 2H 2S
解説
+4 -2
s 
+2 -2
0
64 s 
H 2O 2 には,酸化数が減少する (還元されている) 原子が含まれるので酸化剤。
+1 -1
還元される
よって,酸化剤としてはたらいているものの組合せとして最も適当なものは,。
解説
よって,下線部の原子の酸化数が減少する化合物は,。
a 2HCl + CaO
+1
2NaOH + H 2
で,酸化剤は H 2O
62 s 
+1-1
解説 酸化還元反応
+1
酸化される
Na は酸化され,H 2O は還元されている。すなわち,H 2O が Na を酸化しているの
0 vii 1 + 0 viii 1 より,
H 2S + H 2O 2
-2
0
c 2Na + 2H 2O
したがって,b と d は,酸化数の変化の有無を調べるまでもなく,ともに酸化還元
H 2O には,酸化数が減少する (還元されている) 原子が含まれるので酸化剤。
+
0
還元される
反応であることがわかる。
2H 2O … (vi)
0 v1 % 2+ 0 vi 1 より,
2+
ら単体が生じたりする反応は,酸化還元反応である。つまり,化学反応式中に単体が
s 
0 iii 1 + 0 iv1 より,
 Fe 2+
+3
+1
含まれる反応は,酸化還元反応である。
0 i 1 % 3+ 0 ii1 より,
 Sn2+
-1, H:0
酸化数が変化する
CaCl2 + H 2O
+2 -1
+1 -2
この反応には,酸化数が変化している原子はない。
3S + 2H 2O
0
臭素 Br 2 の反応では,Br の酸化数は-1
0 と増加する。す
-
なわち,Br (無色) が酸化されて Br 2 が遊離し,溶液は赤褐色になる。
よって,正誤の組合せとして正しいものは,。
65 s 
解説
s 
-2
SO 2 には,酸化数が減少する (還元されている) 原子が含まれるので酸化剤。
よって,下線で示す物質が還元剤としてはたらいている化学反応式は,。
63 s 
解説  クロム酸カリウム水溶液 (黄色) に硫酸を加えると,Cr 2O 7 2- が生じて赤橙色
になる反応は,
2CrO 4 2- + 2H +
+6 -2
解説
Cr 2O 7 2- + H 2O
+6 -2
酸化数に変化はないから,酸化還元反応ではない。
-12-
 硫酸酸性の過マンガン酸カリウム水溶液 (赤紫色) に過酸化水素水を加えると,赤
紫色が消える反応は,
2MnO 4
酸化される
+ 5H 2O 2 + 6H
+
2Mn
還元される
+7
(b) 0.02 mol % 2=0.04 mol
解説
-1
-
(a) 0.01 mol % 5=0.05 mol
67 s 
(c) 0.01 mol % 6=0.06 mol
s 
0
2+
+ 5O 2 + 8H 2O
解説 酸化力の強さとは,相手の物質から電子 e - を奪う強さのことである。一般に,反
+2
H 2O 2 の O の酸化数は増加している。すなわち,H 2O 2 は酸化されており,還元剤と
-
して作用している。また,MnO 4 (赤紫色) が還元されて Mn
2+
(淡桃色 (ほとんど無
辺の酸化剤」 のほうが酸化力が強い (相手の物質から電子 e - を奪い,自身は還元され
 硫化水素の水溶液に二酸化硫黄を通じると,硫黄を遊離して白濁する反応は,
a 2Fe
+ Sn
2+
0
還元される
SO 2 の S の酸化数は減少している。すなわち,SO 2 は還元されており,酸化剤とし
2Fe
還元される
+ Sn
s 
4+
+2
解説 酸化剤と還元剤が過不足なく反応するので,
反応式より,Sn 4+ が Fe 2+ から電子 e - を奪う反応よりも,Fe 3+ が Sn2+ から電子
MnO 4 - + 8H + + 5e -
e - を奪う反応のほうが起こりやすいことがわかる。
Fe 2+
したがって,酸化力の強さは,Fe
て作用している。
b Cr 2O 7
+6
酸化される
+ 6Fe
> Sn
4+
2+
+ 14H
2Cr
3+
MnO 4
+ 6Fe
3+
+ 7H 2O
+3
還元される
Fe 3+ + e - … (ii)
0 i 1 + 0 ii 1 % 5 より,
+3
+
還元される
-
+ 5Fe 2+ + 8H +
I 2 + 2H 2O + K 2SO 4 反応式より,Fe 3+ が Cr 3+ から電子 e - を奪う反応よりも,Cr 2O 7 2- が Fe 2+ から電
-2
子 e を奪う反応のほうが起こりやすいことがわかる。
KI の I の酸化数は増加している。すなわち,KI は酸化されており,還元剤として作
用している。
補足  で反応後に水溶液が褐色となるのは,反応で生じた I 2 と水溶液中の I から
-
68 s 1  2  3  4  5  6 
解説
I 3 - (褐色) が生じるためである。
s 1  2  3  4  5  6 
66 s 
解説 酸化剤 ! 還元剤のはたらきを示す反応式をつくるには,
解説
① 酸化数の増加または減少にあわせて,e - を加える。
s 
解説 硫酸酸性水溶液中の過酸化水素 H 2O 2 とヨウ化ナトリウム NaI の反応は,
2I
したがって,酸化力の強さは,Cr 2O 7 2- > Fe 3+
よって,酸化力の強さの順は,Cr 2O 7 2- > Fe 3+ > Sn 4+ 
よって,下線の化合物が酸化剤として作用しているものは,。
-
2H 2O … (i)
MnO4 -
MnO 4 - + 5e - + 8H +
I 2 + 2H 2O … (iii)
H 2O 2 + H 2SO 4 + 2NaI
が 4 個,O 原子が 4 個あるため,H 2O の係数 3 は 2。
I 2 + 2H 2O + Na 2SO 4 … (iv)
この反応では,H 2O 2 は電子を受け取って (還元されて) いるので,酸化剤としてはたら
SO 2 + 2H 2O
SO 4 2- + 2e - + 4H +
(iii) (i),(ii) から,電子 e - が等しくなるように 0 i1 % 2+ 0 ii1 % 5 とすると,
いている。
a 正しい。(iii) 式に示されるように,反応液中の水素イオンが反応して 4 H 5 は減少す
+
るから,反応後の水溶液の pH の値は反応前より大きくなる。
04 H +5 =1 % 10 -n mol/L のとき pH= n であるから,
4H +5 が小さくなる
Mn2+ + 4H 2O
(ii) S の酸化数が +4 から +6 に増加するから,e - の係数 4 は 2。右辺に H 原子
変化しなかった Na +,SO 4 2- を加えると,
n が大きくなる。1
0.020 mol/L %
2MnO 4 - + 5SO 2 + 2H 2O
2Mn2+ + 5SO 4 2- + 4H +
69 s 
V
5
20
L
L % =0.050 mol/L %
1000
1000 2 3 1
KMnO4 の物質量
FeSO 4 の物質量
係数の比
V=10 mL 
t 酸化剤が受け取る電子 e - の物質量 2 mol 3
= 還元剤が失う電子 e - の物質量 2 mol 3 より,
反応する KMnO 4 水溶液の体積を V 2 mL 3 とすると,
0.020 mol/L %
V
20
L % 5=0.050 mol/L %
L%1
1000 2 3
1000
KMnO4 の物質量
FeSO 4 の物質量
-
FeSO 4 が失う e - の物質量
KMnO4 が受け取る e の物質量
③ 左辺と右辺の原子の数を等しくする。
が 8 個,O 原子が 4 個あるため,H 2O の係数 2 は 4。
Fe 2+
るので,過不足なく反応する KMnO 4 水溶液の体積を V 2 mL 3 とすると,
② H + を加えて左辺と右辺の電荷の総和を等しくする。
(i) Mn の酸化数が +7 から +2 に減少するから,e - の係数 1 は 5。左辺に H 原子
I 2 + 2e - … (ii)
0 i1 + 0 ii 1 より,
H 2O 2 + 2H + + 2I -
Mn2+ + 5Fe 3+ + 4H 2O … (iii)
反応式の係数の比 = 物質量の比 より,KMnO 4 1 mol に対し,FeSO 4 は 5 mol 反応す
-
H 2O 2 + 2H + + 2e -
Mn2+ + 4H 2O … (i)
0
2KI + H 2O 2 + H 2SO 4
-1
2-
3+
酸化される
+2
 硫酸酸性のヨウ化カリウム水溶液に過酸化水素水を加えると,褐色になる反応は,
よって,酸化される硫酸鉄 (Ⅱ) の量の大小関係は,c > a > b 
解説
+4
2+
0
3S + 2H 2O
+4
-1
酸化される
+2
3+
+3
酸化される
子 e の物質量」 = 「酸化される Fe 2+ の物質量」 である。
70 s 
る)。
色)) となるため,溶液の赤紫色が消える。
-2
Fe 3+ + e - のように酸化されるので,「酸化剤が受け取る電
-
応式から判断することができ,反応が右向きに進む場合,「右辺の酸化剤」 よりも 「左
2H 2S + SO 2
硫酸鉄 (Ⅱ) は Fe 2+
V=10 mL 
71 s 
解説
s 
解説 反応式の係数より,KMnO 4:H 2O 2 =2:5
酸化還元反応の化学反応式が与えられているので,化学反応式の量的関係で考える。
H 2O 2 5 mol に対し,KMnO 4 2 mol が反応すると,完全に反応は終了する。MnO 4 - (赤
紫色) は反応すると Mn2+ (淡桃色 (ほとんど無色)) となるため,色が消えなくなった時点
で完全に反応が終了したことになる。
希釈前の H 2O 2 の濃度を c 2 mol/L 3 とすると,
解説
0.100 mol/L %
s 
b 誤り。『反応中に,水素が発生する。』
解説 それぞれが電子を受け取る反応は,
(iii) 式に示されるように,この反応では水素は発生しない。
(a) MnO 4 - + 8H + + 5e -
c 正しい。ヨウ化物イオン I - が酸化されてヨウ素 I 2 が生じたから,反応後の水溶液
(b) H 2O 2 + 2H + + 2e -
をデンプン水溶液に加えると青紫色を示す (ヨウ素デンプン反応)。
(c) Cr 2O 7 2- + 14H + + 6e -
よって,正誤の組合せとして正しいものは,。
係数の比 = 物質量の比 より,それぞれの酸化剤が受け取る電子の物質量は,
Mn2+ + 4H 2O
2H 2O
2Cr 3+ + 7H 2O
-13-
20.0
5
10.0
L % = c 2 mol/L 3 %
L
1000
2
1000
KMnO4 の物質量
係数の比
H2O 2 の物質量
c =0.500 mol/L
よって,最も適当な数値は,0.50 
t この反応において,酸化剤は KMnO 4 0MnO 4 -1,還元剤は H 2O 2 である。
MnO 4
-
+ 8H + + 5e -
Mn2+ + 4H 2O
2H + + O 2 + 2e -
H 2O 2
-
= 還元剤が失う電子 e の物質量 2 mol 3 より,
希釈前の H 2O 2 の濃度を c 2 mol/L 3 とすると,
が進まなくなる。このような状態を不動態という。
解説
s 
 正しい。鉄はイオン化傾向が大きく,希硝酸などの希酸と反応して水素を発生し
解説
ながら溶ける。
20.0
10.0
L % 5= c 2 mol/L 3 %
L%2
0.100 mol/L %
1000
1000
KMnO4 の物質量
(酸化されやすい)
Li>K>Ca>Na>Mg>Al> Zn > Fe >Ni>Sn> Pb
> 0 H 21 > Cu >Hg> Ag > Pt > Au
(還元されやすい)
H2O 2 の物質量
KMnO4 が受け取る e - の物質量
なお,アルミニウムは,濃硝酸や熱濃硫酸には,ち密な酸化被膜をつくるので反応
73 s 
酸化剤が受け取る電子 e - の物質量 2 mol 3
H2O 2 が失う e - の物質量
c =0.500 mol/L
72 s 
解説
窒素,二酸化硫黄を発生させる。
イオン化傾向の大きな金属は,電子を失って陽イオンになりやすいので酸化されやす
3Cu + 8HNO 3 (希)
く,電子を相手に与えるので還元作用が強い。
Cu + 4HNO 3 (濃)
イオンは電子を受け取って金属になりやすいので還元されやすい。
シュウ酸は 2 価の酸であり,還元剤である。
つまり,金属 M のイオン化傾向が銀 Ag よりも大きいか小さいかを考えればよい。
KMnO 4 2 mol に対し,H 2C 2O 4 は 5 mol 反応するので,シュウ酸水溶液の濃度を c
イオン化傾向が,
2 mol/L 3 とすると,
M>Ag のとき,M が陽イオンになり,Ag が析出する。
M が酸化される
係数の比
H2C 2O4 の物質量
 正しい。銅は水素よりイオン化傾向が小さいので,ふつうの酸 0H +1 とは反応しな
いが,酸化力の強い希硝酸 ! 濃硝酸や熱濃硫酸に溶け,それぞれ一酸化窒素,二酸化
解説 反応式の係数より,H 2C 2O 4:KMnO 4 =5:2
KMnO4 の物質量
また,濃硝酸とは不動態をつくるので反応しにくい。
傾向という。
逆に,イオン化傾向の小さな金属は,陽イオンになりにくいので酸化されにくく,陽
20
5
25
L % = c 2 mol/L 3 %
L
1000
2
1000
Fe0 NO 31 2 + H 20
単体の金属原子が,水溶液中で電子を放出して陽イオンになる性質を金属のイオン化
s 
0.050 mol/L %
Fe + 2HNO 3
Ag+ が還元される
3Cu0 NO 31 2 + 4H 2O + 2NO0
Cu0 NO 31 2 + 2H 2O + 2NO 20
Cu + 2H 2SO 4 (熱濃)
CuSO 4 + 2H 2O + SO 20
 正しい。亜鉛はイオン化傾向が大きく,希硫酸や希塩酸などの希酸と反応し,水
素を発生して溶ける。
Zn + H 2SO 4
Zn + 2HCl
ZnSO 4 + H 20
ZnCl2 + H 20
M<Ag のとき,M は反応せず,Ag は析出しない。
 正しい。銀は水素よりイオン化傾向が小さいので,ふつうの酸とは反応しない
 適当でない。イオン化傾向は,Zn>Fe>Ag であるから,どちらの金属の線にも
が,酸化力の強い硝酸や熱濃硫酸には反応して溶ける。
c =0.10 mol/L
銀が析出する。
Ag + 2HNO 3 (濃)
また,中和滴定に要する水酸化ナトリウム水溶液の体積を V 2 mL 3 とすると,
酸の 0 価数 % 濃度 2 mol/L 3 % 体積 2 L 3 1
 適当でない。イオン化傾向は,Zn>Cu>Ag であるから,どちらの金属の線にも
2Ag + 2H 2SO 4 (熱濃)
銀が析出する。
 誤り。『金は,希硝酸に溶けないが,濃硝酸には溶ける。』
= 塩基の 0 価数 % 濃度 2 mol/L 3 % 体積 2 L 3 1 より,
25
V
2 % 0.10 mol/L %
L=1 % 0.25 mol/L %
L
1000
1000 2 3
 適当でない。イオン化傾向は,Zn>Pb>Ag であるから,どちらの金属の線にも
金はイオン化傾向が小さく,ふつうの酸だけでなく希硝酸 ! 濃硝酸や熱濃硫酸にも溶
銀が析出する。
けにくいが,王水 (濃硝酸と濃塩酸の体積の比 1:3 の混合物) には溶ける。
 適当でない。イオン化傾向は,Cu>Ag>Au であるから,銅の線のみに銀が析出
よって,誤りを含むものは,。
H2C 2O4 から生じる H+
NaOH から生じる OH-
t この反応において,酸化剤は KMnO 4 0MnO 4 -1,還元剤は H 2C 2O 4 である。
MnO 4 - + 8H + + 5e H 2C 2O 4
Mn2+ + 4H 2O
2CO 2 + 2H + + 2e -
酸化剤が受け取る電子 e - の物質量 2 mol 3
= 還元剤が失う電子 e - の物質量 2 mol 3 より,
シュウ酸水溶液の濃度を c 2 mol/L 3 とすると,
20
25
0.050 mol/L %
L % 5= c 2 mol/L 3 %
L % 2 … (i)
1000
1000
KMnO4 が受け取る e - の物質量
次に,中和の関係式 a % c %
H2C 2O4 が失う e - の物質量
V
V= b % c -%
より,中和に要する水酸化ナトリ
1000
1000
ウム水溶液の体積を V 2 mL 3 とすると,
25
V
2 % c 2 mol/L 3 %
L=1 % 0.25 mol/L %
L … (ii)
1000 2 3
1000
H2C 2O4 から生じる H+
NaOH から生じる OH-
ここで,「(i) 式の右辺」 と 「(ii) 式の左辺」 が等しいので,
「(i) 式の左辺」 = 「(ii) 式の右辺」 が成りたつ (A=B ,B=C のとき,A=C)。
Ag 2SO 4 + 2H 2O + SO 20
76 s 
する。
V =20 ml 
AgNO 3 + H 2O + NO 20
 適当である。イオン化傾向は,Ag>Pt>Au であるから,どちらの金属の線にも
解説
銀が析出しない。
s 
 適当でない。イオン化傾向は,Pb>Ag>Pt であるから,鉛の線のみに銀が析出
解説 イオン化傾向は,Zn>Fe>Sn
する。
金属は,使用しているうちに,その一部が酸化されて,酸化物 ! 水酸化物 ! 炭酸塩など
よって,金属の線に銀が析出しない金属の組合せとして最も適当なものは,。
に変わってしまうことがある。これを腐食 (さびる) という。
金属の表面を別の金属でおおうことで,金属の腐食を防止する方法をめっきという。
74 s 
鉄 Fe にめっきを施したものには,スズ Sn をめっきしたブリキや亜鉛 Zn をめっきした
解説
トタンなどがある。
s 
解説 ア イオン化傾向 A>C 。室温の水と反応するのは,イオン化傾向が大きい金属
である。
イ イオン化傾向 A>B 。高温の水蒸気と反応する金属よりも室温の水と反応する金
属のほうがイオン化傾向が大きい。
ウ イオン化傾向 B>C 。B が酸化されて陽イオンになり,C の陽イオンが還元され
て C が析出しているので,B のほうがイオン化傾向が大きい (酸化されやすい)。
よって,イオン化傾向の大小関係は,A > B > C 
75 s 
鉄の表面にスズ をめっきしたものをブリキ という。
ア
イ
スズは鉄よりもイオン化傾向が小さく,鉄だけのときよりも腐食しにくくなる。しか
し,ブリキの表面に傷がつき,内部の鉄が露出すると,鉄のほうが先に酸化されてし
まうため,缶詰の内壁などの傷がつきにくいところに使われている。
補足 鉄の表面に亜鉛をめっきしたものをトタンという。亜鉛は鉄よりもイオン化傾
向が大きいが,表面に酸化被膜をつくり内部を保護するため,鉄だけのときよりも
腐食しにくい。また,トタンの表面に傷がつき,内部の鉄が露出しても,亜鉛のほ
うが先に酸化される。トタンは屋外の建材のような水にぬれやすいところに使われ
ている。
解説
20
V
L % 5=1 % 0.25 mol/L %
0.050 mol/L %
L
1000
1000 2 3
s 
V=20 mL 
解説  正しい。アルミニウムはイオン化傾向が大きいので,希硝酸に溶ける。
77 s 
解説
-14-
s 
解説 負極
酸化反応が起こる
解説 銑鉄に含まれる炭素 C のうち,酸化されて二酸化炭素になったのは,10 kg
解説  正しい。過マンガン酸カリウム水溶液は,過マンガン酸イオン MnO 4 の赤紫
正極
還元反応が起こる
0 10 % 10 3 g1 のうちの 3 % なので,
色をしている。これが硫酸酸性下で酸化剤としてはたらいて Mn2+ になると淡桃色
 正しい。充電によってくり返し使うことのできる電池を,二次電池または蓄電池
10 % 10 3 g %
という。
3
=300 g
100
(ほとんど無色) になる。この反応で,過酸化水素 H 2O 2 は還元剤としてはたらき,酸
 正しい。マンガン乾電池は,日常的に用いられる一次電池の代表で,懐中電灯な
C が酸化されて二酸化炭素 CO 2 になる反応は,
どに利用されている。
C + O 2
 誤り。『燃料電池を放電すると,負極で水素が還元される。』
係数の比 = 物質量の比 より,300 g の C (原子量 12) から生じた二酸化炭素 CO 2 の,
燃料電池は水素の燃焼により生じるエネルギーを電気エネルギーとして利用できる
標準状態での体積は,
ようにしたもの。燃料電池を放電すると,電池全体では水素の燃焼反応
300 g
=560 L 
22.4 L/mol %
12 g/mol
0
酸化される
2H 2 + O 2
+1
-2
0
CO 2
s 
 正しい。
解説  誤り。『鉄は,硫化物を多く含む鉱石から取り出される。』
鉄の鉱石は,赤鉄鉱 0 主成分は Fe 2O 31 ,磁鉄鉱 0 主成分 Fe 3O 41 などの酸化物を多く含
む鉱石である。
解説
s 
 誤り。『銅は,酸化物を多く含む鉱石から取り出される。』
解説 a 正しい。鉛蓄電池では,正極には PbO 2,負極には Pb が用いられている。単体
銅の鉱石は,黄銅鉱 0 主成分 CuFeS 21 が代表的であり,硫化物を多く含んでいる。
の Pb の酸化数は 0,PbO 2 中の Pb の酸化数は +4 である。これは,単体の Pb は十
 正しい。アルミニウムは,ボーキサイト 0主成分 Al 2O 3 ・ n H 2O1 から得られる。
分に電子をもっているが,PbO 2 中の Pb は電子が四つ不足している状態ととらえる
 誤り。『鋼は硬くてもろいので,銑鉄に変えて用いられる。』
ことができる。そこで外部回路を接続すると,Pb から PbO 2 へ電子が流れるので,
銑鉄は硬くてもろいので,転炉に入れて酸素を吹きこみ,余分な炭素を燃焼させて
Pb が負極,PbO 2 が正極になると理解できる。
除き,鋼に変えて用いられる。
b 誤り。燃料電池では,正極には O 2,負極には H 2 が用いられている。燃料電池全体
 誤り。『銅の製造では,炭素が電極として用いられる。』
の反応は,
銅の製造では,粗銅と純銅が電極として用いられる。粗銅を陽極,純銅を陰極とし
0
酸化される
2H 2 + O 2
82 s 
s 
て (電子を受け取って) いるので正極で反応する。
解説 この実験で起こる反応は,
c 正しい。マンガン乾電池では,正極には MnO 2,負極には Zn が用いられている。亜
鉛 Zn は比較的イオン化傾向が大きい金属なので酸化されやすく,多くの電池で負極
0
 2
+2
 3
 4

 2
 3
 4

解説 酸化物や硫化物などの鉱物から,金属の単体を取り出すことを製錬という。
鉄は,磁鉄鉱 0主成分 Fe 3O 41 や赤鉄鉱 0主成分 Fe 2O 31 などの鉄の酸化物を還元 する
2
CO であり,反応式は,
ことで得られる。還元剤はコークス (C) から生じる一酸化炭素 1
Fe 2O 3 + 3CO
2Fe + 3CO 2
このようにして得られた鉄は銑鉄 とよばれ,炭素を約 4 % 含んでおり,硬くてもろ
3
い。そこで,銑鉄を転炉に移して酸素を吹きこみ,余分な炭素を燃焼させて除いたも
のを鋼 という。
4
s 
2Cr 3+ + 7H 2O
緑色
赤橙色
 誤り。この反応ではヨウ化カリウム水溶液中のヨウ化物イオン I - (無色) が,還元
剤としてはたらき,ヨウ素 I 2 が生じる。I 2 は黒紫色の結晶であるが,ヨウ化カリウ
ム水溶液 0I - を含む水溶液1 に溶けると I 3 - となり,褐色の水溶液となる。この反応
では過酸化水素は酸化剤としてはたらいており,H 2O になるが,反応の前後で無色
のままなので,観察される色の変化は無色
H 2O 2 + 2H
+
+ 2e
-
褐色である。
2H 2O
無色
2I -
I 2 + 2e -
無色
I 2 + I -
I3-
もに硫黄 S となり,水溶液は白く濁るので,観察される色の変化は 無色
+4
白色
である。
2Cu + CO 2
還元される
SO 2 + 4H + + 4e -
0
ア 正しい。観察 a より,石灰水が白濁しているので,二酸化炭素が発生したことが
H 2S
無色
S + 2H 2O
白く濁る
S + 2H + + 2e 白く濁る
イ 正しい。硫酸銅 (Ⅱ) 無水物は水の検出に用いられている試薬である。水があると
次のように反応し,硫酸銅 (Ⅱ) 五水和物となる。
CuSO 4 + 5H 2O
CuSO 4 ・ 5H 2O
白色
青色
84 s 
解説
s 
観察 b より,硫酸銅 (Ⅱ) 無水物が白色のままであったため,水が生成していないこ
解説 金属 M のイオンを含む水溶液に,金属 M - を入れたとき,
とがわかる。
金属 M が析出 イオン化傾向 M<M -
ウ 正しい。酸化銅 (Ⅱ) が炭素によって還元され,金属銅が生成している。単体の銅
変化が起こらない
イオン化傾向 M>M -
は赤色を帯びた金属である。
ア 鉄 > 銅。鉄 (Ⅱ) イオン Fe 2+ を含む水溶液に,単体の銅 Cu を入れても変化が起こ
83 s 
らないので,鉄のほうが銅よりも陽イオンになりやすいとわかる。
イ 鉄 > 銅。銅 (Ⅱ) イオン Cu 2+ を含む水溶液に,単体の鉄 Fe を入れたところ,銅
解説
解説
緑色である。
Cr 2O 7 2- + 14H + + 6e -
る。これらが反応すると,SO 2 は酸化剤として,H 2S は還元剤としてはたらき,と
わかる。
1
れる色の変化は赤橙色
無色
解説
80 s 
酸化される
2CuO + C
として用いられている。
s 無色
 正しい。二酸化硫黄 SO 2 の水溶液は無色であり,硫化水素 H 2S の気体も無色であ
つまり,水素は酸化されて (電子を失って) いるので負極で反応し,酸素は還元され
1
無色
褐色
解説
還元される
79 s O 2 + 2H + + 2e -
H 2O 2
-2
0
Mn2+ + 4H 2O
淡桃色 (ほとんど無色)
赤紫色
無色
て硫酸銅 (Ⅱ) CuSO 4 水溶液を電気分解する。
+1
2H 2O
MnO 4 - + 8H + + 5e -
と同様に過酸化水素は還元剤としてはたらき,反応前後で無色であるので,観察さ
が起こっており,負極で水素は酸化される。
78 s 
淡桃
ている。これが硫酸酸性下で酸化剤としてはたらいて Cr 3+ になると緑色になる。
解説
還元される
素 O 2 となるが,H 2O 2 も O 2 も無色なので,観察される色の変化は 赤紫色
色 (ほとんど無色) である。
 正しい。二クロム酸カリウム水溶液は,二クロム酸イオン Cr 2O 7 2- の赤橙色をし
81 s 
2H 2O
-
Cu が析出したので,
s 
-15-
Cu 2+ + Fe
Cu + Fe 2+
したがって,鉄のほうが銅よりも陽イオンになりやすいとわかる。
ウ 銅 > 銀。銀イオン Ag + を含む水溶液に,単体の銅 Cu を入れたところ,銀 Ag が
空気が,窒素 N2 と酸素 O 2 の体積比 4:1 の混合物だとすると,その平均の分子量
酸素や水,二酸化炭素と化学反応していろいろな組成の塩基性炭酸銅 (ろくしょう)
は,0 成分気体の分子量 % 成分気体の存在比 1 の和 で求められるので,
に変化するため,しだいに光沢がなくなる。
0 14 % 2 1 %
析出したので,
2Ag
+
+ Cu
2Ag + Cu
N2 の分子量
2+
したがって,銅のほうが銀よりも陽イオンになりやすいとわかる。
よって,陽イオンになりやすい順序は,鉄 > 銅 > 銀 
85 s 
4
1
+ 0 16 % 2 1 %
729
4+1
4+1
N2 の存在比
O2 の分子量
O2 の存在比
したがって,空気の平均の分子量は 29 となる。
メタン CH 4 の分子量は 16 であり,空気の平均分子量より小さいので,メタンの密度
は空気の密度より小さい。したがって,天然ガスが漏れた場合は上方に滞留する。
なお,プロパンガス C 3H 8 (分子量 44) の場合は,空気より密度が大きいので,漏れた
解説
ときは下方に滞留する。
s 
"三態の変化#
とがある。一般的な物質は液体が固体になると体積が減少するが,水は特異的に体
融解
蒸発
固体 液体 気体 凝固
凝縮
積が増加する。なお,水の密度は 4 ℃ の液体のときに最大となる 01.0 g/cm 31 。
 正しい。水になじみやすい部分を親水基といい,水になじみにくい部分を疎水基
(親油基) という。セッケンの分子は,水の中で親水基を外側に,疎水基を内側にして
集合し,ミセルという粒子をつくる。このミセルの内側に油分を取りこむことがで
昇華
変形する。そのままの形で固定されてしまったのが,しわである。アイロンをかけ
ると,変形していた繊維が熱でのばされ,正しい位置で再び固定されるので,しわ
がとれる。
 化学変化ではない。ガラス棒を加熱すると,ガラスが融けはじめるので,やわら
かくなる。
 化学変化ではない。水に赤インクをたらすと,インクの色素が水の中に拡散する
ので,全体が赤くなる。
 正しい。液体の水が氷になると体積が増え,場合によっては水道管が破損するこ
解説 固体 ! 液体 ! 気体を物質の三態という。
 化学変化ではない。シャツを洗濯すると,シャツの繊維が水を含んでほぐされ,
きるので,セッケンは油汚れなどを洗浄するのに利用される。
 化学変化ではない。水が凝固して氷になると,体積が増えてびんが割れることが
ある。
よって,化学変化によるものとして最も適当なものは,。
90 s 
解説
s 
解説  酸化還元反応を含む。蓄電池を充電するとき起こる反応は,酸化還元反応で
a 物質の溶解性の違いを利用して,適当な溶媒を使って混合物中の目的の物質だけ
 正しい。炭酸飲料は,二酸化炭素が高圧で水に溶かしこまれて密閉されている。
を溶かし出す操作を抽出という。紅茶の葉から,熱湯で必要成分を溶かし出す操作
コップに入れて室温に放置すると,発泡しながら二酸化炭素が空気中に逃げてい
は抽出。
き,溶けている二酸化炭素の量が少なくなると発泡しなくなる。
 酸化還元反応を含まない。炭酸飲料は,二酸化炭素が高圧で水に溶かしこまれて
よって,誤りを含むものは,。
密閉されたものである。コップに注ぐと,水に溶けていた二酸化炭素の泡が発生す
b ドライアイスは CO 2 の分子が多数集まった結晶である。分子どうしの結合力が弱
いので,容易に気体になる。固体が液体を経ないで直接気体になる現象は昇華。
c 冷たいものの表面に,空気中の水蒸気が水滴になってつく現象は凝縮。
よって,関係の深い語の組合せとして最も適当なものは, 。
86 s 
解説
ある。
るが,これは酸化還元反応ではない。
88 s 
 酸化還元反応を含む。鉄粉が空気中の酸素により酸化されることで,発熱する。
解説
 酸化還元反応を含む。燃焼反応は酸化反応である。
s 
解説  正しい。ナトリウムの炎色反応は黄色を呈する。
 正しい。炭酸水素ナトリウムは,加熱すると分解して二酸化炭素を発生する。炭
 酸化還元反応を含む。さびは,金属が空気中の酸素や水により酸化されることで
生じる。銅は湿った空気中で,緑色のさび (緑青 (ろくしょう)) を生じる。
よって,酸化還元反応を含まないものは,。
s 
酸水素ナトリウムは重曹 (じゅうそう) ともよばれ,医薬品,ベーキングパウダー,
解説  適当である。冷凍庫内の氷が小さくなったのは,氷の一部が直接気体になる
発泡入浴剤などに用いられる。
昇華が起こったためである。
 誤り。『包装材や容器などに用いられるポリエチレンは,エチレンの縮合重合に
 適当である。冷たい飲み物を入れたガラスコップの表面で,空気中の水蒸気が液
よってつくられる。』
s 
体の水になる凝縮が起こったためである。
ポリエチレンは,エチレン分子内にある炭素原子間の二重結合が開いて別のエチレ
解説 まず,10 km 走行で使用する 1.0 L の燃料中の炭素の質量を求める。
 適当である。活性炭は無数の小さい孔をもつ多孔質の物質であり,冷蔵庫内の臭
ン分子と次々に共有結合をつくる付加重合によってつくられる。縮合重合は,分子
い物質を小さい孔に吸着するため,臭いが消える。
間で水などの簡単な分子が取れて次々と結合する反応である。縮合重合により,エ
 適当でない。漂白剤は酸化還元反応により,インク中の分子の構造を変化させる
チレングリコールとテレフタル酸からポリエチレンテレフタラート (PET) がつくら
1.0 L の燃料に含まれる炭素の質量は,1.0 L=1000 cm 3 であるから,
れている。
0.70 g/cm 3 % 1000 cm 3 %
ことで,シミが消える。
 適当である。花火のさまざまな色は,元素によって異なる炎色反応を利用したも
のである。
よって,組合せとして適当でないものは,。
87 s 
解説
s 
解説  正しい。水蒸気は気体であるので目に見えないが,水蒸気が凝縮した水は液
体であるので目に見える。
 誤り。『天然ガスの主成分であるメタンは空気より密度が大きいので,天然ガス
が空気中に漏れた場合には下方に滞留する。』
91 s 
解説
燃料 1.0 L
 正しい。気体のヨウ素は冷却すると,液体を経ないで直接固体になる。ヨウ素の
固体は黒紫色である。
 正しい。黒鉛は炭素の単体である。
燃料 1.0 L の質量
燃料 1.0 L の質量
%炭素の割合
燃料 1.0 L 中の炭素の質量
85
=595 g
100
C の割合
燃料に含まれる炭素原子は,すべて二酸化炭素に変わる 0 C + O 2
原子量 12
よって,下線部に誤りを含むものは,。
595 g %
89 s 
%密度
CO 21 ので,
分子量 44
44
72182 g
12
これは 10 km 走行したときに発生した二酸化炭素の量である。よって,1 km 当たり
解説
s 
の平均値にすると,
解説 ある物質が別の物質に変わる変化を化学変化という。これに対して,物質の種類
は変わらず,その状態だけが変わる変化を物理変化という。
 化学変化である。十円硬貨の主成分は銅 Cu であり,長時間放置すると,空気中の
92 s 
解説
-16-
2182 g
7220 g 
10
97 水酸化カルシウムと塩化アンモニウムの混合物を試験管にとり,加熱して発生するアン
s 
 正しい。硫化水素と塩素は,ともにきわめて有毒な気体である。できるだけドラ
解説  誤り。『てんびんを使って粉末状の薬品をはかり取るときには,てんびんの
フト内で扱う。
モニアを集めたい。装置の組み立て方として最も適当なものを,下の ~ のうちから
皿の上に直接薬品をのせる。』
 正しい。黄リンは,常温でも空気中の酸素と容易に反応する。この酸化反応によ
一つ選べ。ただし,支持器具は一部省略してある。 2 3
てんびんの皿に薬品が付着しないようにするため,粉末状の薬品をはかり取る場合
る発熱で温度が上昇し,発火点 0 34 ℃ 1 に達すると自然に発火する。よって,黄リン
は,皿の上に薬包紙をのせ,その上に薬品をのせる。
は空気に触れさせないように,水中に保存する。
 誤り。『ビーカー内で起こっている反応の様子は,ビーカーの真上からのぞき込
補足 炎などの他からの発火源がなくても,空気中で温度を上げていったときに発
んで観察する。』
火する最低温度を発火点という。
真上からのぞき込むと,突沸や爆発が起こった際に危険なので,ビーカーの横から
 誤り。『水酸化ナトリウムの水溶液が皮膚や粘膜についたら,すぐに大量の希塩
観察する。
酸で十分に洗う。』
 誤り。『加熱している液体の温度を均一にするには,液体を温度計でかき混ぜ
塩基が付着したときは,まず大量の水で十分に洗う。その後に,酢酸かホウ酸の薄
る。』
い水溶液で中和し,さらに大量の水で洗う (ついたものが酸ならば炭酸水素ナトリウ
温度計でかき混ぜると,温度計が反応容器に当たって破損することがあるため,か
ム水溶液か薄いアンモニア水で中和する)。水洗いをしないでいきなり中和すると,
くはん子やガラス棒を用いてかき混ぜる。
中和反応が起こる際に生じる熱のためにやけどをすることがある。
 誤り。『ガスバーナーに点火するときには,先に空気調節ねじを開いてからガス
よって,誤りを含むものは,。
調節ねじを開く。』
ガスバーナーの点火の手順は,マッチに火をつけ,ガス調節ねじを開いてガスバー
s 
解説  不適当である。『薬品に引火したため,急いで水をかけた。』
んでしまったり,有毒な蒸気を吸いこんでしまったりするおそれがあるため,安全
薬品の中には,水と反応するものもあるため,砂をかけたり,消火器を使ったりし
93 s 




解説
 正しい。ホールピペットを吸い上げるとき,直接口から吸い上げると,薬品を飲
よって,正しいものは,。

95 s 
ナーに点火し,炎の大きさを調節した後,空気調節ねじを開いて青白い炎にする。
ピペッターを用いる。

水
て消火する。
水
 不適当である。『手に濃硫酸が付着したため,ハンカチでふいた。』
濃硫酸は脱水作用があり,ハンカチなどの有機物から水を奪い発熱するため,大量
解説
の水で洗い流す。
s 
s 
 不適当である。『粉末状の薬品をこぼしてしまったため,ほうきで集めて試薬瓶
解説  正しい。塩素や硫化水素などの有毒ガスが発生していることもあるので,に
に戻した。』
おいをかぐ際に直接鼻を近づけてはいけない。そのようなことを防ぐため,手であ
机や床にこぼしてしまった試薬は汚れが混じったり,空気中の酸素などと反応した
おいでかぐようにする。
りする。そのため,ほうき等で集めて廃棄する。
 正しい。重金属イオンは毒性があるものが多く,そのまま流しに捨てると環境汚
 適当である。アルコールの蒸留中に冷却ができなくなると,発生した気体が増え
染につながる。このため,廃液だめに集めておき,専門の業者に回収してもらう。
続け,ガスバーナーに引火する危険性があるため,直ちにガスバーナーを止める。
 誤り。『希硫酸をつくるときには,濃硫酸に少しずつ水を加えて薄める。』
引火性の物質を扱う実験では,引火する危険性を考えて対応する。
濃硫酸が水に溶けるとき熱が発生する。よって,濃硫酸に少しずつ水を加えると,
よって,最も適当なものは,。
加えた水が急激に沸騰して周囲に濃硫酸が飛散するおそれがあり,危険である。し
たがって,多量の水に濃硫酸を少しずつ加えて薄める。
96 s 問 1  問 2  問 3 
解説
 正しい。飛び散った薬品が目に入ることもあるので,実験は必ず保護 (防護) めが
s 問 1  問 2  問 3 
ねを着用する。
解説 問 1 ガスバーナーで加熱する場合に限らず,試験管に加える水溶液の量は,試験
 正しい。大量の薬品を用いると,反応によって多量の熱が発生したり,爆発が起
管の 4 分の 1 以下が適当である。水溶液の量が多いと,加熱したとき,試薬がこぼ
こったりするなど,予期せぬ事態が発生して危険である。また,廃液の量も増える
れることがあり危険である。
ため,薬品は必要な量だけ使用する。
よって,適当なものは,。
よって,誤りを含むものは,。
94 s 
解説
s 
解説 水酸化カルシウムと塩化アンモニウムを加熱して,アンモニアが発生する反応は,
Ca0 OH 1 2 + 2NH 4Cl
CaCl 2 + 2NH 3 + 2H 2O
反応によって水が生成するので,生じた水で試験管が破損するのを防ぐために,試験
管の底を上げ,試験管の口に水がたまるようにする。
また,発生する気体はアンモニアであり,水に溶けて,空気より軽い気体であるの
で,上方置換で捕集する。
よって,装置の組み立て方として適当なものは,。
98 s 
解説
s 
解説 それぞれの気体の捕集法および気体の性質は,
気 体
問 2 ガスバーナーで加熱する場合,試験管は外炎にかざすのが適当である。外炎は内
水に溶けにくい
炎より温度が高いので,効率よく加熱することができる。
水に溶ける
空気より軽い 空気より重い
よって,適当なものは,。
解説
水上置換
上方置換
下方置換
s 
問 3 ガスバーナーで加熱する場合,試験管を軽く振りながら行うのが適当である。試
解説  正しい。濃硝酸を無色の試薬瓶に入れて保存すると,光が当たって一部が分
験管を振らずに加熱すると突沸することがあり,危険である。
【アンモニア】 分子量 17 0 < 空気 1 ,水に溶ける
解し,生じた二酸化窒素 NO 2 のために黄~黄褐色に変色する。
よって,適当なものは,。
【酸 素】 分子量 32 0 > 空気 1 ,水に溶けにくい
4HNO 3
【二酸化窒素】 分子量 46 0 > 空気 1 ,水に溶ける
4NO 2 + 2H 2O + O 2
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よって,気体の捕集法として正しい組合せは,。
99 s a  b  c 
解説
s a  b  c 
解説 a それぞれの原子の電子配置は,次の通り。
 Li  O  P  Ar  Ca
K殻
2
2
2
2
L殻
1
6
8
8
8
M殻
-
-
5
8
8
N殻
-
-
-
-
2
2
価電子とは,最外殻電子のうち,原子の化学的性質を決める 1~7 個の電子である。
なお,希ガス (He ,Ne ,Ar など) は安定で他の原子と結びついたりしないため,価電
子の数は 0 とする。よって,価電子の数が最も多いものは,O  である。
b それぞれの分子の電子式は,次の通り。
電
子



H H
N N
H N H
H


式
電
子
O
C O
H O H
式
※ は共有結合に使われる電子
電子式より,原子と原子の間で共有されている電子の数は,H 2 は 2 個,N2 は 6 個,
NH 3 は 6 個,CO 2 は 8 個,H 2O は 4 個である。よって,共有結合に使われている電
子の数が最も多い分子は,CO 2  である。
c 炎色反応を示す元素は,アルカリ金属元素である Li (赤),Na (黄),K (赤紫),アルカ
リ土類金属元素である Ca (橙赤),Sr (紅),Ba (黄緑) および銅 Cu (青緑) などである。
Mg  は炎色反応を示さない。
100 s 
解説
s 
解説  正しい。
 誤り。『アンモニアは,2 種類以上の物質が混じりあっているので,混合物に分
類される。』
アンモニア NH 3 は,1 種類の物質だけからできているので,純物質に分類される。
 正しい。酸素 O 2 は,1 種類の元素 O だけからなる物質であり,このような物質を
単体という。
 正しい。二酸化炭素 CO 2 は,2 種類の元素 C と O からなる。このように,2 種類
以上の元素からなる物質を化合物という。
 正しい。2 種類以上の物質が混じりあっているものが混合物であるが,例えば N 2
と O 2 の混合物では,N 2 と O 2 がともに単体であり,化合物は含まれていない。
よって,誤りを含むものは,。
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