Poster - 慶應義塾大学 徳田研究室

Hide Tokuda, Kaz Takashio & Jin Nakazawa Lab.
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科
修士課程 2 年 西山勇毅
[email protected]
ライフログデータを用いたチームの行動変容促進
Encouraging Team Behavior Modification Using Life Log
近年,誰もが日常生活中の情報を検知・蓄積できるライフログ環境が整ってきた.これまでライフログデータは,個人
の行動変容促進に利用されてきたが,今後は研究室やスポーツチーム,学校,企業といった集団を対象した行動変容促
進が可能になると考えられる.しかし,集団は個人とは異なり内部に様々な人間関係が存在するため,集団を対象とし
た行動変容促進モデルを構築する必要がある.本研究では集団の行動変容を促進するモデルとして ,「競争」と「協力」
を組み合わせた 6 種類のモデルを提案し,それぞれのモデルが集団の行動変容にどう影響するかを評価する.
背景
近年,スマートフォンやウェアラブルデバイスの普及
や大容量ストレージの低価格化に伴い,誰もが日常生
活中の情報をデジタルデータとして検知・蓄積できる
ライフログ環境が整ってきた.多種多様なライフログ
データを長期間蓄積することで,個人の振り返りによ
る行動改善は勿論のこと,社会調査や医療教育など
様々な分野に応用できる.これまでのライフログデー
タを活用した研究では,個人を対象とした人の行動改
善や動機づけが行われてきたが,今後は個人だけでな
く研究室やスポーツチーム,学校,企業といった集団
全体を対象した行動改善や動機づけが可能になると考
えられる.
Aaron:
行動変容促進アプリケーション
・運動量共有による行動変容促進
・マルチプラットフォーム
・運動量 ( 回数 ) のカウント
行動変容促進モデル
CARRIER
個人
iPhone5
問題意識
チーム内協力協力
検証実験
ライフログデータを用いたチームの行動変容促進モデル
を構築するためには,1) ライフログデータや 2) チーム,
3) 行動変容促進手法の種類やその組み合わせを考慮す
る必要がある.本研究では,ライフログデータとして,
「手
動入力データ」を利用し,行動変容手法の中でも「競争」
と「協力」の要素の組み合わせた 6 種類の行動変容促進
モデルをスポーツチームに適用し,効果を検証した.
チーム外競争
チーム内外競争
http://www.ht.sfc.keio.ac.jp/tetujin/m-aaron
体育会野球部 (32 名 ) を対象に腹筋運動の行動変容促
進実験を行った.チーム内に 4 名掛 ×8 グループ
(A-H) を作成し,各グループに対して Aaron を用いて
異なる行動変容促進モデルを適用し,運動量の変化か
ら行動変容の効果を検証した.
結果
3000
Baseball-A
Baseball-B
Baseball-C
Baseball-D
Baseball-E
Baseball-F
Baseball-G
Baseball-H
2500
Count of Sit-ups
チーム行動変容促進モデル
チーム内競争
slide to unlock
チームに対しては、個人を対象とした行動変容促進手
法はそのまま適用できないのでは?
集団は個人とは異なり,管理者と一般メンバーなど
様々な人間関係が存在する.その利害関係から個人に
は有効に作用するこれまでの「競争」や「協力」と言っ
た行動変容促進手法がそのまま当てはまらないことが
示唆される.集団を対象とした行動変容促進モデルを
構築する必要がある.
チーム内協力
2000
1500
1000
500
0
12/06
12/08
12/10
12/12
12/14
12/16
Date
12/18
12/20
12/22
12/24
グループ毎の運動量の変化
結論
12/26
「チーム外競争モデル」と
「チーム内外競争モデル」の比較
・共有するライフログデータは、チームの目的に合っ
た方が効果が高い
・
「要素数」よりも「組み合わせ」の方が重要
・日頃から競争の多いチームでは、
「競争」の要素を入
れた方が効果が高い.特に野球部のようなチームで競
争するチームでは「チーム外競争モデル」の効果高い
http://www.ht.sfc.keio.ac.jp