2014.5.21 キシリトールの3位炭素の不斉について キシリトール(フィッシャー投影式)の で囲った部分は同じ平面構造を持つが,上側は S 配置,下側は R 配置であるので, 「鏡像」の関係にあり,別の置換基である.IUPAC 命名法におけ る R, S の優先順位は R 優先なので,中央(3 位)の炭素は不斉中心であり R 配置に相当するが, 平面的に同じ置換基が付いている場合は「疑似不斉中心」といい,配置の記号を小文字にして“r” と標記する. 優先順位 1 疑似不斉中心 H HO H 2S 3 4R 5 疑似不斉中心 OH OH H OH OH ① 右周り =�”r” ② OH ③ OH r 鏡像 HO 1 2 3 S HO 4 R 5 HO OH R S H HO OH ④ 水素が奥 OH OH キシリトール また,リビトールも「メソ体」でありるが,同様な理由から3位の炭素は不斉炭素(疑似不斉中心) であり,“s (小文字)”配置である. 優先順位 1 疑似不斉中心 H H H 2S 3 4R 5 疑似不斉中心 OH OH OH OH OH HO 1 ③ OH 2 3 S HO ① 右周り =�”s” ② OH r 4 R 5 OH HO OH S R H HO OH ④ 水素が手前 OH 一方,天然のアラビトールの で囲った部分は上下とも平面的に同じ構造であり,かつどち らも R 配置であることから,3位の炭素には同じ置換基が付いていることになるため,3位は不斉 炭素ではない.また,「メソ体」ではなく,フィッシャー投影式において4位の水酸基が右を向いて いることから“D 体”であることが分かる. 1 HO H H 2R 3 4R 5 OH H OH OH OH 非不斉中心 同一 D-(2R,4R)-アラビトール HO 1 OH 2 R HO 3 4 R 5 OH OH
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