資料2-2 響灘風力(ギアボルト)(PDF形式:718KB)

資料2-2
2014年8月26日
株式会社エヌエスウインドパワーひびき
響灘風力発電所 調速装置破損事故の原因及び対策について
1.響灘風力発電所と事故の概要
(1)サイトの概要
・所在地
・運転開始
5.No.2、3ピッチギアボルト分析結果
福岡県北九州市若松区向洋町10番地の12(図1参照)
2003年(平成15年)3月
・総出力 15,000kW(1,500kW×10基)
事故が発生した風車10号機の中で、ピッチギアの脱落が発生していない、No2及び3ピッチギアのボルトについて外観、
マクロ観察を行った。
この結果、No2ボルトについては3本のボルトすべてに外観上、及び光学顕微鏡による断面観察においてもクラックが
発生していたが、No.3については3本とも外観上も断面観察においてもクラックは見られなかった。(写真1,2)
なお、ボルト硬さ測定(平均357~375HV0.5)からの引張強さ近似値換算(JIS鉄鋼HB)は1130~1200MPa程度であり
No.1ピッチギア含めて各ボルトとも同等であった。
図1 位置図
(2)風力発電設備の概要
・風車メーカ
GE Wind Energy社
・風車型式 TW1.5s(現在1.5s)
-1
・回転数
11~20min (可変速)
(3)事故の概要
・発生日時
2014年3月14日(金) 15時00分
・状況
風車10号機ハブ内部ブレード1用ピッチギア(図2及び別紙1参照)のピニオンギアが脱落し風車自動停止。
写真1 ボルト外観
図2 ピッチギア
2.過去のピッチギアボルト破断実績について
(1)メーカーヒアリング結果
①ボルト破断実績(GE情報)
日本国内では当発電所以外の事業所では報告なし。
海外ではGEが納入した約1000基の内、2003~2006年に25基(ヨーロッパで14基、アメリカで11基)で発生しており、
何れも今回ボルトが破断したピッチギアと同型。
②ボルト破断発生ピッチギアと同型の納入状況について(GE情報)
今回ボルトが破断したピッチギアと同型のものは、GE製の風車のみに供給されており、日本国内では当発電所以外
では9基である。
なお、納入先については全てGEが把握している。
(2)当社での実績
2008年6月に、風車3号機にて今回と同様にボルトの破断が発生し、ギアが脱落。(風車は自動停止)
当時、分析会社によるボルトの破断面の分析結果、水素脆化/遅れ破壊と判断された。
3.ピッチギアボルトに作用する応力と強度について
ボルトに作用する応力と強度の関係については、最終的な確認ができなかった。
写真2 ボルトマクロ観察
4.潤滑油分析結果
6.水素脆化発生の推定原因と対策
表1にピッチギア潤滑油の分析結果を示す。動粘度、水分、酸価は新油と変わらない値であったが、汚染度については、特にNo1及びNo2についてかなり進んだ状態で
あった。
表1 ピッチギア潤滑油分析結果
今回の調査結果からは、水素脆化発生の原因を特定することは
できなかったが、4及び5項の結果から、ボルト周りの潤滑油の性状が
水素脆化の発生有無に影響を与えた可能性は否定できない。
当発電所では、既にピッチギアの脱落防止カバーを設置済みでは
あるが、今後は潤滑油の分析を定期的に行っていき、性状を把握
した上で必要に応じて潤滑油の交換等を行っていくことを検討する。