1 電磁場と重力場の簡単な統一 渡辺 満 (静岡県) 実は、電磁気学の中には、重力との接点がすでに隠れている。 それを紹介しよう。 これは、僕の時空理論からではなく、一般的な電磁気学からの話である。 --------------------------------ベクトルポテンシャル Ai は、当初は純粋に数学的概念として、導入されたが、 近年になって、AB 効果が発見され、物理的実在として確認された。 これによって、ベクトルポテンシャルの重要性は高まった。 我々は、ベクトルポテンシャルに注目する必要がある。 --------------------------------電磁場は、電場と磁場の計6変数からなるが、 ベクトルポテンシャル Ai は、 ( A1 , A2 , A3 , A4 ) の4変数からなる。 ベクトルポテンシャルによって、電磁場 f ij は次のように表される。 f ij = ∂ i A j − ∂ j Ai これらのことから、 ベクトルポテンシャルは電磁場を含み、電磁場よりもさらに根源的な存在であることがわかる。 Maxwell の方程式を4元表現すると、 f ij の方程式となり、次のような形となる。 (右辺は4元電流) ∂ j f ij = J i .....(1) 電磁場は、この f ij で決まるから、これは電磁場の方程式である。 2 すでに、ベクトルポテンシャルが物理的実在であることが判明した。 それならば、それを一意に決める方法が、存在するはずだろう。 どうすればよいか? この電磁場 f ij だけから Ai を決めようとすると、これは一意に決まらない。 なぜなら、任意のスカラー ς によって、 Ai + ∂ iς も、また同じ f ij になる。 すなわち、 Ai は電磁場 f ij のみでは決まらず、「別の何か」がまだ足りない。 それは何か? --------------------------ここでは、電磁場 f ij は、既知として、予め与えられているものとする。 また、物理的実在であるベクトルポテンシャルを、 Ai とする。 我々が知りたいのは、 Ai を一意に決める方法である。 よく知られているように、方程式(1)に対して、さらに、 ∂ i Ai = 0 .....(2) の関係を追加してやると、方程式(1)の解は、きれいな形で一意に求まる。 (1)と(2)を同時に満たす解を、新たに Ai としよう。 (これをローレンツゲージと言う) この Ai は、 f ij = ∂ i A j − ∂ j Ai .....(3) であるが、これが物理的実在のベクトルポテンシャル Ai に、一致するとは限らない。 なぜなら、 Ai が(2)を満たすとは限らないからである。 3 しかし、 f ij = ∂ i A j − ∂ j Ai .....(4) ではある。(3),(4)から、 ∂ i ( A j − A j ) − ∂ j ( Ai − Ai ) = 0 となり、これから、あるスカラー ς があって、 Ai = Ai + ∂ iς と書ける。 ここで、 ∂ i Ai = ∂ i ( Ai + ∂ iς ) = ∂ i ∂ iς となる。 では、スカラー ς を、どうやって決めるか? ベクトルポテンシャル Ai が物理的実在であるならば、その湧き出し(スカラー)も、 何か実在の物理量であると考えたくなる。 マクロな視野で見ると、それに該当するものは、質量ぐらいか。 そこで、ρを質量分布として、 ∂ i ∂ iς = ρ .....(5) と書くと、これは重力場の方程式に見える。 もし、(5)が重力場の方程式ならば、 重力にまで話を広げれば、ベクトルポテンシャルが一意に決まるということになる。 すなわち、ベクトルポテンシャルは、電流と質量分布によって決まる。 我々の世界には、目には見えないが、ベクトルポテンシャルが満ちあふれている。 それが単純に、電流と質量分布によって、発生するというのは、考えやすい。 --------------------------一方で、僕の時空理論からは、 「ベクトルポテンシャルは、4元化したニュートンの重力ベクトルである。」 4 いう結果が得られている。 これは、上に述べたことと合致する。 また、これは猪股修二氏の実験によっても、裏付けられる。 http://myopenarchive.org/people/japan_miroku http://watanabe-japan-miroku.jimdo.com/プロフィール/ ────────────────────── 2011年10月 Ver2.1 発行 著者:渡辺 満 , 発行者:渡辺 満 Copyright 渡辺 満 2011年
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