サイトカインの種類と機能 総合基礎薬学⑫ 2014.6.24 マクロファージの活性化 胃癌、B・C型肝炎 慢性骨髄性白血病 T細胞による抗原認識 胃癌 MHCとMHC拘束性 悪性黒色腫、B・C型肝炎 MHC拘束性 T細胞はTCRによって、 ①MHC分子と抗原ペプチドの組み合わせを認識する。 ②その際のMHC分子は自己のものである必要がある。 サイトカインまとめ(p331~) 1)免疫細胞、線維芽細胞、上皮細胞など殆どの細胞が産生する。リンパ球が産生するものをリンホカイン、 マクロファージが産生するものをモノカインと呼ぶこともある。 2)インターロイキン(IL)、インターフェロン(IFN)、増殖因子(上皮細胞増殖因子など)、造血系因子 (エリスロポエチンなど)、ケモカインが含まれる。 体液性免疫(Th2:Il-、5,6,10,13)→中2、13歳、としごろ(10,4,5,6)。 3)働き 1.免疫調節:Th1由来サイトカインは細胞性免疫、Th2由来サイトカインは体液性免疫を誘導する。(p335) 2.生体防御:抗ウイルス作用や、マクロファージやNK細胞を活性化し抗腫瘍効果を示す。 3.病態形成:炎症性サイトカイン(IL-1,6、TNF-α)は、関節リウマチ、アレルギー疾患、劇症肝炎などに関 与する。 4)特徴 1.サイトカインは、細胞が産生する生理活性物質(タンパク質)である。 2.比較的低分子(1.5~3万)であり、微量(pM~nM)で生理活性を示し、細胞表面の受容体に結合して効果 を発揮する。 3.1つのサイトカインが様々な生理活性を示す(多能性)。また、複数のサイトカインが同一の活性を示すこ ともある(重複性;炎症の惹起:IL-1、TNF-α、IFN-αなど)。 4.大部分は近傍に標的細胞を持つが(パラクリン)、標的細胞が産生細胞自体(オートクリン:IL-2,4)或い は、血流を介し遠隔細胞に働く(エンドクリン:IL-1)ものもある。 5.サイトカイン同士で細胞間相互作用のメディエーターとして働いている。 5)サイトカイン受容体:リガンド:特徴(p337) 1.Ⅰ型受容体(造血因子受容体):IL-2、G-CSF、GM-CSF:Cys残基とWSXWSを持つ。 2.Ⅱ型受容体:IFN-α,β,γ、IL-10: Cys残基を持つがWSXWSを持たない。 3.Ⅲ型受容体(TNF受容体):TNF-α、CD40L(CD154)、FasL、TRAIL:多数のCys残基を持つ3量体。 4.Ⅳ型受容体:IL-1:免疫グロブリン(Ig)様ドメインを持つ。 5.7回膜貫通型受容体:IL-8(ケモカイン):7回膜貫通。 6.チロシンキナーゼ型受容体:EGFやIGFなど(増殖因子)、M-CSF:チロシンキナーゼを持つ。 7.TGF-β受容体:TGF-β:セリン/スレオニンキナーゼをもつ。 生体防御機構の全体像 リポ多糖体はAPC上のToll様受容体を 刺激し、サイトカインを産生させる。 増殖因子まとめ(p339~) 1)細胞増殖の促進又は抑制作用を持つポリペプチドである。 2)サイトカインに含まれ、特定の腺細胞は決まっていない(ホルモンと異なる)。 3)代表的な増殖因子と作用など 1.血小板由来増殖因子(PDGF):線維芽細胞、平滑筋細胞、グリア細胞などの遊走及び増殖促進。 2.上皮増殖因子(EGF):上皮細胞の増殖促進。EGF受容体ファミリーは癌細胞で高発現している。EGFR を標的とするセツキシマブ(大腸癌)、HER2(EGFR2)を標的とするトラスツズマブ(乳癌)等の抗体医 薬品がある。 3.インスリン様増殖因子(IGF):Ⅰは骨、筋肉、神経、血管の組織細胞の増殖促進(ソマトメジンC)。 IGF-Ⅰは成長ホルモン(GH)依存性に主に肝臓で作られ、GH分泌の評価の指標として用いられる。Ⅱは 間質細胞の増殖促進。 4.線維芽細胞増殖因子(FGF):ヘパリン結合性増殖因子で、血管新生作用がある。 5.血管内皮細胞増殖因子(VEGF):血管内皮細胞の増殖促進。VEGFを標的とする抗体医薬品のベバシズマ ブ(大腸癌)がある。 6.神経成長因子(NGF):神経栄養因子のニューロトロフィン。神経細胞の軸索伸張、維持に重要。 7.肝細胞増殖因子(HGF):肝細胞だけで無く肝細胞以外の細胞の増殖や細胞運動促進。抗アポトーシス作 用で組織の保護。 8.エリスロポエチン(EPO):腎臓で合成され、赤血球の分化増殖を促進する。腎性貧血に用いる。 9.顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF):単球・顆粒球への分化増殖。骨髄抑制(白血球減 少症)、骨髄異形成症候群、再生不良性貧血の治療薬。 10.顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF):顆粒球、特に好中球の分化増殖を促進する。癌化学療法中、骨髄異 形成症候群や再生不良性貧血に伴う好中球減少症。造血幹細胞移植時の好中球増加促進(ドナー)。 11.マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF):受容体はチロシンキナーゼ型受容体。単球及び単球系前駆 細胞に作用し、間接的にG-CSFの産生を促して好中球を増加させる。 12.トロンボポエチン(TPO):巨核球を増加させ血小板を生成する。受容体作動薬は血小板減少症に応用。 ケモカインまとめ(p345~) 1)感染や炎症部位に白血球を呼び寄せる因子として同定されたサイトカインの一種で、現在40種類以上同定 されている。 2)分子量8,000~12,000程度の比較的小さな塩基性でヘパリン結合性の分泌タンパク質である。 3)アミノ酸配列中に、特異的な4つのCysを含み、N末端側の2つ目のCysの位置からCXC(IL-8など:好中球 の走化性)とCCケモカイン(RANTES、MCP-1など:単球、T細胞、好酸球の走化性)に分類される。 (p346) 4)ケモカイン受容体は、7回膜貫通型であり、他のサイトカイン受容体(1回膜貫通型)とは異なる。 5)HIVの感染:CD4及びケモカイン受容体(CCR5、CXCR4) 食細胞による細菌貪食
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