計算流体力学(第2回資料) 離散化解析手法の比較 2014年10月3日 有限差分法 各種離散化解析手法 1) 有限要素法(Finite Element Method; FEM) 2) 有限差分法(Finite Difference Method; FDM) 3) 有限体積法(Finite Volume Method; FVM) 4) その他の手法 境界要素法,個別要素法,粒子法,格子ボルツマン法等 支配方程式 (偏微分方程式) 連立一次方程式 差分近似 有限体積法 支配方程式 (偏微分方程式) 支配方程式の積分形 コントロール ボリュームで積分 FDM,FVM,FEM等 連立一次方程式 離散化近似(積分、微分、補間) 有限要素法 直接法,反復法 FDMが一般的 有限差分法 特徴: 微分方程式の各微分項を差分近似を用いて離散化する. 格子点で微分方程式を満足する. 支配方程式 (偏微分方程式) 重み付き残差式 (仮想仕事の原理式) 重み付き残差法 連立一次方程式 離散化近似(補間、積分) 有限差分法 構造格子を基本としているため,複雑形状への適用は困難 →一般化座標に基づく方法 非構造格子の物理空間を,構造格子をもつ計算空間に写像し, 計算空間上で一般化座標に変換された支配方程式を差分近似 する方法 格子点に関する連立一次方程式を構成して解く 有限要素法 6 有限体積法 1960年代にLos Alamos研究所において,非構造格子に基づく 流体解析手法として開発 多くの商用流体解析コードに採用されている 節点中心またはセル中心に コントロールボリュームをとる 節点値を未知数とする近似多項式を用いて,離散化された 重み付き残差式を導き,節点値に関する連立一次方程式を 構成して解く 積分式を離散化(差分近似,中点公式)し,セル節点に関する 連立一次方程式を構成して解く 重み付き残差法 重み関数のとり方 有限差分法では, w ( x, ) wL(u )d L(u ) 0 at x (格子点) 有限体積法では, w 1 wL(u )d L(u )d 0 有限要素法では, w w wL(u )d 0 8 各種手法の長所・短所 離散化手法 長所 短所 有限差分法 ・精度が明確 ・高次精度化が容易 ・物理量は必ずしも保存されない ・複雑形状への適用がやや難 有限体積法 ・物理量は保存される ・複雑形状への適用が容易 ・高次精度化がやや難 有限要素法 ・複雑形状への適用が容易 ・高次精度化が比較的容易 ・物理量は必ずしも保存されない ・計算時間が比較的かかる いずれの手法も,領域型の解法で離散化により得られる連立一次方程式の 係数行列は疎(sparse)で三重対角性(tridiagonal)を有する ・ ・ 0 u1 ・ ・ ・ ・ 0 ・ ・ ・ u j ・ 0 ・ ・ ・ 0 ・ ・ u n ・ 差分法の基礎 差分法の基礎 テーラー展開 u x u u j 1 u j x x u j 1 u j x 1階微分の公式 u x j j u j 1 u j 1 2x 中心差分 2u x 2 (1)+(2)より (2) j j-1 j Δx j+1 uj x n 1 Δx uj O((x) 2 ) n j uj uj O ( t ) 前進差分 (4)より u t n j 1次精度 u j u j 1 O(t ) t n j uj n-1 n 1 Δt 1次精度 uj 1 2u (t ) 2 2 2 t n j 1 3u (t ) 3 3 6 t n j O((t ) 4 ) (3) n 1 u u j t t n j 2 1 2 u (t ) 2 t 2 n j 3 1 3 u (t ) 6 t 3 n j O((t ) 4 ) (4) n O((t ) 2 ) 2t 中心差分 t n+1 n 1 Δt 2u x 2 t i, j 2u y 2 ラプラス方程式 i, j ui 1, j 2ui , j ui 1, j ( x ) 2 2次精度 2u j u j n t 2 n 1 O((t ) 2 ) ui , j 1 2ui , j ui , j 1 ( y ) 2 if x y h 1 (ui 1, j ui 1, j ui , j 1 ui , j 1 4ui , j ) 0 h2 n 1 2階微分の公式 2 (3)+(4)より u2 nj u j n n 1 後退差分 u (3)-(4)より t 2次精度 n j n 2u 2u 0 x 2 y 2 n t n O((x) 2 ) 差分法の基礎 u u t x 2 2次精度 1階微分の公式 (3)より u j 1 2u j u j 1 u t u j t 差分法の基礎 n 1 時間の離散化に対してもTaylor展開を適用する u j 1 u j u x (1)-(2)より (1) u O(x) x 1次精度 前進差分 u j u j 1 u (2)より O ( x ) j x x 1次精度 後退差分 (1)より 2階微分の公式 1 2u 1 3u (x) 2 2 j (x) 3 3 j O((x) 4 ) j 2 x 6 x 3 2 1 u 1 4 3 u 2 ( x ) ( x ) j j j O (( x ) ) 2 x 2 6 x 3 j+1 j j-1 i-1 i i+1 0 例題(1) 棒の格子点の温度を中心差分により求めなさい。 d 2u 0 (1) dx 2 厳密解 1)基本問題 u=1 u=0 1 d 2u dx 2 2 2 0 : 境界条件より c2 1 3 u3 2u2 u1 0 (x) 2 0 c1 1 c1 1 となるので、 u ( x) x 1 0 2u2 1 0 (0.5) 2 u2 0.5 式 (1)をxについて2回積分 du c1 dx u c1 x c2 u=1 1 u=0 2 3
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