KN 式認知症ケアパス情報共有シート(以下、KN 式シート)の使い方 2013 年 11 月 認知症という経過の長い疾患でより良いケアの流れを作るには、医療から介護、本人・ 家族の思いを網羅した基礎情報を共有することが大切です。2012 年 2 月の京都式認知症ケ アのつどいをきっかけに生まれてきた KN(Kyoto Ninchisho)式のシートを用いて基礎情 報を共有することで、緊急事態を予防し、緊急事態の時にもスムーズな連携を行うことが 可能となり、認知症の人を地域から排除することを防ぐことが期待されます。京都式オレ ンジプランで掲げられた「10 のアイメッセージ」を、2018 年をめどにかなえていくために、 歩んでいきましょう! KN 式シートは 4 枚のシートから成り、それぞれを、主として 1)医療者、2)地域包括・ ケアマネ、3)介護職が作成し、その 3 者および本人・家族が協力して 1 つのシートを仕上 げるイメージとしています。4 枚目は多職種で本人・家族の支援を考える時に使います。 現在、KN 式の認知症ケアパス概念図は京都府のオレンジプランに公式に採用されていま すが、KN 式ケアパス概念図の理念を具体化していくために、KN 式シートの試用がつどい ホームページの場を借りて始まります。実際、使用してみての感想・ご意見などあれば、 ぜひお寄せください(シートの内容・構成、シートの運用方法など) 。 具体的な使い方 KN 式シート試行の場面としては以下のような時が考えられます。まずは 5)の事例検討 からが使いやすいかもしれませんが、様々な地域連携の場面で使ってみましょう。 1)診断の頃 KN 式シートをいずれかの段階で早めに作成。早期から総合的な支援が行 えるようになります。 ・例えば、診断時、カフェ利用開始時、初期集中支援チームのかかわり時など 2)介護サービス利用開始時など ・介護保険主治医意見書作成には、そのまま KN 式シートが利用可能です。 ・ケアマネが担当者会議を行う時やサービス担当者がサービスを組み立てる際にも 参照できます。 3)BPSD 悪化や身体合併症治療時およびそのような時の連携時 ・診療情報提供書などに添付することで、改めて詳しく記載することなく(省力化、 重複の回避) 、十分な情報を伝えることができます。 ・KN 式シートが添付されることで、ライフサポートモデルや KN 式ケアパスの理念 に基づいた情報共有が可能となります。 4)随時、KN 式シートは更新します(2~3 年ごと程度が目安)。気づきの時や診断時は 物忘れ連絡シートなどを用いることを考えましょう。 5)事例検討の際にも、KN 式シートは有用です。 その他のポイント 1)認知症の時間経過などを考えると、お薬手帳のような頻回に更新されるものではなく、 介護保険の主治医意見書に似た性格のものとするほうが、更新の煩雑さの回避や情報保 管(紙媒体であまり分厚くなると情報がどこにあるか分かりにくくなったり、重くなっ たりする)の利便性が確保されると考えて作成してあります。 2)要介護者の多くに認知症が関連する(約半数というデータがある)ことを考えると、 KN 式シートは、認知症以外の疾患でも介護保険の主治医意見書などと同等のレベルで普 遍的に用いることも可能です。 3)基本的には本人・家族が手持ちする方向で検討していきますが、関係機関もコピーを 保持する方向で考えています。ケアパスを市民にも周知することで、市民の自己決定や 自立を促すことに通じます。 #2. ダウンロード項目 ・KN 式認知症ケアパス情報共有シート(以下、KN 式シート)の使い方 PDF 版 ・KN 式シート エクセル版 ・KN 式シート PDF 版 ・KN 式認知症ケアパス概念図 パワーポイント版
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