資料2 ダクタイル鋳鉄管に関する JIS を改正 −市場の動向に合わせた、より使いやすい規格を目指して− 平成 26 年 11 月 20 日 ダクタイル鋳鉄管は、水道等の水の輸送用として広く普及している製品です。今般、ダク タイル鋳鉄管に関する JIS について、国際規格(ISO)との整合化を図るとともに、前回改正 以降の技術開発や市場の動向を考慮して規定内容を見直し、より実用的で使いやすい規 格とするため、改正を行いました。 1.規格改正の目的及び背景 ダクタイル鋳鉄管は、鋳鉄中の黒鉛を球状化させたダクタイル鋳鉄からなる製品で、強 靱で耐久性に優れ、水道、下水道、工業用水道、農業用水などの水の輸送に幅広く使用さ れています。 対応する国際規格(ISO 2531)が平成 21 年 12 月に改正されたことから、その整合化を図 るとともに、平成 10 年の前回改正以降の技術開発や市場の動向を考慮して規定内容を見 直す他、接合形式を継手ごとに分類・再整理し、検査規定を追加するなど、より実用的で使 いやすい規格となるよう改正しました。 2.規格改正の主なポイント ① 管厚の種類の見直し 従来の JIS で規定されていた中間管種(1.5、2.5、3.5 及び 4.5 種管)は、採用実績が 少ないため削除しました。また、NS 形(後述)に採用されている S 種管を追加しました。 ② 接合形式の見直し 今回の改正で、優れた耐震性と施工性を併せ持ち、採用実績が増えつつある NS 形 及び PN 形の継手を追加するとともに、採用実績の少ない SⅡ形、KF 形及び PⅠ形を 削除しました。また、接合形式を「伸縮離脱防止継手」、「離脱防止継手」及び「一般継 手」に分類するとともに、接合形式の記号を追加し、利便性を向上しました。 ③ 検査規定の追加 検査の箇条を追加し、検査の項目、頻度等を明確化しました。 ④ 国際規格との整合化 対応する国際規格(ISO 2531:2009)との整合化のため、以下を改正しました。 ・硬さの単位の変更 (HB → HBW) ・直管の有効長のプラス側許容差の変更 (+30mm → +70mm) ・耐水圧性試験の保持時間を含む試験時間の追加 (15 秒以上) ・寸法の検査頻度の変更 (全数 → 製造業者の品質マネジメントシステムによる頻 度) なお、今回の改正では、可能な限り国際規格との整合化を図る一方、我が国における 地震国特有の市場からの要求に応じ、一部の規定については従来の JIS を踏襲し、これ まで蓄積されてきた日本の優れた配管設計及び施工技術を生かすとともに、既設配管と の互換性を確保し、災害時などの早急な復旧に対応できるよう配慮しています。 3.ダクタイル鋳鉄管の製品と施工の例 製品例 施工例 【担当】 経済産業省 産業技術環境局 国際標準課 (03-3501-9283、内線 3426∼3427) (課長)福田 泰和 (担当)坂本 浩一 経済産業省 製造産業局 鉄鋼課 (03-3501-1926、内線 3661∼3666) (課長)山下 隆也 (補佐)塚本 裕之
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