演義問題

2014/7/3
第 12 回 統計力学 1 演義 (スタンダード)
担当 湯川諭、TA 崎山泰樹、吉村高至
演義スタンダードのページ http://bopper.ess.sci.osaka-u.ac.jp/∼yuk/lecture/sm1s2014/
演義アドバンスト (追加問題あり) http://wwwacty.phys.sci.osaka-u.ac.jp/∼ohashi/teaching/ssm1/
1. 黒体輻射の問題を考える。簡単化のため、空洞は一辺 L の立方体であるとし、空洞内の輻射場 (電磁場) は、空洞内に
完全に閉じ込められているとする。
(a)
i. 全員レポート: 真空中のマクスウェル方程式
∇ · E = 0,
˙
∇ × E = −B
∇ · B = 0,
˙
∇ × B = ϵ0 µ0 E
(1)
において、ベクトルポテンシャル A を
˙
E = −A,
B=∇×A
(2)
のように導入し、クーロンゲージ ∇ · A = 0 を取ると、波動方程式
∇2 A =
が得られることを示せ。
ii. 電磁波のハミルトニアンが
1
H=
2µ0
[
∫
dV
1 ¨
A
c2
1 ˙2
A + (∇ × A)2
c2
(3)
]
(4)
と書けることを示せ。
(b)
i. 空洞の壁が完全導体でできているとすると、壁面で電場の接線成分と磁場の法線成分が 0 でなければならな
い。ベクトルポテンシャルを
∑
Qx (kx , ky , kz ) cos(kx x) sin(ky y) sin(kz z)
Ax (x, y, z) =
kx ,ky ,kz
Ay (x, y, z) =
∑
Qy (kx , ky , kz ) sin(kx x) cos(ky y) sin(kz z)
kx ,ky ,kz
Az (x, y, z) =
∑
Qz (kx , ky , kz ) sin(kx x) sin(ky y) cos(kz z)
(5)
kx ,ky ,kz
のようにフーリエ級数展開によって表すと、上記の境界条件が満たされることを示せ。ここで、k は波数ベ
クトル
kx = nx π/L, ky = ny π/L, kz = nz π/L (nx , ny , nz = 1, 2, · · · )
(6)
である。
ii. ∇ · A = 0 を満たす条件から電磁波が横波となること、即ち Q · k = 0 を示せ。
iii. このことから波数ベクトルと直交し、かつ互いに直交する 2 つの単位ベクトル e1 , e2 を導入し、
Q(k) = q1 (k)e1 (k) + q2 (k)e2 (k)
とすると、
Ax (r) =
(7)
∑
[q1 (k)e1 (k) + q2 (k)e2 (k)]x cos(kx x) sin(ky y) sin(kz z)
k
∑
Ay (r) =
[q1 (k)e1 (k) + q2 (k)e2 (k)]y sin(kx x) cos(ky y) sin(kz z)
k
∑
Az (r) =
[q1 (k)e1 (k) + q2 (k)e2 (k)]z sin(kx x) sin(ky y) cos(kz z)
(8)
k
と書ける。波動方程式 (3) に上式 (8) を代入することにより、解 q1 (k), q2 (k) が
q1 (k) = a1 (k) cos[ω(k)t + ϕ1 (k)]
q2 (k) = a2 (k) cos[ω(k)t + ϕ2 (k)]
(9)
の形に書けることを示し、振動数 ω(k) を求めよ。ここで、a1 (k), a2 (k) および ϕ1 (k), ϕ2 (k) は任意定数で
ある。
(c)
i. ハミルトニアン (4) に (8) 式を代入することにより、
H=
{
}]
L3 ∑ [
q˙1 (k)2 + q˙2 (k)2 + ω(k)2 q1 (k)2 + q2 (k)2 )
2
16µ0 c
(10)
k
のように変形できることを示せ。
ii. q1 (k), q2 (k) に共役な運動量 p1 (k), p2 (k) を導入すると、ハミルトニアンが
] ∑[
]
∑ [ p1 (k)2
mω(k)2
p2 (k)2
mω(k)2
2
2
H=
+
q1 (k) +
+
q2 (k)
2m
2
2m
2
k
(11)
k
の形で書けることを示せ。
Date : 2014 − 06 − 2418 : 44 : 32 + 0900(T ue, 24Jun2014) Rev : 11484