SKIM 平成 26 年度診療報酬改定⑥

SKIM 平成 26 年度診療報酬改定⑥-1 告示・通知<後発医薬品>
平成 26 年 3 月 5 日、平成 26 年度診療報酬改定に関する告示・通知が厚生労働省より発出されました。
今回は、その中から後発医薬品に関連する項目についてまとめました。
 平成 26 年度診療報酬改定(後発医薬品)
1.
2.
3.
4.
5.
後発医薬品置換え率(新指標)とは?
後発医薬品指数の新設(DPC/PDPS 機能評価係数Ⅱ)<医療機関>
後発医薬品調剤体制加算の見直し<保険薬局>
一般名処方受付時の後発医薬品調剤の原則化<保険薬局>
後発医薬品の薬価 等
1. 後発医薬品置換え率(新指標)とは?
※ 「診療報酬における加算等の算定対象となる後
発医薬品のある先発医薬品」(2)及び「診療報
酬における加算等の算定対象となる後発医薬
品」(3)のリストが掲載されています。
「診療報酬における加算等の算定対象となる後発医薬品」
等について(平成26年3月5日保医発0305第13号)
後発医薬品置換え率(新指標)の算出では、下記薬剤を除外
 新医薬品
 経腸成分栄養剤
 特殊ミルク製剤 等
 生薬、漢方製剤
 その他の生薬および漢方処方に基づく医薬品
 準先発品 等
 診療報酬における加算等の算定対象とならない「後発医薬品」 (★)
セニラン錠 1mg、メダゼパム錠 2(ツルハラ)、メダゼパム錠 5(ツルハラ)、アセトアミノフェン坐剤小児用 50mg「TYK」、アフロギス坐剤 50、アセトアミノフェン
坐剤小児用 50mg「タナベ」、パラセタ坐剤小児用 50、アセトアミノフェン坐剤小児用 50mg「JG」、アフロギス坐剤 100、パラセタ坐剤 100、アセト
アミノフェン坐剤小児用 100mg「TYK」、アセトアミノフェン坐剤小児用 100mg「タナベ」、アセトアミノフェン坐剤小児用 100mg「JG」、トスパリール注 15、
ネオベノール点眼液 0.4%、オキシブプロカイン塩酸塩点眼液 0.4%「ニットー」、オペガンハイ 0.85 眼粘弾剤 1%、オペリード HV0.85 眼粘弾剤 1%、
エリコリ眼軟膏 T、メチルジゴキシン錠 0.05mg「タイヨー」、イソソルビド内用液 70%「CEO」、イソソルビド内用液 70%分包 30mL「CEO」、エマベリン
L カプセル 10mg、ホフバン錠 10mg、テオロング錠 50mg、テオフィリン徐放錠 50mg「日医工」、テオフィリン徐放錠 50mg「サワイ」、テオフィリン錠 50mg
「TYK」、テオフィリン徐放錠 50mg「ツルハラ」、テオロング錠 100mg、テオロング錠 200mg、スロービッドカプセル 100mg、スロービッドカプセル 200mg、
スロービッドカプセル 50mg、アフタシール 25μg、ワプロン口腔用貼付剤 25μg、マドロス輸液 10%、ニソリ M 注(250mL1 瓶)、ニソリ M 注(500mL
1 瓶)、ラクトリンゲル M 注「フソー」(500mL1 袋)、ラクトリンゲル M 注「フソー」(500mL1 瓶)、ニソリ M 注(500mL1 袋)、ソルラクト TMR 輸液(500mL
1 袋)、ニソリ M 注(250mL1 袋)、ソルラクト TMR 輸液(250mL1 袋)、ペンライブ注(200mL1 瓶)、エスロン B 注(500mL1 瓶)、ペンライブ注(500mL
1 瓶)、ペンライブ注(500mL1 袋)、ソルマルト輸液(500mL1 袋)、アクマルト輸液(500mL1 袋)、エスロン B 注、ペンライブ注(200mL1 袋)、ソルマルト
輸液(200mL1 袋)、アクマルト輸液(200mL1 袋)、アクメイン注(500mL1 瓶)、ソリューゲン G 注、ペロール注(500mL1 瓶)、アクメイン注(500mL
1 袋)、ペロール注(500mL1 袋)、ソルアセト D 輸液、リナセート輸液、ミニヘパ透析用 100 単位/mL シリンジ 20mL、ミニヘパ透析用 150 単位/mL
シリンジ 20mL、ステイセーフバランス 1/2.5 腹膜透析液、エポエチンアルファ BS 注 750「JCR」、メジテック、ジキリオンシロップ 0.02%、アモリン細粒 10%、
ワイドシリン細粒 100、アモリンカプセル 125、アモキシシリンカプセル 125mg「トーワ」、アモキシシリンカプセル 125mg「NP」、アモリンカプセル 250、センセファリン
カプセル 250
 診療報酬における加算等の算定対象とならない「後発医薬品のある先発医薬品」 (☆)
テオドール錠 50mg 、レキソタン錠 1、レスミット錠 2、レスミット錠 5、アルピニー坐剤 50、アンヒバ坐剤小児用 50mg、カロナール坐剤小児用 50、
カロナール坐剤 100、アルピニー坐剤 100、アンヒバ坐剤小児用 100mg、ソセゴン注射液 15mg、ペンタジン注射液 15、ベノキシール点眼液 0.4%、
エコリシン眼軟膏、ラニラピッド錠 0.05mg、イソバイドシロップ 70%、イソバイドシロップ 70%分包 30mL、アストミン錠 10mg、アフタッチ口腔用貼付剤
25μg、アコニップパップ 70mg、インテナースパップ 70mg、マルトス輸液 10%、ポタコール R 輸液(500mL1 袋)、ポタコール R 輸液(250mL1 袋)、
アクチット輸液(200mL1 瓶)、アクチット輸液(500mL1 瓶)、ヴィーン D 輸液、ローヘパ透析用 100 単位/mL シリンジ 20mL、ローヘパ透析用
150 単位/mL シリンジ 20mL、ダイアニール-N PD-4 2.5 腹膜透析液、エスポー注射液 750、ウルトラテクネカウ
保医発0305第2号/第13号(平成26年3月5日)
後発医薬品の新たな薬価収載による
後発医薬品置換え率(新指標)への影響
後発医薬品の収載月(6 月と 12 月)には、
後発医薬品が初めて収載される先発医薬
品があると、算出式の分母の対象となる
先発医薬品が増えることにより、新指標に
よる後 発 医 薬 品 割 合 が低 くなることが
ある。
後発医薬品の新規収載に伴い、
置換え率が 0.8 ポイント低下
最近の調剤医療費(電算処理分)の動向
2. 後発医薬品指数の新設(DPC/PDPS 機能評価係数Ⅱ)<医療機関>
 機能評価係数Ⅱについては、現行の 6 項目に新たに「後発医薬品係数」を追加した 7 項目を
基本として必要な見直しを行う。また、その際、項目に応じて各医療機関群の特性を踏まえた
評価を行う。
第272回中央社会保険医療協議会総会(平成26年2月12日)
 機能評価係数Ⅱの各係数への報酬配分(重み付け)は等分とする。
第272回中央社会保険医療協議会総会(平成26年2月12日)
第272回中央社会保険医療協議会総会(平成26年2月12日)
 後発医薬品係数(平成 26 年度)の算出に用いる後発医薬品指数(後発医薬品置換え率)の
評価対象データは、平成 24 年 10 月 1 日から平成 25 年 9 月 30 日の 12 ヶ月間である。
第272回中央社会保険医療協議会総会(平成26年2月12日)<一部要約>
 当該医療機関における入院医療で用いられる薬剤について、後発医薬品置換え率(新指標)
により評価する。<全群共通で評価>
第272回中央社会保険医療協議会総会(平成26年2月12日)<一部要約>
*上記内容のうち、診断群分類数等については、平成26年4月より変更されます。
沢井製薬 社内資料
 後発医薬品指数(後発医薬品置換え率)について、評価上限は 0.6(60%)とする。
<上限値は 97.5 パーセンタイル値、下限値は 2.5 パーセンタイル値>
 後発医薬品係数 [平成 26 年度] (暫定値) の下限は 0、上限は 0.0145 以上
第270回中央社会保険医療協議会総会(平成26年1月29日)<一部要約>
第272回中央社会保険医療協議会総会(平成26年2月12日)<一部要約>
第270回中央社会保険医療協議会総会(平成26年1月29日)<作図>
3. 後発医薬品調剤体制加算の見直し<保険薬局>
 保険薬局の後発医薬品調剤体制加算の要件である調剤割合を見直し、後発医薬品調剤率が
高い方により重点をおいた評価とする。
 後発医薬品の調剤割合に「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」で示された
新指標を用いる。新指標を用いた場合、調剤割合に極端な偏りがある保険薬局においては、
後発医薬品の調剤数量が少ないにもかかわらず、数量シェアが高くなる可能性があることから、
後発医薬品調剤体制加算の対象外とするよう適正化を図る。
第272回中央社会保険医療協議会総会(平成26年2月12日)
00 調剤基本料
区分
後発医薬品調剤体制加算
点数
主な算定要件
後発医薬品シェアの算出方法
1
2
3
 処方せん受付 1 回につき
 直近 3 ヶ月間に調剤した医薬品※の規格単位
数量に占める、後発医薬品の規格単位数量の
割合が、右記のとおりであること
改定前 [~H26.3]
改定後 [H26.4~]
数量割合(旧)
置換え率(新)
22%以上
5点
55%以上
18 点
30%以上
15 点
65%以上
22 点
35%以上
19 点
(削除)
※ 「後発医薬品のある先発医薬品」 及び 「後発医薬品」
平成26年厚生労働省告示第56号/59号、保医発0305第2号(平成26年3月5日)
沢井製薬 社内資料
施設基準[改定後]
① 当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品を合算した規格単位
数量(薬剤の使用薬剤の薬価(薬価基準)に規定する規格単位ごとに数えた数量をいう。)のうち、
後発医薬品の調剤数量の割合が、それぞれ、以下のとおりであること。
後発医薬品調剤体制加算 1 55%以上
後発医薬品調剤体制加算 2 65%以上
なお、なお、平成 26 年1月から同年 3 月までの実績を求めるに当たっては、後発医薬品の規格単位
数量について、『「診療報酬における加算等の算定対象となる後発医薬品」等について』(平成 26 年
3 月 5 日保医発 0305 第 13 号)において後発医薬品調剤体制加算の算定対象となる後発医薬品から
除外することとされたものを含めて計算すること。
保医発0305第2号(平成26年3月5日)
施設基準[改定後]
② 当該保険薬局において調剤した薬剤の規格単位数量に占める後発医薬品のある先発医薬品及び
後発医薬品を合算した規格単位数量の割合が 50%以上であること。
③ 後発医薬品の調剤を積極的に行っている旨を当該保険薬局の内側及び外側の見えやすい場所に
掲示するとともに、後発医薬品調剤体制加算を算定している旨を当該保険薬局の内側の見やすい
場所に掲示していること
保医発0305第2号(平成26年3月5日)
 調剤割合に極端な偏りがある保険薬局の施設基準要件 <算出方法>
沢井製薬 社内資料 (保医発0305第2号/第13号(平成26年3月5日) より<作図>)
4. 一般名処方受付時の後発医薬品調剤の原則化<保険薬局>
 一般名処方が行われた医薬品については、原則として後発医薬品が使用されるよう、患者に
対し後発医薬品の有効性、安全性や品質について懇切丁寧に説明をし、後発医薬品を選択
するよう努める旨を規定する。
第272回中央社会保険医療協議会総会(平成26年2月12日)
10 薬剤服用歴管理指導料
区分
お薬手帳あり
お薬手帳なし※
点数
[改定前]
主な算定要件
 処方せんの受付 1 回につき
 患者に対して、下記の指導等のすべてを行った場合
点数
[改定後]
41 点
-
34 点
※ 所有している手帳を持参しなかった患者に対して必要な情報が記載された簡潔な文書(シール等)を交付した場合
は、34点を算定する
留意事項
(18) 一般名処方が行われた医薬品について、原則として後発医薬品が使用されるよう、患者に対し後発
医薬品の有効性、安全性や品質について懇切丁寧に説明をした場合であって、後発医薬品を調剤
しなかった場合は、その理由を調剤報酬明細書の摘要欄に記載する。
保医発0305第3号(平成26年3月5日) <一部抜粋>
5. 後発医薬品の薬価
 後発医薬品の薬価算定
 新規後発品の薬価は、「先発品の100分の60を乗じた額(内用薬については、銘柄数が10を
超える場合は100分の50を乗じた額)」とする。
 なお、バイオ後続品については従前どおりとすることとする。
※内服薬で銘柄数が 10 を超える場合
第 272 回中央社会保険医療協議会総会(平成 26 年 2 月 12 日)<一部要約><作図>
 既収載品の薬価改定
 薬価改定においては、当該既収載品の薬価を市場実勢価格加重平均値調整幅方式により
算定される額(販売量が少ないことその他の理由により、薬価調査により市場実勢価格が把握
できない既収載品については、当該既収載品の最類似薬の薬価改定前後の薬価の比率の
指数その他の方法により算定される額)に改定する。
 ただし、当該既収載品の薬価改定前の薬価に105分の108を乗じた額を超えることはできない。
改定前薬価 100 円、消費税率 8%、調整幅 2%と仮定した場合
第 272 回中央社会保険医療協議会総会(平成 26 年 2 月 12 日)<作図>
 後発医薬品の薬価改定(後発医薬品の価格帯)
 次期薬価制度改革においては、後発医薬品の使用促進の観点から、組成、剤形区分及び
規格が同一であるすべての既収載品群を以下のとおり、薬価算定することとする。
 最高価格の30%を下回る算定額となる既収載品については、該当する全ての品目に
ついて加重平均した算定額(統一名)とする。
 最高価格の30%以上、50%を下回る算定額となる既収載後発品については、該当する
全ての品目について加重平均した算定額(銘柄別)とする。
 最高価格の50%以上の算定額となる既収載後発品については、該当する全ての品目に
ついて加重平均した算定額(銘柄別)とする。
第272回中央社会保険医療協議会総会(平成26年2月12日)<一部要約>
第 98 回中央社会保険医療議会薬価専門部会(平成 25 年 12 月 18 日)
沢井製薬 社内資料
 後発品への置換えが進まない既収載品の薬価改定(後発医薬品への適切な置換え)
 一定期間を経ても後発医薬品への適切な置換えが図られていない場合には、「特例的な
引き下げ」(Z2)を行うこととする。
 後発医薬品が薬価収載されてから、5年経過した後の最初の改定以降の改定において、
後発医薬品に置換わっていない個々の先発品を対象とする。
 また、適切な置換え率は、ロードマップで規定されている60%とする。
特例的な引き下げ幅は、以下の通りとする。
 後発医薬品置換え率20%未満の先発品の引き下げ幅:2.0%
 後発医薬品置換え率40%未満の先発品の引き下げ幅:1.75%
 後発医薬品置換え率60%未満の先発品の引き下げ幅:1.5%
第 270 回中央社会保険医療協議会総会(平成 26 年 1 月 29 日)
 なお、Z2の導入に当たり、「初めて後発医薬品が薬価収載された既収載品の薬価の改定の
特例」(Z)を廃止する。
第272回中央社会保険医療協議会総会(平成26年2月12日)<一部要約>
沢井製薬 社内資料
なお、後発医薬品使用体制加算<病院・有床診療所>について、今回の告示・通知で変更点がありま
せんでしたので、平成26年4月以降も引き続き「後発医薬品採用品目数割合」で評価されます。
2014/3/12 01-①
沢井製薬株式会社 学術部