ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルムの測定-(PDF

沖縄県衛生環境研究所報
第34号 (2000)
−ベンゼン, トリクロロエチレ, テトラクロロエチレン,
ジクロロメタン, ジクロロエタン, クロロホルムの測定−
平良淳誠, 友寄喜貴, 与儀和夫, 長嶺弘輝, 金城義勝, 吉田哲*
,
Abstract:
,
(
,
)
1998
1999
Key Words:
(
2000
)
(
)
3. 分析法
有害大気汚染物質とは, 発癌性, 変異原性等の人の健
1)
サンプリング及び試料の調製
試料の採取は固体吸着 溶媒抽出法に準じた1) . 捕集
康に影響を及ぼすおそれのある物質で, 従来問題となっ
てきた窒素酸化物及び硫黄酸化物, 浮遊粒子状物質以外
管は
の多種多様な大気汚染物質一般を指している. その中で
試料採取後, 捕集管の活性炭を1 5
揮発性有機化合物のベンゼン, トリクロロエチレ, テト
し, 1
ラクロロエチレンの3物質について, 1997年4月に環境
た. 標準液は各濃度のベンゼン (水質試験用, 和光純薬
基準が定められた. 当県でも那覇市で1998年1月から
工業㈱) に内部標準トルエン
2000年3月まで, 1ヶ月に1回の割合で調査を実施した.
調製した.
またジクロロメタン, ジクロロエタン, クロロホルムに
2)
ついても1999年5月から2000年3月まで調査を行ったの
の
91 (130 65
) を用いた.
のバイアルに移
の二硫化炭素で2時間室温で浸出して抽出し
8
(
) を添加して
測定条件
カラムは
で, まとめて報告する.
1 (60
250
10
) を使用して, 下記の条件で行った.
カラム温度:40℃ (5
) で保持し, 160℃ (10℃
まで昇温
(
1. 調査期間
1998年1月∼2000年3月の期間で, 1ヶ月に1回の割
5973
)
注入口温度:250℃
合で行った.
インターフェイス温度:280℃
2. 調査地点
注入法:1
, スピリット 20 1
キャリアーガス:ヘリウム (99 9999%)
那覇市, 中央公園
イオン源:250℃
検出法:
モード
ベンゼン
*
沖縄県文化環境部環境保全室
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78 77
)
沖縄県衛生環境研究所報
第34号 (2000)
3)
トリクロロエチレン
130 95
テトラクロロエチレン
166 129
トリクロロエチレン, ジクロロメタン, ジクロロエ
タン, クロロホルム
ジクロロメタン
84 49
検出頻度 (検出回数 測定回数) は, トリクロロエチ
ジクロロエタン
62 64
レン4 27 , ジクロロメタン2 10, クロロホルム1 10で
クロロホルム
83 85
少なかった. ジクロロエタンは, 今回の調査期間で全く
検出されなかった.
現在は調査地点と
1998年1月から2000年3月のベンゼン, トリクロロエ
の数を増やして調査を行っ
5)
チレン, テトラクロロエチレンの月変化, 気象データを
ている . 今後の調査結果の蓄積で, 沖縄県内大気中
表1∼3に示す. また1999年5月から2000年3月に実施
の
の実態もより明らかになると思われる.
したジクロロメタン, ジクロロエタン, クロロホルムの
調査結果を表4∼6に示す.
1) 環境庁, 有害大気汚染物質測定の実際編集委員会編,
1)
ベンゼン
有害大気汚染物質
ベンゼンの経月変化は大きく, 平成10年度 (1998年4
月から1999年3月) の平均値4 73
(1999年4月から2000年3月) が 3 01
2) 環境庁大気保全局, 大気規制課, 平成11年度地方公
, 平成11年度
共団体等における有害大気汚染物質モニタリング調
であった.
いずれの値も全国平均値 (平成10年度:3 30
査結果について
, 平
3) 沖縄総合事務局, 陸運事務所, 平成11年度沖縄総合
2)
成11年度:2 50
測定の実際, 平成9年6月
) と比べると高い値であった .
事務局業務概況, 平成11年7月
今回測定を実施した那覇市は, 県内で最も交通量の多
4) 沖縄総合事務局, 開発建設部, 道路建設課, 平成9
い場所で, 発生源は車の排気ガスによるところが大きい
年度道路交通センサス一般交通量調査箇所別基本表
3 5)
(全国道路交通情勢調査)
ことが予想される .
2)
5) 平良淳誠 (2000) 沖縄県内の大気汚染物質の調査
テトラクロロエチレン
― 揮発性有機有害汚染物質 (45物質) について―,
テ ト ラ ク ロ ロ エ チ レ ン 全 国 平 均 値 は 平 成 10 年 が
10
で11年が0 8
県内の平均値は両年とも0 2
沖縄県衛生環境研究所報34 59 62
であった. これにに対して,
でかなり低い値であっ
2)
た .
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