実践講座 第2回 PQ図、労働分配率 1.PQ図 (1)変動損益計算書で経営を読む ①経費を変動費と固定費に分ける ②売上-変動費=粗利益 ③固定費の分解 ・ヒト(人件費) ・その他 ・減価償却費 ④粗利益-固定費=経常利益 (2)変動損益計算書により経営リスク度を判断する 【高粗利益率・大固定費の会社と低粗利益率・小固定費の会社による比較】 ①粗利益率・大固定費の会社 高粗利益率・大固定費の会社は低粗利益率・小固定費の会社に比べて粗利 益率に占める固定費の割合が大きいため売上が一旦減少すると大きな損失 が出る可能性がある。 ※改善策 ・中長期的に固定費を変動費化 ②低粗利益率・小固定費の会社 低粗利益率・小固定費の会社は高粗利益率・大固定費の会社に比べて粗利益 が出にくいが、固定費が小さいため売上ダウン時に大きな損失は出にくい。 ※改善策 ・変動費(外注費等)を自社の従業員(固定費)でできるようにし、粗利益 率を改善する 粗利益と固定費のバランスにより、それぞれ経営リスクが大きく違うことに留意 しましょう。また、粗利益の最大化(P↗Q↗V↘F↘)が特に重要となります。 (3)労働分配率 ①人件費とは? (イ)人件費の内訳 役員報酬+給与手当+法定福利費+福利厚生費 社会保険、労働保険 通勤手当等 直接費と間接費 直接人件費 役員報酬+給与手当 間接人件費 法定福利費+福利厚生費 ②労働分配率とは? ヒト/MQ・・・粗利益に占める人件費の割合 (イ)労働分配率が高い会社は、給料が高い? いろいろなパターンで労働分配率、1人当たり粗利益、1人当たり人件費を比 べてみましょう。 労働分配率の高い会社が、必ずしも給料が高いわけではありません。あくまで も、人件費と粗利益のバランスなのです。 (ロ)労働分配率から見る会社の目指す方向性 ヒト 人件費は上げる MQ それ以上に粗利益を上げる また、その時に一緒に1人当たり粗利益、1人当たり人件費も見てみましょう。 労働分配率 1人当たり粗利益 1人当たり人件費 を目指しましょう。 (4)労働生産性とは 労働分配率の逆数・・・給料の何倍の粗利益を稼いでいるか 目指す労働生産性とは? ×1倍社員 粗利益=人件費 →労働分配率100%→大赤字 ○2倍社員 粗利益=人件費×2→労働分配率 50%→黒字 ◎3倍社員 粗利益=人件費×3→労働分配率 33%→大黒字
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