50kV-‐3ns超高速2極-‐4極キッカーの開発 中村 剛, 出羽 英紀, 安積 隆夫A), 小林 和生, 藤田 貴弘, 正木 満博, 鈴木 伸介, 佐々木 茂樹, 大熊 春夫 高輝度光科学研究センター A) 理化学研究所 第11回 加速器学会年会 2014-‐08-‐11 超高速 2極-‐4極 キッカー バンチ毎(2ns間隔) にキック (超高速)を ON/OFF ダイナミックアパチャの狭いリングへの入射 2極 非常に狭い場合 On-‐axis 入射 すべての RFバケットに 蓄積可能 On-‐axis スワップ入射 (電流が低下したバンチの入替) ユーザー運転に十分な平均電流 4極 (既存のものは無い) 数mm 程度 Off-‐axis 入射 キックの影響を 入射バンチにのみに留める (磁石の場合は多くのバンチに影響 するので6極が使われる => 超大強度 ) 2極 リニアコライダのダンピングリングでの出射キッカー T. Naito, hCps://journals.aps.org/prstab/pdf/10.1103/PhysRevSTAB.14.051002 バンプキッカーの代替 (DAΦNE) 入射の影響 = キックを入射バンチに留める D. Alesini, hCp://indico.cern.ch/event/45580/session/5/contribuWon/275/material/slides/ 4極 既存リングに追加設置して振幅低減 時定数の短縮 : ストリップラインキッカー キッカー長 L v = -‐c v = c ビーム がキッカー中ですれ違う電磁場は、 τ = 2 x L/c = 2L/c キックの時間構造は、この時間で電磁場を積分したもの デルタ関数入力でもこの時間幅のキックとなる L =0.2m => τ =1.33 ns 超高速 2極-‐4極 ストリップライン キッカー ストリップラインの駆動電圧、極性 => 2極-‐4極切り替え 2極 断面形状 10mm25 10 mm mm 拡大 ビーム位置 4極 垂直アパチャの低減による強いキック電磁場 拡大 リッジが電磁場の一様性を生成 Horizontal Electric Field [V/m] キック電場の水平方向分布 L = 0.2m x 5台 = 1m キック電磁場 E = 6 GeV Ex + cBy = 11 MV/m (50kV) => 1.8 mrad 160 120 80 40 0 -40 -80 -120 -160 Dipole Kick (フラットトップあり) VL = + 1V VR = -1V VR = 0V Quadrupole Kick Injected beam 4 MV/m for 50kV -10 -5 0 5 Horizontal Position [mm] VR = +1V 10 キッカーの駆動方法 手持ちは、 正パルス発生器 2台 2極キック 4極キック ビーム ビーム ショート 極性反転 正パルス発生器 アンテナ 2極キック ビーム ショート アンテナ Antenna Voltage [arb. unit] 極性反転 4 3 2 1 0 -1 -2 -3 -4 -10 アンテナの信号 0 10 20 30 40 Time [ns] 50 60 70 セラミックス製サポート ストリップライン電極 50kV フィードスルー 支持、位置決め用 セラミックス製サポート ビームラインに設置 N型ポート トラップモードダンパー キッカー内電磁場観測 キッカーの透過信号試験 (小信号) 入力パルスに対するキッカー出力の応答(劣化)を観測 0.4 Output Input Voltage [V] 0.3 0.2 300ps FWHM 0.1 0 Voltage [arb. unit] -10 -5 0 5 10 Time [ns] 15 0.05 分配器 Input Output キッカー 25 キッカーの時定数 2 x キッカー長/光速 キッカー長=0.2m Input Output 0.1 0 -10 20 パルス 発生器 (81134A) キック波形 (計算 = 1.3 nsの移動平均) -5 0 5 10 Time [ns] 15 20 25 出力の方が高い ? 分配器、ケーブル損失等の キャリブレーションが必要 大きな乱れは見られない キッカー構造、フィードスルー、セラミックスサポート には問題なし 高電圧パルス試験 パルス発生器 FID 社 FPG 50-‐01NKS2 仕様: 50kV、測定: 45kV ~ 50kV 入力に対する キッカーからの出力 2m ケーブル、 25m ケーブル (ビーム試験時) 45 kV (50kV) 問題なし Output Voltage [x 20 kV] 2.5 2 2m cable 25m cable 1.5 1 ビーム試験時 75 % へ減衰する 0.5 ??? 0 -0.5 -5 0 5 10 Time/ns 15 20 25 30 ビーム試験のセットアップ ( 1GeV 線型加速器ビーム) スクリーンモニタ(Ce:YAG) キッカー 水平・垂直 ステージ 可変アパチャ コリメータ Beam ビームを動かすかわりにキッカーを移動しキック分布を測定 可変アパチャビームコリメータ 左右2台のステッピングモーターで くの字型コリメータ(左右各3つ) を開閉する。 ビームをダイヤモンド型に削る 拡大図 開口の形状 サイズ可変 安積 ビームプロファイルモニタでのデータの一例 入力 ON ~ 12mm 入力 OFF 電子銃ゲート幅 500ps 2-‐3 バンチ / パルス 出羽 パルス発生器出力設定: 50kV 予想 : 34 kV 出力測定+ケーブル損失 Horizontal Electric Field [V/m] キック測定 : 片側駆動 160 120 80 40 0 -40 -80 -120 -160 -10 Horizontal Kick Angle [mrad] マーク : 実験結果 破線 : 計算 (45kV, 中心: -‐0.6mm) 1.5 -5 0 5 Horizontal Position [mm] コリメータ幅 +/-‐ 0.75mm 1 0.5 0 -12 -8 -4 0 4 8 Horizontal Beam Position [mm] 12 10 キック測定 : 4極キック ( +, + ) パルス発生器出力設定 : +50kV, +50kV 予想 : +34 kV, +34kV Horizontal Kick Angle [mrad] マーク : 実験結果 破線 : 計算 (+40kV, +40kV 中心: -‐0.6mm) 1.5 1 0.5 20140424_Q-kick コリメータ幅 +/-‐ 0.75mm 0 -0.5 -1 -1.5 -12 -8 -4 0 4 8 Beam Horizontal Position [mm] 12 実験結果 : 2極キック (+, -‐) パルス発生器出力設定: +40kV (+側), +50kV ( -‐ 側) 予想: +27kV, ? (反射率、ケーブル損失不明) Horizontal Kick Angle [mrad] マーク : 実験結果 破線 : 計算 (+32kV, -‐35kV, 中心: -‐0.6mm) 2 コリメータ幅 +/-‐ 1mm 1.5 1 0.5 0 -12 キック場 (peak) Ex + cBy = 7.8MV/m ばらつきは 予備電子銃 の調整不足 (主電子銃が故障) -8 -4 0 4 8 Beam Horizontal Position [mm] 12 Hor. / Ver. Kick Angle [mrad] 水平、垂直キックの、垂直方向依存性 2 1.5 1 Horizontal Kick 0.5 0 -0.5 -1 -6 Vertical Kick -4 -2 0 2 4 Vertical Beam Position [mm] 6 垂直キック: ビーム近辺ではフラットだが、それ以外の点で強度が大きい いろいろな仮定での計算を実施したが再現できず Horizontal Kick Angle [mrad] Horizontal Kick Angle [mrad] キック時間構造測定 電子銃ゲート幅 500ps 2-‐3 バンチ / パルス 0.8 0.6 片側駆動 0.4 3ns 4ns 0.2 0 -4 -3 -2 -1 0 Time [ns] 1 1.5 0.5 3 4 パルス発生器の改造 の余地がある 4ns 0 -4 -3 -2 -1 0 Time [ns] 3ns (FWHM) 4ns (full) 2極キック 3ns 1 2 1 2 3 4 キック電磁場強度 7.8 MV / m を達成 これまでの2倍 (50kV 駆動時に換算すると、10MV/m ) 従来のキッカー 平行平板 強いキック電磁場 => 狭い水平アパチャが必要 本キッカー 垂直アパチャを低減 強いキック電磁場 => 水平アパチャの制限なし 電圧 キック電磁場 水平アパチャ(half) DAΦNE [1] ATF [2] SPring-‐8 45kV 10kV 40kV 45kV (E+B) 2.8 MV/m 25mm 3.9 MV/m 4.5 mm 7.8 MV/m 25mm (原理的な制限無) 8.8 MV/m [1] D. Alesini, hCp://indico.cern.ch/event/45580/session/5/contribuWon/275/material/slides/ [2] T. Naito, hCps://journals.aps.org/prstab/pdf/10.1103/PhysRevSTAB.14.051002 水平方向アパチャに制限がない 強いキックのための多段化が容易 On-‐axis スワップ入射の新しい配置 キック力 0に設定可能 まとめ * 時間幅 3−4 ns をもつ 2極 – 4極キッカーを開発 50kV での動作を確認 ビーム試験によりキック分布を測定 * 得られたキック分布は、計算値とくらべて キック分布の形状は合致 絶対値が2割ほど大きい * 2極キックのキック電磁場強度は、従来の2倍 * 原理的には水平アパチャへの制限はなし * 垂直キックの垂直方向依存性 ビーム近辺ではフラットだが、それ以外の点で 強度が大きい いろいろな仮定での計算を実施したが再現できず 残された課題 ブロードバンドインピーダンスの従来の装置との比較、低減 垂直キック分布の原因
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