全自動免疫測定装置「HISCL-5000」を用いた NT-proBNP の基礎的性能評価 ○財満 美希、伊良皆 千秋、伊佐 和貴、山内 恵 琉球大学医学部附属病院検査部 【はじめに】NT-proBNP (ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチ 度:患者血清を段階希釈後、10 重測定し 2SD 法で求めた ド前駆体 N 末端フラグメント)は心筋マーカーの 1 つであ 結果、1.0pg/mL と算出された。4.共存物質の影響:2 濃 り心不全患者では重症度により血中濃度が増加するため、 度の患者プール血清に干渉チェック A プラスおよび RF プ 心不全の診断および予後の把握に有用である。今回シスメ ラス(シスメックス)を添加し共存物質による影響を評価し ックスより新たに開発された自動化学発光免疫測定装置 た結果、いずれも影響は認められなかった。5.相関性:患 HISCL-5000 を用い、 「HISCL NT-proBNP 試薬」の基礎 者検体 112 例において本法(y)と比較対照法(x)との間に求 検討を行った。 めた回帰式は y=0.85x+183.2 と本法がやや低値傾向を示 【対象および方法】当院を受診した患者の残余検体 112 件 し た が 、 相 関 係 数 (γ )は 0.994 と 良 好 で あ った 。 ま た および 2 濃度の専用コントロールを用いた。測定機器は NT-proBNP 値を 6 段階に分類した慢性心不全の診断指針 CLEIA 法を原理とする HISCL-5000 を使用し、「HISCL により比較したところ、一致率は 87.5%であった。本法が NT-proBNP 試薬」(シスメックス)を検討試薬とした。比較 対照法に比べて1クラス低く分類される傾向にあったが、 対照法は ECLIA 法であるモジュラーアナリティクス E170 2 クラス以上の乖離は認められなかった。 を使用し、専用試薬である「エクルーシス NT-proBNPⅡ」 【まとめ】HISCL-5000 を用いた NT-proBNP 試薬の基礎 (ロシュ)を用いた。 検討は良好な結果が得られ、日常検査において十分な性能 【結果】1.再現性:2 濃度のコントロールを用いた同時再 を有していた。本装置は反応時間約 17 分、さらに動作停 現性は CV 0.9~1.2%、日差再現性は CV 2.0~2.4%であっ 止せずに試薬や消耗品の補充が可能であり、迅速検査にも た。2.希釈直線性:患者検体を段階希釈して測定した結果、 有用であるといえる。 34,434pg/mL までの直線性が確認された。3.最小検出感
© Copyright 2024