平成25年度 堂 々 と 発 表 を し た 17 人 の 学 生 た ち 平成25年度ニュージーランド留学か ら帰国した17人の学生が、4月18日 (金)午後6時30分から金沢高専3階の 合同講義室で、帰国した学生の家族、 4月26日にニュージーランド(以下、 NZ)に向けて出発する平成26年度留 学生とその家族、高専学生、工大学生、 そして高専、工大の教職員約180人が集 う前で留学の成果を発表した。 3月20日午後10時過ぎに金沢高専に到着した彼等は慌 の学生はあまり焦らない。前日まで本気を見せないのだ ただしく新学期を迎え、その忙しいスケジュールの中で ろうか。リハーサルでのあの原稿頼りの発表は何だった 発表会の準備を重ねてきた。日英2カ国語で行うプレゼ のだろうか。二つ目の発表はT4尾上尚之君、道薫君、 ンテーションなので準備にも倍の時間がかかることはご 機械工学科4年(M4)の笹本敦志君と八田真央君の「N 想像頂けるかと思う。留学から帰ったばかりの彼等は英 Zでの生活」であった。そして次の「NZの食べ物」は 語が使いたくて仕方がない。しかし反対にその英語を日 G4の塚本紗也さん、菅原綾女さん、湊砂樹さんによる 本語に訳す作業は面倒くさいのかもしれない。リハーサ ものであった。その後G4の西亮介君、奥田真綾さんの ルの行われる4月17日まで、日本語の原稿直しや舞台上 「OPの先生について」が発表された。5番目に登場し でのプレゼンテーション技術に問題が残り担当教員は不 たT4近藤規広君、武久亮平君、そしてG4の納谷有貴 安なまま本番を迎えた。 君は「授業、学習について」話した。そして報告会も大 そんな状況の中、報告会は始まった。バークスデール 校長の日英2カ国語での歓迎のあいさつでは楽しいこと 詰めとなりT4の宮下卓也君、吉田英聖君、そしてG4 菊田星さんが「課外活動について」発表した。 だけでなく、つらい事や様々な経験をした君達の発表を 全ての発表を終え報告会は謝辞へと移った。17人の学 楽しみにしていると述べた。電気電子工学科4年(T4) 生がステージに並び代表の湊砂樹さんと菊田星さんが の武久享平君とグローバル情報工学科4年(G4)の管 「多くの経験が私たちの将来に役立つことを信じている。 原綾女さんの二人が進行役を務めた。 そして支えてくれた家族と先生方に感謝する」とあいさ トップバッターはT4の三島一希君と林和樹君で「N つした。引き続いて保護者を代表して西園子氏が「今、 Zの地形、環境」と題して発表した。発表が始まった途 文科省が留学を本格的に促進しようとしているが、20年 端、担当教員は顔を見合わせた。昨日とは違うのだ。そ 以上前から留学活動を進めてきた金沢高専に敬意と感謝 の驚きと喜びは17人目の学生が終わるまで続いた。最近 を表する」と感謝の言葉を述べた。 今から一年前、胸いっぱいの不安とともに親元 を離れてNZに向かった17人の彼等は立派に成長 した。英語が話せるというだけでなく人前で堂々 と発表できるようになった。今年の発表は事実を 述べるだけでなく、ヨーロッパから入ってきた文 化とマオリの独特の文化の融合、歴史、習慣を説 明しながら自分たちの発表を行ったり、また彼ら の目でみた、あるいは体験したNZ教員と日本人 教員の質問の仕方や英語の発音など生活しなけれ ばわからないようなことをしっかりとコメントで きるようになっていた。また英語の発話も一文一 文が長くなり単文をとつとつと並べるような発話 「NZの食べ物」について話す G4の塚本紗也さん、菅原綾女さん、湊砂樹さん ではなくなっていた。今後が楽しみである。 最後に向井副校長が全員元気にそして大 きく成長して帰国したことを喜び留学中の ご家族の理解と担当教員すべての情熱的な 仕事に感謝を表した。この報告会を持って 彼らの留学は完了した。一人ひとりの学生 がこれから学生生活、更には人生において この留学を役立ててくれることを願ってい る。 平成26年度の学生が NZ留学へ出発 留学にあたって最終説明を聞く留学生たち ………………………………………………………………………………… 4月26日(土)午前9時30分、18人の学生が宮野肇講師 に引率され一年間のNZ留学に向けて出発した。 保護者、家族、クラスメート、そして教職員に見送ら れての出発であった。一人ひとりがこれからの留学に思 うが期待して待っていてください」とあいさつした。 その後、向井副校長からダニーデン到着までの29時間 の行程と諸注意があり入国審査や出入国書類が配られそ れぞれの書類の大切さの説明があった。 いを馳せて笑顔でいっぱいの旅立ちであった。対象的に いよいよ出発の時を迎えた。ある学生のお父さんが両 家族の方は一年間の別れとはいえ初めてのことであるた 手をひろげて息子をハグしようとしたら、嫌がるかと思 め不安な様子であった。特におじいちゃん、おばあちゃ ったら恥ずかしそうではあるが父親の胸に抱かれた学生 んは孫との別れが実に寂しそうであった。 の姿が印象的であった。 最初にバークスデール校長が「君たちの生まれてはじ バスの窓から大きく手を振りながら小松空港へと向か めてのアドベンチャーとなると思うが辛いこと、新しい った。今年一年彼らが健康で安全で、そして実りある留 ことも乗り越えて楽しい留学の成果を得てほしい」と述 学の日々を送ることをただただ願うものである。 べた。また校長は、保護者に向けて「一年後彼らは大き く成長して帰ってくることを信じている。寂しいでしょ 平成25年度 ラーニングエクスプレスの報告会がニュージーランド らタメ息が漏れた。 留学報告会と時、場所を同じくして開催された。今回の 今年のプログラムには現地で栽培されているソーガム ラーニングエクスプレス報告会は高専側から参加した電 (Sorghum)、すなわちサトウモロコシの加工であった。 気電子工学科5年の大家颯馬君と北周平君、機械工学科 シロップの抽出、また乾燥させて粉を作りケーキの材料 5年の谷内聡一郎君、そしてグローバル情報工学科5年 にする加工法についてアイデア出し、プロトタイプ、発 の北口知樹君の4人が発表を行った。4月16日に工大の 表を行ったとの報告をした。現地の人々の生活観察、村 EECで発表を済ませた金沢工大からの参加者の伊藤悟 の分析、アイデア出し、役割など全ての活動が英語で行 君(応用化学科2年)、佐々木亮君(建築学科2年)、島 われるため、はじめはかなり苦労したらしいがジェスチ 崎樹君(航空システム工学科1年)の3人は応援に駆け ャーやコミュニケーションのコツそしてお互いの人間関 付け会場から発表を見守った。 係が樹立されていくころには問題はなくなっていったよ 3月8日(土)から22日(土)までの間実施された今年の うである。 プログラムはシンガポール理工学院をはじめとしインド 4人が一人ずつ学んだことを述べた。北口君は「自分 ネシアの大学2校、ベトナムの大学1校、そして金沢高 の意見はあいまいにせずにとにかくはっきりと伝える」 専、金沢工大の6校の参加でインドネシアのジョグジャ という大切さを知ったと述べた。谷口君は「英語などで 引っ込みがちにならずにわからないことは先延ばしにせ ずにとにかくわかるまで聞く事の大切さ」を述べた。北 君は「他学生より英語にハンデをもった自分は違う分野 で人をリードする事をみつけ、自分の強みを持つ大切さ」 を述べた。大家君は「文化の違う国々の人々と協働する には自分を理解させることと同様に相手をまず理解し受 け入れる大切さ」を述べた。日頃私たちが学生に身につ けてもらいたいと思っていることをわずか2週間の体験 でしっかりと習得したのである。 最後に彼等はGlobal Engineer に大切なものはもちろ ん英語や専門的知識であるが同時に受け入れる力、すな わち融通性ではないかと述べた。彼らがこのプログラム 参加で学んだことである。だれもが同感できるこの結論 発表する4人の高専生たち カルタで2週間の日程で実施された。インドネシアの大 学寮や村でのホームステイの説明、30℃を越す暑さの中 で水風呂や様子の違うトイレなど習慣の違いにとまどい ながらも、同年代のアジアの学生たちとともに楽しく有 意義な日々を過ごしたとパワーポイントを駆使して発表 した。朝日に照らされたその村の風景の美しさに会場か を持って彼等は発表を終了した。
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