ーNF。RMATー。N

可塑剤インフォメ ー シ ョン
平成 26年
10月 発行
CONTENTS
■可塑剤工業会 新会長インタビュー
Pl
機能性、環境特性与経済性など
可塑剤についての正しい認識を
積極的にアピールしていきたい
工業会 会長
可塑斉」
シージーエスター株式会社代表取締役社長
小原
紳―郎
■5km2メ ッシュ(格 子単位)推算では
リスク懸念有りとされる地域はゼ回 !
P6
化学物質評価研究機構(CERI)安 全性評価技術研究所の調査論文
「DEHPの 改正化審法に対応した人健康リスク評価の試行」
■欧州フタル酸エステル類の規制動向、
その対応と今後の展望
■
KASOZAi COLUMN
可塑剤を利用 した光学 号
守性の改質技術
P13
北陸先端科学技術大学院大学
マテリアルサイエンス研究科
山口
政之教授
DATA BOX】
■可塑剤工業会通信 【
フタル酸 エステルの環境濃度調査結果
P15
機能性、環境特性、経済性など
可聖剤 につ いての正 しい認識 を
積極的にア ピール してい きたい
可塑剤工業会
会長
小原 紳 ―郎
本年 6月 に就任 した当工業会の会長、小原紳―郎 (シ ージーエスター株式会
社代表取締役社長)に 会長としての抱員や目標、海夕1事 1情 を含め、可塑剤市
場の展望などを率直に語つてもらいました。
1罫 [唇
と
離
躍雪
一―可塑剤工業会会長に就任 された感想と抱負をお聞
かせください。
会長に就任する前 の平成 23(2011)年 、シージーエ
スター株式会社 の常務に就任 しましたが、その際、可
塑斉J工 業会が発行 した「可塑剤工 業会 50年 史」を読
んで、正直驚 きました。50年 間のすべ てが安全性 に対
する取 り組みであり、対応であったからです。お恥ずか
しい話 ですが、 このとき初めて諸先輩方が歩まれた苦
難の歴 史を知 りました。そして、こうした先輩方の功績
に敬意を表すると同時に、少 しでも可塑剤とその関連業
界すべての未来が明るい方向に向かうよう努力しなけれ
ゴならないことを強く感じました。
↓
ここ 10年 くらい、発がん性の問題が解決 したかと思
えば、
内分泌かく乱 (環 境ホルモン)問 題力討賞出するなど、
安全性全面解決までもう一歩 とい うところまできては、
新 たな問題が持ち上がるという歯がゆい状態が続 いて
います。歴代 の会長はその都度、可塑剤に対する一般
消費者 の誤 った認識を払拭するために最善の努力をな
され、その任期を全 うしてこられました。
今 まで積み上げてこられたさまざまな対策や経験 を
ベースに、今後 2年 間、昨日よりも今 日、今 日よりも明日、
明日よりも明後日と、可塑剤を取 り巻 く状況が確実に良く
なってい くように努めなければならないと考えています。
(こ は ら・ しんいちろう)
昭和 37(1962)年 熊本県生 まれ。
昭和 60(1985)年 、中央大学卒業後、同年、チッソ (現 JNC)
株式会社入社 。昭和 63(1988)年 ∼ 平成 6(1994)年 有機化
学品事業部可塑剤部。 その後研究開発本部 などを経 て、平成 17
(2005)年 化学品事業部 アルコール溶剤部長。平成 20(2008)
年経営企画室次席企画員。平成 23(2011)年 シージーエスター
株式会社常務。平成 24(2012)年 代表取締役社長。
―
ご自身の可塑剤との関わりについてお教えください。
チ ッソ株式会社 に入社 して 3年 目の昭和 63(1988)
年、有横化学品事業部可塑剤部に配属されました。ちょ
●
うどバ ブル期にあたり、出荷量が年々増加するという恵
まれた時期でした。 ピークは、たしか 199o年 代の後半。
可塑剤の国内全出荷量は 50万 トンを超えていたのでは
ないかと記1意 しています。当時と比べてみると寂 しい限
りです。
そんな 1990年 代 のことですが、当時、有 楽町にあっ
た医療機器の業界団体を訪問し、専務理事 (医 学博士)
にお話をお伺いする機会があ りました。その際、
「最近、
DEHP(フ タル酸 ジ _2-エ チルヘキシル、フタル酸 ジオ
クチル、EDOP]と されることもある)の 安全性が問題
になってお り、代替可塑剤をという声 もあるが、現状 で
は他 の可塑剤を使用する気にはならない。DEHPに つ
い日はないような状態でした⑥一般の人にとってはかな
り衝撃的な言葉で、まるで宇宙人が襲来したような騒ぎ
となっていました。
そうした大混乱の最中に、可塑剤の仕事から離れて
しまい、戻ってきた時には鎮静化していたというのが正
直なところです。その間の推移について詳しいことはわ
かりませんが、鎮静化したのは、可塑剤工業会をはじめ、
関連 の化学 工 業団体 の方 々が安全性 を証明するために
一所懸命努力 されたことの成果だと考えています。
客先 で ある加エ メー カー をはじめとする需要家の皆
様 もDEHPな どの安全性 については十分 ご理解 されて
おられます。日本 には科学的な情報 を重んじるとい う伝
いての研究はもっとも進んでお り、 リスクの コン トロー
統的な慣習があ り、組 織 も4Lj人 もリスクとベ ネフィット
ルが可能なため安心 して使用 で きる。医療 とい う命 を扱
をきっち りと理解 した判断をすることができます。今後
は、風評に踊 らされて安全 1生 が脅かされるというような
う分野においては、 リスクが不明な材料 を使 うわけには
いかない」 とい うお H3‐ を聞 き、DEHPの 安全 1生 につい
て強 い 自信 をもちました。
新たな可能性 は低 いと思 います③
しかし、欧州などの動 きがどういう形で日本に影響を
及 ぼすかが不明なため、需要家 の皆様にご″
い配をおか
―一 可塑剤を取 り巻 く環境 はどん どん変化 しています。
対応 も含めて可塑剤工 業会 の役割はますます大 きくな
けしている面があるようなので、工業会 としては、不安
なくお使 いいただけるよう最大の努力をしなければな り
るのではないでしょうか ?
ません。
平成 10(1998)年 、環境庁 (当 時)は 「内分 泌指乱
化学物質問題 へ の環境庁 の対応方針 について、環境 ホ
一―最近の可塑剤市場の動向と今後の展望をお聞かせ
ください。
ルモン戦略計画 SPEEDり 8」 を策定、 この中で、 (1)環
境中での検出状況、野生生物等に係 る実態調査 の推進、
需要は安定 しつつありましたが、2008年 から景気 の
(2)試 験研究及び技術 開発 の推進、(3)環 境 リスク評価、
衰退による住宅建設の大幅減、公共投資の大幅削減な
環境 リスク管理及 び情報提供 の推進、 (4)国 際的なネッ
どの影響 により、減少傾向にあ りました③なんといって
も住宅・建設市場 の低迷が大 きかったのですが、アベ
トワーク強化 のための努力を示 しました。
具体 的には、内分泌か く乱作用の右無、強弱、 メカ
ニズム等 を解 明するため、優先 して調査 研 究 を進めて
ノミクスや復興需要により回復基調です③
い く必要性の高 い物質祥 として 67物 質をリス トアップ、
本年は、消費増税の影響 で足 踏み となるか もしれま
せんが、今後、復興需要はさらに増えて くるでしょうし、
その後見直 しにより平成 12(2000)年 に 65物 質に修正
アベノミクス効果で市場にお金が回るようになれば、新
した上で、各種 の取 り組みを進めました。
築 だけでな く、リフォーム需要も喚起されると期待 して
います。
この内分泌か く乱作用 を有す ると疑われる化学物質
に DEHPを はじめ多 くの可塑剤が リス トアップされたの
その先には東京オリンピック・パ ラリンピックが控え
てお り、需要の山は以前のレベルまで高 くないにしても、
ですが、 このときは大変 驚 きました。
その後、環境省 の ExTEND(エ クステンド)2005に
向こう数年は回復基調 と期待 しています⑥
より、DEHPは 内分泌か く乱作用 を有す る化学物質で
はないことが証明されましたが、当時、環境ホルモンの
問題
(エ
ン ドクリン問題 ともいわれる)は 、米国の動物
学者 シーア・コルボーンらによる「Our Stolen Future
(邦 題 :奪 われ し未来)J(1997年 、刊行)の 影響 もあっ
て、多 くのメデ ィアが 果様 と思えるほどセンセーショナ
―一塩 ビ製品 の うち、他 の素材 へ代替 えされたものも
ル に取 り上 げ、 ニ ュースやワイ ドショー など、Tv、 新
多 い と思 い ますが、その回復 を進 めることも重 要 なの
聞、雑誌 で「環境ホルモンJと い う言葉を目や耳にしな
ではないでしょうか ?
0
DEHPに 関する内外の規常J動 向と
お客様から、PVCの 方が使いやすいという意見が出て
きているようで、自 lJ車 ではすでに見直されて PVCへ の
EE‐
1亘
期待がもてる新たな動き
1帰 が始まっています。さらにそのような分野が出て来
てもおかしくないのではないかと思っています。PVCは
ライフサイクルが長 く、環境という面でも非常に優れた
一一 CERI(一 般財 団法人化学物質評価研究機構 )に
樹脂なのです。
よる DEHPの 改正化審法 に対応 したリスク評価 で、懸
また、平成 12(刻 側)年 5月 に、術環型社会形成推進
基本法の個別法のひとつ として「国等による環境物録1等
の調達の推進等に関する法律 (グ リーン購入法)Jが U
念箇所 ゼロとい う結果 が出ましたが、どのように思われ
定されました。この法律により、公共事業では使用でき
なかった PVCが 「グリーン調達基準」の見直 しによっ
DEHPの リスクは非常に低 いレベルであり、所管官庁
によって審査 されればシロ判定 とな り、一般化学物質 と
て使用できるようになるなど、需要 は増えてい くと思 い
なるものと信 じています。しか し、リスクの高い物質の洗
ます。
い出しを優先 しているので、審査が遅れているような気
ますか?
1テ
でも、PVC需 要は仲びています。なかでも中国の
海タト
が します。
CERIに よる DEHPの リスク評価で懸念箇所ゼロとい
伸 びはダントッ。石油資源を半分 しか使 わない PVCは
右用な樹脂 と位置付けられ、桁外れに大 きな需要となっ
う情報はうれ しい限 りですが、実際 のリスク評価 は大 幅
ています。
に遅れると思われます。ただひたす ら待 つ しかないのだ
世界的に PVC・ 可塑斉Jが 共に成長するのは間違いなく、
ろうか ?
という、もどかしい思いもあります。
ほかにもインドや中南米など、今後、PVC関 連産業が興 っ
DEHPを 含む可塑斉Jの 安全1生 の籾1究 はコス トと時間が
てくる地域においては、早い段階からPVC・ 可塑剤につ
かか りますが、今 も欧米 と日本 の三極 を中心に、重点事
いての正 しい認識を持 ってもらうことが健全な成長のた
項 として世界中で行 われています。現在 は、毒性 よりも
めには必要だと考えています。
リスク管理 についての研究が中心 となっています。ただ、
PVC,可 塑剤の有用性、とくに機能性、環境特性、経
結果が出るまでまだ相当時間がかかるでしょう。
そんな中、環境省が進めている「子 どもの健康 と環境
済性などを積極的にアピール してい くつ もりです。
に関す る全匡1調 査J(エ コチル調査 )に は期待 しています。
平成 23(2011)年 にスター トしましたが、環境要因が子
どもたちの成長、発達にどのような影響 を与えるのかを
明らかにするための全国的な疫学調査で、DEHPの 疑 い
が晴らされる大 きなチャンスではないかと考えています。
一一可塑剤 と REACHに ついてお教 えください。
REACH「 認可対
象物質」 の候補 リス トに入れるために、EU加 盟国か ら
2008年 に欧州化学品庁 (ECHA)が
提案 された 16物 質 を公 表。その なかに DEHPが 含 ま
れていました。
結果、2011年 2月 に DEHPは 認可対象物質 とな り、
それを受けて、2013年 8月 に今後 も DEHPが 欧州に
お いて継続使用 で きるように欧州 の製造会社が認可 申
請をしました。可塑剤 工業会 か らもこれを支援するため、
数度 にわた りECHAへ 意見書を提出しました。認可申
請 した製造会社 は、申請 の認可 の取得 ができることに自
信 をもっていると聞いていますので、今す ぐに REACH
の法律 に基 づいて使用 できな くなることはない と期待 し
ています。
本年 9月 の時点 で ECHAは 概ね申請者 の要望を受け
0
入れる方 向で進行 してい ますが、世界最大の需要量で
ある DEHPを 不認可 とす ることの重大性が認識 されて
いるのではないかと、勝手に思っています。
また、デ ンマー クの DEHP規 制国内法 につ きまして
…部の意見に流されることなく、
正しいことを言い続ける
は、
デ ンマーク国内産業界や EU城 内法を無視 (REACH
一―可塑剤工業会の会長として、今後、どのような取
に抵触 )し たもので、もともと無理があったと思 います。
り組みをしようとお考えですか ?
経済産業省 のご支援や、可塑剤工 業会、その他、さま
ざまな関係者が意見書 を提 出 し、その非科学性、違法
性 を指摘 したことが大 きく、誤った認識 を改めさせる結
日本で積み上げた科学的なデータをアジアで共有 して
い くとVヽ うことが重要です。アジアにおいて、DEHPの
果 とな り、取 り下げ られました。 これも工 業会活動の大
安全性を正 しく認識 していただ くため、機会があるごと
きな成 果 のひとつだ と思 い ます。
に意見交換をしてい く必要があります。
■■■■■■■
当然 のことですが、おか しな事例がある場合 には、ア
アジアの業界団体と共同歩調で
ジアに限らず、世界 に向けて、それが正 されるよう発言
していかなければな りません。
欧州の REACH活 案へ対応
台湾 にお いて可塑剤が健康飲料 に意 図的に入 れ られ
―一 アジア圏での活動強化 については、どのようにお
た り、中国で白酒 (パ イチ ュー)に 混 ざっていたことな
どが、可塑剤について余計な心配をさせる元になったと
考えですか ?
思 い ます③一部 の NGOな どが言 っている環境保護を大
上段 に振 りかざした過 剰 な意見 などの雰 囲気 に流 され
日本 を含 めアジアの国々では、DEHPが 広 く使 われ
ることな く、科 学的根 拠 に基 づ いた情報 を何度 で も発
コス ト、
ています。代替品の性能、
原料事情を加味すれば、
DEHPが 使えなくなると、城内の産業への打撃が大 き
言 してい くことが大切なのです。
いとい う各国共通 のテーマを抱えているとフ
思います。
北坂会長 ・野村会長時代か ら行 ってきた、
「正 しいこと
日本 において DEHPは 安全 に使用 できるので、欧
前述 のデ ンマーク規制法が取 り下げとなった ことは、
を言 い続ける」 とい う活動が間違 っていなかったとい う
州の方ばか り気 にせ ず、日本 の話 も聞いていただ くと
い うことが重要です。可塑剤工業会 も、日本 で問題な
ことを裏付けています。
いから他は知 らない という態度では、日本だけ孤立 し、
一一 今後 の可塑剤 工 業会 の運営方針 についてお教 えく
そのうち海タトの風評に押 し流されてしまいます。
ださい。この厳 しい現状 の 中で、どのような形 で難局
日本、米国、欧州でそれぞれ規 制の度合 いは異なり、
を乗 り切 っていかれようとされてい ますか ?
対応を迅速に行わなければな りません。2011年 、日系
塩 ビ加 エメーカーか らタイ政府が可塑剤 を規制 しよう
従来か らの環境委員会 を軸 にした活動 は変 わ りませ
としているとの情報があり、可塑剤工業会 はタイの工
ん③工 業会 の 目的は可塑剤工業の健全 な発展 を目指す
業会 と連携 し、可塑剤の安全性 と世界 の動向を現地当
もので あ り、科学的な根 拠 の ない一 部 の偏 った意見 な
局に説明したところ、規制が延期 されました。新興国
の政府はどこまで規帝Jを かけたら良いかの情報が不足
ど、その時 々の雰囲気 などによって需要が変化 した りす
るのは本来あってはならないことです。健全 な発展 を実
しているようです。タイは環境問題に対す る NGO(非
政府組織 )の 存在感が強 く、欧米 の影響 も強いのです。
現す るための組織が環境委員会なのです。
そして、安全性へ の評価や取 り組みに加 え、海外 での
可塑剤 の世界需要は 580万 トンと推定 され、この う
ちアジアは 330万 トン。 この 330万 トンの うちの 7割
動 き、可塑剤工業会の活動実 績な どの情報 を川下 業界
近 くを中国が占めてきましたが、タイ、インドネシアな
どで塩 ビ加工産業が広が り、可塑剤の需要は伸 びてい
態を正 しく認識 していただ くことが重 要 です③
環境 ・安全性 問題 の根本的な解決 と失われた需要 の
ます。
回復 を目指 し、マーケットの拡大 を進めてい ますが、そ
可塑剤 工 業会 はす でに中国の業界団体 と欧州連合
(EU)。 REACH法 案へ の対応などで共同歩調をとって
のために も、可塑剤 の需要家 で ある業界 団体 とは、魅
力的な末端製品の用途開発 まで視野に入れた関係 を推
きてお り、 こうした取 り組みを東南アジア諸国にも展
し進めてい くことが必要だと考えています。
をはじめ とす る需要家 の皆様 や関係 団体 へ 提供 し、実
たとえば、PVCに 関して、業界団体 の活動成果もあって、
開してい くつ もりです。
0
仕事、酒、ゴルフなど、数 々の失敗 を重ねてきましたが、
調子に乗 りす ぎて失敗 したケースがほとんどのような気
が します。何事 も原則に基 づ き、オー ソドックスな行動
をとることが大切 で、常に自らを戒めています。
趣味は ゴルフとスキーです⑥腰痛に苦 しんだ時期 と、
子供が小 さかった時期 を除いて、30年 くらい続けていま
す。
近年 のスキー場はす いていて、 リフト待 ちもなく、 い
くらで も滑ることができるのですが、50歳 を過 ぎてか ら
は、 けがが怖 く無謀 な滑 降は封印、ゆった りと滑 るよう
″
じ
む卜
けています。
二つの趣味は今 も続 いてい ますが、正 直な ところ、 ゴ
ルフにしろ、スキーにしろ、その後 の食事 (酒 )が 楽 し
みでとい うのが本心 です⑥
また、健康 と体力増進 のために、ウォーキ ングを続 け
てい ます。 とくに夜 の予定がなく、早 く家 に帰 ることが
で きるときは、 日本橋 の事務所 か ら 1時 間 くらい歩 き、
途中の駅から電車に乗って帰宅 しています。
歩 くルー トはその日の気分 しだい③初めて歩 く道や町
には意外な発見があ り、なかなか楽しいものです。 とくに、
PVCに 対する認識 は大 きく改善 してい ます。 自動車業
界 では、いったん他 の樹脂 に移った需要が再 び PVCヘ
興味 をそそられるような飲 み屋などを見つ けた ときには、
よく歩 いた褒美 として、一杯 という楽 しみもあります。
回帰 しています。
ハ イキ ングも好 きで、5∼ 6年 前、富士 山全頂 を目標
可塑剤工業会 も関連 1団 体 などと共同して PVC回 帰 の
に練習 を続けていたのですが、当日、大雨 となって中止③
動 きを推進すべ きだと考えてい ます。PVCの 失われた
その後チャンスに恵 まれませんで したが、昨年、富士山
需要 を回復す るのは、可塑剤 工 業会 だ けのF7Jき ではな
が世 界遺産 となったのを機 に、記念登 山に行 って来 ま
かなか難 しいのですが、】
犬況 に応 じて積極的 にその動
した。その後 も、いろんな人にお誘 いいただき、ほかの山
きを推進 しなけれ ばな りません。連携 を深 めることで、
にも数回登 っています。
より効率的でスピーディーな対応ができます。
過去 にはスキューバ ダイビングをやってい ましたが、
また、関連団体 との連携 をより密にすることで、科学的
大ってウェットスーツが入 らなくなり、もう 10年 以上やっ
根拠 に基 づ いた安全性 を積極的に PRす ることが 可能
て い ませ ん。ボンベ を背負 って 30mも 潜 るとい うのは、
とな ります⑥
もう無理かもしれませんね。
同様 に海夕ヽとの連携 も重要 となってきます。 とくに、
新 たにチャレンジしたいこととしては、フルマラソン
ASEAN諸 匡│を はじめ、中国、韓回、台湾の可塑斉Jメ ー
が あ ります。 ハ ー フマ ラソ ンの 経験 はあるのですが、
カー とも連 携 を深 め、環境 ・安全性 問題 の根本 的な解
紳習 の しす ぎで膝 を痛めてしまい 、それっきりになって
決に向けた活動を積極的に推進 してまい ります。
い ます。 ウォー キ ングによって、少 しず つ 脚力 をつ け、
いつ か 42.195キ ロ を完 走 してみ た い とひそか に考 え
1霊[景
冒
を
だ
59各 雪
安
け
青
ち
て います。
体 を動かす ことも、新 しいことにチ ャレンジすること
も好 きな方です。仕事 にしても趣味にしても、体力 と気
力 が充実 していなければ決 してうまくいかないのではな
―一最後にビジネス上の信条や目標をお教えください。
いで しょっか。
可塑剤工業会の発展 のためにも、所属するシージーエ
座右 の銘のようなかっこいいものはありませんが、日
「調子に乗 りす ぎない」 という
頃気をつけているのは、
ことです。
0
スター株式会社 のためにも、体力 と気力を充実 させて貢
献 してい きたい と考えています。
5k面 メッ
シュ(格子単位)推 算では
リスク懸念有りとされる地域はゼロ
!
化学物買評価研究機構 (CERl)安 全性評価技術研究所の調査論文
「DEHPの 改正化審法 に対応 した人健康 リスク評価 の試行」
可塑剤の代 表的な化学物質であるフタル酸 ジ _2-エ チ
ルヘ キシル (DEHP、 フタル酸 ジオクチル
況にあるか、またはこれに至 ることが確実 と予想 される
[DOP]と さ 「第二種特定化学物質」のどちらに該当するかの判断が
れ ることもある)は 、平成 23(2011)年 4月 1日 、化
審法 のスクリーエ ング評価 により優先評価化学物質 (通
なされます。
し番号 66;人 健康影響 )に 指定 されました。指定 され
(評 価 I→ 評価 Ⅱ→評
現在、DEHPは リスク評価 一次 の評価 I段 階です
が、そ うした中、一般財団法人化学物質評価研究機構
価 皿)と リスク評価 二 次 の結果 に基 づ き、人及 び生 活
環境動植物 へ の リスクが低 いと考 えられる「一 般化学
(CERI)安 全性評価技術研究所による「フタル酸 ジ _2エチルヘキシル (DEHP)の 改正化審法に対応 した人
物質J、 あるいは、人または生活環境動植物へ の長期毒
健康 リスク評価の試行」と題 した論文が日本リスク研究
性 のおそれがあ り、かつ リスクが広範囲で懸念 される状
学会誌 (23巻 、2013)に 掲載されました。
た化学物質は、リスク評価 一次
1日
独 自の 第 I評 価 と第 I評 価 を設 定
(中 西 ら、2005)に
お いて、広域での 5kぱ メッシュごと
の大気中濃度の推算に用 い られている。
この 論文 は、優 先評価 化 学 物質 に指定 されて い る
改正化審法 の評価 Iで は、排出源から半径 lkmご と
DEHPを モデルに、国によるリスク評価に先駆けて、 ヒ
の同心円を単位として評価が行われているカミ このことを
ト健康 におけるリスク評価 一 次 の評価 Iと 評価 工に相当
踏まえて、論文 では lkぱ メッシュでの評価 も行 っている。
す る評価 として、それ ぞれ国の評価方 法 に準 じて独 自
メッシュの大 きさが評価 に及 ぼす影響 を考察す るため
に工夫 した方法 (第 I評 価 と第 工評価 )を 設定 し、入手
に、最終的な人における暴露量 を 5kぱ メッシュと l
可能な情報 を基 に実施 している。これは人の健康 リスク
メッシュの格子単位 で推算 した。
km2
の有無 とその程度 の確認 を明 らかにす ることを目的 とし
・ 束野晴行ら(2003)味 露・リスク評価大気拡散モデル (ADMER)の
た検討 である。
開発、大気環境学会誌 、38、 100115
。中西準子 ら(2005)詳細 リスク評価書 シリーズ Nol、 フタル酸 エ ステ
ル DEHP、 丸善株式会社
評価 Ⅱは、我が国の実際 の排 出源 を考慮 した広域の
リスク評価 で あ り、 よ り詳細 な情報 とモデルを利用 し
て、 リスク懸念 の有無及 び我が国における懸念地域 の
同定 とその面積 を求 めることになっているが、その具体
2日
暴 露 評価 とリス ク評価
的方法はまだ明碓でなかった。そこで、この論文 の第 Ⅱ
評価 では、広城 においてリスク懸念地域を求めることが
できるようにメッシュ単位 での評価 を目ざして ADMER
暴露評価 のモデル計算については、国による「物理
化学的性状データ選定基準」 (条 )に のっとり、データ
(Atmospheric Dispers10n Model for Exposure and
を収集 したうえで評価に利用している。
Rも k Assessment ver 2.5、
東 野 ら、2003)を 利用 して
第 I評 価におけるリスク評価 は、改正化審法に準拠
して行 い、都道府県 ごとに一つの仮想排出源を中心 と
い る。ADMERは 、過去 に DEHPの 詳細 リス ク評価書
0
した半径 1∼ 10kmま での lkm単 位 で 10の エ リアに対
懸念箇所 はともに lkぱ とい う非常に狭 い範囲に限定さ
して総暴 露量 を推計。エ リアごとに総暴 露量が有害性
れ、しかも、推定暴露量は最大 でも有害性評価値 の2倍
評価値 を上回る場合 をリスク懸念有 と判定 している。
程度 (0.0368 mg/kg/day)と なっている。
第 工評価 では、一 般毒性 について有害性評価 を実施
*こ の論文の全文は、関係者の了解を得て可塑剤工業会 HPに 掲載
されています。
す るにあたって「スクリーニング評価手法 の詳細」 (条 )
(厚 生労働省、経済産業省、環境省、2010)を 参考にキー
スタディを抽出して評価 している。
● リス クを低 く見 積 も らな い こ とを基 本 に
また、発が ん性 についても、一 般毒性 と同様 にキー
スタディを精査 し、不確実係数 を考慮 して有 害性評価
調査 は、 リス ク評価 一 次 の評価 I、 評価 Ⅱに相 当す
を行っている。
る評価 を、国によるリスク評価手法 ガイダ ンス条
(リ
ス
調査 結果 をみると、第 I評 価 で リス ク懸念 の あった
ク評価 を実施 した時点ではガイダンスの詳細 は必ず しも
11県 について、 第 工評価 にお いて各県 それぞれのメッ
確定 して いなかった)に 準拠 し、また評価 モ デ ルや暴露
シュの総暴 露量 の うち最大値 を有害性評価値
シナリオ等 に多 くの仮定があることを考慮 し、特 にリスク
(0.0185
mg/kg/day)と 比較。5kぱ メッシュでは、懸念箇所は
を低 く見積 もらないことを基 本 として実施 しています。
ゼロ。lkぱ メッシュで は 2県 のみ該当してい る。 リスク
その結果 として、県別 でのリスクでは懸念 される都道
■ 特別インタビュー
CERl
一― 調査 の目的は ?
公
キU
去T
U
HH
,
一般財団法人化学物質評価研究機構 安全性評価損術研究所
研究第二部長の窪田清宏氏、研究第二部研究第二課主任の
義氏
(農 学博士)に「CERI論 文」についてお話を伺いました。
環境研 究所 (国 環研 )が 開発 した、 多媒体 モ デ ル
G―
CIEMSな どもあり、より言羊細なデ■夕を得ること
この調査報告は、優先評価化学物質に指走されて
いるフタル酸 ジ ー
2-エ チルヘ キシル (DEHP)を モデ
ができます。
ル に、人の健康 リスクの有無 とその程度 の確認 を明
等 を推算 し、ガイダンス案に記載されていたモデル
らかにす ることを目的として実施 しました。
と組み合わせて地上部農産物中濃度、十
地下部農産物
今回の論文では、ADMERを 使 って大気中濃度
中濃度、吉産物中濃度、魚介類中濃度、河川中濃
度などを推計 し、メッシュごとの総暴露量を算出し、
一一調査の方法は?
有害性評価値 と比較 しています。
ADMERを はじめ、SHANELや G CIEMSは 、
国によるリスク評価 に先駆 けて、改正化審法 の評
価 方法 に相 当する方法 を用 い て調査 した ものです。
地図上に環境濃度の分布を掲載することができるモ
独 立 行政法人産業技術 総合研 究所 (産 総研 )が 開
デルで、世界 でも進んだモデルといえるのではない
発 した ADMER(メ ッシュ単位 で大気中の濃度 を推
でしょっか。
算す る)の メッシュモデル などを利用 し、さらに調
査 の結果 を地図上に載せることを試みました。
一一環境経由の暴露量の数値が大きい ?
産総研 は、 産業技術 の幅広 い分 野 におけるさま
ざまな技 術 開発 を総合 的 に行 っている研 究機 関。
ADMERは 、5kぱ メッシュ、lkぱ メッシュと格子単位
DEHPの 環境経由のヒトの暴露量を推算 した報告
での平均化 された濃度 を求 めることが可 能 です。気
として、野菜、農産物、水産物の詳細な統計データ
とモンテカルロ・シミュレーションを用 いた 2005年
象 上のデー タも考慮 してい ます。
の報告があります
(吉 田ら,2010)が 、 この論文 の
第 I評 価 では、吉田らの報告値 よりも約 5倍 高い
この他、同 じく産総研 が 開発 したメッシュでの水
系暴露解析 モ デ ル SHANEL、 独 立 行 政法人回立
値 となっています。
0
府県数は 2県 と少なく、懸念 される地域範囲も限定的
kぱ
(1
)で 、 しか も、推定暴露濃度 も有害評価値 の 2倍 程
度 であったと報告 しています。
また、調査 に使用 した DEHPの 排出量 は、リスク評
が容易に推淑Jさ れます。
論文 の調査結果を基に、以上の ような考祭を加える
と、現状ではリスクが懸念される県 は皆無に等 しいとい
えるのではないでしょうか。
価 を実施 した当時の最新 の 2009年 度届出及じ用電出外の
PRTRデ ー タ
(全 排 出量 は約 128ト ン/年 、届 出量 は
2012年 の PRTRデ ー タ (全 排 出量 は 88ト ン/年 、屈
最近、
経済産業省及び製品評価技術基盤機構 (NITE)
から優先評価化 学物質に関する最新 の リスク評価 のガ
イダンスが公表されました。新たなガイダンスの適用に
出量 は 66ト ン/年 )と なり、お客 様方 の排 出削減努 力
より従来よりも正確な暴露状況を反映したリスク評価が
により、届出量は評価時の 60%に 減少 してい ます。
なされるものと予想されます。なお、DEHPは 化審法で
110ト ン/年 )を 基にしてい ます。2014年 に公 表 された
さらに、DEHPの 食事か らの摂取量評価 は全 て当該
排 出源 と同 じ地域産 の野菜等であることを仮 定。実際
には排 出源近傍 の食べ 物を食 べ続けることはな く、現実
の食事か らの DEHPの 摂取量 と比 べ ると、論文中で推
いまだ優先評価物質 169物 質
(2014`7.31現 在)の 中で
スク
一
リ
評価 次の評価 I段 階継続です。ちなみに評価 Ⅱ
段階 (人 健康)継 続 ・着手は 15物 質です。
算された摂取量は相当過大 (保 守的)と なっていること
第 I評 価 は、 あ くまで も一つ の県 か ら一箇所 の排
出を仮定 したスクリーエ ング的な評価 で あ り、かつ
食物 中の DEHPは すべ て当該りF出 源か ら由来する
と仮定 して い ます。 リスク評価 ガ イダ ンス条 にはヒ
トによる摂取量 としての デフォル ト値があ り、農作
物 の地下部、地上 部、乳製品、肉類、魚介類 (塩 水魚、
淡水魚 )、 飲水 などの摂 取量 に濃度 を掛 けて暴露量
を算出してい ます。
研究第二部 選田清宏部長
研究第二部 北村公義主任
一一環境経由の暴露量 の数値が大 きい ?
一方、2005年 の報告では、農・畜産物等の食物中の
濃度は生 産地 か ら消費地へ の農・吉産物等 の移動量
自給 自足 をしている人でなければ、当然、 いろい
データ、消費地域住民の体亘、農・畜産物消費等のデー
ろな地域で生 産された農作物や乳製品などを摂取す
タを考慮 した現実的な算出方法を用 いてい ます。
るでしょう。また、摂取したもののすべての濃度が
吉田らの報告 の方が より現実的な数値 といえるの
把 握 で きるわ け で もあ りませ ん。 た だ、 調 査 には、
ではないでしょうか。
リスクを低く見積もらないという大原則があります。
吉田喜久雄 ら (201tll数 理 モデルによる農 ・畜産物経 由の地域
特異 的な DEHPの 経 回摂取量 の推定、 日本 リスク研 究学会誌、
―一
20、
NITEか ら 「 化 審 法 リス ク 評 価 ツ ー ル PRAS―
NITE(プ ラスーナイト)」 ※が発表されましたが
135-142
-一 DEHPの 排出量が減 つているためリスク懸念も
用いられている計算式が異なることなどから、この
減少するのでは?
論文 と同じ結果にはならないと考えます。
排 出量 は 2009年 度届 出お よび届 出外 の PRTR
※本年 5月 に公開された、事業者による化学物質の自主管理等
の推進のため、工場での化学物質の製造量などから、周辺の大
気などの環境濃度の推計やその影響を評価できるツール。
PRAS NITEに は、優先評価化学物質の物理化学的性状 と有害
性評価値、用途 ごとの排出係数、暴露量推計に用 いる推計式 と
パ ラメータ等が含 まれてお り、工場等における化学物質の使用
デ ー タを使 用 して い ます ので、2014年 公 表 (2012
年届出)の 排出量が減少 していれば、 リスク懸念が
減少することはあると思います。 ただ、複雑 な計算
を要 します ので、単純 に比例 して減少 す るとい うこ
状況 (製 造/出 荷量、用途、地域など)を 入力することで、排
出量、環境中濃度などを推 することができる
とにはならない と思 い ます。
rt・
0
欧州のフタル酸 エステル類へ の規常J強 化に伴 つて、可塑斉J工 業会
(JPIA)で はさまざまな対応活 動を行つてきました。これまでの対応と
今後の展望をレポー トい たします。
1日
は じめ に
ここで は、 欧州 の フタレー ト規 制強化 の動 向 とそ
れに対す る可塑剤工業会
化学物質 は現代社 会 にお い て必 要不 可欠 ですが 一
`
こ うい つた状況 か ら世 界 の化学物質規制 をめ く
る
潮 流 は 2012年 の リオデ ジ ャネ イ ロで 開催 され た地
PIA)の 対応活動 の一端
をご紹介 します。
方 で その性 質 上、 人や環境 に有害影響 を及 ぼ して い
る もの もあ ります。
(」
*や や微 妙 な ニ ュ ア ンスの違 い は あ りますが、 い
ゴ“
わ↓
疑 わ しきは規制へ "の ことで、「科学的デ ー タ
が な い こ とを理 由に、法規制 の制定 を妨 げては い け
ないJと い う原則
球 サ ミッ トを契機 に 2020年 を 目標 に各 国 で それぞ
れ対応 して い ます。
2日
欧 州 の フ タ レー ト規 制 動 向
化 学 物 質 の 中 で フ タル 酸 エ ス テ ル 類 (以 下 フ タ
レー トと記 す )は DOP(以 下 DEHP[ジ _(2-エ チ
ル ヘ キ シル)フ タ レー ト]と 記 す )を 代 表例 に軟質
に基 づ くREACH規 制 と RoHS(電 気 ・電子機器 へ の
塩 ビの 可 塑剤 と して広 範 な用 途 に使 用 され て い ま
行U限 指令 )見 直 しがあ ります。
す。 フタ レー トを含有 した製 品 は 日常生 活 に多 く存
在 し (日 用 品、 壁 紙 、 電線 、 衣 料 品、バ ッグ 等 )、
(1)デ ンマークによる制 限提案
欧州ではここ数年間、主 としてデンマークによる提案
50年 以上 の使用実績があ ります。
近年 DEHPは 欧州化学物 質規制 REACH(登 録、
評価、認可、 制 限法 )で
SVHc(高 懸念化 学物 質
1)提 案概 要 :2011年
DBP、
)
DrBPの
4月 に「 DErrP、 BBP、
4覆 のァタレー トを単独 または泥合
候補物質 に指定 され、 さらに製造 ・使用 に当た って
物 として θヱ%を 超 える濃度 で含 む室内用 と を意
認可が必要 な物質 となってい ます。
図 した製 品灰 び皮膚、又 はヽ
こ膜 に直接翻 する可
能性 のある製品につレヽ
て上 所を突 とする」提案 です。
SVHC候 補 物質 は約 1500と 考 え られて い ますが
DEHPの 場合 はあ くまで動物 (ラ ッ ト)実 験結果か
この 提案 は、デ ンマー クが 過去 か ら執勘 に繰 り
ら生 殖毒性 の基 準値 を満 た したためで あ り、 ヒ トヘ
返 しているフタレー ト排除の一環 です。
の 有 害性 につ い て は必 ず しも科 学 的 (疫 学 的 )に 立
REACH(認 可 )で は規制できないフタレー トを含ん
証 されて い ませ ん③ フタレー トはヒ トヘ の生 殖毒性、
だ 製 辞1輸 入 を阻止 す る意 図が うかが えます③ こ
内分泌 か く乱性、肥 満、喘周、
、粘 尿病等 々 を示 唆す
こで は複数 のフタレー トの 同時暴 露 による複合効
る研 究発 表が後 を絶 たず、世界 中 で最 もメデ ィアに
果 (Combined elfect)と いう新 しい概念 を導入 し、
単 一物質 での暴露量ではリスクが少 ないが、混合
晒 されて い る化学物質 となってい ます。
NGOや 特定 の人々は以上の種々の文献や予防原則 *
系 ではリスク懸念あ りとしました。 しか も、特定用
を根拠 に、 各 国当局 に対 しフタ レー トの製造や使用
途 (サ ングル、消 しゴム等 )の 極端 な暴露 シナ リ
の 禁止 を含 め 非常 に厳 しい規制 強化活動 を展 開 して
オに基 づ く最悪 の ケース による過 剰 な暴露量 を根
い ます。
拠にしています。
0
2)JPIAの 対応
①
誌へ投稿
⑤ ∼⑥ については一部を除き意見書を提出して
:
ECHA(欧 州化学品庁 )の パブリックコメント
いただきました。
募集に対する意見書提出
主な論点は a)認 可 と制限の重複、b)リ スク評
価へ未確定概念 (Combined erfect)の 導入、o
3)結 果
:
極端な暴露 シナリオ、最悪ケースの加算、d)定
義や基準値等未確定な内分泌かく乱作用への言
ECHAで は世界 の利害関係者か らの意見 も参考
及、 e)軟 質塩 ビリサイクルシステムの破 綻、f)
社会経済分析 <SEAC>)で 検討 し、最 終結論
ー
は RACが 2012年 6月 15日 に、
「 功を のガ タ
にして2つ の専門委員会
代番物質の安全性等情報不足
② 在欧日系 ビジネス協議会 BCE)に 加入 し意
見書提出も含 めたロビー活動
な いため、据案 try便 は正当竹 されな い」 とした。
日本化学工業協会から、APEC(ア ジア太平
SEACは 第 2次 パ ブリックコメン ト結果 を経 て
2012年 12月 7日 に 廠 ACの 府論 を考慮 しrly限
洋経済協力会議)の 場での提言
④ 塩 ビエ業 ・環境協会 (VEC)、 日本 ビニルエ
業会 と協働 (意 見書提出)
需要家各工業会へ意見書提出依頼
⑤
スク評価 <RAC>,
は4,置 のフタレー トの様%鵜震露によるリスクを示 さ
(」
③
(リ
(日
据案 を支持する荻例を持たない」 としました。
最終的には 2014年 7月 に欧州委員会が正式に
デ ンマークか らの制限提案を拒否 したことを公表
本電線
しました。これで 」
PIAが 目指 した成果が得 られた
ことになります。ここで改めて関係各位 のご協力に
工業会等)
⑥ 海外同業業界へ意見書提出依頼
タイ、インド、ブラジル、韓国等)
(欧 、
米、
中国、
感謝 いたします。
② 海外同業者 (可 塑剤メーカーグループ)と 協働。
③
DEHP毒 性 の極差を示す試験結果
(ラ
(2)デ ンマークによるフタレー トの国内法
ットの
結果 はヒ トを含 む霊長類 と果なる内容 )を 専門
および 「フタレー ト戦略」の公表
欧州 フタレー ト規 制 動 向 とJ PIAの 対 応
可塑剤 工 業会意 見書提 出及 び
関係機 関 へ のお願 い 時期
2011
2013
b
6
中
2015
2014
2016
ヽク
RttH
2012
河
I RAC,SEACオ 否 ECHAが DKと 新
DK制 限提 案
8
RttH
認可対象物 質
>
]
11
(12
国 内法取 りT
1国 内法 成立
│
‐
全 フづ
とlヵ Ⅲ
継
白―白ョ
1111卜
│
四
│
ロ
'
フタレー ト
1llト
JBCE経 由 、経 産 省
ヨ
つ口
テ'ン マーク(DK〕
国内規制
日没 日
拒PAの 1項 目とし
幡 限提 案
8
I RoHS2発 効
│
含笥
コンサ ル (オ ーストリアUBA,ド イ
リ6koヽ 掃 墓 >パ ヴコメ主 色
〇
ヨンサル4種 のフタレー
ト
制 限物 質提案
法 慕公示見通 L
?
③ 欧州可塑剤工業会 (ECPI)と の情報の共有化
1)経 緯 : デ ンマークの環境大臣は (1)の 制限提
案 が RAC、
SEACで 拒否 され、ECHAか ら提訴
3)結 果
を含めた厳 しい警告 を無視 し、上記行J限 と同じ法
:
デ ンマ ー ク環 境省 は国内法 の施行 を当初 2013
年 12月 (一 部 2014年 12月 )と しま したが、
案 を国内法 として成立させました (2012年 11月 )③
他 にも、2012年 4月 には全 フタレー ト規 制 を目
その後 国内外 関係者 の意向もあ り施行時期 を 2年
延長 しました。ところが 本年 7月 突然本法律 を取
標 とした戦略 を公表、広 く世界 に意見募集 をしま
した。
り下げました。この理由は明確 にされていませんが、
2)JPIAの 対応
EU当 局か らの違反訴訟 (infringemet
:
proceeding)
警告 と過去 の半J例 を考慮 した もののようです。勿
論我 々 JPIAの 行動 だけの成果 ではありませんが、
① 経済産業省への支援要請
これ らの動 きに対 し、日本 の電気 ・電子 メーカー
は欧州域内へ の DEHPを 含有す る製品輸出に危機
結果 として期待 される成果 を得 ることができました。
感 を持 たれ、経 済産業省 を経 由 し 」PIAへ 相 談
が あ りました。そ こで 」PIAは 早 込 デ ンマ ー ク
(3)REACHに おける言忍可
環境省 に対 し意 見 を提 出 しました。 主 旨 は現 状
DEHP tt REACHの 認可対象物質 とな りその審
(Authonsa80n)申 請
1)経 緯 :DEHPを 含 む 4種 のフタレー トは 2011
年 2月 に認可対象物質 にな り、認可 を取得 で きな
い用途 は欧州域 内で製造 、使用が出来 な くなる日
化す る事
議 が予定 される以前 に、一加盟国が法行」
は二 重規制 であ り欧州法制化 プ ロセス上 非常 に問
ヤ
受日 (sunset date)が 2015=干 2月 21日 に決
定 されました 。現在 は 2013年 8月 認可 申請 を経
題 とす ることで した。
当時、日欧間では EPA(経 済連携協 走)の 交渉
中であり、当該テーマ も交渉項 目の一つ として欧州
て RAC、
当局へ 断回 とした対応を要求 していただきました。
BCEを 通じ欧州当局への意見書提出
② 」
●
SEACで 審査 を実施中です。
2)JPlAの 対応
」PIAは DEHPが 日本か ら直接輸 出されてい な
:
いため REACHの 査銭訳Registration)は していま
せんが、認可 されなかった場合 の国内ユーザ ーヘ
の影響 を考慮 して、
DEHPが SVHC候 補物質になっ
た時点か ら、欧州 DEHPメ ーカー との接触 を密接
にし情 報 収集 に努 めて きました。 2010年 12月
には当該欧州企業 を日本 に招 き、関係する川下 業
界 に認可 の概 要 と取得 見通 しを説 明 して い ただ
3
きました。その後 も頻繁な情報交換 を継続 し 」PIA
は 2014年 1月 には ECHAに 対 し DEHPは 認可
されるべ きであるとの意見書 を提出しました。
3)結 果
:
本年 6月 には認可 申請 をした欧州 3社 と面談 し詳
細 な進捗状況 を聴取すると共に、最終結論 を待 つ
状況 です。RAC,SEACに よる審議は遅延 していて、
日没 日までの決着 は困難な状況 ですが、ECHAと
しても最初 の経験 であ り慎重 な審査 がなされてい
ます。
なお、9月 の時点で ECHAは 概ね申請者 の用途
を受け入れ る方向で進行 して い ます (最 終結論 は
3日
ま とめ と今 後 の 展 望
欧州委員会が決定)。
PIAの 活動状況を紹介 してきまし
欧州規制に対する」
たが、①国際ネットワークの構築、②国内の関係機関や
(4)RoHS 2指 令 (電 気・電子機器 の有害物質使用規制)
業界 との連携、
③ 日本政府
見直 し
(経 済産業省)へ の支援要請、
④ 」PIAが 従来 より蓄積 してきた安全性データやリスク
評価手法の活用等により、各種パ ブリックコメント募集
1)経 緯 :2011年 RoHS指 令 は最初の見 直 しを終
えRoHS 2が 発 効 し、2回 目の 見 直 しが 2014年
への確固とした意見書提出やお客様方へ の丁寧な広報
指令 は コンサ ル タン トが細 部 を詰めて幸R告 書 を作
活動の重要性を強く感 じています。
今後世界 のフタレー ト規制 は DEHPの みならず フ
成 し、それを基 に欧州委員会が法案化 プロセスに入
タレー ト全般へ の展開が懸念 されます。特 にデ ンマー
ることにな ります③約 1年 半、 2社 の コンサ ル タ
クは目標を内分泌 か く乱物質
ン トによる検 討 結果 、本 年 6月
Oko社 か ら最終
報告書が公表 されました。これによりますと、DEHP
SVHC提 案に変えて、相変わらず執鋤な迫及 を継続 し
等 4種 のフタレー トが制限物質 となる見通 しが強 く
ています。米国でもカリフォルエア州を代表 とする州単
位のフタレー ト規制への勢いが衰えていません。TSCA
なってい ます。現在 は欧州委員会 での法制化 プ ロ
(米 国毒性化学物質法)改 正 も州法に対する連邦法優先
セス 中 で 来 年 初 期 には改 正 指 令 が 公 布 され る
(pre empjOn)が 焦点の一つになっています③
このような状況下 」
PIAの 最新の活動目標 は、東南ア
7月 を目指 し 昨年 か ら検討カウ台まりました。 この
見込みです。
(EDC)を 根拠 としての
ジアにおける同業業界に対する広報です。」PIAの 経験
2)」 PIAの 対応
をご紹介 し、今後法整備が進むアジア各国における過度
な規制を未然に防止するため、各種フォーラムでのプレ
:
RoHS l見 直 し時 と同様、主 として 」BCEと 共 同
ゼンテーション等 を実施しております。
`
今後共顧客 の皆様 には可塑剤をめくる世界 の情報を
歩調 を取 りなが らコ ンサ ル タン ト(オ ース トリア
UBA)に よる4回 にわたるインター ネ ットコンサ
適宜 ご紹介 しながら、DEHPを 主軸 とした可塑剤の安全
性に理解を深 めていただ くべ く活動 してい く所存 です。
ル テー ションに都 度意見書 を提 出 しました。主 旨
は REACHと
RoHSの 整合性、制限物質選択 の方
0
X■ SOZAr
CO五 卿
術
授
買
改
の
性
特
学
光
た
し
用
HH J
干T
を
剤
聖
可
北陛先端科学技術大学院大学 マテリアルサイエ ンス研究科教授
山口 政之
可塑剤の光学特性に及ぼす影響に着目し、新たな高分子材料の高性能
化芋法を北陸先端科学技術大学院大学マテリアルサイエンス研究科の
山口 政之教授に紹介していただきました。
1日
緒言
周知 のとお り、可塑剤の大 きな役割 は高分子材料 に
柔軟性 を付与す ると共 にガラス転移温度 を低下 し、さ
らに流 動性 を高めることである⑥また、ポリ塩化 ビニル
(PVC)の 場合 には、グル化 と呼 ばれる一 次粒子 の崩
壊現象 を促進す ることが知 られている。PVCで は一次
粒子が崩壊 した後 も結品の存在量 に可塑剤が影響 を及
山口政之氏
ぼす ことか ら、成 形加 工 性 は可塑剤 の種類 によって大
きく異 なる。すなわち、PVCと の相溶性 に優 れる可塑
剤、例 えば、相互作用 パ ラメー タが 負 になる可塑 剤 は
PVC結 晶を溶解する能力を示す。 このような可塑剤 を
添加す ると、成形加工温度城で架橋 点や分岐点 として
作用す る結品が減少するため、流 動 1生 は向上 し溶融 弾
性 は低下する。フタル酸 ジ (2エ チルヘキシル)(DOP)
の代 わ りにフタル酸 ジブチル (DBP)を 用いると押出成形
1989年
京都大学大学院工学研究禾
判多士課程修了
同年 東 ソー株式会社入社
1999年 京都大学工学博士
2000-2002年
米国 Poけ mer PrOcessing inst的 に ヘ
研究員 として派遣
2005年 東 ツー株式会社退社
同年 北陸先端科学技術大学院大学
材料科学研究科 准教授
2009年 同 マテ リアルサイエンス研究科 教授
現在に至 る
時にメル トフラクチ ャーが発生 しに くくなるが、 これも
DBPが DOPよ
りも PVC結 品の溶解能に優 れることに
100
起因している1。 これ らの現 象 は学術 的にも解 明されて
響 に着 目し高分子材料の高性能化手 法を紹介する。
屈折率制御
0
4
2日
0
6
塑剤の基本 的な性 能 とは異 な り、光学特性 に及ぼす影
0
8
成形条件が設定 されて いる。本稿 では上 記 のような可
0
2
︵
ざ︶oocS〓Eのc雨﹂
トエpヨ
お り、また、実際の成形加工 現場 でもこれ らを加味 して
PVCや ポリメタクリル酸 メチル (PMMA)な どのプ
ラスチ ックに、 コア ーシェル型のラテックス ゴムを添加
する技術は古 くか ら知 られている。 コア ーシェル型 の ゴ
01
20
1
30
ムにおける耐 衝撃特性 の発現機構 に関 しては、最近に
なって新 しい考 え方が提 案 され、む しろコアに弾性率
の高 い成分が存在 した方が良 いことが 明 らかにされて
い る 2⑥ また、このようなゴムを添加 した系 で、非品性
0
1
40
1
50
1
60
1
1
70
80
Temperature(° C)
図 ]PMMA/ラ テックスゴムブレンド系における光線透週率の
温度依存性 4)
● TCPな し、O
TCP添 加
プラスチ ックの透 明性 を維持す る方法 に関 しても、 ゴ
と、高分子鎖 の配向に追随 して低分 子可塑剤 も配向し、
ムの屈折率 を調製する技術 が既 に確 立 し市販 されてい
フィルムの複屈折 に影響 を及 ぼす。例 えば、配向 した
る。すなわち、屈折率がマ トリクスと同程度 の ゴムを添
セルロース トリアセテー ト (CTA)は 延伸方向 より垂
加することで、光散乱 は抑制され て材料 は透 明になる⑥
直方向の方が屈折率 の大 きい負 の複屈折 を示すが、こ
ところが、 これ らの系 では連続相 と分散相 の熱膨張率
れに可塑剤 で あるリン酸 トリクレジル
が異 なるため、一 般的に室温以外 の温度では屈折 率 が
す ると、TCPが
一 致 しない。換言す ると、 ゴムは熱膨張が顕著 なため
を与 える7,8。 す なわち、室温 では波体 状 態 の低 分 子
に屈折率 の温度依存性 も大 きく、高温領域 ではマ トリ
がポリマー フィルム中で配向状態を保持するのである。
クスとの屈折率差による光散乱を避けることができない③
このような状況 の中、PMMAに 可塑剤 をご く少量添
さらに、複 屈折 の値 は波長 とともに増 lJRす る逆 波長分
散性 と呼 ばれる特性 を示 す。 この逆波長分散性 は、広
加す ると、ガラス状態での線膨 張係数が ゴムとほぼ 同
帯域用 の 1/4波 長板 など高機能フィルムとしての応用
程度 になることが 明 らかになった3,4。 そのため、幅広
が期待 されてい る。
(TCP)を 添加
cTA分 子鎖 と共 に配 向し正 の複屈折
い温度領域で連続相 と分散相 の屈折率が 一致する。本
材料 は、優 れた耐衝 撃性 に加 え、幅広 い温度で透明性
を示す ことになる4。
また、添加することで高分子材料 のガ ラス状態 の弾
性率 を高める「逆可塑化剤」 とい う物質が古 くか ら知
(自
C﹁
煮︶
0マ× ︵
寸
入 り込んでその分率
由体積分率 )を 低 減する。熱
膨張 は 占有体積 ではな く自由体積 によって決定 づ け ら
れるため、逆可塑 化剤 を添加す ると、むしろ線膨張係
数 は低下す る3,5。 これ まで透 H/1プ ラスチ ックは窓枠 と
0 5
られてい る。 この逆可塑化剤 は、高分子 の 自由体積 に
なるアル ミニ ウムよ りも熱膨張が顕著 なために問題 と
なって いたが、逆 可塑化 により本課題 をある程度 解決
‐10
で きる可能性がある。なお、原理は異なるが、セルロー
500
400
ス ナ ノファイバ ーの添加 で も透明性 を維持 したまま熱
700
800
え(nm)
膨張を抑制 できることが最近報告 されている6。 これ ら
図2
の技術 と合 わせ ることで、さらに寸法安定性 に優 れた
延伸フィルムが示す複屈折の波長依存性 フ)
O CTA,● CTA/TCP(95/5)[● CTA/TCP(9① /10)
右下図は CTA(白 抜き)と TCP(黒 塗 り)の 屈折率橋円体を表す。
材料 の設計が可能 になる。
3コ
600
『
複 屈折制御
(参 考文献〉
方向に よって屈折率が異 なる性質は光学的果方性 と
│1子
1山 │コ 政之 ,Ⅲ メル トフラクチ ャー を防 ぐには ?Ⅲ ,Ⅲ レオロジーの川」
定
とコン トロール ー 問一答集 1第 4章 2節 ,技術 1青 キ田妨会 ,2010
ばれる。例 えば、一 方向に延仲 された高分子 フイル
2 Att Yamaguchilin/1echanical PrOperties and Structure of Rubber―
ムなどは光学的異方性 を示す代表的な物質 で あ り、延
Toughened lm■ liscible Blendsl in
伸方向 とそれ とは垂 直な方向で屈折率が異 なる。複屈
Ⅲ
EIIcyc10pedia of Polymeric
ア
Nanomaterials:Springer― ヽ
eriag,Berlin,2014
折 とは、 これ ら二つの届折率 の 差 として 定 義 され る。
3山 口政之 ,構 造制御 した高性能プラスチ ックの材料設計 ,工 業材料
,
61,18(2013)
複屈折 とフィル ム厚 みの積 はレター デ ー ションと呼 ば
4 S Takahashi,S Nobukawa,M Yamaguchi,」 Appl Polym Sci,
れ、その値 に応 じて偏光状態が変わる。 このレターデー
131,9332(2014)
5 A Miyagawa,S NObukawa,M Yamaguchi,日
ションおよびその波長依存性 を調整 した光学機能 フイ
,志
ルムは、位相差 フィルムと呼 ばれ、ディスプレイをはじ
本 レオロジー学会
,42,255(2014)
6 S Fujisawa,T Ikeuchi,MI Takeuchi,T Saito,A Isogal,
めとしたさまざまな分野で用 い られている。フィルムの
Biomacromolecules,13,2188(2012)
複屈折 は、高分子物質 の化学構造 によって決定 づ け ら
7 A M Mohd Edeerozey,M Tsujl,Y ShrOyama,M Yamaguchi
れる固有複屈折 と、分子鎖 の配向度 との積 によって決
8山 口政之
Macromolecules,44,3942(201勁
まる。 この際に光学的異方性 の強 い可塑剤 を添加する
,Ⅲ
低分子添加剤による複屈折制御
lⅢ
透明ポリマーの羽料
開発 と高性能化 “
,第 8章 3節 ,シ ーエムシー ,2014
0
H可 塑剤工業会通信 rDATA日 OX】 剥賢データ
可塑剤 工 業会 では、 フタル 酸 エステルが環境 に影響 を与 えてい ない ことをチ ェックするため、 1993年 以降、
毎年継続 して環境濃度調査 を行 ってい ます。平成 26(2014)年 春季 の調査結果がまとまりま したのでご紹介 し
ます。2014年 の結果は定量下限未満で した。
■フタル酸 エステル (DEHP、 DBP、
DINP)の 環境濃度調査結果
(単 位 :μ
g/L=0001mg/L)
2005!手
2006!手
2007!羊
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
20144千
春季
春季
春季
春季
春季
春季
春季
春季
春季
春季
採取場所
奥多摩湖
多摩川羽村取水口
多摩川二子橋
DEHP:02
DEHP 0 4
DEHP:03
DEHP:08
多摩川大師橋
関東 地 区
あきる野市地下水
世田谷区地下水
塁田区地下水
横浜市栄区水道水
墨田区水道水
東京湾A
DEHP10 3
東京湾B
DBP:03
琵琶湖近江大橋
0
P
H
E
D
0
P
B
D
宇治川観月橋
淀川枚方大橋
淀川伝法大橋
関 西地 区
宇治市地下水
寝屋川市地下水
大阪市天王寺区地下水
DEHP:03
大阪市西淀川区水道水
加古川市水道水
大阪湾A
DEHP:04
大阪湾B
DEHP,03
調杢委託先 [一 般財団法人 化学物質評lT研 究機構]
※―E口 はDEHP、 DBP、 DINPと もに定量限界値未満 (定 量限界値 :DEHP、 DBP=02μ g/L DINP=lμ g/L)。 ※東京湾 A:東 京湾倒音から例音崎
に向かって 35kmの 地点 東京湾 B:袖 ヶ浦市中袖地区lT壁 寄 りの地点。※大阪湾A:神 戸市ポー トアイランドの海lT寄 りの地点 大阪湾 B:泉
大汁市岸壁寄 りの地点。 ※あきる野市地下水 :2010年 に丼戸水から湧水 に変更。
東京都港区元赤坂 1-5-26束 部 ビル lF〒 1070051 TEL 03-3404-4603(代 表
ホームペ ージ httpi//wwwikasozal.grJp
●本件 に関するお問い合わせ は、可塑剤工業会 佐 田国幸 一 まで
0
)
FAX 03-3404-4604