「 転写因子NF-kBによる骨代謝調節機構 」 自見 英治郎 氏

Matsumoto Dental University
Graduate School of Oral Medicine
1780 Gobara, Hirooka, Shiojiri,
Nagano 399-0781, Japan
第 300 回松本歯科大学大学院セミナー
回松本歯科大学大学院 セミナー
日 時: 2014
20 14 年 10 月 21 日 ( 火 ) 17 時 30 分 ~ 19 時 0 0 分
場 所: 実習館 2 階 総合歯科医学研究所セミナールーム
総合歯科医学研究所 セミナールーム
演 者: 自見 英治郎 氏 ( 九州歯科大学歯学部分子情報生化学分野
・ 教授)
教授 )
タイトル
タイトル: 転写因子 NFNF - κB による骨代謝調節機構
による 骨代謝調節機構
転 写 因 子 NFNF - κ B は 、 5 つ の サ ブ ユ ニ ッ ト [ NFNF - κ B 1(p105/p50
1(p105/ p50)
p50 ) , p65(RelA)
p65 (RelA),
(RelA) , cc - Rel,
NFNF - κ B 2(p100/p52)および
2(p100/p52) および RelB]
RelB ] の ホモまたは
ホモ またはヘテロダイマー
または ヘテロダイマーで
ヘテロダイマー で 、 炎症の
炎症 の 発症や
発症 や 維持 、 免疫
などの様
生命現象を
応 答 などの
様 々 な 生命現象
を 調節する
調節 する。
する 。 NFNF - κ B の 活性化には
活性化 には、
には 、 ILIL - 1 や TNFα
TNF αなどの炎症
などの 炎症
分解を
した古典的経路
古典的経路と
性 サイトカインによる
を 伴 う p50/p65 を 介 した
古典的経路
と 、 CD40 や リンホトキ
サイトカイン による I κ B の 分解
シンβ
シンβ などのリンパ
などのリンパ器官
形成 に 関 わるサイトカイン
わるサイトカインによる
NIK( NFNF- κ B - inducing kinase)
kinase) 依
リンパ 器官 の 形成に
サイトカイン による NIK(
存的な
存的 な p100 の プロセシングによる
プロセシング による p52/RelB を 介 した非古典的経路
した 非古典的経路が
非古典的経路 が 存在する
存在 する。
する 。
つの研究
グループが
NFNFマウスが
破骨細胞の
1997 年 に 2 つの
研究 グループ
が NF
- κ B1 と NF
- κ B2 の 2 重欠損 マウス
が 破骨細胞
の存
在 しない大理石骨病
であることが 明
しない 大理石骨病 を 呈 することを報告
することを 報告 し 、 NFNF - κ B が 破骨細胞形成 に 必須 であることが明
らかとなった。
NFらかとなった
。 我 々 は 、 これまでに NF
- κ B の 選択的阻害剤 が 破骨細胞形成 を 抑制し
抑制 し 、 さら
に コラーゲン関節炎
コラーゲン 関節炎モデル
関節炎 モデルで
モデル で 骨破壊を
骨破壊 を 抑制 することを報告
することを 報告した
報告 した。
した 。
一 方 、 非 古 典 的 経 路 の NIK に 機 能 喪 失 型 変 異 を 有 す る aly/aly マ ウ ス で は 、
NFNF - κ B2(p100)の
B2(p100) の 分解 が 起 こらず、
こらず 、 破骨 細胞 数 の 減少 による骨吸
による 骨吸 収 の 低下 と 、 骨形成 の 亢
による骨量増加
められた。
これらの結果
NF進 による
骨量増加 が 認 められた
。 これらの
結果 は 、 NF
- κ B の 活性化経路 が 破骨細胞形成
だけでなく、
だけでなく 、 骨芽細胞分化や
骨芽細胞分化 や 骨形成も
骨形成 も 調節している
調節 している可能性
している 可能性を
可能性 を 示唆する
示唆 する。
する 。
そこで我
マウスを
することで非古典的経路
非古典的経路の
aly/ aly マウス
そこで
我 々 は 、 aly/aly
を 解析 することで
非古典的経路
の p100 と p52 の 量的変化
が 破骨細胞形成を
破骨細胞形成 を 調節していること
調節 していること、
していること 、 p100 および p52 が 骨誘導因子 (Bone morphogenetic
:BMP)受容体
会合することで
することで、
protein :BMP)
受容体 と 会合
することで
、 BMP 受容体の
受容体 の 発現量 を 調節し
調節 し 、 骨芽細胞分化 を
制御していることを
制御 していることを明
していることを 明 らかにした。
らかにした 。 さらに、
さらに 、 古典的経路で
古典的経路 で 重要 な p65 が C 末端側 で BMP シ
グナル伝達分子
することで、
Smad1グナル
伝達分子 Smad4 の MH1 領域 と 会合 することで
、 Smad1
- Smad4 複合体の
複合体 の DNA 結合
を 抑制し
抑制 し 、 BMP2
BMP 2 による骨芽細胞分化
による 骨芽細胞分化と
骨芽細胞分化 と 骨形成を
骨形成 を 抑制することを
抑制 することを明
することを 明 らかにした
らか にした。
にした 。
この様
NF抑制は
骨吸収の
抑制効果と
促進効果を
この
様 に NF
- κ B 経路 の 抑制
は 、 骨吸収
の 抑制効果
と 骨再生 の 促進効果
を 同時に
同時 に 発揮
できる画期的
できる 画期的 な 創薬につながる
創薬 につながる可能性
につながる 可能性が
可能性 が 考 えられる。
えられる 。
担当:
担当 : 健康増進口腔科学講座
健康増進口腔科学 講座
吉田 明弘