モデル建物法による評価方法の手引き 2014 年 7 月版 モデル建物法は,省エネ法に基づく届出にて使用する,5,000m 未満の非住宅建築物を対象とした簡易な評価 2 方法です。(独)建築研究所のウェブサイトで公開されている「モデル建物法入力支援ツール」に必要事項を入力する と,自動計算によって評価結果が得られます。なお必要事項に入力するとき,一部事前に計算が必要な設問がありま す。この計算を補助する Excel ファイル(以下「集計表」)が配布されており,こちらの入力も必要です。 1 プログラム使用の下準備 (独)建築研究所のウェブサイト(http://www.kenken.go.jp/becc/)にアクセス。 集計表をダウンロード・解凍。モデル建物法入力支援ツール(http://model.app.lowenergy.jp/) を起動。 モデル建物法入力支援ツール 集計表 1/8 基本情報の入力 2 「基本情報」タブで建物の概要を入力します。 C2 省エネルギー基準地域区分:神戸市は 6 地域 C3・C4 計算対象建物用途:事務所等~工場等の 8 分類から建物の用途を選択します。集 会所等を選択した場合は,さらに詳細な用途をアスレチック場~社寺の 12 用途から選択しま す。複数の用途がある場合は,➑を参照してください。 ! 各設問の右側にある をクリックすると,入力にあたっての注意事項が表示されます。 ! 工場用途の場合,評価が必要な項目が照明のみです。なお,省エネ基準において届出の対 象とならない室(物品,サービス等を生産するための室等)と室用途が「倉庫」及び「屋外駐車場 又は駐輪場」である室の部分の床面積の合計が,建築物の床面積の合計の 5 分の 4 以上で,か つ,これら以外の部分の床面積の合計が 300m2 未満である場合には,当該建築物全体を「工場 等」として取り扱うことができます。 外皮性能の評価 3 1.平均熱貫流率の算出 表:外皮1(外壁・屋根・外気に接する床の面積及び平均熱貫流率の算出) ① ② ③ ④ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ 種類 (方位) 外皮名称 面積 断熱材種類 (大分類) 断熱材種類 (小分類) 熱伝導率 厚み 熱貫流率 備考 [W/(m・K)] [mm] (入力) (入力) (選択) (選択) (自動) (入力) [W/(m2・K)] (自動) 吹付け硬質ウレタ ンフォーム 吹付け硬質ウレタ ンフォーム 吹付け硬質ウレタン フォームA種1 吹付け硬質ウレタン フォームA種1 [㎡] OW-1 200.00 OW-2 150.00 0.034 20 0.930 0.034 10 1.447 ⑬ 平均熱貫流率 1.152 外壁 (北) ⑨合計面積(PAL6) 350.00 m2 W/(m2・K) 集計表を用いて「外皮①」シートで断熱仕様ごとに,方位別の外壁面積,屋根面積,外気に接 する床の面積を集計します。 ここで入力する面積には窓の面積を含みません。 従前のポイント法とは異なり,非空調室の外皮面積を含めます。 2/8 屋根面積では,搭屋部分の床面積を含み,屋根一般部の断熱仕様と同一のものとして扱う ことができます。 ALC パネルによる外壁や④断熱材種類に記載のない断熱材を使用する場合は,当該外壁 の構成に基づき熱貫流率を算出して,⑦熱貫流率に直接入力しても構いません。 断熱材が設置されない場合は,外壁面なら 2.63,屋根面なら 1.53,外気に接する床面な ら 2.67 を⑦熱貫流率に入力してください。 ⑦熱貫流率欄にはロックがかけられているので,手入力が必要な場合はパスワード「kenken」 を使用して解除してください。 2.平均日射熱取得率の算出 表:外皮 2(窓等の面積及び平均熱貫流率,平均日射熱取得率の算出) ① ② ③ ④ ⑤ ⑤ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ 種類 (方位) 窓名称 面積 面数 ガラス種類 (大分類) ガラス種類 (小分類) ブラインド の有無 熱貫流率 日射熱取得率 日除け 効果係数 備考 (選択) (選択) (選択) 日除け効果込みの 日射熱取得率 [-] ⑦×⑧ (自動) 複層(空気層 6mm) 透明+透明 有 (入力) AW-1 [㎡/面] [面] (入力) (入力) 15.00 6 [W/(m2・K)] [-] [-] (自動) (自動) (入力) 2.67 0.443 1.00 0.443 外壁面 (北) ⑪合計面積(PAL15) 90.00 m2 ⑭ 平均熱貫流率 2.67 W/(m2・K) ⑰ 平均日射熱取得率 0.443 - 「外皮②」シートでは開口部の仕様ごとに,方位別の窓面積,屋根面の窓面積を集計します。 ガラスの厚みは指定することができません。 ⑧日除け効果係数:日除けがない,または日除けを評価しない場合は「1.0」としてください。 当該欄に数値を入力しないと,⑨日除け効果込みの日射熱取得率が正しく計算されないの で,必ず入力するようにしてください。日除けがある場合は,(一財)建築環境・省エネルギ ー機構が刊行している「改訂 拡張デグリーデー表」に収録されている日除け効果係数チャート より数値を読み取ってください。 外皮面積と同様に,非空調室の窓面積も含めます。 3.外皮性能の入力 「外皮」タブで「建物形状」「外壁性能」「窓性能」を入力します。「外壁性能」「窓性能」は,集計表 で算出された数値(PAL6~PAL23)を転記してください。 3/8 4 空気調和設備等の評価 空調,換気,照明,給湯,昇降機(以下「空気調和設備等」)の評価を行います。まずは集 計表の「空調①」「空調②」「換気」「照明」「給湯」シートに空気調和設備等の仕様を入力します。 「空調[AC]」「換気[V]」「照明[L]」「給湯[HW]」「昇降機[EV]」タブでそれぞれの 仕様を入力します。ただし以下の数値については,集計表からの転記が必要です。 空調[AC] AC4 冷房平均 COP,AC7 暖房平均 COP,AC8 全熱交換器の有無,AC9 予熱時外気取り入れ停止の有無 ※ AC8,AC9 については熱交換効率やバイパス制御の有無,予熱時外気取 入れ停止の有無について該当する機器の取入外気量の何%を占めているかを確 認して,入力してください。 換気[V] V4 全圧損失 照明[L] L3 単位床面積当たりの消費電力,制御方式(L4~L9) 給湯[HW] HW3 熱源効率 ! 該当する設備がない場合はそれぞれ「評価しない」を選択します。 ! 換気,照明,給湯については,評価する室用途ごとに集計表を作成する必要があります。 1.空調[AC] AC3,AC6 熱源効率(冷房・暖房)の入力方法:導入される機器の仕様が未定である場 合など,熱源効率が不明である場合は「指定しない」を選択します。 2.換気[V] 機械室,便所,駐車場,厨房に設置されたものの評価が必要です。該当する室用途がない 場合,もしくは該当する室用途に換気設備がない場合は「V1 機械換気設備の有無」を「無」 としてください。 V3 電動機出力の入力方法:機械換気設備の仕様が未定である場合など,電動機出力が 不明である場合は「指定しない」を選択します。 3.照明[L] 用途ごとに定められた主たる室用途の室に設置されたものの評価が必要です(詳細は次表)。 該当する室用途がない場合,もしくは該当する室用途に照明設備がない場合は「L1 照明設 備の有無」を「無」としてください。 4/8 表:評価の対象とする室用途(照明設備) 用途 評価が必要な室用途 事務所等 事務室 ホテル等 客室,ロビー,レストラン 病院等 病室,診察室,待合室 物販店舗等 売り場 学校等 教室,研究室・事務室 飲食店等 客席 集会所等 主たる室 工場等 倉庫,屋外駐車場又は駐輪場 L2 照明器具の消費電力の入力方法:照明設備の仕様が未定である場合など,消費電力 が不明である場合は「指定しない」を選択します。 4.給湯[HW] 洗面所・手洗い,浴室(ホテル等,病院等のみ),厨房に設置されたものの評価が必要で す。該当する室用途がない場合,もしくは該当する室用途に給湯設備がない場合は「HW1 給湯設備の有無」を「無」としてください。 5 評価の再計算 基本情報から外皮,空気調和設備等の必要事項の入力が完了したら,「再計算」を行ってくださ い。BPIm が外皮性能の評価結果,BEIm が空気調和設備等の評価結果です。それぞれ 1.0 以 下の数値で基準に適合となります。 5/8 6 届出書類の作成 「様式出力」ボタンから計算結果を PDF 形式で出力できます。届出ではこの計算結果に加え,以 下の書類を添付してください。 届出書(第 1 面~第 3 面) 委任状(代理者による届出の場合) 平面図,断面図:断熱材の種別,位置を図示してください。外気に接する床がある場合は, その部位を図示してください。 立面図:外皮・窓の仕様ごとに,面積を示したうえマッピングしてください。 設備に係わる省エネ評価を行った根拠図面(系統図・平面図),仕様書・機器表等の資料 集計表 ! 第 3 面 5 欄の記入例(H26.4.1 版を使用) 【5.建築物全体に係る事項】 (1) 外壁、窓等を通しての熱の損失の防止のための措置 1) 一戸建ての住宅 ~中略~ 2) 住宅以外の用途に供する建築物 □年間熱負荷係数( モデル建物法による場合,「特別な調 査又は研究の結果に基づく計算方法及 び計算結果」にチェック。括弧内にモデル 建物法を利用した旨を記入,BPIm・ BEIm の値を転記してください。 MJ/(㎡・年))(基準値 MJ/(㎡・年)) ■特別な調査又は研究の結果に基づく計算方法及び計算結果 ( BPIm:0.78 ) □基準対象外 (2) 空気調和設備等に係るエネルギーの効率的利用のための措置 1) 一次エネルギー消費量 □基準一次エネルギー消費量( GJ/年) 設計一次エネルギー消費量( GJ/年) ■特別な調査又は研究の結果に基づく計算方法及び計算結果 ( BEIm:0.84 ) 6/8 7 評価結果の保存 「中断」ボタンから入力状態を XML ファイルで保存することができます。逆に「再開」ボタンから XML フ ァイルをアップロードすることで,入力状態を復元することができます。 8 複数用途建築物の評価方法 複数の用途がある建築物では,用途ごとに外皮性能および空気調和設備等の評価が必要です。 「基本情報」タブの「C5 計算対象面積」に当該用途の面積,当該用途における外皮性能と空気 調和設備等の必要事項を入力します。そして「中断」ボタンで入力内容を XML ファイルで保存できま すので,これを用途ごとに作成します。 用途別に作成した XML ファイルを「複数用途集計」ボタンから一括でアップロードすることで,建物全 体の評価を得ることができます。 7/8 問い合わせ先 評価基準・Web プログラムについて 省エネ対策サポートセンター: 0120-882-177,[email protected] 届出に関して 神戸市住宅都市局建築指導部建築安全課 設備関係:設備担当(078-322-5649) 建築(PAL*)関係:建築環境担当(078-322-5619) 8/8
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