土 の 保 水 性 試 験

DOBOKUKANRI
土
の
保
水
性
地盤工学会規格 JGS 0151-2009、日本土壌肥料学会監修
SOGO
試
SHIKENJYO
験
土壌標準分析・測定法
土の保水性:土壌は、種々の大きさの孔隙からできているので、土壌の中の移動可能な水(自由水)は、種々の潜
在的エネルギー状態、すなわち、ポテンシャル・エネルギーで土壌に保持されています。この土壌の水分特性を求めるの
が保水性試験です。
土壌の水を保持するメカニズムとして毛管力があり、毛管力によって水は上昇し、重力と釣り合います。試料を自由水
面から水理的に連続性を与え、h の高さにおくと、試料中の土壌水は、重力のエネルギーによって吸引される。この吸
引力より低い毛管ポテンシャルの土壌水は、試料外へ流出し平衡が得られる。この種々のポテンシャル値における土壌
の保持水分量を、ポテンシャルの低い方から高い方へ測定し、それによって描かれる水分量の曲線(pF 水分曲線)から、
対象土壌の保水機能の特徴を明らかにするものです。
試料
重力ポテンシャル
毛管ポテンシャル
Z=ρgh erg/g
φ=-ρgh erg/g
φ:毛管ポテンシャル
100cm
とすると
pF=2.0
ρ:水の密度
g:重力の加速度
h:自由水から試料中央までの高さ
Z:重力ポテンシャル
h
平成 26 年 10 月 10 日
畑地土壌 保水性試験業務
土木
太郎
砂柱法による pF 測定の原理
保水性におけるポテンシャルの表し方
pF:水柱の高さ(H2O cm)に換算し、これを対数で表す
例えば、水柱 100cm の場合
pF=log10100=2.0
kPa:水柱の高さに相当する土中水のポテンシャル値(-ψ)
で表す
-ψ=10 pF×0.098 (kPa)
土の保水性試験報告用紙 →
「水分特性曲線」は、「pF 水分曲線」とも呼びます
株式
会社
土木管理総合試験所
DOBOKUKANRI
保
水
性
試
験
の
活
SOGO
SHIKENJYO
用
1.有効水分量による植栽地土壌の改良(pF1.8、3.0)
植栽地の客土の有効水分を調査し、保水性(有効水分)が不足している場合は、堆肥、ピートモス、パーライト等で改良
します。
有効水分:植物が土壌から吸収できる水分量の目安である。pF 1.8 のときの体積含水率と pF 3.0 のときの体積含水率
の差から求めます。
有効水分 = pF1.8 水分量(体積含水率%) - pF3.0 水分量(体積含水率%)
pF1.8 水分量:24 時間容水量あるいはほ場容水量とも呼び、飽和したのちに重力により余分な水が流去
した後の水分量である
pF3.0 水分量:成長阻害水分点と呼ぶ
土壌水の分類と測定法
0
pF
1.8 2.0
1.0
自
(出典:土壌標準分析・測定法)
2.7
3.0
3.8 4.0 4.2 4.5
由
水
土壌水の分類
重
力
水
懸
垂
5 6 7
吸湿水
(結合水)
水
正常生育有効水分
作物の水分吸収
からみた分類
全有効水分
重 力 流 去 水
易効性有効水分
土壌孔げきの 3.0
0.3
平均直径(mm)
非毛管孔げき
最大容水量
水分恒数
測
定
0.03
ほ場容水量
非有効水分
難効性有効水分
0.003
生長阻害
水分点
初期
永久
萎凋点 萎凋点
土(砂)柱法
吸 引 法
法
加 圧 板 法
加圧膜法
遠 心 法
2.畑地灌漑量の検討
畑から各深度の試料を乱さずに採取し、pF 水分曲線を求め、別に調査する耕作中の土壌水分変化、pF 値及び作物生
育等との関係から必要な灌漑水量を検討します。
3.雨水の浸透流解析
不飽和透水係数を直接計測することが困難なため、飽和透水係数と pF 水分曲線から推定します。pF 水分曲線を van
Genuchten(バンギノヒテン)の式に当てはめ、これから不飽和透水係数の推定式を作成します。
保
水
性
試
験
装
置
調査目的により測定ポテンシャルを決め、そのポテンシャルに応じた装置を使用します。当社では、砂柱法、加圧板法、
遠心法で試験を行います。
砂柱法
株式会社
加圧板法
遠心法
土木管理総合試験所
お問い合わせ先:環境部
〒388-8006 長野市篠ノ井御幣川 877-1 TEL 026-462-0414 FAX 026-293-4222
HP http://www.dksiken.co.jp
E-mail [email protected]