特養における機能訓練の あるべき姿とは?

特養における機能訓練の
特養における
機能訓練の
あるべき姿とは?
~取り組みからみえてきたもの~
特別養護老人ホーム
白梅荘
一川大輔
川大輔
施設紹介
社会福祉法人白梅福祉会
従来型特養
白梅荘
定員80名
ユニット型特養
白梅の杜
定員40名
併設事業
通所介護/訪問介護/居宅介護事業所など展開
〈 はじめに 〉
特別養護老人ホーム(以下特養)における個別機能
訓練について 当施設では 数年前より作業療法士
訓練について、当施設では、数年前より作業療法士
(以下OT)1名が専属配置された。
配属後の取り組みについて、以前の訓練内容とと
もに振り返り、検証を行った。
以下に報告する当施設での機能訓練の取り組みか
らみえてきた、求められる機能訓練のあるべき姿
(役割)について、得られたものをここに報告する。
< 以前の取り組み >
〈機能訓練室
機能訓練室内
内〉
平行棒内歩行訓練/マッサージ/滑車運動/タオル
平行棒内歩行訓練/マッサ
ジ/滑車運動/タオル
たたみ/ホットパックなど。
〈居室
居室内
内〉
ベッドサイドマッサージ(1回/週。介護職と共に)
【考察ポイント
考察ポイント】
】
・生活環境への介入はゼロ・生活行為にも不十分。
生活環境
介入は
生活行為にも不十分。
・殆どの方が維持期。上記取り組みでは効果は乏しい。
< 新たな取り組み >
【
【公民館(訓練室)内
館(訓練室)内
内活動】
「コミュニティスペ ス」
「コミュニティスペース」
居室や食堂以外に寄りあえる場所として
×
【公民館(訓練室)外
外活動】
個別的な生活行為への支援
公民館内活動「機能訓練室=?」
「訓練室」=
「訓練所」であった。
訓練所」であった。
「訓練室」⇒
「しらうめ公民館
公民館」へ
(寄り合い所)
テレビだけ見に来たり、お茶だけ飲みにきたり…。
テレビだけ見に来たり
お茶だけ飲みにきたり
用途は様々、来たい人が自然と集まるそんな場所。
新聞の発行
新聞
発
公民館活動やお知らせなどを紹介
公民館外活動「姿勢ケアの推進
公民館外活動「
姿勢ケアの推進」
」
CaseA
Case
A
介入前:調整されず、または調整不可な車椅子使用。
介入後:
脊柱や骨盤にあわせ調整、サポートを!
腕の重み
CaseB
Case
B
を軽減
他施設入所時、リクライニング式車椅子使用。
褥瘡(+) 原因追求し 改善みられたケ ス
褥瘡(+)。原因追求し、改善みられたケース。
介入前
後
②排泄ケア
オムツ((パッド)
オムツ
パッド)の変更/
の変更/P
Pトイレ誘導
①座位環境
調整機能付き車椅子へ
姿勢ケア 車椅子編
シーティングリーダー(以下SL
シーティングリーダー(以下
SL)導入
)導入
共に改善を図っていくうえで、介護係での核となるメ
共に改善を図っていくうえで
介護係での核となるメ
ンバーを育成。SLを中心に不良姿勢への気づきや介
入を展開。
大事なこと!
大事
なこと!
・今あるハード(道具や環境)を最大源に活かす!
・状態変化に合わせて支援!
状態変化に合わせて支援!
・個々にあわせた選定!
ベッドポジショニング
〈以前の状況
以前の状況〉
〉
何とかしてあげた
いその思いがみら
そ
が
れるものの...。
まずは、重度な利用者を中心に、ベッド上での安楽
姿勢の確保を目的に、ポジショニング用のピローを
ポジ
グ
導入。同時にポジショニングボードを介護職と共に
作成、ケアの統一を図る。
〈具体的内容〉
具体的内容〉
・ポジショニングボード(次スライド)
ポジシ ニングボ ド(次スライド)
・ポジショニングピローの整理/選定/導入
ポジショニングピロ の整理/選定/導入
・スキルアップ(セミナー/実践の中で)
・マットレスの見直し
・カンファレンス
カ
看取り期における積極的なポジショニング介入
ケースC
ケース
C
ポジショニング後⇒SPO2:介入後3~5%↑
短期集中リハ
ケースD
ケース
ケ
D
病院退院にあたり、当施設ショートステイ利用と
なった利用者に対し 病院OTと共に自宅訪問を実
なった利用者に対し、病院OTと共に自宅訪問を実
施。環境調整や動作確認行う。
その後、施設にて必要な動作を介護職と協同で短期
集中的に実施。在宅復帰へつなげる。※階段昇降の
動作がポイントに!
がポ
【シームレスサポート】
他事業所のリハ専門職や他職種との連携も不可欠。
他事業所のリハ専門職や他職種との連携も不可欠
福祉用具/自助具①
利用者E
利用者
Eさん(関節
関節リウマチ
リウマチ))
髪を整えたいが、手が届かずいつもし
てもらっていた。自分でしたいと 。
てもらっていた。自分でしたいと…。
⇒可動域制限が一番の原因
可動域制限が 番の原因
代替手段として、自助具の提案行う。
歩行器につけ いつも持ち歩いてます
歩行器につけ、いつも持ち歩いてます。
福祉用具/自助具②
利用者F
利用者
Fさん(
さん(頚椎症による麻痺
頚椎症による麻痺))
字が書きたいが、鉛筆を握れず困難。
→手指の随意性低下・手指関節の変形
手指の随意性低下 手指関節の変形
鉛筆を握る三面把握困難。筆圧不十分。
触覚・振動覚ともに鈍麻。
⇒グリップによる筆圧確保と感覚鈍麻
に対しては、視覚的にみて代償する方
法を選択。年賀状見事完成!
維持期における
福祉用具/
福祉用具
/自助具の有効性
整容動作や書字動作以外にも、維持期の状
態の方が多い特養において、それらを補う
ことができる
福祉用具や自助具の選定や調整は、非常に
重要なも
重要なものであると改めて実感。
あると改め 実感
心身状態や生活機能の適切な評価と福祉用
具の適切な選定や調整(メリット・デメリッ
ト等)を行えることは必要な部分。
ト等)を行えることは必要な部分
地域リビング活動
動
地域との互いに
支えあう関係。
取り組みからみえてきた
機能訓練員の姿(役割)...
・生活の場で機能訓練は、障害にさえなりうる。
・姿勢ケアへの積極的関わり。(福祉用具含む)
・集団活動と個別活動どっちも重要。
・仲間をどうつくり、巻き込むか!
・自分が何者かをしってもらう
(訓練員とは?OTとは?)
・ニーズは本当に多種多様。すべきことは、尽きない。
・機能訓練員に携わる職種は様々。一定の水準を保つ具体的取
り組みの指標が必要。その上で各職種の強みを活かした介入
が大事!
<今後の課題>
●排泄ケ
●排泄ケアへの取り組み(
●排泄ケアへの取り組み
取り組み(全体的
取り組み(
全体的/
/個別的
個別的))
●事業所を超えた関わり((互いを知り・学ぶ
●事業所を超えた関わり
互いを知り・学ぶ))
●人材育成
●人材
育成((若い職場だからこそ
若い職場だからこそ))
●後輩育成(OT
●後輩育成
(OT学生
学生))
●地域への貢献
●地域
への貢献((継続
継続))
事業所をこえた集まり「+
「+ONE
ONE」」
(一人一人の一歩が大きな一歩に...)