ニプロ社製NCV-2使用による 大量透析液流量時のオンライン HDF治療効果 援腎会すずきクリニック ○入谷麻祐子、伊東 健、澤本奈々重、二階堂三樹夫、 鈴木翔太、鈴木一裕 【目的】 • 透析液流量(QD)を増加することは、小分子量物質の除去効 率を高める。しかし、QDを意図的に増減させた報告はみられ ない。 • 血流量(QB)とQDの比率は1:2程度が効率的だと言われて おり、高血流治療においてもQDを増加することは一定の効果 があると思われる。 • オンラインHDF療法では、総透析液流量(tQD)の一部を補液 として使用するため、QDを増加することでより効果的に小分 子量物質を除去できると考え、ニプロ社製透析用監視装置 NCV-2を使用し、高血流での大量透析液流量時の溶質除去 動態を検討した。 第29回ハイパフォーマンスメンブレン研究会 【方法】前希釈on-lineHDF ※ニプロ社製マキシフラックスMFX-21Seco QS=200mL/min、5時間透析 血流量(QB) [mL/min] 条件① 条件② 600 250 800 血流量(QB) [mL/min] 条件③ 条件④ 透析液流量(QD) [mL/min] 透析液流量(QD) [mL/min] 600 400 800 評価項目:UN、Cre、iP、β2-MG、α1-MGの除去率 UN、Cre、iP、β2-MG、α1-MGの除去量 Albの漏出量を1時間毎に測定 第29回ハイパフォーマンスメンブレン研究会 【対象】 平成25年10月現在 対象患者(6名) 年齢 62.3±8.2歳 透析歴 57ヶ月±9ヶ月 DW 69.3±7.0kg 透析時間 5時間 血流 383.3±28.0mL/min Kt/V 2.24±0.28 第29回ハイパフォーマンスメンブレン研究会 【結果】除去率 QB=250 100% n=6 100% 90% 90% tQD600 80% 70% 70% 60% 60% 50% 50% ※ 30% 20% 20% 10% 10% 0% 0% クレアチニン 無機リン β2-MG α1-MG tQD600 tQD800 ※ :p<0.05 ※※ :p<0.01 ※※※:p<0.001 40% 30% 尿素 QB=400 ※ tQD800 80% 40% ※ n=6 尿素 クレアチニン 無機リン β2-MG α1-MG 第29回ハイパフォーマンスメンブレン研究会 【結果】アルブミン漏出量 6.0 QB=250 n=6 QB=400 tQD600 5.0 4.0 3.0 2.0 2.1±0.5g 1.0 1.4±0.4g 1.9±0.3g 1.8±0.2g 0.0 アルブミン アルブミン 第29回ハイパフォーマンスメンブレン研究会 tQD800 【結果】除去量の経時変化率(小分子) QB=250 n=6 1.5 tQD600 QB=400 1.5 tQD600 tQD800 1.0 1.0 0.5 0.5 0.0 UN 1hr 0.0 2hr 3hr 4hr tQD800 UN 1hr 5hr 1.5 n=6 2hr 3hr 4hr 5hr 1.5 tQD600 tQD800 tQD600 1.0 1.0 0.5 0.5 Cre 0.0 1hr 2hr 3hr 4hr 5hr 0.0 tQD800 Cre 1hr 第29回ハイパフォーマンスメンブレン研究会 2hr 3hr 4hr 5hr 【結果】除去量の経時変化率(低分子蛋白) QB=250 1.5 tQD600 n=6 QB=400 1.5 tQD600 tQD800 1.0 1.0 0.5 0.5 0.0 α1-MG 1hr 2hr 0.0 3hr 4hr 5hr 1.5 tQD800 α1-MG 1hr 2hr 3hr 4hr 5hr 1.5 tQD600 tQD800 tQD600 1.0 1.0 0.5 0.5 0.0 n=6 Alb 1hr tQD800 Alb 2hr 3hr 4hr 5hr 0.0 1hr 第29回ハイパフォーマンスメンブレン研究会 2hr 3hr 4hr 5hr 【結果】除去量の経時変化率(リン) QB=250 1.2 n=6 QB=400 1.2 tQD600 tQD600 tQD800 tQD800 1.0 1.0 0.8 0.8 0.6 0.6 0.4 0.4 0.2 0.2 0.0 iP 1hr 0.0 2hr 3hr 4hr 5hr n=6 iP 1hr 第29回ハイパフォーマンスメンブレン研究会 2hr 3hr 4hr 5hr 【結果】iPのクリアスペースと除去率の関係 tQD600 tQD800 n=12 n=18(QB=300の追加データ含む) 75% 75% 70% 70% 除 去 65% 率 60% 除 去 率 55% y = -0.0079x + 0.7864 R² = 0.4609 65% 60% 55% 50% y = -0.0007x + 0.6227 R² = 0.0027 45% 50% 45% 40% 10 20 30 40 クリアスペース [L] 50 40% 10 第29回ハイパフォーマンスメンブレン研究会 20 30 40 クリアスペース [L] 50 【考察】 • オンラインHDFにおいて、QBに関係なくQDを増加させるとUN、Creの小 分子除去率は上昇したが、QB=400mL/minにおいては有意差をもって除 去率が上昇し、QD増加時にはQBも増加させる事が有用であると考えら れた。 • それぞれの条件で、アルブミン漏出量に差は無く、QB=400mL/min、 QD=800mL/minの条件でも1.9g程度と低値であった。 • 小分子からアルブミンまで(UN、Cre、α1-MG、Alb)の除去量の経時的変 化は、透析液流量を増加させても変わらなかった。 • しかし、iPの除去動態については、これまでの報告と同様に、透析液流量 を増加させると除去率は減少傾向になった。 • iPのクリアスペースと除去率の関係では、tQD=800mL/minにて負の相関 が見られた。これは、tQD=800mL/minの方がtQD=600mL/minよりも透析 開始直後の除去量が増加することによると考えられた。 第29回ハイパフォーマンスメンブレン研究会 【結語】 • 限られた透析時間の間に透析効率を向上させ るために、透析液流量の増加とそれに見合う 高血流で透析を行うことが望ましい。 • オンラインHDFにおいても、透析液流量の増 加と高血流はより効果的となる。 第29回ハイパフォーマンスメンブレン研究会 ハイパフォーマンス・メンブレン研究会 CO I 開示 筆頭発表者名: 入谷 麻祐子 演題発表に関連し、開示すべきCO I 関係にある企業などとして、 ①顧問: ②株保有・利益: ③特許使用料: ④講演料: ⑤原稿料: ⑥受託研究・共同研究費: ⑦奨学寄付金: ⑧寄附講座所属: ⑨贈答品などの報酬: なし なし なし なし なし ニプロ株式会社 なし なし なし 第29回ハイパフォーマンスメンブレン研究会
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